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[永久保存版] AIネイティブ時代のキャリア形成における解体新書

「AI時代において、キャリアの作り方、スキルアップの仕方はこれまでとは全く異なる感じになると思う」

最近そのような話を社内外ですることが増えてきました。
おそらく、こちらのブログをお読みいただいている皆様も、想像がしきれないような話もあるかもしれません。ただ、個人的にはものすごく確信に近い地点までたどり着くことができましたので、このタイミングで公開したいと思います。


0. 本ブログを書くに至った背景

まず前提として、当社は「HR × AI」という分野において、一生懸命 探求をしたことがある日本企業の1社であると自負しています。これまでHRに関わるAIプロンプトやAIエージェントを450ほど開発しておりまして、おそらく日本で最も多い数だと思っています。

また、HR × AI研修を2025年9月から開始し、すでに第7期生まで開催が決定しており、日々AIについての話をさせていただきつつ、様々な方からご質問もいただき、「なるほど、そういうキャリア・スキルの積み方に、皆さんご関心・そして不安を感じていらっしゃるのか」という部分も見えて参りました。

それと同時にいくつか強く感じることがありました。

0-1. AIスキルキャッチアップ疲れが訪れる

AIの進化スピードはとてつもなく早く、情報のキャッチアップはものすごく大変です。僕自身についても、AIについての興味・関心度合いは早い方だと思うのですが、それを学んでアウトプットをしての繰り返しもしておりますし、個人的にこういった新しいスキルのインプットやアウトプットは得意な方だと自負しています。これまで10,000,000文字程度のブログにてアウトプットをしてきたことから見ても、多くの方々よりもインプットとアウトプットのスピードはアドバンテージを持っている気がしています。

ただ、今回のAIにおけるキャッチアップは常軌を逸しているスピード感が必要で、おそらくすべてのAI最新情報をキャッチアップするのは不可能であると言ってもいいくらいです。そして、ただ研究のようにインプットするだけであれば、まだいけるかもしれないのですが、それをアウトプットしなければ意味がありません。
つまり、インプットしているだけだと何も業務や事業やサービスに適応できていない可能性が高いため、言うなれば、

  • 料理の作り方を知っているけれども、料理を作ったことがない

  • プログラミングの勉強や練習はしたけれども、業務システムやサービスを開発して納品をしたことがない

こんな感じになるのももったいないです。

僕の周りでも、モチベーション高くAIスキルをキャッチアップして、AIのキャリアを積まれようとしている方もいますが、「AIにおける疲弊」をすでにしている方もいらっしゃいますし、「何のためにAIを使っているのか」という疑念を持っている方も増えてきている事は、事実としてあります。

つまり、このような時代の中で、AIネイティブなキャリアやスキルを身に付けるということにおいての心構えが非常に重要だと思う。と同時に、この時代における最適解を知っているのと知らないのでは、大きくレバレッジが異なるのではないかと思ったのです。

0-2. AIの登場における既存のキャリアマップの崩壊

後ほど詳しく記載しますが、AIの登場によって「これまで」のキャリアの作り方の最適化は崩壊しています。
つまり「過去から学ぶ」ということにおける固定観念を超越することが第一ステップとなります。

例えば、

  • システムインテグレーターでエンジニアをしていたから、情報システム部の社内SEになる。

  • 人材紹介会社で働いていたから、事業会社の人事を目指す。

といったようなキャリアステップが「これまで」の当たり前であったかと思うのですが、それがもろもろ変わりゆく可能性があるということ。可能性というか、僕の中ではほぼ確定路線なのですが。

おそらく2年後には、そのようなことが語られるのは当たり前な時代が訪れると思う中で、ある程度未来の見通しが立ったので、本ブログを書いているようなそんな形です。

0-3. 結局最後には何が残るのか?

この問いがものすごく重要になってくると思います。この問いについての山根の考えは、本ブログの最後のほうに記載したいと思います。

では、説明を開始してまいりましょう!

1. 「職種」の崩壊と超越について

以前にこんなブログを書きました。

このブログを執筆したのは、2025年8月でしたが、2025年11月現在においてさらにそれが色濃く確定路線になってきたと個人的には思っています。まずこちらのスライドをご覧ください。

まず前提として、昨今において「IT」を使わない仕事のほうが少なくなっているため、その類の話をしていきたいと思っているのですが、上記したスライドに記載があるのは、一般的な業務の流れです。どのような職種や業種においても、「事業」とは顧客の「課題解決」をしているわけです。例えば、下記のような形です。

  • 金融業界は、顧客の「お金の不安・資産形成」の課題解決をしている。

  • 飲食業界は、顧客の「日々の食事・健康的でおいしい食事へのアクセス」の課題解決をしている。

  • 人材業界は、顧客の「採用・人材不足・ミスマッチ」の課題を解決している。

ここで言う課題解決 =「事業」となっていますが、課題を解決するために「施策」が必要であって、その施策を仕組みにしたり、再現可能な状態にするのが「サービス化」です。例えば、皆さんが日々使っていらっしゃる「業務システム」もサービスの1部ですよね。自社の業務を円滑にするサービスとでも言いましょうか。
また、SlackもZOOMもサービスと定義した場合に、顧客の課題解決をするための仕組みを再現可能にした状態と言えるかと思います。

話を戻しますと、前述したスライドに記載がある通り、僕らが日々仕事をしているサイクルについては上記している通りの流れを実行しているといえます。

そんな中で、次のスライドをご覧ください。

とは言いつつ、このすべてのステップを「同じ職種」の方が実行することは難しいため、「専門職種」が存在し、それぞれ分岐してみました。例えば、「プログラミング」の仕事をビジネスサイドの方が実行するのは限りなく難しいですよね。そのため、エンジニアさんを雇って、コミュニケーションを取りながら実行するということを日々行ってきたわけです。個人的な話で恐縮ですが、僕は現職においても前職においてもエンジニアさんと仕事をしたことがあります。とにかく苦戦したのは自分が思っていることや考えていることの解像度を上げてエンジニアさんに伝えるということ。結論としては、理想的な状態(システムのあるべき姿)を伝えることは非常に難しく、「ズレ」が生まれ、そしてそのコミュニケーションにおけるギャップに悩んでいました。

