見出し画像

観戦記 第17節 RB大宮アルディージャ VS AC長野パルセイロ


概要


2026/5/17
大宮VS長野 1-2
大宮得点: 61'山本
長野得点: 71'藤川、85'樋口
@Nack5スタジアム
*現地観戦*



大宮 布陣

大宮 守備

GW連戦も終わり、再出発となった大宮のスタメンはこんな感じ。
前節のコンサドーレ札幌戦で負傷交代のサンデーはベンチ入りせず、1トップには日髙が入り、2列目はお馴染みの破壊力抜群トリオ。
ボランチはカウアンと中山のコンビに。

CBは左西尾、右に尾崎。今日の長野の2トップ的に、ポストが上手い進には対人の強い西尾を、裏抜けがうまい吉澤にはスピードのある尾崎をぶつけた…とか?
また今日の3バック可変ビルドにおいて、WB化する関口の裏ケアのためにも、尾崎のモビリティは重要かと。



Sub: 笠原、茂木、村上、木寺、石川、小島、松井、小林、健勇

プレビューで書いた通り、長野の4-4-2からのハイプレスをすらすために(?
)、今日は3バック可変ビルドを採用。3-4-2-1にして最終ラインで数的優位を作る狙い。
*そこに対しては後半から長野がプレスを修正し、対応していた(後述)

いつもの3-4-2-1だったけど、今日はいつにも増して、WB化した泉と関口が高い位置に張っていた印象。おかげで3-2-5のような形になる事が非常に多かった。WBで相手SBを押し込む狙い?

また、近々の課題である守備面の修正としては、聖の攻撃参加の規制。これまでは3バック可変ながら、押し込んだ暁には積極的に上がっていって、アーリークロスを上げるって役割を担ってたけど、ボールを失ってゲーゲンが失敗した時はその裏を取られやすいといった弱点もあった。
その対策なのか、この試合では(特に前半は)ほとんど聖が攻撃で上がる事がなく、後ろに残してカウンターケアしていた感じだった。

最近やられがちの守備対策としては理に適ってはいるんだけど、ただこれまで何回も書いてる通り、それだと聖の武器(クロス)が活きないんだよね。。。
守備時の高さや対人に加え、フィード&ビルド能力等加味すると、本来はイヨハのタスクであるんだけど、ビルド的に3バックの左には左利きを入れたいのかなぁ…?



長野 印象

長野 基本陣形

前節のFC岐阜戦と同じメンバーの4-4-2。各選手の特徴などはプレビューで書いてるのでそちらを参考マデ。

藤本前監督から代わった小林監督がまず取り組んだであろう事は守備面
ハイプレス守備はそのままに、DFラインを上げて縦横コンパクトなブロックに修正し、交代前の8試合で22失点だったのを、同じ8試合で10失点にまで減らしている。
実際に今日スタジアムで見ていても、DFラインを上げて非常に縦を圧縮したコンパクトなブロックを組んでいたのが何よりの印象であった。



ハイプレス時 白が長野

守備はハイプレスが基本

4-4-2をベースに両SHを中に絞った4-2-3-1の形になる事が多かった。
2FWの片方が中央CBに当たり、もう片方が少し下がり気味で大宮のボランチをマークする感じ。左右CBにボールが入ると、対面のSHがプレスに行く感じ (臨機応変にFWがプレスする事も)。
前線4人は流動的で、この時ボランチが縦関係になる事もあり、4-1-1-3-1のようでもあった。

先述の通り、大宮のWBは非常に高い位置を取っていたため、SBは押し下げられていたが、WBがボールを貰いに落ちていくとついていってた。

ただ、前半は前線4人のプレスがハマりきらず、後半からプレス原理に修正を加えていた(後述)。



試合展開 前半

最高気温30℃という、今季初めての真夏日での試合に。
互いにハイプレスのチーム同士の戦いとなったが、前半は大宮のゲームに。

何より前半はゲーゲンプレスが効いていて、ボールを失ってもすぐさま複数人で囲んで奪取できていた。
ハイプレスもトップの日髙が精力的に前線から追っかけて行き、長野はバックパスで自陣深くまで戻さざるをえないシーンを多発させる。ハイプレスで困らせた上で、ロングボールでのクリアを蹴らせていた。

