文学フリマで買った14冊の読書感想文を一挙公開
2025年5月、文フリに行ってきました!2回目。海外から帰ってきてすぐだったので体力的にはお休みしたい気持ちもありつつ、前回あんまりにも楽しかったことで取り憑かれてしまったんですね。もちろん行ってきました。


▽初めての参加で興奮冷めやらない日記

結果、たった1時間半ほどしか滞在しなかったにも関わらず、こんなにお迎えできました(してしまいました?)。とにかく、前回にまして今回は楽しかったですね。前回よりもnoterさんたちとの交流ができたからかもしれません。
ほくほくしながら帰って、そこからページにめり込むように読み続けました。今回は当日のレポと読書感想文をまとめて書いてみようと思います。あ〜楽しかったな〜。(ちなみに、一冊ずつ思い出を含めて語っているので、ここからとても長い記事になってしまいました。)
『死んでないけど走馬灯』しりひとみ

しりひとみさんはXでもnoteでも以前から存じていて、前回は『異常係長日記』を買いました。とっても面白かったので、今回は新作をいただきたいぞ、と最初からリストアップしていました。書き連ねられている著者さんの豪華さに驚き。それぞれのファンの方は問答無用で絶対読んだ方がいいですね(余計なお世話だとは思うけれども!)。
読んでみて、まず走馬灯には結構いろんなイメージがあるんだなと驚きました。わたしは結構スライドショー的な、一番印象に残っている画像がぱ、ぱ、と流れていくイメージを持っていたのですが、何分も映像が流れ続けるタイプの方とか、一本の映像が一場面だけ流れる方とか。自分が何をみたいのかなって考えちゃいました。そして、人の人生のハイライトを豪華メンバーの分見られるこの本は、端的に面白いです。個性の爆発。
文章で言うと、わたしは前回の文フリでも本を買わせていただいた岡田さんの文章が好きで。状況がわかりやすくて人間臭さがあって、それで登場人物が憎めない感じ。しりひとみさんはお姉さんとのやりとりが超ハピネスフルで、実家のひょうきんな妹たちが非常に懐かしくなりました。あいつら、まだバカやってんのかな。やってんだろうな。内輪の爆発的な盛り上がりが消えないように、でも他の人にはわかってもらいにくいこと、なんだかすごくわかる。で、走馬灯のイメージで言うと、尾崎世界観さんのが一番しっくりきたかも。結局、繰り返しの毎日の部分がちょっとだけ切り取られるように、特別じゃないところだけを抜けて死んでいくのかなって気がするんです。
『二十八歳 その他九つの短編』木村山羊哲也

文フリの前日にやぎサミットに参加し、初めて対面した山羊さん。noteの文章の印象と違わず、熱くて、ロックな方。この文フリでは二十八歳を迎えたいと決めていて、それは自分も今二十八歳だからなのでした。
入り口すぐという事前の情報通りに、本当に入ってすぐの場所にブースがありました。だから当然一番最初に訪れたブースでもあり、まだ自分の中でお話しする、お迎えする心の準備ができたと言えないままに人の波に流されました。昨日はありがとうございましたと山羊さんにご挨拶し、「わたし今二十八歳なんです!」と突然の公開自己紹介をするくらいには人と話す準備不足だったといえばわかっていただけるでしょうか。初めましてのニツカさんを驚かせてしまったかもしれません。
『二十八歳』には、noteで読んで痺れた『ハイライト』が入っていました。久しぶりにもう一度読み直して、やっぱりいいなあと思うのでした。表題作の『二十八歳』も好きで、人生の行き先はまだ決まっていないけれど可能性が無限大だと信じられるほどは若くなくって、周囲を見渡すともう列車を決めて乗り込んでいる人たちが増えてきているという自分の年齢がぎゅうっと詰まっていました。山羊さんの文章は、(あまりこういう表現方法に流れたくないのですが、)男性的というか、かちりと表面が固く見える印象を持っているのですが、人間のやわらかいところやままならなさに優しく触れていて、物語に救いがある。そのあたたかさがまた人に優しいというか、もっと読んでいたくなるのでした。
『Letters 伊佐知美と古性のちの頭の中』伊佐知美、古性のち

