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外資系PIP未達成後の対応5つ!解雇・退職勧奨への備え

PIPの最終評価で未達成と告げられると、すぐに解雇されるのではないかと不安になるはずである。

しかし、未達成という評価だけで、雇用が自動的に終了するわけではない。

まず、会社が再PIP、異動、退職勧奨、解雇のどれを予定しているのかを確認すべきである。

評価書や退職合意書にはその場で署名せず、会社の説明と根拠を文字で残すことが最初の対応となる。

PIPについては、以下の動画でも詳しく解説している。


1章 PIP未達成でも直ちに解雇が有効になるわけではない

PIPの未達成は、その後の人事措置を検討する材料の一つにすぎない。

未達成通知と雇用終了を分けて考えると、取るべき対応が見えやすくなる。

1-1 未達成は会社の評価であり雇用終了そのものではない

PIP未達成とは、会社が設定した改善目標に達しなかったと評価した状態である。

その評価だけで、労働契約が当然に終了することはない。

雇用を終了させるには、本人の合意による退職か、会社による解雇などの別の手続が必要である。

最終評価書を受け取ったら、雇用終了日や退職の意思表示まで記載されていないかを確認すべきである。

PIPの仕組みや進行中の注意点を確認したい場合は、以下の記事も参考になる。

1-2 PIP後に起こり得る措置4つ

PIP未達成後の措置は、会社ごとの制度や本人の職務によって異なる。

1つ目は、再PIP又は期間延長であり、目標や支援内容を改めて設定する措置である。

2つ目は、職務変更、異動又は降格であり、役割や責任の範囲を見直す措置である。

3つ目は退職勧奨であり、会社が本人へ合意退職を提案するものである。

4つ目は普通解雇であり、本人の同意がなくても会社が雇用を終了させる措置である。

面談では、予定されている措置と実施日を曖昧にせず、文字で確認する必要がある。

1-3 退職勧奨と解雇は区別する

退職勧奨は、会社から退職への同意を求める提案であり、拒否することができる。

解雇は、会社が一方的に労働契約を終了させる意思表示である。

外資系企業では、セパレーションなどの表現だけで説明され、法的な位置付けが曖昧なことがある。

会社の正式な立場が分からないときは、これは退職の提案か、解雇の通知かと確認すべきである。

退職勧奨を解雇だと思って退職届を出すと、自分から退職した形になるおそれがある。

2章 PIP未達成による解雇を判断する事情6つ

PIPを実施した事実だけで、能力不足による解雇が有効になるわけではない。

解雇の合理性は、目標、支援、改善状況、代替措置などを総合して判断される。

2-1 雇用契約・職務記述書で求められた能力が明確か

まず、採用時に求められた職務と能力が明確であったかが問題となる。

雇用契約書や職務記述書に抽象的な表現しかなければ、未達成の基準も曖昧になりやすい。

採用後に担当範囲が大きく変わった場合は、当初の職務との違いも確認する必要がある。

管理職や専門職では期待水準が高くても、会社が後から基準を作り替えてよいわけではない。

契約上の職務と実際に任されていた仕事を並べて確認すべきである。

2-2 目標が具体的で合理的に達成できる内容か

PIPの目標は、達成したかどうかを客観的に確認できる内容であることが望ましい。

努力不足、リーダーシップ不足などの抽象的な表現だけでは、改善方法が分からない。

短期間で過去最高の売上を求めるなど、現実的でない目標は合理性に疑問が生じる。

途中で目標数値や評価方法が変わった場合は、変更日と理由を確認する必要がある。

目標ごとに期限、評価資料、達成条件を表にしておくと検証しやすい。

2-3 権限・人員・予算・顧客など必要な条件が与えられたか

成果を求める以上、達成に必要な権限や資源が与えられていたかも問題となる。

担当顧客を減らしたまま売上目標を維持すれば、未達の原因は本人だけとは限らない。