今日の長野のロングボールのターゲットはFWの吉澤。序盤は関口の裏への飛び出しも見せていたが、プレスに困ったクリアの逃げ道として吉澤の頭が使われていたが、そこに対抗したのが尾崎。元々身長のアドバンテージもあったが、今日は空中戦でほぼほぼ勝てていて、吉澤へのロングボールを跳ね返し続け、前半の試合を安定化させた大宮の影のMVPだったかと。
尾崎はそのスピードも活かして裏抜け対策も揺るぎなかった。82分、右サイドでフィジカル負けして突破を許すも、すぐさま二度追いをし、ゴール前で追いついてピンチの芽を摘んだシーンなどは、尾崎の良さが出ていたかと思う。
Hヴァンフォーレ甲府戦の時も書いたけど、ひっくり返されて相手FWと駆けっこ勝負が多くなってる今の大宮の現状では、スピードのある尾崎がCBのチョイスとなるのもなるほどなーって具合い。

前半序盤崩されてゴール前まで持ってかれもしたけど、その後は長野の前進を許さず、危ない場面は田中のロングスローやFKなどのセットプレー絡みぐらいに抑えることができていた。ただセットプレーはちょっと多く与え過ぎだったかな。


一方の大宮の攻撃。
長野のハイプレスに対しロングボールを増やす事も予想していたが、前線に健勇・サンデーがいないこともあり、今日は3バック可変で長野のプレスをいなしつつ後ろからショートパスを繋いでいくやり方を選択。長野がボール保持にこだわらなかった事もあり、大宮が一方的にボールを握る展開に。

長野の4-2-3-1プレスと4-4-2ブロックに手こずりはすれども、カウアンが視野広く中盤の底からスペースにボールを散らしてくれたり、カプがキープしてくれたりで、前進することはある程度できていた。

12分、カウアンのクロスに対し、いい飛び出しでDF前に入った日髙がヘッドも、枠外。
34分、カウアンの浮き球スルーで抜け出した日髙が、GKの位置を見てシュートも、枠外。少し角度がなかったか。
38分の尾崎のフィードから、日髙が前線でキープ(←素晴らしい!)。最後はカプのクロスから泉がヘッドも、枠外。
更に41分のトリックFKからの山本ミドルもGK正面。
・・・等々、大宮が多くゴール前に迫る。

1番面白かったのが15分のシーン。
関口が右サイドで高い位置を取って相手SBをピン留めしておく中、カプが右サイドに落ちてボールを受ける。カプに当たりに行った相手SBのマークから外れた関口がきれいな裏抜けからクロスを上げ、泉がシュートするが、惜しくも枠外に。長野のハイプレスをうまくかわした、とても面白いビルドアップだった。

という事で大宮の時間が多かった前半だったが、スコアレスドローで終了

シュート数「大宮:9 VS 長野:4」、ゴール期待値「大宮:0.44 VS 長野:0.28」、支配率59%と、大宮がボールを握ってチャンスを多く作れていた前半 (もう少し期待値は上かなと思ってた)。

平均奪取位置も40.8 mと、ゲーゲンとハイプレスが効いていて、高い位置で奪取もでき、長野の前進を許さず。ピンチはいずれも長野のセットプレー絡みであった。

先述の通り、3バック可変ながらほとんど聖を前に上げないやり方で、リスクを最小限に抑えながらの中でのいい前半であったため、同点ながらポジティブな気持ちで折り返すこととなった。
とはいえ、1点は欲しかったなー。




試合展開 後半


大宮はカウアンを下げて小島を投入
前半のカウアンはボールをうまく散らせていて、いいアクセントになっていたが、イエロー1枚を貰っていたため、退場のリスクを考えての交代だったかな、と。