POOLO JOBの講師としてもお世話になった、伊佐さんと古性さん。旅好きの端くれとしてお二人の生き方には憧れを隠せません。文章と旅のキーワード、そして美しい写真たちに現れる魅力がものすごい吸引力なので、noteやSNSで見たことのない旅と文章好きさんがもしいるのならぜひ見てほしい、と一度熱量高めに勝手に宣伝。
さて、このLetters、もう、こういうものを待っていたんだよ、と今のわたしにブッ刺さる内容でした。女性のライフスタイル(妊娠、出産、育児)でブレーキを踏まざるを得ない時期、それをターニングポイントとして旅との付き合い方をどう変えていくのか。わたしは子供がずっと欲しくて、でもその時までに自分の目で見たい景色や体験したい空気が多過ぎて、ものすごく生き急いでいる自覚があります。お母さんになっても好きなことはできるよ、って言葉もほんとうだとは思うけれど、リアルがわからなくて誰かの優しい言葉にももやもやしていた時、知りたい旅人でありママである憧れの人たちの「頭の中」が、一つわたしの羅針盤になってくれた気がします。
『春夏秋冬、ビール日和』つる・るるる

noteでお馴染みのつるさん。お馴染みのといいつつ、(恐れ多くて)あまり積極的に関われていなかった方でもありました。出店されているのはもちろん存じていたので、今度こそはぜひつるさんの御本を買うぞ、と一つのミッションにして行きました。お目当ては、『春夏秋冬、ビール日和』。「風呂上がりの全裸ビール」という強烈な書き出しに完全に惹きつけられてしまって、ビール好きとしてはどうしても欲しかったのです。新作も気になるのですが、まずはこちらを・・・!
さて、つるさんとお会いできることに一人で昂りつつブースを訪れると、いらっしゃいました、つるさん(そりゃそうだ)。自己紹介をするつもりはなかったので、簡単にそれぞれの紹介を聞いて、でも心に決めていたビール日和をいただこうとしていました。知ったきっかけがnoteというところからおしゃべりが転がり、わたしのnoteアカウントをお見せしたらつるさんがわたしが旅行をしていたことを知ってくださっているではないか!!日本にいらっしゃったのですね、と言われて嬉しい嬉しい。もう少しでその後の文フリをスキップして回るところでした。心の中ではしていました。
さて、こちらの一冊を読み、ビール好きとは言ってもつるさんは退廃的な生活をしていない!!季節とか旬とか、はたまた生活の手触りをしっかりと自分の五感で楽しんでいらっしゃる方だと、ひれ伏す思いになりました。「ていねい」とハッシュタグをつける表面上のものではなく、人間が本来欲している部分を逃さないライフの実感がある生活なのが素敵だなと思ったのです。ぬか床の手入れとか、憧れるけど絶対にできないもんな、まずデスクの掃除しろって話だもんなあ。
『にじいろの『はなじ』』とき子

つるさんと興奮しながらお話ししていたところ、ご一緒にブースをされているとき子さんともお話しできました。つるさんととき子さん。前から鳥のお名前が入っているコンビなんだなあと思って存じていたのですが、実際にお会いしたのはもちろんこれが初めて。でも、文フリって一期一会じゃないですか。リストに載せた場所だけを巡って、予定していた本を買うだけじゃもう満足できない体になってしまった身です。こんなに楽しくお話しさせていただいたら、ぜひとも一冊お迎えさせてください、ということで迷いながらもいただいたのがこちら。エッセイにとっても勢いがあるときです・・・!とのとき子さんのお言葉のままに、まずはインパクトのあるタイトル。ワクワクします。つるさんととき子さんの信頼関係が一瞬訪れただけで伝わってくるブースで、今回訪れたブースの中で一番心がほくほくしたのがこちらだったと思っています。
さあ、わたしも読んでいたら鼻血が出ちゃうんじゃないかとそわそわしながらページを捲りましたが、自分では経験したことのないエピソードばかりなはずなのに、とき子さんにぐぐっと感情移入しているわたしがいました。登場する人たちの感情の豊かさ、その中でもとき子さんの勢いは確かに迫力があり、喜怒哀楽に引き込まれます。でも、どんなエピソードでもくすりとできるのがすごいです。シリアスからも笑いを産める文章ってすごいなと改めて思っている今日この頃なので、余計にとき子さんの文章には引き込まれてしまいました。
『たぶん、忘れたふり』野やぎ、まーちん、池田祐子、瀬々いをり、ユースケさん

