軽率に文学フリマへ申し込んだので、ZINEフェスへ偵察に行った。
7/11、浅草で開催されるZINEフェス東京に初めて行ってきた。
先日、わたしは文学フリマに出店申し込みを決めた。
製本のやり方、ディスプレイ、名刺、すべてなんにもわかっていないのに、
「うひょ〜楽しそうだぜ〜!」という軽率さで動いている。
見切り発車もはなはだしい。
なので、まずはZINEフェスを偵察して、勉強しようと思ったのである。
(こいつ、文学フリマとか音声配信とか、ひょっとしてアクティブな人間なのかと思う人がいるかもしれないが、石の裏にいる虫みたいな時期もふつうにあるので、ご安心ください。)
会場に乗り込むにあたり、わたしは事前に、戦場に装備過多で出撃した兵士の手記(下記参照)を熟読していた。
手記で得た知見をふまえ、とにかく身軽な装備でいこう!と、ほぼ空のリュックサックを背負い、浅草へと向かった。
会場に着く。
たくさん人がいた。
「こんにちは〜」という声。
机いっぱいに並んだZINE、ステッカー、ポストカード、謎のキーホルダー。
壁には手描きのPOP。
思わず二度見してしまう装丁。
あ、フェスだ。
お祭りだった。
でも、屋台で売っているのは焼きそばじゃなくて、その人の頭の中だった。
いつか出店する側として見て回ると、何周しても足りない。
装丁、ディスプレイ、値段の付け方。
みるたびに新しい発見がある。
どの方も、楽しそうに創作物について語ってくださる。
その人だけのこだわり、ずっと大事にしてきたこと、頭の中で考え続けてきたアイデア、表現って楽しいという気持ち。
どのブースにも、それが溢れていた。
ここにあるものはどれも、お金を払って買う価値のあるものだ、と強く思った。
気づけば、行きは軽かったリュックが重たくなっていた。
今回、連れて帰ってきた本たち、出会った人について紹介したい。
いおのさん「オタクに優しいギャルは存在した!」
東尋坊みるさん「25さいギャルの訓練校日記」

開場後、まっさきに向かったのがお2人のブース。
職業訓練校で出会った陰キャ(いおのさん)とギャル(東尋坊さん)の体験を、それぞれの視点から書いた本。
「陰キャとギャル」という面白すぎるワードにまんまと釣られ、ぜったい読みたい!と思った。
おふたりともとっても優しかった。
東尋坊さんはシール帳からシールをくれた。(二の腕にも直でシール貼ってらっしゃった。)

「陰キャ」とか「ギャル」とか、人はわかりやすく他人をラベリングして、安心したくなる。
でも、目の前にいたのは、「陰キャ」でも「ギャル」でもなく、ただ、いおのさんと東尋坊さんだった。
お2人の本を読んで、ほんとうに良い出会いだったのだなと感じた。
軽やかに、時に戦略的にラベリングを楽しみながら、いつだってラベルの貼られていない魂で人と接していきたいな。
東尋坊さん、わたしのMBTIは、INFJです👌笑
川成灯さん「interline」

川成さんが出店していることは、事前に存じ上げておらず、会場でご本人を発見した時は、「ほ、本物や〜…!!」と胸がドキドキしてしまった。
interlineは、行間という意味。
文章を読みながら、そこに書かれていない気持ちや空白の存在を強く感じた。
川成さんは、ZINE作成や出店、YouTube、被写体モデルなど、さまざまな活動をされている。
きっと「表現」することへの強い気持ちがあるはずなのに、日記はとても静かな文章だった。
知りたいな、と思った。
川成さんの見る景色をもっとみたい。
エッセイも買えばよかった。次は必ず買わせていただきます。
(あと、透明なお名刺がかわいいすぎる)
まつよのぞみさん「みんな死んでも生きていく」

19歳の時にお兄さまが自死された体験について書かれた九年間のエッセイ。
一つ一つの出来事の景色•その時まつよさんの感じたことが、今、目の前でおきているかのように綴られていた。
文章はとても整理されていた。
この文章を完成されるまでに、
まつよさんがたくさんの出来事をどれだけの回数思い返したのか、どれだけ苦しみながら生きてきたのか、
その想像のつかない膨大な時間を思って、ボロボロ泣きながら読んだ。
先日、わたしの知人の家庭に突然の不幸があった。その前日、彼と明るい未来について話したばかりで、翌日にはその未来はなくなっていた。
そんなとき、まつよさんの記事を拝見させていただき、読ませていただきたいと強く思った。
わたし自身は、まだ誰かを亡くしたわけではない。だから、わたしが読ませていただいてもいいのか迷った。いまもそう思っている。
まつよさん、書いてくださって、ありがとうございます。大切にさせていただきます。
つくもさん「いつかのデートリストその一部、」

鮮やかなオレンジとレモンイエローの本の表紙。
「恋人ができたら叶えたい夢集めました」と書かれたポップ。
著者•つくもさんの大きくてキラキラした瞳。
気づいたらブースの前にいた。
「いつか恋人ができたらこんなことをしてみたい」を集めた本。
どの夢も意外性があり、遊び心があって、やってみたい!と思ってしまう。
「2人旅して途中ひとり旅」とか。
添えられた写真もとってもすてき。
つくもさんは「恋は夢」だと言う。
「恋人がほしい」ではなく、「恋すること」を大事にしているんだな、と感じた。
わたしも、恋はいくつになっても人を動かす凄い力があると思っている。
つくもさんの夢が叶いますように!
りょうこ|"好き"を綴る早稲田のカルチャーガールさん「あの日見た性癖の名前を僕たちはまだ知らない。」
「性癖のアンケートやってま〜す♪」という、なかなか物騒なワードと楽しそうな声に吸い寄せられて寄らせていただいた。
早稲田大学の学生さん5人が、まだ名前が付けられていないニッチな性癖について語り尽くした本を売られていた。
わたしは初めて、「メリバ」という言葉を知った。(メリーバッドエンド、のことらしい)
「へぇ〜!」と感心しながら話を聞いていたら、気づけば本のことより「メリバ」という単語で頭がいっぱいになってしまった。
お若いのに本を作って売る情熱、臆せず来場者へ明るく声をかける姿勢が、とても眩しかった。
「メリバ」を知ったことに満足して、本を買い忘れた自分を殴りたい。
次回お会いしたら、必ず買います。
応援しています。
蕎麦屋にて
会場離脱後、浅草の蕎麦屋。
会場を何周もしてつかれた身体で蕎麦湯を呆然とすすりながら、私は考えていた。
え、わたし文学フリマ出るの……?
ZINEフェスでこの盛り上がり。
文学フリマ規模何倍……?
う、売れるのか……?
あと、思ったのは、もし本が売れたら「おまけ」をつけたい、ということ。
ZINEフェスではステッカーやシールもたくさん売られていた。

(帰宅後、娘のシール交換という名の強奪に遭う)
シールをおまけにつけてくれたり、フリーペーパーをくれたり。
ああいう「ありがとう」の一枚って、ずっと覚えている。
買ってくれた人に、ちょっとだけ嬉しいものを渡せたらいいな、と思った。
製本もまだそこそこに、私は次のことを考え始めている。
ス、ステッカー作るか……?
(なんの……?)
◾️買ったものギャラリー




これが、TOKYO…