部下の欠員、予算削減、承認の遅れなども、目標達成へ直接影響することがある。

会社から与えられなかった条件は、感想ではなく日付と事実で記録すべきである。

成果と前提条件を一緒に確認することで、評価の公平性を検討できる。

2-4 具体的な指導・フィードバックと十分な期間があったか

改善を求めるのであれば、会社は問題点と改善方法を具体的に示す必要がある。

単に期待を下回ると繰り返すだけでは、本人は何を直せばよいか分からない。

週次面談の有無だけでなく、助言の内容や実行可能性まで確認すべきである。

改善に必要な期間は、職務の難しさや成果が表れるまでの時間によって異なる。

本人側も、指導を受けて何を実行したかを記録しておくことが望ましい。

2-5 一部達成・改善傾向・未達の外部要因が考慮されたか

最終評価では、未達の項目だけでなく、達成した項目や改善の程度も考慮されるべきである。

数値目標に届かなくても、途中から継続的に改善している場合がある。

市場の急変や主要顧客の方針変更など、本人が左右できない事情もあり得る。

会社が不利な資料だけを取り上げていないか、評価書と実績資料を照合すべきである。

一部達成の事実は、項目ごとに数値や成果物で示すと伝わりやすい。

2-6 職責変更・配置転換など解雇以外の方法が検討されたか

能力不足が認められても、直ちに解雇しかないとは限らない。

職責の範囲を狭める方法や、経験を生かせる別の職務が考えられる場合がある。

もっとも、職種や勤務地を限定した契約では、配置転換の余地が小さいこともある。

会社が代替措置を検討したかは、空きポジションや過去の異動提案から確認できる。

本人も、継続可能な役割があれば具体的に申し出ることが考えられる。

3章 PIPの運用に問題がある可能性を示すサイン5つ

PIPの結果だけでなく、開始前から最終評価までの運用も確認する必要がある。

次のような事情が重なる場合は、評価の目的や公平性を慎重に検証すべきである。

3-1 上司交代や組織変更後に評価が突然下がった

上司の交代後に評価が急落した場合は、評価基準が変わっていないかを確認する必要がある。

組織再編で役割が変わったのに、従前と同じ成果を求められていることもある。

以前の評価が良かった事実だけで、今回の評価が直ちに誤りになるわけではない。

それでも、過去の評価と現在の指摘が大きく矛盾する場合は、その理由を会社へ尋ねるべきである。

評価の推移は、年度ごとの資料を時系列で並べると分かりやすい。

3-2 目標や評価基準が曖昧又は途中で変わった

目標が曖昧なPIPでは、達成の有無を後から自由に判断されやすい。

開始時に説明されていない基準を最終評価で持ち出すことにも問題がある。

変更が必要な場合でも、内容、理由、適用時期を本人へ示すべきである。

面談後に評価基準が変わったと感じたら、確認メールを早めに送る必要がある。

当初版と変更版の文書は、上書きせずにそれぞれ保存しておくとよい。

3-3 権限・担当顧客・予算を減らしたまま成果だけを求められた

成果を出すための条件を減らしながら、同じ目標だけを課す運用には注意が必要である。

営業職で主要顧客を外された場合は、売上への影響を数値で示すことができる。

管理職で採用権限を失った場合は、人員不足を本人だけの責任とできないことがある。

変更前後の権限、担当、予算を比較し、成果への影響を説明すべきである。

不利な条件を受けた時点で記録を残すことが、後の検証に役立つ。

3-4 具体的な助言がなく、結果だけを否定された

PIP中に具体的な助言がなく、結果だけを否定された場合は、改善機会が実質的であったか疑問が生じる。

改善すべき行動、優先順位、支援担当者が示されていたかを確認する必要がある。

面談回数が多くても、毎回同じ抽象的な批判だけなら十分な支援とは限らない。

本人から助言を求めたメールや提案への回答も、運用を判断する資料となる。

今後の行動を尋ねても回答がない場合は、その事実を簡潔に記録すべきである。

3-5 開始時から退職を前提とする言動があった