やぎサミットで初めての対面を果たした野やぎさん。出店されるのは事前にSNSでもちろん存じていたので、必ず手に入れるリストに入れていました。そして、前日には当日に一番ブースの前を何度も往復したのもこちらでした。3名でお店番を回されているそうで、事前に確認しなかったわたしが悪いのですが、野やぎさんになかなかお会いできなかったんですよね。だから、不審者並みにブースを偵察していました笑。結局野やぎさんとはブースでは時間がかぶらなそうだったので購入だけして出口に向かっていたところ、野やぎさんを発見!迷わずお声がけし、さながら野生の野やぎの捕獲でした。前日のお礼を直接言えて、よかった〜。
さて、今回の一冊、テーマがとっても素敵なんですよね。もう話さなくなったこととか行けない場所とか、思い出の中では強く香るような地図を、わたしも持っていると思い出しました。普段は思い出すことなんてないのに、ふとした予期せぬ瞬間に引き出しが開くのって、本当に不思議ですよね。甘酸っぱいとか、ときに苦しいとか。思い出として美化された部分はもちろんあるんだろうけれど、それでも生々しい温度まで自分の周りを包むとき、残った記憶は一つの自分の居場所なのかなとも思います。帰りたいとは、きっと思わないけれど。
『TOTTORI and the DUNE』MON

ブースの前を通りかかって、可愛いものが並んでいる・・・!と一度通り過ぎてからわざわざ戻ったブースがこちら。手のひらサイズのイラストでたどる旅行記やファッション関連の小冊子で、眺めているだけでとても癒されました。お値段もお手頃だったのでお迎えすることを決め、どれにしようと試し読みをさせていただきました。海外のものも気になったのですが、前回訪れた際にとても感動した鳥取砂丘にご縁を感じてこちらにしました。
この表紙のテイストのまま中身もイラストと手書きの文字で旅をなぞるコミックエッセイでした(コミックエッセイの使い方合ってるかな・・)。紹介されているたくみ工芸店の民芸品が気になってしまって、今度鳥取に行くことがあれば訪れたいなと思いました。誰かの旅行記を読むと、行ったことのある場所だと「あ〜わかるわかる」となるのが楽しいし、行ったことのない場所ならもれなく行ってみたくなるワクワク感がたまりません。
『ひとりでチェコにいったこと』トモモ舎・トム子

つい5日前までチェコにいたことでご縁を感じて購入したのはこちらの一冊。『旅の断片』というシリーズを描かれている著者さんで、実は事前にnoteを見て気になっていたブースでした。ただ、リストを作った時にはすっかり失念しており、たまたま会場を放浪していた時に、書影に見覚えがあって立ち止まり、思い出したのでした。そこからじっくり試し読みさせていただき(狭い通路なのにすみませんでした・・・)、散々迷って直近の旅行を振り返れるチェコを選んだのでした。
イラストと文字と写真がふんだんに使われるこちらは、さながら雑誌です。あと、登場人物が動物のイラストなのが可愛い。冷たくされると心が折れて諦めがちとか、ご飯には興味ないとか、共感するところが満載の旅行記でした。初めてのひとり旅の行き先にチェコを選ぶってすごいと尊敬します。わたしはそれはできなかったなあ。今回行ってみたかったけれど旅程の関係で諦めたチェスキークロムロフの写真もたくさんあり、やっぱりチェコはもう一度訪れたいなあと思うのでした。
『dawn ウズベキスタン2泊4日』ひわたび

ウズベキスタンに今年は行きたいよね。24年の年末に一緒にメキシコに行ったメンバーとそう話していて、自分の中で急上昇ワードだった「ウズベキスタン」。だから会場を歩き回る中で、看板の「ウズベキスタン」の文字がことさら大きく飛び込んできたのは偶然ではなかったと思います。しかも4日間で、ウズベキスタンっていけるもんなのか。気になってじわじわブースに引き寄せられ、ちょっと立ち読みしただけで買うことを決めました。ウズベキスタンが気になっているとお話しすると、とってもおすすめだということ。ますます気になります。
旅行会社にプランを組んでもらうっていうのがまずはわたしには新鮮で、確かに現地の映画館に行くには、そのサポートがないと難しそうだなあと新しい発見でした。プランを組んでもらったら順風満帆に行って楽なのかな〜と思っていたら、約束していたタクシーが全然来ないとか、普通にトラブルに見舞われていたのもびっくりしました。やっぱり海外ですよね。むしろプランをお任せしている時の方が、想定外のトラブルが起きた時に準備がなくって焦っちゃいそうだなとか、そんなことも考えました。何より、やっぱり行ってみたい!背中を押してくれる一冊に出会えて嬉しいです。
『ちどりっぷ』文壇ちどり

