【プレビュー】第3節 北海道コンサドーレ札幌 VS RB大宮アルディージャ 26/27
前節の札幌のメンバー (VS アルビレックス新潟)

百年構想のPO第2戦の再戦となった新潟との第2節。
百年構想では4-2-3-1で戦っていた札幌だが、今季はオーソドックスな4-4-2で挑んでいるみたい。
GKには、足下がありビルドアップにも積極的に関与する田川。ショートパス&ポゼッション型の札幌における、11人目のフィールドプレイヤーである。また守備範囲がえらく広く、ペナ外へも勇気を持って飛び出していく積極性を持ち合わせる。ハイラインで守備をする札幌にあって、DF裏の広大なスペースをケアする役割も担っている。
大黒柱だった家泉が抜けたCBは、西野と特別指定の梅津の若いコンビ。大学生の梅津は百年構想の試合にも6試合出場し、札幌の即戦力となっている。パスサッカーの札幌にあって、CBにも当然足下の技術が強く要求される。残念ながら我らがニキはベンチ入りもしておらず、スタメン奪取に頑張ってほしい。
SBはバランス取りと左足からのクロスが得意なパクが左に、積極的な攻撃参加が売りの高尾が右に入る。この二人は百年構想でもよくコンビを組んでいた。3バック可変ビルドの札幌において、パクが後ろに残り、高尾が高く上がる役割。
DMFの堀米悠斗は長年過ごした新潟との凱旋マッチ。新潟時代はSBとしての出場が多かったが、ハブ役としての才を活かしてボランチの位置に収まっている。
そんな堀米とDMFでコンビを組むのは、セレッソ大阪よりレンタル加入の木實。マギーや木寺と共にU-19代表にも選出されている逸材。2025年と百年構想ではギラヴァンツ北九州にレンタルされていたが、SBでの出場が多かったみたい。ボランチが2人とも本職(?)SBという面白い組み合わせ。
SHはタイ人ドリブラーのティラパットと、清水エスパルス入団後即レンタルで加入したペイショット (ジュビロ磐田の長身FWが思い浮かぶけど、全くの別人)。ペイショットはこの試合、DAZNの解説の人に守備しない守備しないって、何度も言及されていた…。
両人は同じSHだけど、タイプや役割が結構異なっていた(後述)。
FWはエースの大森ではなく、百年構想ではSHで出ていた印象が強い白井と、ガンバ大阪からレンタル加入の唐山。2TOPの関係でいうと、白井が前線に残って、唐山が落ちて縦パスを受けたりスペースを作ったりする役割が多かった。
ベンチにはバンクの実兄スパチョークも控える。一方で福森、大崎、荒野、川原、青木、バカヨコ等々、百年構想で活躍していたメンバーはベンチ入りもしておらず。怪我で出られない選手も何人かいそう。
札幌のビルドアップ
百年構想から引き続き、ショートパスで前進するポゼッションスタイルの札幌という事で、ビルド時は4-4-2から可変する。
① GKを交えた疑似4バックビルド

左SBパクが後ろに残りつつ、両CBが開いてその間にGK田川が入る、疑似4バックビルド。
DMF堀米と木實は縦関係になり、堀米がアンカーの役割を担う。
押し出された右SB高尾は高い位置に上がり、サイドレーンに張る。その分右SHティラパットは内に絞り、ハーフレーンの位置へ。
一方の左SHペイショットは内に絞らず、徹底的にサイドレーンの高い位置に張り続けていた。
2TOPは白井が前線に残り、唐山は若干低い位置でボールを受けに落ちていったりしていた。白井の1トップ、唐山とティラパットの2シャドーにも見えなくもない。
GKがビルドアップに加わることで、相手のハイプレスに数的優位を作れるビルドだが、新潟がハイプレスをあまりしてこなく、GKがいなくてもボールを持ててたので、この試合では次第にこのビルドは使われなくなっていた。
② 3バックビルド

この試合の基本となっていたビルドで、百年構想でもよくやっていたやり方。
左SBパクが最終ラインに残り、3バック化する。ボランチより前は①と同じ。
③ ビハインド時の得点がほしい時の4バックビルド

