【文化文政期の名優】女形五代目岩井半四郎の魅力とは
ゴールデンウィークの紙芝居イベントが無事に終わり、江戸文化発信仲間たちの文学フリマも無事に終わり、ほっと一息つきました。
次決まっているイベントは10月のフルールカフェでの浮世絵展ですが、できればその間に2つくらいイベント入れたいなと思っています。
さて、一息ついたところで、今日もまた五代目岩井半四郎についてご紹介させてください。
とにかく顔がかわいい
五代目岩井半四郎といえば、眼千両と言われた大きくてくりっとした目と、下唇が出たおちょぼ口が魅力です。下の浮世絵は、状態は悪いのですが、色合いと表情の可愛さに惹かれて購入したものです。

手垢はついていますが破れてはいません。これは、江戸時代から何度も手に取られ、大事にされてきたことを意味します。今度は私が大事にする番です。
見てください。この顔。可愛すぎません??

魅力的な絵に出会うと額装選びも楽しくなります。額やマット色、いろいろ試して落ち着いたのが、こちらです。

素敵でしょ? 自分で言うのもなんですが、この絵の良さや古さをうまく生かしていると思います。汚れは時を経た証です。江戸時代好きの私にとっては、経年劣化ではなく、経年美化です。汚れているほどロマンを感じ、わくわくします。
共演者から見た半四郎
半四郎と共演することが多かった鼻高幸四郎(五代目松本幸四郎)は、「杜若(半四郎の俳名)と一座の時は、桜の花の真盛りに、桜の枝にて花戦をする心にて、ただただ何となく心うれしく、しかし鼻の先があぶなくてならぬ」と言っていたそうです。なんとなく心うれしく、なんて、まるで恋でもしているかのようです。
他によく語られる有名なエピソードが、「お帰りあそばしませ」と言うだけで相手方の俳優が自分の妻よりも愛しく思えた、というものです。これは決められたセリフではなく、半四郎が相手役だけに聞こえる声で言っていた、というのがポイントです。観客に向けてではなく、舞台上の自分に対して自然に出た言葉ということで、相手の俳優も思わずときめいてしまうというわけです。
普段から舞台の外でも女性として過ごしていた、努力家の半四郎らしいエピソードです。
女湯に入っていた半四郎
普段から舞台の外でも女性として過ごしていたと言いましたが、なんと銭湯も普通に女湯を使っていました。半四郎が入っていくと、女湯は当然、大騒ぎです。大騒ぎといっても悲鳴などではありません。大スターが入ってきたということで、大喜びするわけです。半四郎は喜ぶ女たちに愛嬌をふりまきながら、普通に体を洗って帰っていくのですが、その仕草はどう見ても男とは思えなかったそうです。
弱点を強みに
大きくてくりっとした目が魅力の半四郎ですが、哀愁のある役はどうしても、切長の女形には敵わなかったようです。流し目をしても、いまいち色気がでません。
そこで役者の魅力を引き出す天才、鶴屋南北の出番です。半四郎の魅力を熟知していた鶴屋南北は、半四郎ありきの作品を多く書き、それがことごとく大当たりします。「お染めの七役」や「土手のお六」などで半四郎の魅力をこれでもかと見せつけ、元気な役や愛嬌のある役といえば五代目岩井半四郎だと定着させました。
五代目岩井半四郎についての記事↓
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