見出し画像

ふみきり+きりん+書き鉄=「ふみきりん」

少しずつnoteに上げている「子守話」。

子守話とは、子どもを寝かしつけるとき、羊を数えるかわりに、羊を数えるかわりに即興で語り聞かせていたおはなしのこと。


子守話11「ふみきりん」

キリンさんが せんろのわきをとことこあるいて 
えきまでやってくると えきいんさんが よわっていました。

「どうしたんですか えきいんさん」

キリンさんが ながいくびをかしげて ききますと

「ふみきりが こわれて うごかないんですよ」とえきいんさん。

でんしゃがくるたびに せんろにひとがはいらないように とおせんぼしているのですが えきいんさんのうでを めいっぱいひろげても ふみきりのかわりにはなれません。

「だったら わたしがふみきりになりましょう」と キリンさんがいったので えきいんさんはびっくり。

「わたしの ながいくびをたおせば だれもせんろに はいれませんよ。それに わたしのこのいろ。ふみきりに よくにているでしょう」

えきいんさんは キリンさんのしんせつを ありがたくうけることにしました。

さっそく1だいめのでんしゃがちかづいてきます。

キリンさんは おじぎをするように ながいくびをたおして みちをふさぎました。

キリンさんのふみきりは だいせいこう。

とおくからでも よくめだつし いつものふみきりが ちょっとりっぱになったかんじです。

「あれ キリンさんのふみきりだ」
「ふみキリンだ」

こどもたちも ゆびをさして おおよろこび。

2だい 3だい 4だい 5だい……。

でんしゃがくるたびに ながいくびをたおして またおこす そのくりかえしです。

6だい 7だい 8だい 9だい……。

キリンさんがつかれてくると えきいんさんが リンゴやバナナをたべせてくれました。

キリンさんは またげんきになって ふみきりのしごとをつづけました。

キリンさんが18だいめのでんしゃをみおくったとき ちょうどふみきりのしゅうりがおわりました。

ふみきりがうごくようになったので キリンさんのふみきりと こうたいです。

キリンさんは くびがすっかりくたくた。

「キリンさん おつかれさま。おかげで だれもけがをすることなく たすかりました」

えきいさんは キリンさんのくびに シップをはってあげました。

えきいんさんのくびにはるときは1まいですが キリンさんのながーいくびの はしからはしまでシップをならべたら なんと18まいになりました。

キリンさんがおじぎをしたのと おなじかずです。

「またふみきりがこわれたときは よろしくおねがいします」と えきいんさんがいいました。

「ふみきりがこわれないことを いのっています」とキリンさん。

くびはこりこり もうこりごりです。

ふみきりって たいへんなしごとだなあと つくづくおもいながら キリンさんは せんろぞいのみちをかえっていきました。

「コッチ」でキリンが選ばれた

日記によると、「ゾウさんの話とキリンさんの話、どっちがいい?」と選ばせたら、当然ゾウさんを選ぶかと思いきや、「コッチ」とキリンさんを選んだらしい。「ゾウさんの話が続いたので、他の話を聞きたくなったのだろうか」と想像している。

わたしの人差し指と中指を選択肢として示し、どちらかを指差しさせて選ばせていたが、なんとなくではなく明らかに意思を持って「コッチ」という勢いで指を差すようになっていた。

「コッチ」と選ばれたキリン。以前発見した「キリンと踏切が似ている」をネタにしてみた。

わたしはマラソンで10キロ走った後で、あちこち筋肉痛だったらしい。テーピングが効いたのかシップのお世話にはなっていなかったが、首はこりこりのキリンのモデルになったと思われる。

今年1月に走った駅伝ではたった1.5キロで大量にゴボウ抜かれたが、子守話を書いていた頃は10キロ走る体力があった。時の流れを感じる。

日記には「赤ちゃんのときにうまれてきたんだよ」という面白く深い言葉もあり、日をあらためてnoteに書きたい。

タイトル画像は「みんなのギャラリー」で「踏切」を探し、kochibiさんの「つしまさんぽ」のnoteに登場する一枚をお借りした。香川県三豊市にある踏切だそう。立ち姿がとてもキリンっぽい。ぴったりな写真、ありがとうございます。

言葉の足し算ごっこ

ある夜に盛り上がった遊び、「言葉の足し算ごっこ」。「ふみきりん」と同じ頃だったかもしれない。

自称「書き鉄」

乗り鉄、撮り鉄、音鉄といった言葉があるが、わたしは「書き鉄」を自称している。

どこかの駅の片隅にあるわすれもの室が舞台の「さすらい駅わすれもの室」をnoteで発表し、kindleで読める「さすらい駅わすれもの室」と「さすらい駅わすれもの室 臨時停車」にもまとめている。

NHK FM青春アドベンチャー「走れ歌鉄!」は戦後の浮浪児たちが歌合戦で賞金を稼ごうと西の港から東の都へ蒸気機関車を走らせる熱い話。全10回150分。舞台上演してもらえたらと戯曲版を準備中。

FMシアター「さくら、ねこ、でんしゃ」(のらいしれんふうさん作を脚色)はタイトルにのみ「でんしゃ」が出てくる。

お嬢様大学の鉄道研究会を舞台にした映画を企画したこともある。合コンで山手線よりマニアックな線の駅の名前を言い合う場面を書くのが楽しかった。内容がゆるい割に撮影にお金がかかるという理由で実現しなかったが、今なら低予算でも成立しそう。

JR西日本の広報誌に

関空特急「はるか」のグリーン車やJR系列のホテルなどに置かれるJR西日本の広報誌「ブルーシグナル(Blue Signal)」174号に《『嘘八百』で見つけた堺のお宝》と題した旅エッセイを寄せたこともある。

あまりにキャラが濃すぎて、脚本にいなかった「学芸員」というキャラクターを誕生させてしまった堺市博物館の矢内一磨学芸員。その「専門は一休だけど千利休について尋ねると万利休になって返ってくる」熱烈ぶりを中心に、堺が誇る歴史文化と熱い学芸員さんたちのことを書いた。利休さんイラストもエッセイに合わせて描いていただいた。

自称「書き鉄」(掲載誌に同梱されたクリアファイルに興奮!)ということで、「さすらい駅わすれもの室」と「走れ歌鉄!」も紹介した。

JR西日本のサイトで今も読める。

「ブルーシグナル」2017年9月号「出会いの旅」

リレーエッセイが一冊にまとまった『心に響く 旅の宝石箱』にも収められている。

これまでの子守話

📙48話「ひつじが100ぴき」
📙58話「あかいろのありんこたち」
📙59話「アラブのあぶらうり」
📙74話「チョコレートのちきゅう」
📙104話「ちょうちょの木」


いいなと思ったら応援しよう!

脚本家・今井雅子📚言葉遊びが好きな物書き 目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。