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転職・残る・副業で迷ったとき|答えを出す前に分けたい「事実・不安・条件」



人生の正解ではなく、判断材料を3つの箱に戻す

転職・残る・副業で迷ったら、答えより先に「判断材料」を分けてみる

「このまま会社に残っていいのだろうか」

「転職したほうがいいのでは」

「今からでも副業を始めたほうがいいのかもしれない」

40〜50代になると、これからの働き方を考えるときに、仕事だけではなく、収入、家族との時間、これまで積み重ねてきたキャリア、今後の生活など、いくつものことが同時に頭に浮かびます。

だからこそ、「転職・残る・副業」の三択だけを並べても、簡単には答えが出ません。

たとえば、

「転職すると年収が100万円下がるかもしれない」

と考えているとします。

でも、これは実際に求人を確認して分かった事実でしょうか。

それとも、まだ確認していない不安・想像でしょうか。

そして、それとは別に、

「生活のために最低でも年収500万円は必要」

という譲れない条件があるかもしれません。

この3つが一緒になったままでは、選択肢を比べても整理しにくくなります。

そこでこの記事では、転職するかどうかを決める前に、判断材料を

「事実/不安・想像/譲れない条件」

の3つの箱に分けます。

読み終えたときに人生の答えまで出ていなくても構いません。

「今の自分は、次に何を1つ確認すればいいのか」

そこが見えれば、次の判断につながります。

なお、「そもそも、なぜ会社を辞めたいのか自分でもうまく説明できない」という段階なら、こちらの記事では仕事の負担を「人間関係・業務量・評価・将来・生活条件」の5つに分けて整理しています。

会社を辞めたいけど理由がうまく言えない40代へ|「仕事がつらい」を5つに分けて整理する

まずは、なぜ転職・残る・副業を考えるほど迷いが大きくなるのか、その中で混ざりやすいものから見ていきます。

迷いが大きくなるのは、「違う種類の材料」を一緒に考えているから

架空の46歳会社員が、こんなことを同時に考えているとします。

「今の会社の将来が不安」

「転職して収入が下がったら困る」

「副業も始めたほうがいい気がする」

「でも、家族との時間は減らしたくない」

どれも「これからの働き方」に関係する悩みです。

ただ、よく見ると同じ種類の話ではありません。

1.事実と不安が混ざる

たとえば、

「40代だから転職できない」

と考えていたとします。

「40代である」ことは確認できる事実です。

一方で、

「だから転職できない」

まで事実とは限りません。

求人の条件を確認したのか。
応募したのか。
自分の経験に合う仕事があるのか。

まだ確認していないのであれば、「転職できない」は現時点では予測として分けておきます。

2.不安と条件が混ざる

「転職して収入が下がるのが怖い」

という気持ちと、

「家計を維持するには最低でも年収500万円必要」

という話も別です。

前者は不安。

後者は生活を考えるうえでの条件です。

不安を無理になくす必要はありません。

ただ、「怖い」と「実際に必要な金額」を分けると、次に何を確認すればいいのかが見えやすくなります。

3.条件と選択肢が混ざる

もう一つ混ざりやすいのが、

「家族との時間を増やしたい。だから転職するしかない」

という考え方です。

「家族との時間を確保したい」は条件です。

一方、「転職する」はその条件を実現するための選択肢の一つにすぎません。

今の会社で働き方を変えられないか。

通勤時間の短い仕事ならどうか。

副業をするなら、家庭に負担が出ない範囲はどこまでか。

条件と手段をいったん分けると、選択肢の見え方も変わります。

年下の人の転職、副業、SNSでの成果などを見て、「自分だけ遅い」と感じることが迷いを強めている場合は、こちらの記事では比較した情報を自己否定ではなく情報収集へ切り替える整理法を紹介しています。

