【小説】天仕の少女と魔人の少年の物語 前編 第一話 襲撃
【あらすじ】
『天仕の少女と魔人の少年の物語(天女と魔年)』
種族:天仕である少女は、他の天仕の襲撃を受け、種族:魔人の住む地に墜落する。彼女は、魔人の少年に命を救われるが、対価として要求されたのは、彼女の血を定期的に摂取させることだった。
彼女は家族の元に帰る目的、彼は自分の病を治す目的で、協力関係を結ぶ。
『天仕の少年と人間の少女の物語(天年と人女)』
学び舎である院の最終学年で転入してきた少年アルフォンス。彼は、院の救護室で、虚弱体質の少女フェリシアに会う。フェリシアの虚弱を治すため、アルフォンスはその治療に協力することとなる。その治療方法が口移しで薬を与えるというもの。協力関係はその内、恋愛関係に色を変える。
『天女と魔年』、『天年と人女』は、対になるお話です。
第一話 襲撃
あぁ、失敗した。
私は痛む身体を動かせず、木の根元に横たわっている。
狩りに出たところを他の天仕に襲撃された。
私には人間の血が流れている。
血統を重んじる天仕の中で私は生きにくい。事あるごとに嫌がらせのようなことをされている。弟よりも私を狙ってくるのは、単に性別の違いによるものだろう。
女だから侮られている。純血統種でないから弱いと思われている。それだけ。
でもどうしよう。まったく身体が動きそうもない。
持ってきた回復薬も取り上げられてしまった。
身体はしばらく休めば回復すると思う。でも、血を流してしまったから、血の匂いに引き寄せられて魔獣が来なければいいのだけれど。
そんなことをつらつらと考えていると、頭の側から影が落ちた。
「怪我をしているのか?そなた。」
自分の目に上下逆に人の顔が映る。
金色の前髪の間から赤い瞳が覗いている。
自分の弟と同じくらいの年かさの少年だった。
「水を飲むか?」
彼は自分の腰につるしてある水筒の蓋を取って、口を私の方に向けた。
私は軽く頷いて、水筒に口を付けた。
彼が水筒本体を傾けて、私が水を飲むのを補助してくれた。
「ここは?」
「ユグレイティの地。」
名前からすると魔人が住む地のようだ。たしか、人間の住む地をめざして飛んできたはずなのに。襲撃された時に誘導されたのだろうか。
「水をくれてありがとう。」
「傷がひどいから、まだ起き上がらない方がいい。そなたは・・。」
彼は私の背中で押しつぶされている白い羽を見て、少し口ごもった。
「そう。私は天仕。」
「血も出ているし、この地では天仕はごちそうだ。どこか休めるところに移動した方がいいだろう。」
彼は私の身体を横抱きに抱え上げた。
「ちょ、ちょっと。」
私よりも年下のように見えるのに、軽々と抱き上げられて、私はあわてて降りようと身体をひねる。
「暴れるな。傷が余計開く。」
彼はそんな私に向かって淡々と告げる。
「でも・・。」
彼は私の顔に自分の顔を近づけて、彼は口の中で何かを呟いた。赤い瞳が近づく。思わず吸い寄せられるようにその瞳を見つめた。
すると、急激に眠気に襲われる。瞼を開けていられなくなる。
「しばらく寝ていてくれ。」
彼の言葉を最後に私の意識は途切れた。
第三話 味見
第四話 効果
第五話 回復
第六話 訪問
第七話 装い
第八話 謁見
第九話 継承
第十話 制御
第十一話 説明
第十二話 質問
第十三話 褒美
第十四話 我儘
第十五話 日常
第十六話 迎え
第十七話 苦痛
第十八話 必要
第十九話 姉弟
第二十話 別れ
閑話 依存
天仕の少年と人間の少女の物語 前編
第一話 出会い
第二話 診察
第三話 救護室
第四話 研究室
第五話 天仕の存在
第六話 放課後
第七話 女性医師
第八話 返礼
第九話 力の行使
第十話 夢の中
第十一話 命の分与
第十二話 治療方法
第十三話 逢瀬
第十四話 曖昧な告白
第十五話 治療初回
第十六話 転移陣
第十七話 音響室
天仕の少女と魔人の少年の物語 後編
第一話 思い
第二話 帰還
第三話 満月
第四話 請願
第五話 感覚
第六話 微睡
第七話 望み
第八話 求婚1
第九話 求婚2
第十話 初朝
第十一話 営み
第十二話 双子
第十三話 齟齬
第十四話 二人
第十五話 逃亡
第十六話 転移
第十七話 襲来
第十八話 魔王
第十九話 純血
第二十話 報復
第二十一話 別離
第二十二話 同化
天仕の少年と人間の少女の物語 後編
第一話 残された剣
第二話 最後の治療
第三話 婚姻式
第四話 赤い瞳の子
第五話 多幸感
第六話 お絵描き
第七話 脅威
第八話 血統
第九話 白い翼
第十話 加勢
第十一話 相談
第十二話 改竄
第十三話 不成立な笑顔
第十四話 初顔合わせ
第十五話 再発
第十六話 唯一の再会1
第十七話 唯一の再会2
第十八話 手紙
天仕の少女と魔人の少年の物語
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