PIP開始時から退職の話だけが繰り返されていた場合は、改善目的であったかを確認する必要がある。

例えば、目標の説明前に退職日を決めるよう求められるケースがある。

退職への言及があっただけで、PIP全体が直ちに違法になるわけではない。

しかし、改善支援がなく退職の圧力だけが続けば、退職勧奨の方法も問題となり得る。

発言の日時、参加者、内容を、記憶が新しいうちに記録しておくべきである。

4章 PIP未達成判定後の対応5つ

未達成通知を受けた直後は、急いで反論するより、会社の正式な立場を確認することが先である。

次の5つを順番に進めると、不必要な不利益を避けやすい。

4-1 評価書・確認書・退職合意書へその場で署名しない

面談で署名を求められても、内容を確認する時間を求めるべきである。

署名欄が受領確認なのか、評価への同意なのか、退職への合意なのかを区別する必要がある。

事実と異なる記載を認める文書には、安易に署名してはいけない。

受領だけを確認する必要がある場合は、内容には同意しない旨を追記できるか検討する。

少なくとも、署名前に文書の写しを受け取り、弁護士へ確認できる状態にすべきである。

4-2 会社の法的な立場・根拠・今後の措置を文字で確認する

面談後は、会社が何を決定し、何を提案しているのかをメールで確認すべきである。

確認する事項は、未達成の根拠、予定する措置、実施日、回答期限である。

退職勧奨か解雇かが不明な場合は、その点を明確に尋ねる必要がある。

感情的な評価を加えず、面談内容の確認という形で短く送るとよい。

会社の回答が曖昧であっても、質問した記録自体が後の検証に役立つ。

4-3 達成状況と異議を事実に沿って簡潔に回答する

反論は、評価項目ごとに達成状況と根拠資料を示す方法が分かりやすい。

会社が誤っていると強く非難するより、数値、日付、成果物を示す方が伝わりやすい。

達成できなかった項目は、外部要因や不足していた支援を具体的に記載する。

すべてを否定すると、改善への協力姿勢まで疑われるおそれがある。

認める点と争う点を分け、必要な訂正だけを求めるべきである。

4-4 評価・指導・成果の記録を適法な範囲で保存する

雇用契約書、PIP資料、自分の評価書、面談記録は早めに保全しておくべきである。

会社所有の端末から大量のデータを転送すると、別の問題を生じさせるおそれがある。

自分が受領した書面や、自分の業務実績を示す適法な資料を中心に保存する必要がある。

資料を持ち出せない場合は、日付、文書名、内容を時系列メモへ残すとよい。

4-5 残留・退職勧奨への対応・解雇を争う方針を整理する

会社の措置を確認したら、自分が何を望むのかを考える必要がある。

会社へ残りたい場合は、改善の意思と希望する支援を具体的に伝える。

退職勧奨を検討する場合でも、その場で結論を出さず、法的な立場を確認してから判断する。

解雇を争う場合は、解雇を受け入れていないことと就労意思を早めに示すことがある。

方針が決まる前に、退職を認める表現や矛盾する回答を送らないよう注意すべきである。

5章 会社から示された措置別の対処法

PIP未達成後の対応は、会社が示した措置によって変わる。

同じ面談でも、再PIP、異動、退職勧奨、解雇を混同しないことが重要である。

5-1 再PIP・期間延長を示された場合

再PIP又は期間延長を示されたら、新しい目標と評価方法を確認すべきである。

不合理だと感じても、直ちに全面拒否すると業務命令違反を主張されるおそれがある。

異議がある項目は文字で示しつつ、合理的な範囲では改善へ取り組む姿勢を示すとよい。

必要な権限、支援、面談頻度も開始前に具体化する必要がある。

期間中は、週ごとの成果と上司の回答を継続して記録すべきである。

5-2 異動・降格・職務変更を示された場合

異動や職務変更を示されたら、雇用契約と就業規則上の根拠を確認する必要がある。

新しい職務の内容、勤務地、役職、賃金への影響は、書面で示してもらうべきである。

措置に疑問があっても、直ちに出社や業務を拒否することは慎重に考える必要がある。

