「台湾有事は日本の存立危機事態」は嘘です
トランプ氏、台湾に独立宣言しないよう警告
まず大前提としてこのようにトランプですら台湾有事などという話はしていません。【2026年5月15日、米中会談での発言】
では誰が言ってるのか? 世界で高市早苗だけ。
高市がいかに無茶苦茶なことを言ってるのかを解説していきます。
台湾有事は日本の存立危機事態なのか?
高市総理による11月7日 予算委員会の答弁「台湾有事は日本有事なので存立危機事態になり得る」
ここから中国との国交が大きくこじれて緊張が高まったわけですが、この発言がどういう意味を持つものか解説していきます。
日本の歴代首相の発言をまとめたので、まずはこちらをご覧いただきたい。

かつては自民党の歴代総理大臣でさえも、憲法を遵守しアメリカからの再三の戦地への派兵要求を拒否してきた。
しかし国民を守ってきた憲法を無視して、アメリカが攻撃されそうな際に自衛隊がアメリカの二軍として矢面に立たされる「集団的自衛権」を容認したのが安倍晋三。 それを更に加速して国民を窮地に追い込んでるのが高市早苗だという歴史を知って下さい。
そして「台湾有事・存立危機事態」発言
これまでの歴代総理や、トランプですら「あいまい戦略」で濁してきたことを、高市首相が何も考えず答弁したこの発言の重み。
中国はなぜこの発言に過剰反応したのか? テレビ新聞では一切このことが語られないので解説していきます。
「台湾有事」発言の問題点
そもそも敗戦国である日本が、中国に対して戦争国家賠償をしなくてもよいと、完全免除しますよという契約を結んだのが、1972年 田中角栄・周恩来会談、日中共同声明。
そこで「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と、あくまで日本は内政干渉しないという約束と引き換えに、中国は日本への戦争賠償請求権を放棄した。


つまり高市総理は、日中の国際条約を破っているということ。
なお、ドイツは一切免除されることなく数百兆円の国家賠償を払ってます。 逆の立場だったらどうでしょうか、 数百兆円と引き換えに取り決めた約束を反故にされて許せると思いますか?
そもそも、かつて大日本帝国軍が台湾を侵略する以前の212年間、台湾は中国の一部でした。 そこから「日本が敗戦したので領土を元のかたちに返却します」となったに過ぎない。 つまり日本の統治時代を除いた212年間+戦後80年間、中国の領地の一部という立場であり続けていたわけです。
「存立危機事態」発言の問題点
中国にとっては、1931年満洲事変・1937年日中戦争、かつて旧日本軍が中国を侵略する際に攻め込むのに使った言い訳が「日本は窮地に追い込まれ存立が脅かされているので防衛のために中国侵攻する」だから。
中国側にとっては歴史的トラウマであり、「日本はまた同じことをする気か‥」と蹂躙された忌まわしき侵略の歴史が蘇る発言であり、だからこそ、実質「日本による宣戦布告に等しい」発言として受け止められているという事。
なので、これは過剰反応ではなく、歴史認識の非対称性から生まれる構造的問題。 高市総理やマスコミはこの歴史を一切まったく1ミリたりとも語っていないが、この国家観の非対称性を理解せずに外交・安保に携わることは非常に危険。
中国が台湾を軍事侵略する可能性について
まずは、そもそも中国が台湾に軍事侵攻してどんなメリットがあるのかという話からはじめないといけない。 十分いまの台湾(中華民国)との関係によって中国(中華人民共和国)が得をしており、旧日本軍に侵略される前の200年間および戦後80年間、この関係値を上手くやりくりしてきたことを説明する。
台湾は、中国とは別の法体系で独自の自治政府があるがゆえに意味がある。TSMCはその成功例であって、大躍進したのも、中国にはない自由な風土と環境の違い、規制や監視のゆるさ等のガス抜き要素、公平公正な選挙制度があったからで、これも国家の多様性を認めた結果だ。
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人口や政府の統括レベルや資本力が圧倒的に上である中国本土が作れなかった理由がその答え。 台湾が中国の完全支配統治下におかれて今のポテンシャルが発揮できるわけがない。 オードリータン初代デジタル大臣が生まれたのも台湾の土壌あってこそ、規制と監視が強い中国ではけして生まれ得なかった。
中国の一帯一路の現在における答え。 これは「征服しなくても経済的に取り込めばいい」という戦略。
相手国にとって必要不可欠な立場になる。 生産力と技術力で他国を凌駕することで国際的な政治的影響力を得る。 中国を嫌いな国であろうと付き合わざるをえない状況にもっていく。 軍を動かさずに資金力で勢力圏を広げるということをやっている。
なので、中国は他国に侵略戦争をする必要がない。 日本の25倍の土地に資源がたんまりとあり、14億人もいるわけで、それこそ他国にかまけてたら国家が崩壊する。
仮に、ここで無駄に手を広げようものなら、かつての第二次世界大戦での大日本帝国軍のように侵略範囲を広げすぎて補給が届かず
「日本兵の戦死、その6割が餓死」というような悲惨な状況になるだけだ。

