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読んだ物語、読みたい物語|7月の読書

私にとっては書くことと同じくらい、読むことも大切で楽しみなことだ。けれど7月はずっと書くことに追われていたせいで、本を1冊も読みきることができなかった(読み進めている本はあったものの読了には至らず)。

その代わり、noteの皆さんが書かれた小説はぽつぽつと読み進めていた。応援期間中に読みきれた作品がほとんどなくて恐縮なのですが、ひとまず現時点で読了した作品とちょっとした感想を書かせてください。(ネタバレは極力控えております)

感想を書くことってあまり得意ではないのだけれど(感想は人それぞれと理解してはいても、自分の感覚が間違っているような気がしてならないので)、私が感想をもらう場合は何を言われても嬉しく思うから、勇気を出して公開してみる次第。
それから最後には、個人的夏休み課題図書のご紹介もします。


◆五月雨コネクト とき子さん

ものすごい熱量を感じる作品です。

恋ってなんなんだろう。愛ってなんなんだろう。女と女の言語化しがたい関係性を目の当たりにするたびに私はその不可思議さについて考え込んでしまうし、この謎を解き明かすことは私の生涯の課題なんじゃないかとすら思っている(だからこそ熱のたからばこみたいな小説を書いてしまう)。

この物語からは、私が常に抱いている謎のひとつの正解の形を見せていただいたような気がします。葵子とモチ子の人間模様が美しくて、それでいて手に取るように理解できて。こういう心の機微を逃さずに捕まえて書けるようになりたいなあ、と強く感じました。


◆喫煙所 寝癖さん

彼らの日常と足並みを揃えて歩んでいきたくなるような、そんなリアルさとあたたかさを兼ね備えた物語でした。以前から寝癖さんの文章力の高さは尊敬しているのですが、今作もそれが光っています。

何気なくも確かな土台がある物語、これぞ文学だと私は思います。


◆レフト イズ ライト 令夫人の忘れもの あるいは 裏切られた世代 Betrayed Generation 上村楽園さん

昨年の「レフト イズ ライト」も楽しく読ませていただいたので、続編の登場が嬉しかったです。

左利き専用のホテルというコンセプトが素敵。かくいう私は右利きなので、合間に挟まれる左利きあるあるネタにはっとさせられることもしばしばでした。
そして行き着いたのはまさかの結末で、切ないやらやるせないやら……だけど最後には救いの光が見えてよかった。令夫人、どうか幸せになってほしい。


◆花菖蒲 ふみさん

まるで夢の中にいるかのような気持ちで、文字と文字との間を漂いました。読み終わってからも意識は薄ぼんやりとしていて、ただただそこにある風景が断片的に頭に残っていました。

浮かび上がるのはあらゆる種類の花々たち。どこかセピア色に染まった印象の物語の空気に、いつまでも浸っていたくなります。それはある意味、物語の世界にすっかり足を絡めとられてしまったということなのかも。


◆どちらかが、死 海野やまめさん

自分の選んだ道、そして選ばずに済んだ道について考えさせられるお話でした。こういう状況に陥る可能性ってたぶん誰しもが持っていて、決して対岸の火事ではないんだろうなと思います。
タイトルがなかなか衝撃的なのだけれど、あとがきを読むと余計その文字列にぞっとさせられる。

完全に余談ですが、私の感想にいただいたコメントにママーーッとなってしまった25歳児は私です!!!


◆ラヴィアンローズ 鈴懸ねいろさん

ねいろさんの「花を生む人」の物語をリライト作品として読めて嬉しい!

きれいな花と「生む」という描写のアンバランスさが、一見やさしくやわらかな物語に陰を落とす。この陰陽というか明暗というか、光と影を共存させるのが本当にうまいなと思います。何よりねいろさんの花の描写力の美しさといったら!
親子関係の切なさに胸がきゅうんとなりました。


◆仕舞う人、建てる人 中島亮さん

地元が舞台だったのと、語り手の一人称「ワシ」に惹かれました。
津田店長ほど自分の仕事に真摯に向き合える人って、いったいどれだけいるんだろう。損得勘定ではなく人として、お墓のことを深く考えている。お仕事小説ではあるものの、それ以上に人として大切なことがしんみりと胸に響いてきました。


◆山猫軒のオーダーシート 白鉛筆さん

面白かった!!後半の畳み掛けるような展開が鮮やかで見事でした。今作は読者も含めて彼らの演技にやられたわけだけれど、考えてみれば私たちだって常にエチュードの最中にいるようなものだよな、とも感じました。

っていうか、ミステリーが書けるだけですごい。行き当たりばったりで書いちゃうから伏線とか張れないんだ私……。


読みたい物語

新世界より 上・中・下巻

夏休みの課題図書として、ついにあの『新世界より』を手に入れた。ようやく履修します……!
グロいとか怖いとかいう評価も聞くけれど、かつて村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を乗り越えた私に怖いものはないと信じている。

締切に追われる状況からもひとまず脱したので、再び読みつつ書きつつの生活を取り戻していこうと思います。創作大賞応募作品もまだまだ読みたい作品が溜まってる!


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皐月まう 本作り、お勉強としての読書、猫たちのおやつに使わせていただきます。お気持ちしかと受け止めます🦔🫶🏻