前日のやぎサミットで最初のテーブルをご一緒した千羽はるさん。今回は旅やお酒をテーマにした一冊を出されるということで、ぜひ読ませていただこうとブースを訪れました。ブースにいらっしゃったので前日のお礼も言えて嬉しかったです。こういうご縁は大切にしていきたいなあ。某旅行誌を彷彿とさせるタイトル、そして書影にもこだわりを感じます。
さて、こちらは合同誌でエッセイも小説も入っているということで、どんな感じかなと思って読み始めたら、旅の仕方も文体もそれぞれ個性があって旅行付きとしては大変興味深かったです。千羽さんのキャリーバッグは使わないというところに共感したり、神域での不思議な経験を追体験させてもらう気持ちになったり、旅行にまつわる文章っていいなあと改めて思いました。
『甘い細波とアンダンテ2』古性のち

最近は無性に短歌と写真に惹かれることもあり、伊佐さんとの本と合わせてこちらを購入しました。シリーズの2作目から買うという自由さ。まずタイトルがおしゃれ。アンダンテってなんだ、と思って調べたら「歩くように適度に緩やかな速度で」という音楽用語が出てきました。軽やかだ。
カメラマンでもあるのちさんの写真の美しさは、それだけでも手元に置いておく価値があります。そこに優しく時に鋭く、繊細に添えられた言葉たちは、ゆっくり噛み締めたいです。ちなみにわたしも、高速で移動する乗り物と高いところではよく文章を書いています。ネットにも繋がらないところでメモにだけ残した言葉たちは、心なしかいつもより楽しく駆けているように思います。
ページをめくって早々の、このうたが好きでした。
きのう道ばたに捨てた希望に誰かが救われたりしませんように
『半熟生活』鈴希のん

事前にnoteで偶然お見かけし、なんだか癒される書影だなあと思っていたこちら。会場を彷徨う間に偶然見つけて、思わずブースを二度見してしまいました。間違いない、こちらがnoteで見ていた御本です。初めて読ませていただくものの、わたしが同棲を始めた時期とかなり近くて親近感が湧きまくりでした。わたしのコンビニ飯をかき込む朝と、のんさんの毎日朝ごはんを作る生活は似ても似つかずお恥ずかしいのですが。
恋が生活になっていく、その過程を自身も一歩一歩踏みしめている時期なので、今読めてよかったなあと思っています。わたしはここまでパートナーとの日々を文章に残すことをしていないのですが、「一年もしたら忘れてしまいそうだから書く」という言葉にハッとしました。そうなんですよね。楽しかったことも小さな感謝も、小さな喧嘩も、いつでも抱きしめたくなるほど尊いはずなのに忘れてしまう。のんさんとパートナーのエヌさんの生活からまた思い出させていただきました。
『たらふく』かもめと街 安澤千尋 他

そろそろ帰ろうかなと会場をぼんやり歩いていたところ、気になっていた書影が目に飛び込んできました。気になっていたというのは、前回の文フリ東京の後、noteやXでフォロワーさんが感想を呟いていたものの中で、圧倒的に印象が強かったです。なにこの書影、可愛い。頭の片隅にずっとあって、偶然自分の目で見ることが叶ったのでした。もちろん即購入。
フードエッセイということしか存じていなかったのですが、なんとなくあたたかい食を囲んだエッセイなのかな〜と思っていたら十人十色。ボディーブローを思わせるじわじわ響くエッセイもあり、「美味しい」「楽しい」に集約されない食を味わった気がします。人間は生きるために食べないといけず、だからこそ生きる苦しさも喜びの記憶にも強く結びついているんですね。
『不確かな日々』星野文月

noteかXかで目にして、なんでか強く惹かれて事前の購入リストにも入れていた一冊。タイトルや書影がわたしの当時の心理状態に滑り込んで来たのだと思います。今となっては、なにを見たのかも思い出せないぞ、、、とリストを作るためにとったスクリーンショットを見返したら、Xでのポストだったようです。このイメージがオシャレで気になっていたみたい。
読んでみると、誰かの日記ってこんなに読み応えがあるのね、文学になるのね、と驚かされました。生きるってままならないよねとか優しくしたくても凶暴になってしまう時があるよねとか、誰かの優しさに応えられないけれど慰めてほしい夜に読みたい本でした。毎日がスペシャルハッピーじゃなくても、生きるっていいこともあるよねって思えるのが日記の良さ。
***
ふう、ここまで一気に書いてきましたが、想定していたよりかなり長い記事になってしまったようです。読んでくださった方々、ありがとうございました。そして、ブースでお話ししてくださった作者、著者の皆様、ありがとうございました。
次の文フリには出店しようと思っていて、文章は何にも書けていないし本も作ったことがないのに次回の東京開催に勢いで申し込んでしまいました。でも文フリに行ってみたら、皆さんの熱気に圧倒され、やっぱりいいなあ〜〜と思ったのでちゃんと準備を進めることにします。がんばろっと。
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