デザインについても同じです。コーポレートサイトやロゴのデザイン、グラフィックデザインにおいても、僕はデザイナーではないためスキルが枯渇しているためそれを伝える必要があった。そして、「デザイン的には」という話をデザイナーの方から受けることもありました。デザイナーの方は僕は信頼していましたが、僕の専門領域ではないため、信頼するしかないわけです。そしてそのクオリティーやスピード感についても納得できなかった時にも折れるしかない。

少しネガティブな表現をしてしまいましたが、こういったことが当たり前のように発生してきたわけです。ただ、AI時代においては、この職種という概念が崩壊して超越してきていると感じるのです。

1-1. ビジネスサイドが、エンジニアリングの領域に侵食した

結論としては、Cursor、Claude Code、Devinの登場は、僕の社会人人生の中で最も衝撃的な出来事の1つでした。なぜならば、いわゆる生身の(人間の)エンジニアさんにご依頼をするような内容を、それらのAIエージェントに指示をすればすぐに形にしてくれるからです。例えば、

「採用媒体におけるスカウト業務において、求職者のキャリアを読み込んでカスタマイズするような文章を作るようなシステムを作って」

この指示で、ある程度の立派なAIシステムが出来上がります。2025年11月現在では完全に再現することは難しいですが、おそらく2026年中には、

「Netflixと同じようなシステムを精度高く作って」

という指示を出しても、ある程度のAIシステムを作ってくれるでしょう。

何を申し上げたいかというと、僕らのようなビジネスサイドが「エンジニアリング」という武器を簡易的に手に入れ始めたということ。言うなれば、

  • これまで、ある簡易的なシステム開発においても、2ヶ月という期間で1,000,000円以上かかっていた。ただ、自分自身が1時間という時間で5,000円程度(ある方の時給換算) で作れるようになった。

ということ。

補足をすると、この文章を見てピンとこない方は、本項で記載をしている3つのAIエージェントを少しでも触ってみると実感はわくかもしれませんが、とてつもなく大きなパラダイムシフトといえます。

1-2. ビジネスサイドが、デザインの領域に侵食し始めた

結論としては、MidJourney、Claude Code、Google AI Studioの登場も、前項で記載をしたエンジニアリングAIエージェントの登場と同等程度の衝撃がありました。
前項で記載をしたエンジニアリングにおいて、スカウトカスタマイズシステムを作ってという指示をしたとしても、その「使い勝手」「見た目」が拙いと現場に浸透しないこともあります。ただ、デザインの領域でいうと「UX/UI」を始めとして「グラフィック」においてもシニアクラスの力を発揮できるようになりました。

  • MidJourneyでプロ顔負けの画像を多数生成したり、

  • Claude Codeでコーポレートサイトや採用サイト、ランディングページをクオリティー高く生成したり、

  • Google AI Studioで最新のUI/UXを再現したり

なんてことをできるようになりました。

2025年の夏頃まではデザインにおいては、「AIっぽいサイトだな」ということを目で見てわかることもありましたが、2025年11月時点においては、そのようなことはなくなってきたと思っています。例えば、下記をご覧ください。

山根が開発をしたあるサイト①
山根が開発をしたあるサイト②

これらは僕自身が作ったデザインです。あるサイトの1部になりますが、このようなサイトのクオリティーであれば、僕も簡易的にクイックに作ることができます。

1-3. プロダクト企画・機能開発に侵食し始めた、が続く

エンジニアリング、デザインと続き、次はプロダクト企画・機能開発についてです。ここでいうプロダクトというのは「システム」と代替しても良いと思います。

前項目で記載しましたが、エンジニアリングとデザインのAIエージェントを用いて、何かしらプロダクトやシステムを開発すると、AIが自分が実現しようとしていることを理解してくれます。そのため、

  • 次に何の機能を作った方が良いのか?

  • 次にどのようなプロダクトが顧客から受け入れられやすいのか?

についても、AIに問いを立てれば、いくらでも壁打ちしてくれます。

例えば、前述した「スカウトカスタマイズをしてくれるシステム」があったとしましょう。この簡易的な局所的なAIシステムはすぐに模倣されてしまう可能性が高いわけです。今でもたくさんのツールが出てきていますしね。ただ、例えばそのAIシステムをCursorを用いて開発していた場合、

「僕はこちらのシステムの保持者なのですが、この業務の周辺において何か必要なシステムはありますか?」

とでもAIに読み取ってもらうと、たくさんの機能開発アイディアをいただけます。これを全てAIに任せたいというわけではないのですが、顧客のリサーチから機能開発のアイディアまで、おそらく人間よりも高いレベルで出力してくださる可能性が非常に高いわけです。そんなことが実現できています。

1-4. ●●が侵食し始める

上記「●●」にはさまざまな言葉が入るイメージです。

エンジニアリング、デザイン、プロダクト企画・機能開発と記載をして参りましたが、これ以降についてもたくさんのことがAIによって侵食し始めることはイメージできるかもしれません。例えば、マーケティング、ブランディング、PR、財務、法務、僕らが所属している人事業務。そして「事業開発」。

皆さんいかがでしたでしょうか? もうすでに職種が「崩壊」して「超越」し始めています。この文章をご覧いただいて、もしかするとこんな意見をご提示いただける方がいらっしゃるかもしれません。

