「イランが核武装しようとしてた」は嘘です
【抜粋】 下記の『イラン戦争をめぐる実情を詳しく知りたい人へ徹底解説』の内容があまりにも情報量が膨大なので、そこから1つのテーマだけを抜粋したのがこちらの記事になります。
では本題に入ります。
イランが核武装しようとしてた←このデマを徹底論破
トランプ大統領やヘグセス国務長官が会見で広めたことで、イランがまるで核武装する直前だったというデマが流布されているので、この解説をしていきます。
まずはこの、トランプの盲言をどうぞ。
🇺🇸🇮🇷 トランプ氏が、イスラエルは核武装したイランと対峙するまであと2週間だったと主張した。
— トランプ氏 発言速報 (@TrumpPostsJA) March 9, 2026
「もしあのB-2攻撃をやらなかったら、イスラエルは消し飛んでいたよ。」
「奴らは2週間以内に核兵器を持っていたはずだ。」と語った。
この件の真相を、我々が知ることは決してないだろう。 pic.twitter.com/UVXvQqI2R8
IAEA(国際原子力機構)がトランプの声明を明確に否定していますね。
イラン核武装すると決めつけて先制攻撃したことに正当性が無いと。
イランの核兵器保有について、IAEA(国際原子力機構)はこれまでと変わらず否定的です。グロッシ事務局長は「イランは核兵器をつくるための構造化されたプログラムを持っていません」と話しました。アメリカが核保有を疑って先制攻撃をしたことには、正当性がありません。pic.twitter.com/3Ie5xVwp4b
— 藤井セイラ (@cobta) March 4, 2026
それでも納得できないという方のために詳細を解説していきます。
イランは濃縮ウラン備蓄ゼロに同意していた
イランとアメリカの仲介国であったオマーン国の外務大臣が、「イランは濃縮ウランの備蓄ゼロに同意した」と述べている。 つまり交渉は決裂なぞしておらず、むしろ成立しそうだった直前に、イスラエルと米国がイランに騙し討ち攻撃をした。

これはイラン広報ではなく、中立国のオマーンが言っているということは知っておいてもらいたい。 オマーン外相が直接その説明をしてる動画がこちら。
Oman’s foreign minister says Iran agreed to “zero enriched uranium stockpiling.”
— Daniel Lambert (@dlLambo) February 28, 2026
Within hours, Israel and the USA attacked them.
It was never about peace or uranium but about acting out Netanyahu's biggest bloodthirsty fantasy.
pic.twitter.com/YDdNmPchmx
そもそもハメネイ師は核保有反対派だった
アメリカイスラエルによるテロ先制攻撃で殺害されたイラン最高指導者アリ・ハメネイ師は、そもそも長きにわたり核保有に反対していたという話から始めよう。
例えばこれ。2003年にハメネイ師は核兵器の所有と蓄積をファトワで公式に禁止しています。
こちらでも、ハメネイ師が明確に「核兵器禁止令」を出していたことを報じている。
だがなぜ西側諸国や日本で「イランは核武装直前だった」というデマを信じてる人が多いのか? 主にはイスラエルが数十年前からやっていた情報操作によるものだ、というのを解説していく。
2009年、マイケル・マレン統合参謀本部議長は「イランが核兵器を開発する時期は今後1〜3年以内」と述べ、ジョン・ボルトン元国連大使は「イスラエルは2009年末にイランを攻撃するだろう」と発言。こういったことが延々と繰り返されてきた。 西側で「イランがもうすぐ核保有」ナラティブが40年以上繰り返され続けてきた。 ナチスがよくやっていた「ウソも百回言えば本当になる」の一例ですね。
イランは核不拡散条約(NPT)署名国
これが何を意味するか。
イスラエルは少なくとも90発の核弾頭を保有している(SIPRI推計)なぜこれが許されているのか?