年下の人が先に結果を出すと、なぜこんなに焦るのか|40代の副業で「自分だけ遅い」と感じた日に

では、3つの材料をもう少し明確にしてみます。

まず分ける。「事実/不安・想像/譲れない条件」とは何か

ここから使うのは、3つだけです。

① 事実|今、確認できていること

「事実」には、現時点で確認できることを書きます。

たとえば、

  • 現在の年収は550万円

  • 通勤時間は片道50分

  • 残業は月20時間前後

  • 平日に使える自由時間は1時間ほど

  • 気になる求人には年収450万〜550万円と記載されている

といった内容です。

ポイントは、

「そうなる気がする」ではなく、「今確認できているか」

です。

「転職すると年収が下がる」は、まだ事実とは限りません。

求人を確認して初めて、「この求人の提示年収は○万円」という確認できる情報になります。

② 不安・想像|まだ確認できていないこと

次に、不安や想像を書きます。

たとえば、

  • 転職したら失敗するかもしれない

  • 今の会社に残ったら後悔するかもしれない

  • 40代では採用されないかもしれない

  • 副業を始めても収入にならないかもしれない

  • 本業と副業を両立できないかもしれない

こうした心配を、

「考えすぎだからやめよう」

と消す必要はありません。

ただし、まだ起きていないことを、決まった未来のように扱わない。

不安は不安として、事実とは別の場所に置く。

それだけです。

③ 譲れない条件|選択肢が変わっても守りたいもの

3つ目は「譲れない条件」です。

たとえば、

  • 最低でも年収500万円は必要

  • 睡眠時間を削り続けたくない

  • 家族と過ごす休日を確保したい

  • 通勤は片道1時間以内にしたい

  • 勤務地を大きく変えたくない

  • 副業は週○時間以内にしたい

などです。

ここで理想を全部並べる必要はありません。

基準にしたいのは、

「これを失った状態が長く続くと、自分は困るだろうか」

です。

「転職すると年収が下がりそう」は不安・想像。

「生活のために最低でも年収500万円必要」は条件。

似ているようでも、分けて考えられます。

そして、どこに入れるか分からないものは、

「要確認」

として残して構いません。

厚生労働省の「マイジョブ・カード」には、就業経験がある人向けのキャリア・プランシートや職務経歴シートなどが用意されており、これまでの職務経歴や学習歴、資格を整理してキャリアを考える用途にも使えます。

厚生労働省|マイジョブ・カード

なお、AIやオンラインサービスを使って整理する場合も、勤務先名、顧客名、同僚の氏名、社内資料、口座情報などを入力する必要はありません。

「勤務先A」「顧客B」のように、特定できない形へ置き換えて整理してください。

具体例|46歳会社員が「転職・残る・副業」で迷った場合

では、先ほどの架空の46歳会社員を、実際に3つへ分けてみます。

事実

  • 現在の年収は550万円

  • 通勤時間は片道50分

  • 残業は月20時間前後

  • 平日に副業へ使えそうなのは1日1時間程度

  • 転職サイトで気になる求人を3件見つけている

不安・想像

  • 46歳では転職が難しいのではないか

  • 転職すると年収が大きく下がるのではないか

  • 今の会社に残ったら数年後に後悔するのではないか

  • 副業を始めても収入につながらないのではないか

  • 仕事と副業を両立できないのではないか

譲れない条件

  • 現在の生活を無理なく維持できる収入は確保したい

  • 睡眠時間を削り続けたくない

  • 家族との休日を大きく減らしたくない

  • 通勤時間は現在より長くしたくない

  • 副業をする場合も、本業や家庭に大きな負担をかけたくない

ここまで書いても、

「転職が正解」

「会社に残るのが正解」

という答えはまだ出ません。

でも、判断材料は見えやすくなっています。

たとえば、

「転職すると年収が大きく下がるのでは」

という不安があります。

一方で、

「生活には最低でも年収500万円必要」

という条件がある。

すると、次に足りないのは、

「希望する職種では、実際にどのくらいの給与水準の求人があるのか」

という情報です。

答えが出ていなくても、足りない判断材料が見つかれば、次に確認することを決められます。

15分でできる「3列メモ」を作ってみる

ここからは、自分の場合で書いてみます。

紙でも、スマホの個人用メモでも構いません。

作るのは次の3列だけです。

事実不安・想像譲れない条件現在の年収は550万円転職すると年収が大きく下がるかもしれない最低年収500万円は必要通勤は片道50分副業を始めても続かないかもしれない家族との休日を大きく減らしたくない希望職種の給与水準は要確認通勤時間は今より増やしたくない

