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音大中退→慶應→産後MBA。目標はあった。でも計画通りには進まなかった。|仕事の部屋

最初の夢は、くだもの屋さんだった。

「青果屋さんの息子と結婚したら叶うな!」

お母さんにそう言われて、その夢は一瞬で終わりました。

次に持った夢は、公立高校の音楽の先生になること。

そして公務員と結婚すること。

父が自営業で色々と苦労しているのを見てきたから、

安定した人生がいいと思っていました。

目標はいつも持っていた。

でも、その通りには一度も進まなかった。


19歳で、カナダへ飛び込んだ。

何もない状態で、飛び込みました。

高卒で、学位もなく、知見もなく、コネもなく、言語もなく、

これといった能力もない。

日本でもどこにも雇ってもらえなかったし、

海外でもまともに受け入れてもらえる場所なんてほとんどなかった。

それでもなんとか現地で仕事を見つけて、

英語もままならないままツアーガイドをしながら、

夜は居酒屋やバーでアルバイトをしていました。

できる仕事は全部やる。

それだけが、将来の自分への投資だと思っていたから。


「学ぶことが武器になる」と初めて知った。

そんな時、フランス人のルームメイトと出会いました。

カナダで修士課程を終えようとしていた彼は、

ITの中でも専門的な技術を学問として学んでいる人でした。

家族に博士号を持つ人が何人もいるような家庭。

彼の周りには、歴史・政治・思想を当たり前のように語り合う人たちがいました。

フランスというディスカッションが盛んな文化と、

カナダというダイバーシティに富んだ環境が重なって、

大阪の住宅街では一度も出会ったことのない世界がそこにありました。

彼がその後、日本の国立大学で奨学金をもらいながら博士号を取り、

慶應や早稲田で助教として教え始めるまでの間、

6〜7年、一緒に暮らしました。

そばで見ていて、初めて実感したんです。

学ぶことが、武器になる。


焦りました。自分には何もない、と。

トランペットをカナダまで持ち込んでいたけれど、

一度それを追いかけるのをやめて、勉強を始めることにしました。

日中は仕事をしながら、空いた時間で英語を強化して。

カナダには難民受け入れ用の無料語学プログラムがあって、

週3回、仕事が終わった後の夜に、

現地の難民に混ざってフランス語を学びに行きました。

何から始めればいいかもわからないまま、手探りで。

ただ「周りに追いついてやる」という気持ちだけで。

どうせ学ぶなら、ちゃんとしたところで学ぼうと思いました。

親からの支援も貯金もなかったけれど、

仕事をしながら学べる方法を探して、

慶應義塾大学経済学部の通信に入学しました。

卒業した後、LinkedInのプロフィールを更新した時のことは今でも忘れません。

仕事のオファーが一気に増えた。

学位って、こんなに違うんだと痛感しました。


目標はある。でも、道筋は一本じゃなくていい。

誤解しないでほしいのですが、目標がなかったわけではありません。

今日どうなりたいか。

1年後、5年後、10年後、どこにいたいか。

その軸だけは、いつもぼんやりとでも持ち続けてきました。

ただ、その道筋は一度も計画通りには進みませんでした。

コロナ禍に会社を売却して、再就職して、結婚して、妊娠して、出産して。

その合間にオンラインでMBAを取りました。

産後うつになって、離婚の話が出て、

それでも今、ダナンで海外進出支援の仕事をしながら毎日書いています。

目標は持つ。でも、そこへの道は一本じゃなくていい。

くだもの屋さんになりたかった子が、

気づいたら4言語を話してMBAを持っていました。

目標を持ちながら、目の前のことに全力で向き合い続けた結果が、

今の私です。


地図を描いて、動き続ける。

ルートは変わっていい。

遠回りしていい。

今いる場所で、できることを全部やる。

それだけで、人生は思いもしない方向に広がっていきます。

このまなラボを始めたのも、その延長線上にあります。

自分の経験が、誰かの「最初の一歩」になればと思って、

今日も書いています。


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【この記事を書いた人】まなラボの紹介

ベトナム在住10年・ダナン在住。4言語(日英仏西)、5カ国居住、約40カ国経験。

音大中退後、学位も貯金もゼロからパスポート一枚で海外へ。

物流・金融・コンサルとキャリアを積み、2016年にベトナムでコンサル会社を立ち上げ・売却。

ジェトロや中小企業基盤機構、公的機関の現地アドバイザーや、日系企業2,000社超の相談・支援に関与。

証券外務員/米国MBA保有。

ベトナムで息子を出産したことをきっかけに、日本経済の将来を人任せにするのをやめようと決めた。

次の世代に「まだ挑戦できる」という背中を見せるために、

今、外貨を稼げる人と会社を増やすことを、自分のテーマにしています。

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