ビハインドの試合終盤、左SBパクを上がらせ、リスクを負ってでも前に人数をかけた攻撃的布陣。
*終盤の布陣のため、スタメンから何人かメンバーが変わっています (スタート時の立ち位置から、ペイショットがFWに、白井が右SHに移動もしている)。
ビルド①・②と違って、ボランチの2人は横の関係。
左サイドは、SBパクがサイドレーンに開き、SHのスパチョークがハーフレーンに絞る役割。一方右サイドは、SB高尾がハーフレーンに絞り、右SHに移った白井がサイドレーンに開いていた。
恐らくそれぞれの長所を活かすために、左右でSHとSBの立ち位置が違っているんじゃあないかな (パクはサイド突破からのクロス、スパチョークはドリブルで内に切り込んでいく…みたいな)?だので、出場メンバーによってこの辺の立ち位置は変わってくるかも。
FWは唐山が下がり気味で、ボールを引き出す役割は①②と同じ。
札幌の守備
百年構想ではミドルプレスを優先していた印象が強い札幌だが、この試合では意外にもハイプレスで新潟に立ち向かっていた。
4-4-2の札幌は、4-2-3-1の新潟とはミラーでガッチリと陣形が噛み合うってのもあってか、ともかく2FW→2CB、2SH→2SBのように、前線4人で新潟の4バックにマンマークでハイプレスを仕掛けていた。
また、新潟の2DMFはビルド時に縦関係になっていたんだけど、それも札幌のDMFの片方ががマンマーク気味に追っかけて迎撃していた。(ミドルブロックになると、落ちるDMFはFWの片方が抑えていた)
*百年構想の大宮戦とかでは、4-3-3でハイプレスに来る事もあったけど、どっちでくるのかな?
ある程度押し込まれると4-4-2ブロックで待ち受ける。ただこの時の横幅が非常に狭かったのが印象的。
例えば片サイドから新潟が攻めている時は、札幌の選手も全員そのサイドに寄っていっていた。逆サイドのSHやSBも絞ってくるので、片サイドの縦に割った半分のエリアに札幌の選手全員がいる事が多々あった。
百年構想の札幌の試合は結構見ている(8試合)んだけど、こんな守り方してた記憶があまりないんだよね。自分の記憶違いなだけかな?
前節の札幌 試合展開 (VSアルビレックス新潟)
なんか思いの外文章量が増えちゃったんで、試合展開は簡単に。
この試合、新潟はボール保持する意図がなく、狙いは徹底して札幌のハイラインの裏だった。そしてその主役はCF若月。新潟は裏にポンポン放り込んで、若月の裏抜け勝負を徹底していた。開幕大宮戦でも若月が何度も裏を狙っていた(その都度尾崎が止めてた!)けど、ちょっとその比じゃあないほどの徹底ぶりだった。
一方の札幌は可変ビルドによるショートパスでの前進狙い。それに対して新潟はハイプレスではなく4-4-2ミドルブロックで待ち受けてきたため、GKを入れるビルド①をやるまでもなく、3バックビルド②でボールを保持する札幌。
プレッシャーが少ない最終ラインはある程度自由にボールを持てるため、敵陣侵入までは行けるが、それ以降は新潟の4-4-2ブロックを崩せず、札幌はゴールに迫れない。
17分。ロングカウンターからハーフウェー付近で受けた若月が一気に前進し、ペナ内まで侵入。これを梅津が倒してしまい、新潟がPK獲得。PKはGK田川が弾くも、跳ね返りを奥山が押し込んで新潟が先制。
しかし36分、新潟の最終ラインの繋ぎをペイショットがインターセプトして、これの折り返しを堀米が決めて同点に追いつく。完全に新潟のミスによる得点だが、札幌としては狙っていたハイプレスが実を結んだ結果でもあった。
前半は1-1で終了。
若月の裏抜け&カウンターの新潟 VS ポゼッションの札幌な様相の前半だったが、怖い攻撃を仕掛けられていたのは新潟の方で、ゴール期待値は「新潟:1.38 VS 札幌:0.52」であった。
後ろから繋ぎたい札幌だったが、結構中盤でのパスミスも多く、新潟の平均奪取位置も42.1 mと結構高くなった (ハイプレスの札幌も41.2 mと高い)。
後半開始早々46分に、この試合何度も見た若月の裏抜けにより右サイドで基点を作り、白井のクロスからファーでシマブクが強烈ボレーを叩き込んで新潟がリードする。
1点目もそうだけど、本当に今日の新潟は若月様々だった (ただちょっと若月に頼り過ぎなような気も…)。
リードを許した札幌はパクの上がりも許し、4バックビルドでリスクを負って前進していくようになる。