それよりも国内不満の対応や政治闘争や外交や経済活動で忙しい状況。 その国内問題を誤魔化すために支持率アップのために戦争起こすなんてことを考えるのは米国イスラエルぐらいだから。
アメリカが日本を51番目の州にしないというのも同じ理由。 国民から税金をいただくということは、逆に言ったら社会保障をしっかり提供して国民を飢えさせない、制度設計して国民の不満を解消しないといけないという責任を負うからだ。
緩衝国家(直接衝突を避けるクッション役)
さらに中国にとっての台湾っていうのは地理的特性として軍事的に重要な防衛拠点「緩衝国家」の役割も果たしてる。 分かりやすく言うと中国に近づく領空と領海を守る盾になってるということ。 なので中国の中央政府軍がその範囲まで目を光らせないでいいので、なおさら今のままで十分なんです。
なので、もし台湾が独立国家になったら、中国はこの領空領海まで他国が侵略してきても手出しができなくなる、だからこそ「一つの中国でないと駄目だ」という主張をしているというわけ。
日本の北方領土問題もまったく同じ構造です。返還後、北方領土に米軍基地を置かない、領空を米軍機に飛ばせないという約束をすれば返却するという話をしていたが、日本が「その約束はできない」と回答したことが原因。
北方領土返還のネックは米軍駐留だと知らない人が多い。プーチンは「日本はアメリカの意向に逆らえるのか?」と懸念を表明。 pic.twitter.com/7mnOeJS7JR
— mooncave (@mooncave3) February 18, 2026
ちなみに北朝鮮も、韓国や在日米軍基地に対しての緩衝国家の役割になっています。 だからこそ中国とロシアが裏で支援している。お互い見返りあっての支援ということ。
ウクライナは、ロシアに対するNATOの緩衝国家です。だから支援している。可哀想だからっていうのは建前で、国家として利益になるから支援してるということ。
いま「台湾有事は日本有事だ!」と高市政権が煽ってるように、中国が実際に軍事侵略したとしたら、それこそアメリカ軍が満面の笑みで出張ってくるでしょう。 ベネズエラやイランがまさにそうやって被害に遭った。
アメリカ政府と西側メディア日本メディアは、中国に対して『独裁で好戦的で考えなしに台湾に軍事侵略しようとしてる野蛮なテロ国家』というイメージを植え付けてレッテル貼りしてるが、そんな国がここまで経済成長できるわけがない。 現実を見てほしい、アメリカ側が仕組んだプロパガンダを信じるなという話。
戦争反対だから軍事力を高めるという矛盾
まず最初に知っていただきたいのは、日本の軍事力は、世界7位

だが、よく言われているのが「中国の防衛費は日本の5倍」あると、だから中国が軍事拡大しているという説について。こちらの画像をご覧いただきたい。

これだけを見ると「中国が軍拡予算を増やしてる!戦争を起こす気だ!侵略されるぞ!」と恐怖を抱く人がいるが、よく考えてほしい。
日本は、防衛費対GDP比「1%前後」を60年間キープし続けてきた。
つまり、年々増えていたが、あくまでは日本のGDPが増えたから防衛費も一緒に増えてきたという事。
GDPの推移を示したこちらの図をご覧ください。 90年代から日本のGDPが成長停滞したせいで、コツコツと成長してきた中国に抜かれることとなった。まさに「ウサギとカメ」状態。

そして実際に、中国の「防衛費対GDP比」は1%台前半のまま変わっていない。

つまり中国は、別に軍拡を頑張ったわけでも何でもなく、生産力と技術力と供給力を高めて経済成長をしていったら、自然と軍事予算も増えていったということ。
日本は経済成長そのものが30年間、完全に停滞していたので相対的に防衛費も横ばいだったということ。