「いやいや、もちろんその領域のプロフェッショナルには追いつかないし、自分自身も〇〇の専門家だけど、そんなに簡単に侵食はされないと思う」

実は僕もそのように考える1人でしたが、そう考えてしまっている時点で、自分自身のスキルに「しがみつき」をしてしまっているのだと思います。この「しがみつき」についての話は後述します。

話を戻して、本項で記載をしたエンジニアリングやデザイン、プロダクト企画・機能開発を最大限生かすために何が重要なのか? について触れていきます。

2. ドメイン(業界)知識がとてつもなく重要になる

最近、日々感じるのはドメイン、つまり業界やその領域の知識がとてつもなく重要になっているということ。先日、こんなブログを書きました。

少し遠回りして説明させてください。

僕は2024年の年初くらいからAIについてのインプットを格段に上げました。たくさんのセミナーや研修に参加しました。研修は2つ参加してみたのですが、研修の後半になると「課題セッション」があります。自分自身の業務をAIによって効率化してみてください、という類の課題です。僕の場合はHRが専門領域ですから、様々なHRに関わるAIプロンプトやAIエージェントを作って先生に提出してフィードバックをもらうという形です。そして実際に課題提出をして、先生のフィードバックをいただきました。そのフィードバックを見て感じたのですが、

・表層的なフィードバックが多い

ということでした。
つまり、その業界や領域の知識や経験がないわけですから、その深い課題やペイン、そして顧客のインサイトを想像できないのは当たり前です。そのAIのある研修の先生はHRが専門領域ではないわけですから、AIプロンプトやAIエージェントの「書き方」についてのフィードバックはできますが、その領域における深い部分に触れられていないからか、僕が解決したい部分を超越した意見は出てきませんでした。

この話は、社内外において耳にすることがあります。今 様々な企業様が「AI」への探求を進めているかと思います。そして、自社の業務を何かしらAIで代替しようと試みている最中の企業様もいらっしゃるかと思うのですが、AIの専門家にご依頼をする場合、どうしても業界やその領域の知見が乏しく、その理解をするところからスタートすることになります。
もしくは、AIの専門家はエンジニアリングの専門家であることも多いため、過去の経験でそのドメイン(業界)の知識があることもありますが、ただそこで大きな気づきがありました。

2-1. SaaSが解決する部分とAIが解決する部分は異なる

僕がAIに触れて大きく感じたのは、

  • わかりやすい課題は既にSaaSが解決している

  • 複雑性が高い課題をAIが解決していく

ということでした。

どういうことかというと、これまでたくさんのSaaSがそれぞれの業界や領域で誕生していますが、業務の回数が多く、そしてわかりやすい課題はもうすでにSaaSが解決しているということに気づきました。そして、それでもなおAIに対するニーズがあるのは、

「業務の回数はさほど多くないけれども、複雑性が高い業務においては、既存のSaaSでは解決することができておらず、AIに頼る可能性が高い」

ということ。

SaaSとAIの違い

これまでSaaSの領域において、その業界や領域を理解するために、それぞれのSaaSがユーザリサーチをたくさんしてきているかと思います。ただ、冷静に考えると、その業界や領域の当事者たちが「自分自身」で そのSaaSを開発できてしまうほうがもちろん良いわけですよね。
そんな中、なぜSaaSに頼らざるを得ないのか? それはエンジニアリングやデザイン、そしてプロダクト企画や機能開発における知見を現場の方(発注者)が持っていなかったからなわけです。前項で記載をした通り、職種の超越や崩壊が実際に起きている中で、この前提条件(固定観念)もなくなってきているといえます。

話を戻します。
僕は「バーティカルAI」という言葉は、昨今におけるAI時代のキーワードになると思っており、とにかく業界やその領域に対する深い知見が必要であろうと。これがなければ前項で記載をしたエンジニアリングやデザイン、プロダクト企画・機能開発におけるスキルのレバレッジは最大限活用することはほぼ難しく、

一方で、圧倒的な業界(ドメイン)知識がある方が、前項で記載をした能力を身に付けたらとてつもなく最強であると感じています。

2-2. 「システム」ではなく「その業務にどれだけこだわっていたか」の資産が注目される時代に

もう令和の時代ですから、AI時代の前にシステム時代(DXの時代)に僕らは生きていったわけです。
そんな中である程度「業務の仕組み」、つまりシステム化された状態で僕らは仕事をしてきたわけなのですが、仕組みの中である意味脳死をしている状態で仕事をしてきた場合は、この業界(ドメイン)知識には限界があるかもしれません。なぜならば、仕組み化された領域の業務についてはそこまで詳しくないからです。

一方で、ある程度個人に帰属して業務をされてきた方は、これまで非効率なやり方をしてきた可能性が高く、会社を大きくすることが難しかった方もいるかもしれません。ただ、そういった方の深い知見が重要になる時代が来るのではないかと個人的には考えています。

業界(ドメイン)の話とは、また別の話を進めましょうか。

3. AIプロンプト・AIエージェント450を開発してみてわかったAIネイティブ時代に必要な「人間力」

話をもう少し具体的にしていきましょう。

本ブログのアジェンダ1番と2番に記載をした能力が身に付いたとして、具体的にどのような「人間力」が重要になるのか?について、僕の頭の中の解像度がかなり上がってきました。それについて記載をしたいと思います。

3-0. 業務スキルと人間力と価値観の違い

「人間力」という定義も曖昧ですよね。そのため、下記のスライドをご覧いただければと思います。

こちらをご理解いただければ、「人間力」についての理解が深まるかと思います。その上で、下記を読み進めてください。

3-1. 構造設計力

シンプルな表現をしてしまいましたが「設計」については、非常に重要度が高い能力に一気に跳ね上がったイメージです。

僕はHRの人間なので、HRの事例に例えてお話をします。
例えば人材紹介会社の方向けに「面接対策」という業務におけるAIエージェントを作ってみようとしたとします。ちなみに面接対策というのは、人材紹介会社が求職者に対して、ある特定企業の面接を準備するためのステップだと思ってください。