途中交代も繰り返し、後半戦の中盤辺りはこんな感じのメンバーでビルド③で同点を狙う。
が、相変わらずショートパスでは新潟の4-4-2を打ち破れず、いいチャンスはいずれも、(数は少なかったが)ロングボールによる裏抜けか、ボール奪取によるカウンターからの物であった印象。
CF若月が下がると共に新潟の攻撃が停滞した(守勢に回ったのもある)一方、札幌はFWに大森を入れてパワープレーを仕掛けるも得点は生まれず、そのまま2-1の新潟勝利で試合終了。
札幌は百年構想POでの借りを返せなかった。
新潟の方が札幌の嫌がる攻撃ができていたなぁといった印象通り、シュート数は「新潟:13 VS 札幌:7」、ゴール期待値「1.71 VS 0.97」と、データ上も新潟のゲームであった。
札幌は支配率57%、パス成功率82%と、ボールを握り続けたが、ショートパスからの決定的なシーンはほとんど作れず、時たま見せていたカウンターの方が怖い攻撃ができていた印象。
ともあれ新潟の試合巧者が光ったような試合だった。
札幌 注目選手
GK 田川 知樹
2024年のJ3において対戦して1番嫌だったGKで、その年の個人的J3ベストGK (*当時はカターレ富山所属)。180 cmとGKとしては小柄ながら、ハイボール処理やシュートストップ技術が秀逸だった記憶が強く残っている。
札幌では富山時代以上に、足下の技術を活かしたビルドアップに積極参加し、ポゼッション志向の札幌において、重要な役割を担っている。
また勇気を持った飛び出しもストロングで、時にゴールマウスを捨てて相手FWを迎撃に行ったり、クリアに赴く事もしばしば。この広い守備範囲のGKが後ろにいる事も、ハイライン守備の札幌において非常に重要になってくる。
*ゴールを空ける事も多いので、カプリーニがロングシュート狙ってそう
MF スパチョーク
我らがバンクの実兄。バンクと似て足下の技術に秀でた、細かいタッチと一瞬の加速で抜いていくタイプのドリブラー。内に切り込んでいくスタイルもバンクに似ている。他にもティラパット、 ティッパネイトと、タイ人が3人所属しいる札幌において、夢の兄弟対決が実現されれば母国での反響も非常に大きくなるハズ!果たして兄弟対決なるか!?
FW 唐山 翔自
以前より潜在能力を高く評価されている、ガンバ大阪から武者修行に来ているFW。2021年から各チーム(愛媛FC、水戸ホーリーホック、ロアッソ熊本、東京ヴェルディ)へのレンタルとガンバへの復帰を繰り返している感じ。百年構想ではガンバに戻り、6試合1得点を挙げているが、ガンバでの定位置獲得までは至らなかったみたい。
ストライカーとしての評価が高い中、札幌では1.5列目の役割が多く、後ろからの縦パスを受けにスペースに落ちたりなんかして、ボールを引き出す動きが秀逸だった。
大宮 展望
百年構想で苦杯を舐めたAWAY札幌戦の頃とは、また色々と違ったやり方をしているなぁといった印象の26/27シーズンの札幌。
新潟は徹底した若月による裏狙いだったけど、大宮はどうしてくるのかな?
裏抜けが得意で、先の札幌戦では大活躍だったサンデーは残念ながらチームから離れている。裏抜けといえばあとは日髙の抜擢などが考えられるが、ナダル監督が相手のウィークを突く采配をするのか、それとも自分達のストロングを伸ばす采配をするのか。まずはスタメンの並びを注目したい。
またこの試合は8月ながら涼しいドームでの開催という事で、開幕2試合よりもスタミナとプレス強度の維持が可能となる。その辺りを見込んで今までよりもハイプレスを強めて前から圧力をかけまくってくるかも。
開幕2試合は暑さで抑えていた事もあったかもしれないため、札幌戦では夏場以降の大宮の戦い方の一面が見られるかもしれない。
一方の札幌は、ハイプレス控えめな新潟相手にはボールを握ってショートパスの前進を狙っていたけど、大宮相手にはどうしてくるのかな?
百年構想第2節での対戦なんかでは、ハイプレスで来る大宮相手にボールを握ることをすぱっと放棄する選択をしていたけど、今回もそんな感じで新潟戦とはまた違ったやり方をしてくるかも。
大宮もハイラインのため、後ろからの繋ぎよりか、ロングボールを使った裏抜けを狙ったりなんかも…?
ともかく大宮のやり方も、この2試合で大分解析され始めているとは思うので、相手チームがどんな大宮対策を繰り出してくるのかを見るのも楽しみだったりする。
25シーズンからそうなんだけど、札幌との試合はいつも互いの監督が相手のやり方を見て采配を変えることで、試合の流れがコロコロ変わる後出しジャンケン対決な面白い試合になるんだよね。
今週末もそんな面白い試合になることに期待!