日本は失われた30年、他国は急成長の30年
「失われた30年」という言葉は有名ですが、日本は30年間ほぼ経済成長しなかったことが当たり前だった。 なので「他国も同じように成長してないはずだ」と思いこんでいる節があります。 だがよく考えてほしい。 30年あれば国家がどこまで成長できるのかを。
戦後の日本は貧困国だった。そこから1960-1990年。高度経済成長と呼ばれる30年間で一気に成長し「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれるほどの経済大国となった。

そして日本の経済成長が止まった時期と反比例して、
中国は1990-2020年で、かつて日本がしたように30年間かけて急成長したということ。

こちらは中国全土の鉄道網。 日本が完全に停滞していた時期に、隣国では着実に発展を遂げていた。

中国の現在の人口14億。 土地面積にいたっては日本の25倍。
資源も豊富な土地であり、レアアース採掘に至っては世界シェア7割。 精錬9割を占めているわけだから成長しだしたら早い。

この図は2023年ですが、2026年もほぼ変わってません。
もちろん中国にだけじゃなく、失われた30年の間、こうして他国にゴボウ抜かれされてきた。

それも当たり前で、日本のGDP成長率は世界最下位クラスだから
(戦争や内紛が起こっていない国の中では世界最下位)

ほぼ真上に伸びてる茶色い線が 韓国・中国
地べたを這いつくばってる青い線が 日本

そもそも中国ガー以前に、全員に抜かれてるという状況。
「昔は凄かったね、今は落ちぶれたけど」というのが日本の現実。
食料安全保障が壊滅状態の日本
当然、防衛費に含まれない政策も、国防という観点においては重要な要素が多くある。それを一つひとつ掘り下げていく。
前述したが、第二次大戦における日本兵の戦死の6割は「餓死」 つまりそれだけ食料は武器と同じぐらい重要な国防力であるということ。
にもかかわらず‥
今の日本は、戦時中よりも食料自給率が低い。

さらにカロリーベース38%というのも数字の誤魔化しがあり。種や肥料や飼料のほとんどが輸入のため、海外からの輸入が完全に絶たれた際の日本の食料自給率は10%以下と言われている。

島国の日本がこの状況でどう戦えというのだろうか?
中国の輸入が完全に途絶えたらどうなる?
さらに考えるべきは、「どこの国の輸入が途絶えたら困るのか」という問題。 いま高市政権において「日本政府が一番敵視している国である中国」と、もし軍事的衝突を起こしたとして、輸出入が完全に途絶えたらどうなるのかを見ていこう。

日本に住んでたら分かる「輸入品の4分の1が中国製」 実際に販売店に行ったり身近なものを調べてみたら、これが確かな数字だと実感できるはずだ。 日本人1億2000人が生活していくうえで、輸入品の26.9%を賄っている中国製が一切輸入されなくなったらどうなるのか?
じゃあアメリカとオーストラリアからの輸入が完全ストップしたとして、他の国からの輸入を増やして賄えますか? 国内増産して日本はやっていけますか? 無理でしょう。 中国憎しのあまり現実を無視するのはやめてほしい。
日本において一番の輸出入取引国が中国であることは事実。 どんなに嫌いでも隣国と上手くやっていくしかないと自覚してほしい。
日本だけじゃない、2000年においては世界各国の主要取引国はEUだったが、2024年においては大部分が中国になっている。 中国依存してるのは日本だけじゃない、中国は世界に席巻している。