ここで皆さん1つ質問なのですが、「面接対策」をするためにいくつの「要素」が必要でしょうか? 例えば、

  • 求職者のキャリア情報

  • 求職者の転職理由

  • 企業の概要・情報

  • 該当求人の情報・求める人物像

  • 企業側のフィードバック

  • 求職者側のフィードバック

  • 面接官の情報

少なからず、これらが必要になって参ります。これらの「要素」の数は7つです。また、これらの7つの要素全ては「変数」となりますよね。変数というのは変わりゆくものだと思ってください。つまり、キャリアも企業の概要や情報も該当求人情報や求める人物像も「定数」ではなく「変数」だということです。
つまり、これらの7つの要素が日々変わりゆく中で、どのような面接対策のアウトプットをするのか?ということ。

AI時代においては、エンジニアリングやデザインやプロダクトの企画、そして業界の知識がいくらあったとしても、この各業務における「構造」を「設計」することができる人間力が必要なわけです。

もう一つ、事例を見てみましょうか。
「スカウトメールの返信率を上げるためのアドバイスAI」を作ってみるとしましょう。つまり、スカウトメールの返信率や開封率があまり芳しくない中で、どのような施策を投じれば良いのか?をAIがアドバイスしてくれるというものです。この場合の要素は何があるかというと、

  • スカウトテンプレート(文章)

  • スカウトのカスタマイズ文章

  • スカウトのタイトル(件名)

  • スカウトの送信時間

  • スカウトの送信曜日

  • スカウトの差し出し人

  • 求人票の内容

  • そもそもその企業の魅力が明瞭化されているか

  • そもそもその求人の魅力が明瞭化されているか

  • そもそも、その求人媒体がターゲットに対し適切かどうか

  • そもそもその求人媒体に掲載している企業は、該当企業よりも魅力的な企業なのではないか?

  • そもそも昨今の不安定な世の中において、求職者が転職することに足踏みをしているのではないか

書けばキリがないので、このあたりで止めておきますが、これらで12の要素があります。この12の要素は全て変数になりますので、なんかけっ
「スカウトメールの返信率が悪い」という課題において「スカウトのテンプレート(文章)を変えましょう!」という短絡的な施策は誤っている可能性も非常に高いわけです。


皆さんいかがでしたでしょうか? アジェンダ2番に記載をした「業界(ドメイン)」の能力がなければ、これらの深いアプローチは難しいわけで、業界知識があればあるほどレバレッジが効くという表現をしておりますが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

これらの「構造」を読み解く力が非常に重要なわけで、この能力は日々トレーニングしたほうが良いかと思います。また、少し長くなってしまうのですが、この「構造」と「システム」の違いについて、先日知る機会があったので、これはまた別の機会でブログに記載をしていきたいと思います。

この構造設計力については非常に重要だと思ったのでブログに記載しておきました。

3-2. 事業開発力

そんな中で、僕らには他にはどのような人間力が求められているのか?については、僕は「事業開発力」だと思います。言い換えると「事業・サービス開発力」とも言えるかと思います。

繰り返しになりますが、本ブログのアジェンダ1番と2番そして3-1をご覧いただいた皆さんであれば解像度が高くなってきてると思いますが、

  • 職種という概念が崩壊して超越されてきている中で、

  • 業界(ドメイン)の知識が非常に重要度が上がってきている中で、

  • 構造の設計力がとてつもなく重要になってきている中で、

仮に、これらの能力を全て携えることができた場合に、僕らは「事業」や「サービス」をスピーディーに、かつ精度高く量産できる可能性があるということ。

これらの前提条件が揃った中で、僕は事業やサービスをクイックに「企てる」ことができ、そしてそれらを「実装」できる能力が非常に重要だと思っています。ここで言う「企てる」とは、事業開発力・サービス開発力の話で、「実装」とはアジェンダ1番だと思ってください。

では、僕がここで言う事業開発力・サービス開発力とは何か?について書いて参ります。

3-2-1. 課題解決型の事業開発力

まず1つ目は既存で発生している「課題」を解決する事業開発力です。言うなれば、

「既に目に見えている、誰しも触れられている、ただまだ解決されていない課題を見つけて、事業として興していく」

とでも言いましょうか。

これは社内外で話すことがあるのですが、僕が言うゼロイチはいくつかのパターンがあるよという話。

  • 自分自身は解決したことがあり、会社も解決したことがあり、それを別の企業で実施をする場合

  • 自分自身が解決したことはないが、会社は解決したことがある課題

  • 会社は解決したことはないが、別の会社(業界)は解決したことがある課題

  • 別の会社(業界)は解決したことがないが、別の国(例: アメリカ)は解決したことがある課題

  • 世の中で誰も解決したことがない課題

この5つです。
つまり、主語が自分自身なのか、会社なのか、業界なのかによって、ゼロイチの「深度」が変わる。何を申し上げたいかというと、本項の「課題解決型の事業開発力」というのは、ここで上記における5つのいずれに該当するのか?という話です(先出しをすると、上記の5つ目は「問い型」の事業開発力に該当します)。

もちろん、ビジネスとして成り立ちやすいのは、3つ目と4つ目と5つ目であり、かつ4つ目と5つ目は、日本やこの世の中に既に「ニーズ」が明瞭化されてなければなりませんよね。そして、既に明瞭化されている課題であれば、解決をしたことがある人が世の中にいるかもしれませんし、ここで言う事業開発力・サービス開発力というのはとてつもなくハードルが高いわけではないということ。重要なのは次の項目です。

3-2-2. 問い型の事業開発力

前項で記載をした「課題解決型」と「問い型」では何が異なるのか?

