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MVP ARCHIVE HISTORY|Energy : Nuclear Energy 10 : Fukushima Daiichi 2011 / 福島第一原子力発電所事故

Fukushima Daiichi 2011 / 福島第一原子力発電所事故

福島第一原子力発電所事故

2011年3月11日14時46分、東北地方太平洋沖地震が発生。
福島第一原子力発電所 では、運転中だった1号機、2号機、3号機が自動停止し、原子炉の核分裂反応は停止したが、燃料からはその後も崩壊熱が発生し続けるため、継続して冷却する必要があった。

地震によって外部からの電力供給が失われると、非常用ディーゼル発電機が起動、しかし、その後に到達した津波によって発電所内の電源設備や冷却設備が広く浸水し、原子炉を冷却するための電力と機能が相次いで失われた。

全電源喪失

原子炉は停止しても、燃料から発生する崩壊熱がすぐになくなるわけではない。冷却を続けなければ、原子炉内部の水が蒸発し、燃料が水面から露出して温度が上昇する。

福島第一原子力発電所 では、津波によって電源や計測機器の多くが使用できなくなり、原子炉内部の状態を正確に把握することも困難になった。
限られた電源と設備の中で冷却や減圧、注水が試みられたが、1号機、2号機、3号機では炉心損傷が進み、燃料が溶融した。

炉心溶融

燃料の温度が上昇すると、燃料を覆う金属製の被覆管と水蒸気が反応し、発生した水素は原子炉建屋内に蓄積し、3月12日に1号機、3月14日に3号機、3月15日に4号機の原子炉建屋で爆発が起きた。

事故当時、4号機は定期検査中で原子炉に燃料は入っていなかった。
4号機の爆発については、3号機で発生した水素が共通する配管を通じて流入したと考えられている。
爆発によって建屋は大きく損傷し、事故への対応はさらに困難になった。

放射性物質の放出

炉心損傷や 原子炉格納容器 からの漏えい、圧力を下げるためのベントなどによって、放射性物質が大気中へ放出、風向きや降雨の影響を受けながら、放射性物質は発電所周辺だけでなく、福島県内外へ広がった。

事故は国際原子力事象評価尺度( INES )で、最も深刻なレベル7に分類され、住民の被ばくを抑えるため、発電所周辺では避難指示が段階的に拡大された。

避難と地域への影響

避難区域は放射線量や事故の進行に応じて設定され、その後も長期間にわたり、多くの地域で居住や立ち入りが制限された。事故によって、多くの住民が短時間のうちに生活の場を離れることになった。

避難は放射線から住民を守るために行われた一方で、生活基盤の喪失、家族や地域社会の分断、医療や介護環境の変化など、広い影響をもたらした。

福島第一原子力発電所事故 は、原子炉の問題だけではなく、地域社会全体に長く影響する災害となった。

事故後の対応

事故後、原子炉への注水が続けられ、2011年12月には原子炉の状態が安定していることを示す「 冷温停止状態 」が宣言された。

しかし、これは事故以前の原子炉における通常の冷温停止とは異なる。
原子炉内部には、溶けた燃料と構造物が混ざり合った燃料デブリが残されている。
・原子炉の冷却と監視
・使用済燃料の取り出し
・燃料デブリの調査と取り出し
・汚染水の発生抑制と処理
・放射性廃棄物の管理
・損傷した施設の解体

福島第一原子力発電所 の1号機から6号機はすべて廃炉の対象となっており、廃炉作業は現在も続いている。

汚染水と処理水

損傷した原子炉を冷却するために注入された水は、燃料デブリなどに触れることで放射性物質を含む汚染水となる。
さらに、原子炉建屋へ流れ込む地下水や雨水も汚染水発生の一因となった。
発生した水は、多核種除去設備( ALPS )などを使って放射性物質を取り除く処理が行われる。

処理後も残るトリチウムを含む水については、基準を満たすよう海水で希釈した上で、2023年から海洋放出が開始された。
廃炉、汚染水、ALPS処理水への対応と周辺海域の監視は、現在も継続して行われている。

世界への影響

福島第一原子力発電所事故 は、原子力発電所が大規模な自然災害と同時に複数の安全機能を失う可能性を示した。
事故後、日本では原子力規制体制が見直され、原子力規制委員会が設置された。
・地震や津波など外部事象への備え
・長時間の電源喪失への対策
・複数の原子炉で同時に事故が起きる可能性
・水素爆発への対策
・緊急時の避難計画
・重大事故を前提とした設備と訓練

事故は、設備を個別に守るだけでなく、複数の防護機能が同時に失われた場合まで想定する必要性を世界に示した。

Archive Point

福島第一原子力発電所事故 は、
巨大地震と津波によって電源と冷却機能が失われ、停止後も残る崩壊熱を十分に取り除けなくなったことで進行した事故である。
原子炉は「 停止すれば安全になる 」わけではなく、停止後も冷却を維持し、電源、設備、情報、組織、避難体制を途切れさせないことが必要になる。

福島第一原子力発電所事故 は、原子力安全とは一つの装置だけで成立するものではなく、複数の防護層を維持する仕組み全体によって支えられていることを示した。

Fukushima Daiichi 2011 / 福島第一原子力発電所事故


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