安全保障のジレンマ
あなたはこの言葉をご存知だろうか?
知らない方のために具体例で説明すると
A国が「防衛のため」に軍備増強する
B国が「A国が攻めてくるかも」と感じて軍備増強する
A国が「B国が増強した、やっぱり危ない」とさらに増強する
誰も攻める気がなかったのに、武装強化が年々エスカレート
この際限がないループになることを指す。
知らない人が多いようだが、ソ連が崩壊した理由の一つが、アメリカ冷戦時代に軍拡競争で軍事予算に全振りしすぎたせい、というのがある。
勿論これだけではないが明確に関係してます、ソ連は安全保障のジレンマで崩壊した。
「ソ連は崩壊したのに何故アメリカが生き残ったのか?」を知りたい方は、詳しい解説をこちらの記事でまとめてるのでどうぞ。
日本と中国 の関係で説明します。
そもそも日中で、防衛費対GDP比ではほぼ一緒でした。 なにが脅威とされてるかと言うと、経済力GDPが段違いすぎて、中国のGDPが日本の5倍あるせいで、軍事予算も5倍になっているという点。
そこで日本政府は張り合って、福祉を削って防衛増税したうえで、防衛費対GDP比を倍の2%にしたわけですが、それでも中国予算の3分の1にも到達しておらず、さらには中国側がそれに警戒して防衛費来年度予算を微増させました。
当然ですわな、中国にとっては隣国が戦争をふっかけながら軍事予算を増やしてるんですから。 こういうシーソーゲームが始まってしまうんですよ。
これが「安全保障のジレンマ」
日本政府はどうするんですか? 対GDP比5%にでもしますか? ただそうしても、中国はそもそも人口14億、 土地面積も日本の25倍なので日本以上に増やしてきますよ。 日本はこのまま福祉や教育費を削って軍事に全振りするつもりですか? それこそ日本が滅ぶ道しかないですよ。
熊本市に長射程ミサイル配備
これまで中国と軍拡競争をして張り合うことがいかに日本を滅ぼすかということを説明してきましたが、高市政権はとうとうここまでやりました。
熊本県知事 「装備品展示会をやると聞いていた
— 桃太郎+2 (@momotro018x) March 9, 2026
↓
実際は他国の基地を攻撃する長射程ミサイル配備
国が首長を騙して市街地にミサイル配備するってどういう事だよ
熊本市が他国からの報復対象地になってしまうということだぞ‥
https://t.co/nLjKVJJmoL
完全な市街地です。 イラン戦争ですでに多くの人が確認したと思いますが、相手国にとってはミサイル発射基地が一番の報復場所になります。 もし戦争になったらこの周辺一帯が攻撃対象になるということです。

さらに、静岡にも配備するとのことで、射程はこの範囲になると試算されています。

これ何の意味があるんでしょうか? むしろ、相手国が反撃する理由を与えてるとしか思えません。 中国ロシア北朝鮮に、日本を合法的に攻撃してほしい (仮に日本が先制攻撃した場合、国連憲章 第51条「自衛権の発動」により中国ロシアは合法的な報復措置として日本にミサイルを撃つことが出来ます) これを狙ってるとしか思えない‥。
さいごに
『攻め込まれてもなにもするな』とか、『黙って侵略されろ』なんて話はしてません。 憲法9条があろうが、個別的自衛権を発動して報復攻撃することは出来ます。
現にいまイランがやっていることが正にそれ。 米国 イスラエルに騙し討ち先制攻撃という国際法違反で最高指導者ハメネイと幹部40名以上が殺害され、小学校を空爆され児童165名が殺害されたことによる報復攻撃、これこそが、国連憲章 第51条「自衛権の発動」です。
中国はそもそも日本の一番の輸出入取引国であり、あらゆる面で中国の食材や部品が日本経済を回す根幹になっている、そこへ意図的に戦争をふっかけてるのが日本側です。
そもそもが『戦争反対だからこそ軍事力を強化して抑止力を高め、集団的自衛権の行使容認してアメリカに加担し、中国やロシアに喧嘩を売りまくるべきなんだ』この論調がおかしい。
だったら、一番の軍事力が誇るアメリカと、一人当たり軍事費比率1位のイスラエルが、戦争抑止どころか他国に戦争を起こしまくってるのはどういうことなんだ?という話。
そもそも本当に日本が戦争に巻き込まれたくないと思ってるなら「台湾有事は日本有事なので存立危機事態にあたる」なんて高市発言は真っ先に非難すべきでしょう。 完全に矛盾してるんだから。
以上になります。
国防を考えるうえでは下記も大事な問題を解説したこちらの記事も、合わせてごらんいただきたい。
南鳥島レアアース事業がどれだけ絶望的か、マスゴミがどれだけ真実を伝えてないか、政府の嘘を完全暴露しています。
ホルムズ海峡封鎖による日本の石油枯渇問題。 メディアが一切伝えない情報をまとめました。
国防を語るうえでは欠かせないスパイ対策について、日本のスパイ防止法は、戦時中の治安維持法そのものだと徹底解説。
今回の記事は、こちらから半分ほど抜粋したものになります。つまり当記事のフルバージョンが下記になります。