上記は僕の「問い」と「課題」の違いを説明したスライドです。
僕は、令和・AI時代において「問い」の重要度が非常に高くなっていると思っています。非常に× 100 高くなってると思います と言っても過言ではありません。

なぜかというと、本ブログで記載してる通り、課題が明文化されている状態であれば、それを解決するスピードはとてつもなく速くなるということ。そのフォローアップをしてくれるのがAIです。職種という概念が崩壊・超越されている中で、すぐにAIシステムを作れてしまいます。明文化されている課題さえあればすぐに解決ができてしまう。

一方で、「問い」というのは、誰しも見出せるわけではありません。「問い」は自分自身の「固定観念」を超越しなければ見つかりません。自分自身の枠組みの中に入り込んでいると、問いまでたどり着かないかと思います。さらに問いについて詳しくお知りになられたい方は、下記ブログのアジェンダ3番をご覧ください。ご理解いただきやすいかと思います。

つまり、事業やサービスを開発する際に、すでに明瞭化された課題ではなく、問いを立てるという人間力自体の希少価値が非常に高くなります。ただ、問いを立てるという人間力については「学習」で比例して身に付くかというと、僕はそんな事はないかと思います。なぜ学習と完全に比例しているわけではないのか?というと、本ブログの後半にその答えがありますのでぜひご覧ください。

4. AI時代で必須になる「視座」について

僕の中で確信に変わってきているのは、AI時代において「視座」の重要度がとてつもなく高くなってきているということ。まず「視座」とは何か? 僕は2つに分かれると思っています。

▼ 外的視座とは
他者や組織、構造、さらには時間軸を含む“外側の世界”をどう捉えるかという視点。全体を俯瞰する力、因果関係を把握する力、時間を超えて未来を予測する力などがここに含まれます。

▼ 内的視座とは
自分自身の内面、感情、価値観、矛盾など、“自分の内側”にどう向き合うかという視点。自己認知や自己理解、葛藤を保持する力、価値観の再編集などが含まれます。

少しわかりにくいかと思うので、改めて説明していくのですが、まず前提として視座が重要な理由を記載させてください。

4-0. 視座が重要な理由

皆さんにとって「成長」の定義とは何でしょうか? 僕は「できないことができるようになったこと」であると思っているのですが、AIの登場によってこの成長という概念自体が大きく変わってきているように思います。
どういうことかというと、アジェンダ1番に記載をしたエンジニアリングやデザインやプロダクト企画・機能開発については、僕にとって、

「できないこと」

でした。
ただ、これまで「できないこと」と思っていたこと自体がAIの力を借りると、一気に「できること」に変換されてきた。これまで「できること」までに5年以上の時間がかかると思っていた能力が「1週間」で簡易的に身に付くようになってきた。誤解がないように申し上げると、その道のプロフェッショナルな方と同等程度の力が身に付いたというわけではないと思うのですが、簡易的に良いレベルまで到達することができるようになってきたという意味合いです。

話を戻すと、「成長」のスピードが従来の10倍、大げさな言い方をすると、100倍になってきています。一方で、こういうふうな表現もできるかと思います。

「自分自身がこれまで10年以上かけて身に付けてきた能力を、他の業界や領域の人が1週間で身に付けてしまうかもしれない」

ということ。さて、恐ろしい時代に入ってきましたね。
ただ、もし下記が成り立つようであれば、皆さんご興味がございませんか?

AIによって代替されにくい能力があり、そして、その能力の希少価値は、簡単に失われることがない普遍的な能力であるということ」

ここで1つ、別の観点で説明を申し上げますと、

  • 水平的スキル:

    • 業務遂行力、論理思考力、対人スキル、ノウハウなど

  • 垂直的スキル:

    • 視座、メタ認知、構造理解、因果を超えた文脈把握

この2つのスキルについては、僕の別のブログでも説明差し上げているのですが、本項でいう「視座」は「垂直的スキル」に該当します。この垂直的スキルにおけるポイントは「学習で身に付きづらい」ことであると思います。もちろん、トレーニングもすることができるのですが、「水平的スキル」と比較すると、勉強やインプットで身に付く類とはまた少しかけ離れています。

では、見て参りましょうか。

4-1. 外的視座について 4-2. 内的視座について

この4-1における外的視座と、4-2の内的視座を同時に記載します。
下記のブログのアジェンダ2番以降をご覧いただけると詳しく説明があります(ただ、下記ブログは長文ですので、ご興味をお持ちの方はご覧ください、というレベルです)

ここでいう外的視座と内的視座についてはレベルがあると僕は思っています。それを整理した図が下記になります。

本ブログでも、こちらの外的視座と内的視座をいくつかピックアップして説明をしていきましょう。

4-1-1. 論理的思考の限界 ※外的視座の話

AIネイティブ時代の前提として、僕らは今、非常に複雑性が高い時代で生きています。本ブログの3-1. に記載をした構造設計力については、論理的思考における構造設計力と、「システム思考」における構造設計力でいうと、とてつもなく大きな隔たりがあります。どういうことかというと、3-1に記載をした「スカウトメールの返信率が低い」という事例で説明をすると、

▼ 論理的思考とは
ある問題に対して、最も筋が通りそうな“単一の原因”を特定し、そこから一直線に解決策を組み立てていく思考

例えば「スカウトメールの返信率が低い」という現象があったとき、論理的思考では次のようになります。

• 原因を一つに絞る
 例)「テンプレ文章が悪い」
• そこからまっすぐ打ち手を出す
 例)「テンプレを改善しよう」

つまり、「問題A → 原因B → 解決策C」という単線の因果で世界を見る。これは分かりやすい一方で、複雑化した現代では、どうしても“取りこぼし”が生まれやすいのも事実です。