長野 後半ハイプレス

一方の長野はプレスの方法を修正 (*試合見返さないと断言できないけど、多分後半からだと思う)。
前半は前線4人が流動的に3CBにプレスしていたが、SHを1枚完全に上げた形の4-3-3に修正してきた。大宮の最終ラインの3枚と同数にする事で、プレス原理をシンプルにしてきた感じ。縦のコンパクトさは継続し、中盤3枚はボールサイドに寄せてミドルプレスに備える。

前半はある程度長野のプレスをいなせていた大宮だったが、後半はこの4-3-3-プレスに苦戦する事に。小島がサイドに開いてボール受けたり、尾崎が縦パス狙ったりもしてくれたけど、中々にコンパクトなブロックに隙間を見いだせずに、ブロックの外でウロウロとパス回しをする時間が前半より増えてしまっていた。横パスで守備スライド引き起こしてスペース作るってのも、あまり効果的じゃあなかった印象。

48分のトリックFKからの西尾のボレーや、56分の吉澤のポストから右突破されての野嶋のシュートなど互いにチャンスを作る後半立ち上がり。

長野は56分にFW進に代わり藤川を投入。FC岐阜戦で見られた、相手を背負いながら足下のパスをキープするっていう進のプレーはあまり見られなかったかな。

59分には長野のハイプレスで押し込まれた聖の、苦し紛れのクリアがインターセプトされてペナ侵入を許すも、なんとか山本がノーファールで止める。
直後に日髙が左サイドを抜け出してシュートまで持ってくも、相手にブロックされる。

30℃という暑さもあったのか、前半いいように決まっていた大宮のゲーゲンとハイプレスが後半は効かなくなっていき、長野の前進を許すようになっていく。



互いにチャンスを作る中、61分に大宮先制
聖からの左CKを西尾がヘッドですらし、大外の山本が放ったボレーシュートがゴールネットを揺らした。
いや、最高点に達する前のバウンドのボールだったにも関わらず、抑えのきいた威力あるボレー!なにげにやってみせた感じだったけど、非常に技術を要する難しいシュートで、ゴラッソといって過言ないゴールであった。

失点直後、長野は野嶋→忽那の交代。忽那が左SH、近藤が右SHに。


リードして有利に試合を進めたい大宮だったが、71分、CKから失点。初撃はグローバーが弾くも、その跳ね返りを藤川に押し込まれてしまった…。

試合後の小林監督のインタビューで「(セットプレーは) はっきりやってる事を変えた」って言ってたんだけど、どの部分だったんだろ?
マンマークで守る大宮に対し、前半はふわっとしたCKが多かったけど、後半はニアに速い低弾頭のキックが多かったので、その事かなぁ?

まぁ、セットプレーからの失点は仕方ない部分もあるので、切り替え切り替え!

同点に追いつかれた大宮は74分に日髙・カプ→健勇・小林。健勇がトップに入り、小林は右SH、茂木は右SBへ。

選手交代してプレス強度の復活を目指したかったとこだが、中々長野を規制しきれない。

78分にはスローイングのセカンド争いにあっさり負けて、左サイドを近藤に突破され、逆サイドにクロス。そこにドフリーの長野の選手2人がなだれ込み、吉澤にシュートを撃たれるが枠外となった。
それにしてもこのシーン、圧縮サイドの逆に送られてフリーの選手を走り込まれるという、今シーズンやられまくっている、大宮の典型的な失点パターン (まぁ、昨シーズンからでもあるけど)。失点しなかったのは運がよかっただけとしか言えないようなやられ方だった・・・。

この直後に関口は茂木に交代。茂木を入れて4バックビルドにし、左SBの聖を上げるのかなぁとも思ったけど、3バックビルドは変えてこず。そこに対する博打は打ってこなかった。

長野も80分に樋口・伊藤・吉田とフレッシュな3人を入れて、運動量を確保。



すると85分、浮き球であっさり藤川に裏を取られ、中央ペナ内の樋口にボールが渡る (聖がマーク相手の樋口を見失っていた)。樋口は尾崎の寄せを落ち着いてかわし、左足でゴールに流し込んだ。
終盤になって、大宮はまさかの逆転を許し、1点ビハインドに

