文学フリマで買った本~自分のブースをすり抜けて~
先日文学フリマに出店してきました。
お客としても参加したことないのに突然の出店ということで勝手もわからないまま参加しましたが、本当に楽しかったです。
来てくださるお客様に買ってもらえたことが感動すぎて、開場後は自分のブースからほぼ動きませんでした。
ただその愛おしいブースをすり抜けて4冊だけ購入したので今日はその4冊をご紹介していくYO!!
1. 知的好奇心を刺激する定番の逸品:『トータルサポート新国語便覧 改訂版』
数ヶ月前、突然バズった「国語便覧」。
高校時代にみんな持ってた懐かしさ、圧倒的な情報量に対するコスパの高さ、昨今人気の歴史系作品を読む際により世界観を理解するための資料集としての位置づけなどから「知的好奇心を満たすための文化ガイドブック」として高く評価されました。
私も何度か買おうと試みたもののあえなく断念。
それからすっかり存在を忘れていました。
文学フリマ開場前。
お客さんの長蛇の列ができている間に自分の販売フロア(4階)と違うフロア(1階)に見学に行きました。
開場したらもうこのフロアには来れない!と思ったから。
そしてサクッと回ったときにこの国語便覧が目に止まりました。
なぜ文学フリマで高校の副教材を?と思われるかもしれませんが、この便覧の持つ情報量と体系的な美しさに惹かれました。
高校生向けとはいえ、その内容は類書最大級の5000項目超。古典文学から最新の研究動向までを網羅し「比べ読み」や「批評的に読む」といった、現代の大学入試にも対応した「主体的な学び」をサポートする工夫が満載です。
特に注目したいのは、巻頭特集の「探究学習マップ」や古典・評論・漢文など各編の特集。
これらは、単なる知識の羅列ではなく、知識をどう活用し、どう深掘りしていくかという「学びの地図」を与えてくれます。
文学フリマという個人の情熱が詰まった作品が集まる場で、あえて「知のインフラ」とも言える便覧を手に入れたのは、創作の土台となる教養を再確認したいという思いからかもしれません。パラパラとめくるだけで、忘れていた知識や新たな発見があり、知的好奇心が刺激される一冊です。
2. モノとしての価値にこだわるエッセイ集:『意味よさらば』
二冊目は、ライターの古賀史健さんによるエッセイ集『意味よさらば』です。この本は内容はもちろんのこと、「モノ」としての完成度に強いこだわりが感じられる一冊でした。
古賀さんご自身が「苦手を自認しているエッセイ集」としつつも、全30本、まるまる書き下ろしの176ページというボリューム。そしてこれ以上ないくらいキュートな装丁が目を引きます。
特筆すべきは「仮フランス装」という造本仕様と、それに伴う「スピン(紐のしおり)」の採用です。
これは、本を愛する人にとってたまらないディテールで、デジタルでは代替できない「紙の本の喜び」を体現しています。
「完売してようやく採算ギリギリ」という非営利価格で提供されたこの本は、文学フリマという場で作り手の情熱と読者へのサービス精神が結晶化したまさに「文学の祭典の戦利品」にふさわしい作品でした。
触ってるだけでなんだか嬉しい。紙の本の醍醐味ですよね。
まさかあの古賀さんが文学フリマに出店するなんて!
そして3000以上あるブースの中で私のブースの7つ隣だなんて!
とnoteでびっくりして思わずコメントを書いてしまったのですが、まさかそれを覚えてくださっていて嬉しかったなぁ。
3. 優しい言葉が心に響くコミック:『あした死のうと思ってたのに』
三冊目は、吉本ユータヌキさんのコミック短編集『あした死のうと思ってたのに』です。話題作の書籍化です。
吉本ユータヌキさんは(私の記憶が正しければ)以前お子さんのことを書かれていたときからずっと読ませていただいていました。
育児でいっぱいいっぱいだったころ、本当に救われていました。
そしてそんなユータヌキさんがまさかパーソナル編集者さんをやられるようになるなんて!
私もパーソナル編集者さん(みなみやんさん)に大変お世話になっており、パーソナル編集者のコミュニティで、ユータヌキさんが主催されているイベントを何度か拝見していました。
文学フリマにでられる!と知り、あの時お世話になったお礼を言いに行こう!と思ったのでした。お話できて嬉しかったです!!
しかもブースが私の背中越しに4つくらい後ろ、という近さ。
時々振り返っては常にお客さんがたえない様子にプロのすごさを感じました。
この本は、「あした死のうと思ってたのに」と切ない言葉を漏らした男性に対し、友人が取った行動を描いています。その行動は、決して押し付けがましくなく、ただそっと寄り添うような「少し元気になれる」優しいエピソードです。
10代の苦しさを抱えていたとき、こんな言葉をかけてくれる人がいたら。そんな思いが込められたこの作品は、「心の傷」や「生きづらさ」といった現代的なテーマを扱いながらも、読後に温かい気持ちを残してくれます。
「言葉の力」が持つ優しさとそっと背中を押してくれるような温かさを再認識させてくれました。
4. 「見る力」で育む子育て論:『カメラマン視点で子育てしたら 双子が現役で京大に合格しました』
最後は、プロカメラマンである田部信子さんの子育て論『カメラマン視点で子育てしたら 双子が現役で京大に合格しました』です。
文学フリマの準備のために必死にnoteで文学フリマ関連の記事を検索しているときにこのnoteを見つけました。
文学フリマの準備noteとして大変参考になっただけでなく、この本の素敵な表紙と素敵なタイトルに心を奪われました。
前日にnoteにコメントして、そこから交流させていただき、実際にブースにご挨拶に行かせていただきました。Bookoのブースの皆様、暖かく迎え入れてくださりありがとうございました!
これまた私の3つくらい前のブースで、素敵に目を引く垂れ幕?やブースの作り込み方など素敵だなぁと思いながら自分のブースに立っていたのでした。
この本では「ザ・ふつうの子」だった双子が、現役で京都大学に合格したという事実に驚かされますが、その秘訣は特別な教育法ではなく、カメラマンとして培った「目の前の子どもをよく見る力」を子育てに活かした点にあります。
「早期教育という甘い罠」を避け「親は教えない」という戦略や「戦略的手抜き『リビング保育園』」といった、ユニークで実践的な子育てのヒントが紹介されています。
特に印象的なのは、「見守る人がいるから、挑戦できる」というメッセージ。
親が子どものありのままの姿を「観察」し「記録」するように見守ることで、子どもは自ら考え行動する力を育むことができる。
これは子育てだけでなく、人を育てるということ全般に通じる本質的な視点だと感じました。
おわりに
今回お迎えした4冊は、それぞれが異なる角度から「言葉」や「生き方」、そして「学び」について深く考えさせてくれる、個性豊かなラインナップとなりました。
文学フリマは商業出版とはまた違った作り手の熱量と個性がダイレクトに伝わってくる場所です。
私も引き続き文学フリマ参加のnoteを書いていく予定です。
皆さんもぜひ次の文学フリマで運命の一冊を見つけてみてください。
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