▼ システム思考とは
問題を単発の原因で説明するのではなく、複数の要素が相互につながり、時間差を伴いながら動く“構造(システム)”として捉える思考

同じ「スカウト返信率が低い」という問題でも、システム思考で眺めると、視界に入る要素は一気に広がります。

• テンプレ、タイトル、送信タイミング
• 求人そのものの魅力設計
• 媒体内競合・市場の供給量
• 自社のブランドポジション
• 景気・政権・世界情勢による求職者心理の変化
• 社内オペレーションの遅延や属人的なボトルネック

これらは一つひとつ独立しているようで、実際にはループしながら影響し合っています。返信率という“KPIの揺れ”は、単線の因果だけでは説明できないことのほうが多いわけです。

論理的思考とシステム思考の違いは上記しておきます。

また、システム思考は外的視座の「強度」と密接に関わっています。いくつか補足すると、

• 文脈思考
その問題が“どの文脈の中で”生まれているのかを捉える力。
(例:人口動態・業界サイクル・媒体アルゴリズム・組織の歴史)

• 未来思考
構造が「今後どう変化していくか」を時間軸で見る力。
(例:景気後退局面で求職者行動がどう変わるか、採用競争がどう推移するか)

• 自分最適 vs 全体最適
「自分の担当範囲だけ最適化しても全体は良くならない」という前提で、システム全体の最適化ポイントを探す姿勢(例:テンプレ改善より、求人の魅力再設計や媒体選択の方がインパクトが大きい可能性)

つまりシステム思考は、“局所”ではなく“構造全体”を見に行く力です。1つの要素だけを最適化するのではなく、文脈 × 構造 × 未来の変化を踏まえて、どこに手を入れると全体が良い方向に動くのかを掴みにいく思考。

AI時代では、解決策の実装はAIが担える領域が急速に増えています。だからこそ、人間側の価値はますます、

• 何を問題と捉えるか
• どんな構造が働いていると理解するか
• どこに手を入れると“全体が最適化される”のか

といった、より外的視座を伴うシステム思考に移っていくのではないかと強く感じています。

4-2-1. 「自分の見えている景色を絶対視しない」ことについて ※内的視座の話

人間は、ある程度自分自身の経験や実績に自信を持つと、どうしても「過去の自分自身の成功体験」にしがみついてしまいます。僕自身もそうでした。

少しだけ僕の話をすると、
僕は前職で「人材紹介」という領域において、ある程度の実績を残してきました。そこでの成功アルゴリズムを当社でも適用して、ある程度うまくいきました。ただ、それには限界が生じており、そのアルゴリズム(手法)をずっと適用し続けて、新しいパラダイムに適応しきれなかった経験を持っています。

また、ある領域でうまくいった体験を別の領域で安易に適応してしまう方もいらっしゃると思います。
例えば、ある企業で成功したノウハウを別の企業でも同じように成功すると思って、それを「テンプレート」として活用する。もちろん同じ「業務」という部分においては合致しているかと思うのですが、ただ同じ業務であっても、対象となる顧客のターゲットや、その企業の業務フロー、そしてその企業で働いているメンバーの方々、カルチャーなど大きく異なります。そのため、前職での成功体験をそのまま現職で適用して、必ず成功するというわけではありません。他には、営業で実績を残した方が別の職種にチャレンジをする際に、営業という業務における成功体験を他の職種に適用するという場合もあります。

何を申し上げたいかというと、自分自身の「見えている景色を絶対視する」については、意識的に実行してしまっている節があるかもしれません。これを超越する必要があります。なぜならば、無意識なので。これが内的視座の1つになります。

4-2-2. 内的視座をもう少し構造で捉えてみる

先ほど書いた「自分の見えている景色を絶対視しない」という話も、まさに内的視座の一部だと思っています。もう少しだけ構造的に整理すると、内的視座には少なくとも、次の4つのレイヤーがある感覚があります。

1つ目は、自己認知のレイヤーです。
自分はいま何を感じているのか、なぜこの場面でイラっとするのか、なぜ特定のタイプの人だけ苦手なのか。こういった「瞬間の反応」に気づけるかどうか。ここが弱いと、「なんかモヤモヤする」「なんか腹が立つ」で終わってしまい、行動やパターンが変わっていきません。

2つ目は、矛盾を保持するレイヤーです。
「任せたいけど自分でやりたい」「変わりたいけど今のままでいたい」「人を応援したいけど評価もされたい」みたいな、相反する2つの声を、どちらかを潰すのではなく、そのままテーブルの上に置いておけるかどうか。
内的視座が上がってくると、「どっちかが正解」ではなく、「両方が自分だよな」と扱えるようになってきます。

3つ目は、価値観を再編集するレイヤーです。
これまで自分を支えてきた価値観や成功パターンを、一度棚に上げて見直せるかどうか。
前職での成功体験や、昔うまくいった営業スタイル、過去に刺さったマネジメントスタイルなど、「これでやってきたから、これが正しいはずだ」というOSそのものをアップデートする作業です。
ここがないと、AI時代のようなパラダイムシフトの中で、過去の自分のやり方にしがみついてしまいやすくなります。

4つ目は、弱さを資産に変えるレイヤーです。
コンプレックスや未熟さを隠すのではなく、「それこそが自分の問いや探求の原動力になっている」と捉え直せるかどうか。
「自分はここが弱いからこそ、このテーマを誰よりも深く見に行ける」「この痛みがあるから、この領域で事業をやる意味がある」と変換できたとき、内省は単なる反省会ではなく、事業開発や問いの源泉になっていきます。

AI時代は、外側のスキルセットやノウハウがどんどんコモディティ化していく世界です。その中で問われていくのは、
• 自分の見えている景色を絶対視しないこと
• 自分の中の矛盾や弱さを、ちゃんと見続けられること
• 必要に応じて、自分のOSごとアップデートしていけること