異議を留保しながら勤務し、後から有効性を検討する方法もある。

賃金の大幅な減額や不自然な職務への変更がある場合は、実施前に相談することが望ましい。

5-3 退職勧奨を受けた場合

退職勧奨を受けても、本人が同意しなければ合意退職は成立しない。

退職する意思がなければ、その場で退職届や退職合意書へ署名してはいけない。

回答期限を示された場合も、検討時間を求め、提案内容を文字で受け取るべきである。

面談が繰り返されるときは、日時、参加者、発言内容を記録する必要がある。

退職勧奨を拒否した後の流れや注意点は、以下の記事でも詳しく解説している。

5-4 解雇を通知された場合

解雇を通知されたら、解雇日と具体的な理由を記載した書面を求めるべきである。

会社には、原則として30日前の予告又は不足日数分の解雇予告手当が必要となる。

理由に納得できない場合は、解雇を受け入れていないことと就労意思を文字で示すことがある。

社内システムを止められても、それだけで自己都合退職へ切り替わるわけではない。

突然出社を止められた場合の初動は、以下の記事も参考になる。

6章 PIP未達成の検証に必要な資料7つ

PIPの評価が適切かは、面談の印象だけでは判断できない。

契約、目標、支援、成果を示す資料を時系列で確認する必要がある。

6-1 雇用契約書・労働条件通知書・職務記述書

雇用契約書などは、会社が本人へ何を求めていたかを確認する出発点となる。

職種、役職、勤務地、賃金、職務の限定が記載されているかを見る必要がある。

職務記述書が更新されている場合は、採用時とPIP開始時の両方を確認すべきである。

実際の業務が書面と異なる場合は、いつ、誰の指示で変わったかを記録するとよい。

6-2 PIP計画書・最終評価書・評価基準

PIP計画書からは、目標、期間、支援内容、判定方法を確認できる。

最終評価書では、当初の基準と同じ方法で判定されているかを見る必要がある。

評価項目が追加されている場合は、その通知時期と理由を確認すべきである。

署名済みの文書がある場合も、署名の趣旨と当時の説明を併せて整理するとよい。

6-3 目標の変更履歴・上司とのメール・面談記録

目標の変更履歴は、評価基準が一貫していたかを確認する資料となる。

上司とのメールには、指示、質問への回答、支援の有無が残っていることがある。

面談記録は、会社作成の議事録だけでなく、自分が当日に作成したメモも役立つ。

後からまとめ直す場合は、記憶と資料を区別し、推測を書き足さないようにすべきである。

6-4 売上・KPI・成果物・顧客評価

客観的な成果資料は、会社の評価と実際の実績を比較するために必要である。

売上やKPIは、対象期間と計算方法をそろえて確認しなければならない。

成果物や顧客評価は、本人の貢献が分かる範囲で整理するとよい。

社外秘資料を無断で複製せず、自分が適法に利用できる資料だけを扱うべきである。

6-5 権限・人員・予算・担当変更を示す資料

目標達成の前提が変わった場合は、その変更を示す資料が必要となる。

組織図、担当表、予算通知などから、本人が使える資源の変化を確認できる。

欠員や担当顧客の変更は、成果へ与えた影響と結び付けて整理すべきである。

単に環境が悪かったと書くのではなく、変更日と具体的な影響を示すとよい。

6-6 過去の人事評価・昇給・昇進・表彰

過去の評価は、能力や成果の推移を確認する資料となる。

昇給、昇進、表彰が直近にある場合は、現在の評価との違いを検討できる。

もっとも、過去の高評価だけで現在の問題が否定されるわけではない。

評価が変わった時期と、その間の職務や上司の変更を併せて確認すべきである。

6-7 録音・自分の時系列メモ

自分が参加する面談の録音は、発言内容を正確に確認する資料となることがある。

録音する場合は、機器の管理やデータの取扱いにも注意が必要である。

時系列メモには、日付、参加者、文書名、主な発言、直後に取った行動を記載するとよい。

後から編集した部分が分かるよう、元データや当初のメモを残しておくべきである。

