英文センテンスの構文がとれないとき、どうするか(7):動詞が「他動詞」「自動詞」のどちらなのかを見極める
さて、めでたくセンテンス内の述部動詞が見極められたとします。
ただ、これで万々歳とはいかないところが英語のやっかいなところです。英文をきっちりと読むためには、チェックすべきポイントがまだまだ残されています。
そのひとつが、述部動詞などの「他動詞用法」と「自動詞用法」の見極めです。
まず原則的なことをいえば、英語の動詞は
他動詞(目的語(O)をとる、SVO)
自動詞(目的語(O)をとらない、SV)
の2つの用法のどちらも持っている、と考えてください。
たしかに、動詞の用法において他動詞用法しか持たない語、自動詞用法しか持たない語は存在します。
しかし、それは例外的なものだと、ここでは考えておいてください。
なぜなら、そう考えるほうが、英文読解において読み間違える確率が小さくなるからです。
ところで、現在の英語教育では「原則的に、動詞は他動詞用法と自動詞用法の両方を持つ」ということをきちんと教えていないように私には思えます。
それどころか、ひどい場合には「〇〇は自動詞、××は他動詞」などといった、でたらめの知識を生徒に与えているケースも多く見られます。
そのため、学習者は「run, walkは自動詞、read, doは他動詞」などと思い込んでしまって、それが原因となって、次のようなセンテンスを読み違えることがあります。
She runs a company.
(「彼女は会社を経営している。」 ここのrunは他動詞用法で「走らせる=経営する」)
He walked his dog.
(「彼は愛犬を歩かせた。」 ここのwalkedは他動詞用法で「歩かせる」)
This rule reads several ways.
(「この規則は数通りの方法に読める/解釈できる。」 ここのreadは自動詞用法で「読める」。several waysは副詞)
This box will do for a seat.
(「この箱は椅子として使える」 ここのdoは自動詞で「訳に立つ」。for a seatは副詞)
まずは「原則的に動詞は、他動詞用法と自動詞用法の両方を持つ」という原則をしっかりと認識したうえで、
その原則に対する「例外」である「自動詞用法しかもたない語」「他動詞用法しか持たない語」に対応していきます。
たとえば、enjoyは基本的に他動詞用法しかなく、自動詞用法では使えません。
ですから、
I enjoyed at the party.
(これだとenjoyに対応する目的語がなく自動詞用法になってしまうので、×)
とはいえず、他動詞用法として
I enjoyed myself at the party.
I enjoyed the party.
としなければなりません。
他動詞用法しか持たない最も代表的な語は、本動詞としてのhaveですが、そのほかにも、このenjoyのほかにdiscuss, love, like, suggestなどがあります。こうしたものは基本的には覚えていくしかありませんが、それほどの数ではないので、恐れることはありません。
またstandのように、他動詞用法と自動詞用法とで意味が大きく異なる語もいくつかあります。
She was standing by the door.
(「彼女はドアのそばに立っていた。」自動詞用法で「立つ」)
She couldn’t stand the noise.
(「彼女はその騒音に我慢できなかった」他動詞用法で「我慢する」)
これも覚えるしかありませんが、やはり、それほどの数ではないので、恐れることはありません。
繰り返しになりますが、現在の英語教育では「原則的に、動詞は「他動詞用法」と「自動詞用法の両方」を持つ。ただし(例外的に)他動詞用法しか持たない動詞、自動詞用法しか持たない動詞がある」ということを、学習者にきちんと教えていないように私には思えます。
それどころか、「英語の動詞には、自動詞と他動詞がある」といった、でたらめの知識を学習者に示している教師やテキストも、少なくありません。
これが、日本の英語教育を大きく劣化させているのだと私は思います。