ひとつはアメリカがイスラエルの核武装を許容しているという点。
もうひとつは、イスラエルは署名国では無いから。
インド・パキスタンも未加盟であり核保有を公言。 北朝鮮は核武装するために2003年に署名国から脱退した。
核兵器保有したい国はまず脱退するんですね、署名国のままであり続けているということは常にIAEAの厳しい監査も受けるわけで、その監査の目から逃れながら核兵器開発を進めるなんてあまりにも非合理的で不可能です。
これこそが国際的な証明になっているという事を知ってもらいたい。
イランの核開発の歴史 きっかけは米国
そもそものイランの核開発計画は1957年、当時アイゼンハワー大統領による「平和のための原子力」計画の一環として始まり、米国や西側諸国はイラン革命でパフラヴィー国王が失脚するまで核開発に深く関与。
つまり核技術をイランに教えたのは米国自身であり、その後「それが危険だ」と言い出した二重性があります。
そこから核研究計画は秘密裏に進められていたが、核兵器をイスラム教の立場から悪と見なした初代最高指導者ホメイニ師によって1979年に計画を解散。だが1989年 ホメイニ師が死後に、米国イスラエルによるイラン核武装論が広められることになり、ここから西側でナラティブが広まった。
なので2代目最高指導者であるハメネイ師も「核兵器禁止令」を出し、それを守り続けてきたという流れ。
「ウラン濃縮=核武装」というデマ
まず、外国との原発契約をアメリカが妨害したという経緯がある。米国の圧力によって複数の外国政府との原発契約が中止に追い込まれたことを受け、外国から燃料を買おうとしたらアメリカが邪魔したので自国で作るしかなくなった。
そしてイランは自国の核開発計画は平和目的で、濃縮レベルは民生の原発用燃料と一致する5%以下であると表明している。
「高濃縮=核武装」と言うが、通常の原子炉用にはウラン235の割合を3〜5%に高めた低濃縮ウランを使用します。この5%程度の濃縮技術を確立すれば、どのみち90%の核兵器級高濃縮ウランの製造も可能になります。つまり技術的に言えば、5%の濃縮技術を持てば理論上90%も可能ということ。
そして、イランが60%濃縮を行っている公式理由は、がんの探知などを目的とした放射性医療品・テクネチウム99mの源となる核物質モリブデン99の製造です。 そしてこれはIAEAも、懸念は示しているもののイランがこれを行っていることを許容しています。
繰り返しますが「イランが行ってるウラン高濃縮は違法ではありません」
次に、「なぜ60%になったか?」の経緯が重要で、2015年のJCPOA合意ではイランのウラン濃縮の上限3.67%に設定されていました。 だが2018年にトランプ政権がJCPOAから離脱したため、合意そのものがたち消え、2021年からイランが濃縮度60%のウランを製造するようになった。 つまり「合意を破ったのはイランではなく米国が先」 この事実は、現在の西側メディアから完全無視されています。
「なぜ60%濃縮ウランなのか」ここが重要
これも前述した通り、「放射性医療品・テクネチウム99mの源となる核物質モリブデン99の製造に必要だから」というのと「一度濃縮したウランを希釈するのは難しく、そのまま保管し続けていることが一番安全」というのと「けして60%以上には上げていない」という点。 ここが大事で、イランはきっちり60%を守ってます。ここが重要で、
「60%から90%への追加濃縮には膨大な予算を費やし、膨大な時間を費やし、さらに高度な技術を要する設備が別途必要になる」ということ。 それを核不拡散条約(NPT)署名国のまま、IAEAの監査を受けながらこっそり秘密裏にやることは「不可能」ということ。 どうしても核武装したいなら北朝鮮のように離脱してさっさとやってます。
指導者暗殺によってイラン核武装の可能性が高まった
前述したように、イランに核武装する意思はなく、交渉は順調に進んでいた。にもかかわらず騙し討ちの大虐殺テロを起こしたトランプとネタニヤフ。
これによって最高指導者を受け継いだモジタバ師、「イランが核武装する可能性」を示唆した。
前述したように、イランは核兵器をそんな数週間で核兵器を作れる段階になんぞ、全然至っていないということは、IAEAが公式に認めている。 オマーンを仲介役にした交渉も順調に進んでいて、とくに亀裂もしていなかった。 裏切ったのはアメリカとイスラエルだ。 ここでイランが核武装すると声を上げるのは当然の流れだろう。
現実問題イランは国際法を破っておらず、一方的に騙し討ちを仕掛けられている側なのだから。 これについては今後注視していきたい。
以上になります。
上記の抜粋記事のフルバージョン解説記事はこちら。
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