7章 PIP未達成と解雇の裁判例

裁判では、PIPを実施した形式より、能力不足の程度や改善機会の実質が確認される。

ここでは、PIPや能力不足による解雇を考えるうえで参考になる裁判例を紹介する。

7-1 ブルームバーグ・エル・ピー事件|能力不足の程度と改善可能性

東京高等裁判所平成25年4月24日判決は、金融情報会社の記者に対する解雇を扱った。

会社は、複数回のPIPを実施した後、能力不足を理由に解雇した。

裁判所は、雇用を続けられないほど重大な能力不足があるとは認めなかった。

改善可能性がないことも十分に立証されていないとして、解雇を無効と判断した。

PIPの回数だけでなく、指摘の重大性と改善可能性が検討された裁判例である。

7-2 ノキアソリューションズ&ネットワークス事件|改善実績と配置転換

東京地方裁判所平成31年2月27日判決は、通信機器会社の従業員に対する解雇を扱った。

従業員は、1回目のPIPでは目標を達成し、その後のPIPで未達成と評価された。

裁判所は、業務上の問題があっても、改善できない状態に至っていたとは認めなかった。

配置転換や職責の見直しが十分に検討されていないことも踏まえ、解雇を無効と判断した。

過去の改善実績と解雇以外の方法が検討されたかが参考になる裁判例である。

7-3 華為技術日本事件|具体的な指導・教育の不足

東京地方裁判所令和6年3月18日判決は、通信機器会社のマーケティング担当者に対する解雇を扱った。

裁判所は、PIPを実施したこと自体には一定の合理性があるとした。

一方で、より具体的な指導や教育を行う余地が残っていたと判断した。

能力不足を理由とする解雇を無効とし、労働契約上の地位を認めた。

PIPの存在だけでなく、改善支援の内容が確認された裁判例である。

8章 PIP未達成後の方針を決める方法

会社の措置と資料を確認した後は、自分の希望に沿って方針を選ぶ必要がある。

残留、合意退職、解雇を争う場合では、会社へ伝える内容が異なる。

8-1 会社に残りたい場合

会社に残りたい場合は、就労と改善を続ける意思も、自身の立場や認識、主張と矛盾しない形で示しておくべきである。

評価に異議があっても、合理的な指示まで拒否しないよう注意する必要がある。

達成可能な目標、必要な支援、確認の頻度を具体的に提案するとよい。

異動可能な職務がある場合は、自分の経験を生かせる理由とともに申し出る方法もある。

残留の意思と評価への異議は、矛盾しない形で文字に残すべきである。

8-2 退職勧奨を受けて条件次第で退職する場合

退職を検討できる場合でも、面談の圧力だけで決めてはいけない。

まず、会社の提案内容と、解雇された場合の法的な見通しを比較する必要がある。

退職合意書へ署名すると、後から撤回することは難しくなる。

回答期限が短い場合は、検討時間を求め、内容を弁護士へ確認するとよい。

退職する可能性があっても、署名前に自分の希望と譲れない点を明確にすべきである。

8-3 解雇された場合に争う場合

解雇を争う場合は、解雇へ同意していないことを早めに伝える必要がある。

働く意思がある場合は、就労意思も文字で示しておくべきである。

交渉、労働審判、訴訟のどの手続が適するかは、証拠と希望する解決によって異なる。

放置すると、会社から解雇を受け入れたように主張されるおそれがある。

不当解雇を裁判で争う場合の流れは、以下の記事と動画でも詳しく解説している。

8-4 弁護士へ相談する時期と持参資料

弁護士への相談は、退職合意書へ署名する前か、解雇通知を受けた直後が望ましい。

PIPの途中でも、目標や運用に強い疑問があれば相談してよい。

相談時には、雇用契約書、PIP資料、評価書、メール、成果資料、時系列メモを用意する。

すべての資料がそろっていなくても、重要な日付と会社の要求が分かれば相談は可能である。

会社へ残りたいのか、退職も検討できるのかも伝えると、方針を考えやすい。

9章 PIP未達成についてよくある質問

PIP未達成後は、署名、再PIP、解雇の扱いについて疑問が生じやすい。