といった、「内側でどれだけ柔軟でいられるか」という内的視座そのものだと思っています。

外的視座が「どれだけ高く・広く世界を見渡せるか」だとしたら、
内的視座は「その視点の変化を、自分の内側がどれだけ受け止められるか」。
この2つの掛け算が、AIネイティブ時代のキャリアを支える土台になっていくのではないかと感じています。

5. 「視座」の前に存在する“自己認識力”というOS+4つのアプリケーションスキルについて

前項で、「外的視座」と「内的視座」というテーマを扱いました。
文脈思考・未来思考・全体最適・矛盾保持といった視座の要素は、AI時代におけるキャリアでものすごく重要であることは間違いありません。

ただ、ここでどうしても触れておきたい前提があります。

それは、

視座という高度な“認知能力”を支える、もっと深い“OSレベルの能力”。それが「自己認識力」である。

という点です。

僕はこの1〜2年、LDMAやVUCAスキル、成人発達理論の文脈で学びを深める中で、視座という概念そのものが“単体のスキル”ではなく、その下にある自己認識力によって初めて起動する“アプリケーション”だという感覚が強まってきました。

実際、視座が機能する前に、

“自分は今どんなOSで動いているのか?”
“なぜ自分はこう反応したのか?”
“どの文脈が自分の解釈を形成しているのか?”

といった、自己認識の地盤が整っている必要があります。

そして、この“自己認識力”をOSとした場合に、
それ以下の4つのアプリケーションスキルに整理されていくことが分かってきました。

5-1. Self-mastery(自己統御)= 自分の内側のメカニズムを扱う力

• 感情のラベリング
• 反芻に気づく
• 防衛的反応に気づき、一呼吸おく
• メンタルモデル・シャドウを認識する
• 事実と解釈を分ける など

“自分の反応システムを俯瞰的に扱えるか?”というOSレベルの能力です。これが弱いまま視座を使おうとしても、過去の成功体験や補いの自分(サブパーソナリティ)が前面に出てしまい、視座が“歪んで”しまう感覚があります。

5-2. Collaborative Capacity(協働能力)= バイアスを外し、異なる視点を取り込みながら建設的に前進する力

・自分のバイアスに気づく
・枠組みに合わない意見を無意識に否定しない
・“観察的な質問”に切り替える
・相手の前提や定義が浮かび上がる
・対話と議論の質が高まる など

協働能力とは、まず自分自身のバイアスに気づき、それを外すことから始まると思います。特に、自分の枠組みに合わない意見や情報を、無意識に否定してしまうことはよくありますよね。僕自身もそうでしたし、これは誰にでもあることだと思います。

そこに気づいて「観察的な質問」に切り替えることができると、相手の前提や定義が自然と浮かび上がってきます。その結果、対話や議論の質がぐっと高まります。

5-3. Perspective Coordination(視点の調整・統合)= 複数の視点を同時に扱い、重なりと緊張を見抜く力

・自分/相手/第三者/未来の自分/組織
・各視点の重なる点・ズレる点
・対立ではなく“緊張”として扱う
・橋渡し役・翻訳者として場を整える など

これはアジェンダ4で扱った「外的視座」の中核です。
自己認識力が高まるほど、“自分が見ている景色だけが真実ではない”という前提が揺らぎ、この能力が自然と発火しやすくなります。

5-4. Contextual Thinking(文脈思考)= 出来事を文脈(コンテキスト)の層ごとに理解する力

・個人の歴史・未解決の傷・価値観
・組織の文化・習慣・これまでの意思決定パターン
・業界の構造・市場環境・時間軸の変化
・暗黙の前提・見えていないルール など

アジェンダ4で扱った「文脈思考・未来思考・外的視座の深度」の正体が、
まさにこのコンテクシャル・シンキングです。自己認識力が高いほど、“自分の文脈”にも気づけるため、他者や環境の文脈もより深く理解できるようになります。

5-5. Decision-making process(意思決定プロセス)= 視点・文脈・情報を統合して実際の選択に落とす力

・どの情報をどこまで集めるか
・誰をどの深さで巻き込むか
・どう議論し、どう決め、どう説明するか
・構造を見て、緊張を扱い、優先順位をつける など

意思決定プロセスは、PC(視点統合)・CT(文脈思考)・CC(協働能力)
すべてを統合しなければ機能しません。そしてその前提にもやはり、自己認識力(Self-mastery)があります。

5-6. Clarity(明晰性)= 複雑さを保ったまま、自分と状況の輪郭を明快にする力

・複雑な状況の中から要点を整理する
・論理の筋を通し、一貫性のあるストーリーにする
・前提・枠組み・ゴールを言語化して共有する
・わかりやすく、かつ誠実に伝える など

Clarityは、単なる「分かりやすく話す」以上のスキルだと捉えています。複雑な現実を安易に単純化するのではなく、ある程度の複雑さを残したまま、自分と状況の輪郭を明快にしていく力です。
自己認識力・協働能力・視点の統合・文脈思考といった土台があるからこそ、「今何が分かっていて、何がまだ仮説なのか」「どこまでが事実で、どこからが解釈なのか」を丁寧に分けながら、相手に伝えることができます。結果として、リーダーの言葉に筋が通り、チームや組織の中での納得感や安心感が高まっていくのだと思います。

6. 結局何が重要なのか? 

