市場は間違ってはいない ー 高率の「米輸入品消費税」がもたらすもの
(関連) 市場からの警告|損切丸
「市場からの警告」を無視する "Starman" ー「お金」の "ボーダーレス化" |損切丸
まあなるべくしてなっているというか...。「関税」=「輸入品消費税」を主張する「損切丸」的立場で言えば、世界一の経済大国アメリカが+30%近い「増税」を科せば景気後退するのは当たり前。市場は間違ってはいない

”何で「関税」を掛けると株が売られるの?”
マーケットや「投資」は素人同然の娘からこういう "素朴な質問" をされるといつもハッとする。「増税で景気が悪くなって企業業績が悪化するから」と説明してようやく納得してもらったが、*米国民の中でも理解している人がどれ程いるのだろう
*「任天堂スイッチ」のアメリカ発売が「関税」の影響で延期される。「どうも値段が上がるらしい」。それでようやく「関税」の影響を理解したという笑い話があるが、スマホが30万円になったりピックアップトラックが+100万円も「値上げ」されたらどう思うのだろう
プロフィールにも書いたが数々の「金融危機」を経験してきた「損切丸」だが、奇妙にも今回は背中から冷や汗が垂れるような「危機感」は感じない。1つは馬鹿げた高齢の米大統領の独断で起きた ”人災” であり取り消せば元に戻ること、そしてもう1つは実体経済に波及していないこと。「コロナ危機」と違って売上の急減や倒産・破産、それに伴う「首切り」も起きていないし、生活民のほとんどがまだ危機感や焦燥感を感じてはいまい
アメリカは日本に比して株式投資が多いが、そのほとんどは上位20%以内の富裕層に属しており、 "Tariff Man" とその取り巻きが目の敵にしている「エスタブリッシュメント」(支配階級)に当たる。株価の急落はそういう "悪の一味" を 続・ "虚" か "実" か ー "Tariff Man" は "Starman" になりたい|損切丸 がやっつけたという構図でまるでマーベルコミック。だから現時点で「支持率」はそれほど落ちていないのかもしれない
だが実際に「高関税」が続いて食料品もスマホも車も大幅に「値上げ」になれば苦しむのは下位80%の方。どこかの時点で我らが "Starman" に欺されたと気づく。そういえば "Starman" は「不動産王」と呼ばれた人物で紛れもなく「エスタブリッシュメント」。いつ "魔法" が解けるのか
「危機感」という点ではおそらく日本の方が薄い。「日経平均」は派手に落ちているが今日明日の暮らしには何ら影響がない。それどころか@160円だった「ドル円」は@145円まで「円高」になり「実質資産価値」は増加。原油価格もWTIが@60ドル割れで電気代や輸送費は今後下がってくる。「株」さえ持っていなければ実は良いことずくめだ。「新NISA」による10兆円近い新規投資も2024年前半に始めていればそれほどやられてはいない
米国債市場は株価の暴落を受けて5/7FOMCに▼0.50%「利下げ」が決定されそうな勢いで買われている(金利は低下)が、さてどうだろう。事の発端は「高関税」≓「高輸入品税」だけに「金利」でどうこうできる代物では無い。売りを止めたければ "原因" を正すしかない


ただ頑固な高齢の権力者はそう簡単に自分の間違いを認めない。だから短期的「対症療法」として さあ「利下げ」の準備は整った ー 「アメリカ後」の世界をどう生き抜くか|損切丸 興味深いのは短期債に比して頭の重い長期債で「イールドカーブ」は「スティープニング」している。これは「スタグフレーション」=景気後退と「インフレ」の同時進行を示唆する

一旦「利上げ」を取り止めたJGB(日本国債)にも同じ傾向が見られる。ECBも「対症療法」で「利下げ」に踏み切る可能性はあるが「スティープニング」は同様。やはり「スタグフレーション」を怖れている


こう言うと逆説的だが、 "Tariff Man" の政策は実は間違ってはいない。「ゼロ金利」など低金利環境で隠れていたが、そもそもアメリカの財政赤字を考えたら「増税」は必至の状況で、それを何年も先延ばしにしてきた。その結果が「割高な株価」であり、S&Pの「イールドスプレッド」で見るとやっと@▼1%台。標準偏差である@▼2~3%に戻るにはS&Pが@4,000ドル前半まで落ちるとする試算もあり、これは「正常化」とも考えられる

日本で騒動になっている「米」(Rice)も@700%は現状と一致しないが、国内農家(正確には農業団体)を守るための「障壁」があるのは事実。暗躍しているのは組織票に依存するいわゆる ”族議員” であり、平等性が保たれているとは言い難い。「米」不足の今、ここは "発想の転換" が必要
問題はやり方が拙速で乱暴なこと。歴史に名を残したい "Tariff Man" は焦っているのかもしれないが、これでは違った意味で歴史を名に残しそう。不吉な事をいうようだが、これ以上暴走すると憧れの25代大統領と同じ結末(過去暗殺された4人のうち3人目)を迎えてしまう懸念もある。「アメリカ」とはそもそもそういう国。「エスタブリッシュメント」は怖ろしい