ここでは、相談で確認されることが多い疑問を簡潔に説明する。

9-1 PIP未達成なら必ずクビになりますか

PIP未達成だけで、必ず解雇されるわけではない。

会社が再PIP、異動、退職勧奨などを選ぶこともある。

解雇された場合も、労働契約法16条により、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要となる。

目標の合理性、改善機会、未達の程度などを個別に確認すべきである。

9-2 最終評価書への署名を拒否できますか

署名の意味が分からないまま、その場で応じる必要はない。

受領確認だけなのか、評価内容への同意まで含むのかを確認すべきである。

内容に異議がある場合は、写しを受け取り、検討時間を求めるとよい。

会社が受領署名を求める場合は、異議を留保する記載が可能か確認する方法もある。

9-3 一部の目標を達成していれば解雇を避けられますか

一部達成は、解雇の有効性を判断する事情の一つとなる。

ただし、重要な目標が未達であれば、一部達成だけで解雇を避けられるとは限らない。

達成項目、改善傾向、未達の理由を全体として確認する必要がある。

達成した事実は、数値や成果物を用いて具体的に示すべきである。

9-4 2回目のPIPや期間延長に従う必要がありますか

再PIPが合理的な業務指示であれば、原則として対応する必要がある。

内容に疑問がある場合も、全面的に拒否する前に問題点を文字で示すべきである。

目標、期間、評価方法、支援内容が明確かを確認する必要がある。

異議を留保しながら取り組み、実施状況を記録する方法が考えられる。

9-5 PIPに未達成なら退職すると書かれている場合はどうなりますか

未達成なら退職すると記載されていても、それだけで当然に雇用が終了するとは限らない。

文書が退職合意なのか、将来の解雇方針を示したものかを確認する必要がある。

署名時の説明や、本人が自由な意思で同意したかも問題となる。

会社から署名を求められた段階で、内容を確認せず応じないことが重要である。

9-6 外資系・管理職・高年収者は解雇されやすいですか

外資系企業、管理職、高年収者であっても、労働者に当たる限り日本の解雇規制が適用される。

役割や期待水準が明確な専門職では、能力評価の事情が一般社員と異なることはある。

それでも、本国の方針や高い給与だけで解雇が有効になるわけではない。

契約内容、実際の権限、能力不足の程度、改善機会を個別に確認すべきである。

外資系企業における解雇の基本は、以下の記事でも確認できる。

10章 外資系企業・管理職のPIP相談はリバティ・ベル法律事務所へ

外資系企業や管理職のPIP未達成後の対応は、是非、リバティ・ベル法律事務所に相談してほしい。

この分野は専門性が高いため、弁護士であれば誰でもよいわけではない。

評価資料と解雇の見通しを分析し、本人の意向を踏まえて方針を決める必要がある。

リバティ・ベル法律事務所では、解雇、退職勧奨、残業代請求事件に力を入れている。

とくに、外資系企業や管理職の労働問題について、豊富な知識とノウハウを蓄積している。

まずは、お気軽に相談してほしい。

お問い合わせ – リバティ・ベル法律事務所

11章 まとめ

PIP未達成だけで雇用が自動的に終了するわけではなく、会社が示した措置を正確に確認する必要がある。

最初に、未達成の根拠、今後の措置、実施日を文字で確認すべきである。

評価書や退職合意書へその場で署名せず、適法な資料を確保してから方針を決めてほしい。

解雇や退職勧奨への対応に迷う場合は、会社へ回答する前に弁護士へ相談することが望ましい。

最後に、以下の記事や動画も参考になるはずなので、あわせて読んでみてほしい。

退職勧奨を受けた直後の対応を確認したい場合は、以下の記事が参考になる。

能力不足による解雇の基本的な判断枠組みは、以下の記事でも詳しく解説している。

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