一気に劣勢に叩き落とされた大宮はすぐさま聖→木寺の交代。木寺が右SBに入り、茂木が左SBに移動。
時間が短いながらも木寺は、相手のタックルを受けてもびくともせずキープしたり、惜しい縦突破を見せたりといいプレーを見せていた。

残り時間が少ない中でも、大宮は後ろからの繋ぎによる前進を継続も、長野のブロックの壁の前でウロウロしてシュートまで持っていくことができない。
折角前線に健勇がいるんだから、もっとロングボールですっ飛ばしてパワープレイやってもいいのになぁとか思いながらの最終盤。一回、健勇の空中戦から相手ペナ内まで侵入できたってのがあったのに…。


そんなで最後はシュートまでも中々に持っていけないまま、1-2の逆転負けで試合終了。

最終的なシュート数は「大宮:13 VS 長野:12」と同等に。大宮は後半は4本のみという事で、修正した長野のプレス&ブロックに大苦戦した結果に。
そしてゴール期待値は「大宮:0.74 VS 長野:1.25」と、長野に差をつけられた形に。後半だけだと「大宮:0.30 VS 長野:0.97」と、やはり後半は長野にやられてしまったというデータに。

ボール奪取位置も前半の40.8 mという高い値から、試合全体では31.6 mと大きく後退。正確な計算じゃないけど、後半は22.4 mぐらいの低位置って事!?
ゲーゲン&ハイプレスが効いてた前半から打って変わって、後半は全くといっていいほどプレスがうまく行ってなかったって感じかぁ…。
DAZN見返さないと長野の細かいビルドアップの変更等はわからないけど、後半プレスが落ちた要因としては、やっぱり暑さがあったのかな・・・?

大宮の支配率は61%、パス成功率は79%という、ちょっと高すぎる結果に。パス成功率が高い事が必ずしもいいというわけでなし、無難なショートパスを繋ぎまくってはいたが、効果的な攻撃にまでは繋げられなかったといった印象を表したデータかな、と。

まぁ、ともかくいずれのデータも、後半の内容が悪かった事を示していますね・・・。




雑感

うーん・・・、色々と消化不良な感じの試合。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、すっと力が抜けたような感覚を覚えた。

後半の出来と前半の出来を足せば、勝ちも負けもどちらの世界線もあったような試合で、シーズン戦っていればこんな負けもありはするんだろうけど、リーグ終盤で、且つここ最近は負けが上回っている状況下という、時期的にはあまりよろしくなかったのかなぁと。


今日の試合を見てても思ったのは、やっぱりショートパスとロングパスのバランスが悪いってこと。今日もショートパスが多過ぎたきらいがあり、HいわきFC戦くらいのバランスが適正かなぁとは思う次第。
ショートパスばかりでなく、やはり前線にロングパスの逃げ場は確保しておきたいところ。
こぼれ球奪取に関してはお家芸(J2J3で1位)ではあるので、ロングボールのセカンド争いの勝率は高いはずだし、相手に渡ってもハイプレスで仕留められるはずだし、今日みたいな縦圧縮のハイプレスの相手には疑似カウンターも有効なはずだしで。

後は3バック可変ビルドにおける左SB聖は適所じゃあないんだよね…。イヨハ不在で仕方ない部分はあるけど、今日なんて攻撃参加もほとんど許可されてなかったわけだし、後ろでのビルドアップでは聖の良さが本当に活きない… 。

というかこの2点に関しては、最近何度も書いてしまっている・・・ (*聖の件はシーズン前から)。

後半ゲーゲン&ハイプレスが続かなかった原因も、暑さだったのか、長野の出方だったのかははっきりさせておきたいところ。


ともあれこれで大宮は8勝2分7敗、EAST-B 6位という成績で、あっという間の最終節へ。いい形でPOラウンドへ繋げてもらいたいっすね!

いいなと思ったら応援しよう!