ここまでかなりのボリュームでお付き合いいただきました。一度、全体像を「1枚の地図」として整理してみたいと思います。僕が現時点で言語化できている「AIネイティブ時代のキャリアマップ」は、ざっくり言うと下記のレイヤー構造になっています。

6-1. レイヤーで整理する

AIネイティブ時代のキャリアマップ

0.自己認識力(OSレイヤー)
• Self-mastery(自己統御)
• 感情のラベリング / 反芻に気づく / 防衛的反応に気づく
• メンタルモデル・シャドウ・未解決の傷を認識する
→ ここがズレていると、その上に乗るものは全部“歪んで”立ち上がる。例えば、「自分を補うような、防御するような振る舞い・意見を無意識的に先行してしまう」ということが発生する可能性がある。自分自身の本音もわからなくなる、など。

1.視座(外的視座 × 内的視座レイヤー)
• Perspective Coordination(視点の調整・統合)
• Contextual Thinking(文脈思考)
• 未来思考 / 自分最適 vs 全体最適 / 矛盾保持 など
→ 世界と自分を「どの高さ・どの広さで」見ているかを決める層。これは高い・低いなどの視点が自分自身で実感がないため、非常にわかりにくいが、非常に重要なレイヤー。

2.構造設計力(システム思考レイヤー)
• 業務や事象を「要素 × 関係性 × ループ」として設計する力
• スカウト返信率の例で言うと、12個以上の変数を構造として捉え直す力
→ AIに「何を」「どのように」作ってもらうか?構造をうまく取り扱うことができれば、一気にAIの取り扱いの精度が向上する。

3.ドメイン(業界)知識レイヤー
• HRならHR、製造なら製造、建設なら建設…という「現場の肌感」
• SaaSでは拾いきれていない、複雑でグレーな業務の知恵
→ バーティカルAIの真ん中にある「現場の知」、ここがないと構造も空回りするし、最初はAIの知見で勝てるかもしれないが、すぐに追いつかれてしまう。

4.実装レイヤー(AI × エンジニアリング × デザイン × プロダクト)
• Cursor / Claude Code / Devin でシステムを形にする力
• Midjourney / Claude / Google AI StudioでUI/UXを形にする力
→ ここは「AIと一番競合しやすいが、上のレイヤーと掛け算すると爆発的に強い」。さまざまなツールを使いこなせると非常に強い。

5.事業・サービス開発力(ゼロイチレイヤー)
• 課題解決型の事業開発力
• 問い型の事業開発力
→ 「何を事業にするのか」「どの問いを深掘りするのか」を決める、一番外側かつ一番上位のレイヤー。これができれば最強となる。

6-2. 相関関係を一言でいうと

ものすごく乱暴に一言で言うと、

「自己認識力」というOSの上に「視座」と「構造設計力」と「ドメイン」が乗り、それらを武器にAI × エンジニアリング/デザイン/プロダクトを実装し、最終的に“問い型の事業開発”にまで到達していく。
というキャリアマップだと思っています。

逆に言うと、

• AIスキル“だけ”を磨いても、
ドメイン・構造・視座・自己認識が弱いと、すぐ陳腐化する
• ドメイン経験“だけ”があっても、
構造化・視座・AI実装がなければ、レバレッジが効かない
• 視座や構造設計“だけ”を学んでも、
自己認識力が育っていないと、過去の成功パターンを再生産してしまう

ということでもあります。
ただ前項で記載をした5つの項目について、これは「レイヤー」と記載しましたけれども、これは「レベル」ではありません。つまり、レベル0から徐々に難易度が上がっていくわけではないことを皆様にお伝えしておきます。

こちらの2つのスライドをご覧ください。

「レイヤーはレベルではない」と申し上げましたが、今朝メンバーにこちらを見せたところ、混同しやすいという貴重な意見をもらってスライドを修正し直しました。

僕の解釈だと、最も身につきやすいのはAIにおける実装スキルだと思っています。ここは学習と比例して身につく能力です。また、ドメイン知識、つまり業界の知識についても同様です。これも学習や経験の年数に比例します。言うなれば「受験勉強」でも言いましょうか。

ただハードルが高いのは構造設計力と内的外的の視座と自己認識力です。これは淡白なトレーニングでは身につきません。そして年収や年齢に比例しないかもしれない能力だと、僕は思っています。

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この部分重要なので太字にしております。


6-3. 多くの人がまだ「自分の資産だと気づいていないもの」

ここまで読んでくださった方に、最後にお伝えしたいのは、すでに皆さんは、AI時代において強い“原石”を持っている可能性が高いということです。

例えば、
• これまで10年以上同じ業界でやり込んできたドメイン経験
• 「なんかここはおかしいよな」と感じてきた現場の違和感メモ
• うまく言語化できていないけれど、ずっと抱えてきた未解決の傷
• 何度もぶつかってきた人間関係のパターン
• 仕事の中で「どうしても気になる問い」だけは、なぜかずっと残っていること

これらは一見ネガティブに見えるものも含めて、このキャリアマップで見ると全部、自己認識力/ドメイン知識/問い型事業開発の“種”だと思っています。

AI時代のキャリアを考えるとき、「何のスキルを足せばいいか?」という足し算の発想になりがちですが、実はそれ以上に、
• すでに持っている経験や傷や違和感を、どう“再定義”するか
• それらをOS(自己認識)と視座にどうつなげるか

の方が、レバレッジは大きいと感じています。

6-4. これが山根なりの「AIネイティブ時代のキャリアマップの真髄」です

最後に、もう一度だけ構造を重ねます。

• OS:自己認識力(Self-mastery)
• ミドルレイヤー:視座(外的・内的)= Perspective Coordination / Contextual Thinking
• アーキテクチャ:構造設計力(システム思考)+ ドメイン(バーティカルな知)
• 実装:AI × エンジニアリング × デザイン × プロダクト開発
• アウトカム:課題解決型+問い型の事業・サービス開発

この全体を、「AIというツールが前提になった世界」でどう組み合わせていくか。ここにこそ、AIネイティブ時代のキャリアの本質があるのではないかと、今の僕は考えています。

そして、この地図のどこからスタートしても構いません。ただし、深く長く効いてくるのはOS側(自己認識力と視座)からのアプローチだと思っています。

この地図が、皆さんの中にすでに眠っている資産を見つけ直すきっかけになれば、そして「自分なりのAIネイティブキャリア」をデザインするヒントになれば、とても嬉しいです。

最後に

いかがでしたでしょうか。
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