目安は15分です。

15分ですべて埋めることが目的ではありません。

1.まず「事実」を書く

質問は、

「今、確実に確認できていることは?」

です。

年収、勤務時間、残業、通勤時間、自由に使える時間など、今確認できるものを書きます。

分からないものは、

「希望職種の給与水準=要確認」

で十分です。

2.次に「不安・想像」を書く

質問は、

「まだ起きていないことを、事実のように考えていない?」

です。

「転職できないかもしれない」

「残ったら後悔するかもしれない」

「副業をしても稼げないかもしれない」

など、浮かんでいるものをそのまま書きます。

ここでは不安を解決しようとしません。

事実と分けて置くだけです。

3.最後に「譲れない条件」を書く

質問は、

「転職・残る・副業のどれを選んでも、守りたいものは?」

です。

収入。

睡眠。

家族との時間。

通勤。

休日。

働く場所。

理想をすべて書くのではなく、

「これを失ったまま働き続けるのは難しい」

と思うものを中心にします。

この3列を書いてみると、

「事実だと思っていたけれど、本当はまだ確認していなかった」

というものが見つかるかもしれません。

それは失敗ではありません。

むしろ、次に調べられる項目が見つかったということです。

なお、「今日できる具体的な一つ」までさらに小さくしたい場合は、こちらの記事では「今気になること/今日変えられること/今日やる一つ」の別の3列メモを紹介しています。今回の3列とは役割が異なり、行動を小さくするための整理法です。

副業を始めたいのに、比較ばかりして動けない|今日やる一つを決める「3列メモ」

3列を書いたら、「次に調べること」を1つだけ決める

3列メモの中に、

「要確認」

がいくつか出てきたら、その全部を一度に調べる必要はありません。

次の質問を使います。

「これが分かると、今後の判断が少ししやすくなるものはどれだろう?」

そして、1つだけ選びます。

たとえば、

不安
「転職したら年収が大きく下がるかもしれない」

確認すること
「希望職種の求人を3件見て、提示されている年収レンジを確認する」

という形です。

ほかにも、

  • 家計で最低限必要な月額を確認する

  • 副業に使える時間を1週間だけ記録する

  • 勤務先の副業に関する規程を確認する

  • 希望職種の仕事内容を確認する

などがあります。

求人情報を確認するときは、掲載時期にも注意しながら、企業の公式採用情報や公的な求人情報も合わせて確認します。

ハローワークインターネットサービスでは、全国のハローワークで受理された求人情報を検索できます。

ハローワークインターネットサービス

目的は、情報を大量に集めることではありません。

「分からない不安」を「確認できる問い」に変えること。

ここまでできれば、次に動く方向はかなり小さくできます。

比較する情報が増えるほど焦ってしまう場合は、こちらの記事で「この比較から何を知りたいのか」を決める整理法も紹介しています。

周りに遅れている気がする日に|比較をやめるのではなく「何のために比べるか」を決める

まとめ|選択肢を比べる前に、比較する材料をそろえる

転職するのか。

今の会社に残るのか。

それとも、副業を始めるのか。

この三択で迷ったとき、最初から人生の正解を出そうとすると、考えることが増えすぎてしまうことがあります。

そんなときは、選択肢を比べる前に、判断材料を3つへ戻してみます。

事実
→ 今、確認できていること

不安・想像
→ まだ起きていないこと、確認できていない心配

譲れない条件
→ 選択肢が変わっても守りたい生活や働き方

この3つを分けると、

「私は何を選ぶべきなのか」

の前に、

「自分には、どの情報がまだ足りないのか」

が見えやすくなります。

そして、その中から次に確認することを1つ決める。

それも、これからの働き方を考えるための前進です。

次は15分だけ、実際に3列を書いてみる|A-F04へ

ここまで読んで、

「自分の事実・不安・譲れない条件を、実際に書いて整理してみたい」

と思ったら、次の記事では15分のワークとして、一つずつ書き出していきます。

全部をきれいに整理する必要はありません。

まずは、自分の判断材料を見える形にするところから始めます。

「事実・不安・条件」を書き出す実践ワーク

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