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観戦記 PO2回戦 RB大宮アルディージャ VS 高知ユナイテッドSC


概要

2026/6/6
大宮VS高知 2-1
大宮得点: 73'ガブリエウ、81’石川
高知得点: 55'上月
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*



大宮やり方

大宮 スタメン

Sub: 笠原、熊田、村上、西尾、関口、石川、和田、中山、磯崎


泣いても笑っても百年構想リーグ最終戦。
退任が発表された宮さん不在の中、新たな布陣4-3-3で挑んできた。試合後の戸田さんのコメントでは、僅か3日間で4-3-3を仕込んだとのこと。

前節横浜FC戦で復帰を果たした豊川がトップに入り、WGは泉と小林。今日のWGは攻撃時、サイドに広く開いて張っている事が多かった。
CBはガブ様と尾崎の2人で、コンビを組むのは確か初めてのハズ。

IHに小島とカウアンが入り、Aジュビロ磐田戦で負傷退場して以来の玄がアンカーに入ってきた。最終戦にも関わらず4-3-3を試したってのは、アンカー適正の高い玄が間に合ったからトライしたって事もあったのかと思われる。期待に応え、玄は中盤のフィルター役として、ビルドのハブ役として大いに機能していた。

4-3-3でビルドはどうするのかなって思ってたけど、SBが聖&茂木という事で、3バック可変はせずに、4-3-3のままビルドしていた。


初ベンチの熊田を始め、CBが3人もサブに入ったのに対し、前線の選手は磯崎(こちらも初ベンチ)だけという、かなりバランスの悪いサブメンバーに。
U-19代表組と、怪我疑惑の健勇&サンデーがいないのは織り込み済みなんだけど、山本&カプのどちらもいなかったのはどういう意図があったのだろうか・・・?うーむ。。。


高知印象

高知 基本陣形

基本陣形は3-4-2-1で、前節のレノファ山口戦から1人交代 (青戸→松本)。
ロングボールを多用していた、前節序盤の前線のポスト役だった青戸はベンチからのスタート。代わりにトップに入った新谷に高さが無い(171 cm)ため、スタメンを見てロングボールは多用せずに、後ろから繋いでくるだろうなぁとスタメン見た時は予想していた。

前節WBだった上月はSTに入り、松本が右WBに入る。運動量のある濱が左WBに、そして元大宮キャプテンの三門がボランチで連続スタメンを勝ち取る。

3CBはそれぞれビルドアップ時に結構面白い動きをしていたんだけど、攻守のやり方を含めそれは後述。



試合展開 前半

スタメン表のポジション表記からもなんとなくわかっていたけど、大宮はこれまでにない4-3-3 (*A長野パルセイロ戦がそうだったかもなんだけど、試合見直しても4-3-3には見えなかったなだよなぁ)で試合に入り、高知としても意表を突かれた感じの序盤だったかと思われる。

そのため高知は序盤は大宮のやり方を様子見で、固く入ってくる
ハイプレスはほとんどせずに5-4-1ミドルブロックで待ち受けるやり方。ゴールキックもロングキックを選択するなどボール保持の意図も少なく、後ろからも繋いでこない。代わりに前線の3人にグラウンダーで速いパスを入れるも、途中でカットされるってシーンが何度か見られた。

また、高知の前進を防ぐのに大いに効いていたのが。広い守備範囲と対人守備が必要とされるアンカーとして、中盤で何度も高知を狩ってボール奪取やインターセプトしてくれていて(前半だと例えば11分や16分)、フィルター役として大いに機能していた。ビルドアップでも中盤の底で左右に動いてボールを引き出していい潤滑油となっていて、途中交代だったけどもっと長い時間アンカーでの仕事ぶりは見ていたかった。

そんなだったため、一方的に大宮がボールを握る序盤に。

6分の泉のシュートや、12分のCKからの泉ボレーなどはうまくミートせず。
ボールを握る大宮だったが、ハイラインで5-4-1ブロックを組む高知相手に、そこまで決定的なシュートまで持っていけない感じ。
豊川がハイラインの裏を狙っていたけど、そこまでいいスルーパスも配給できていなかった。

ただ、今日は泉と小林をWGとしてサイドに高く張らせた布陣だったため、サイドの高い位置での基点はできていた、何本か深いとこからクロスを上げられていたのは良かったかな。


先述の通り序盤はブロック守備重視で大宮の様子をじっくり観察していた高知だったが、大宮のやり方を理解してから徐々にやり方を変えてくる

まずはプレス方法。
大宮が4-2-3-1で来ると想定していたのか、序盤は右WB松本を下げない4-4-2のような形でハイプレスに行っていたのだが、大宮が4-1-2-3で来たため、前半途中から3-4-3プレスに変更。


3-4-3ハイプレス

図で表すとこんな感じ(黒が高知)で、前線3人で2CB+アンカーをケアし、中盤もマンツーぎみにかっちり噛み合わせてミラー化させてきた感じ。大宮のWGもSBも時にはケアしなくちゃいけない両WBの立ち位置が難しいところだったが、SBにボールが入った時は結構な距離を走って撃退に来ていた。



守備でリズムを掴み始め、ビルドアップでも多彩なやり方を見せてくる。
今日見ていて、前半確認できたのは主に以下の4つ。

高知ビルドアップ七変化

①    基本の3-4-2-1のままビルド
②    右CB福宮をSB化させた右肩上がりの4バック可変
③    三門が最終ラインに落ちて、左右CBがSB化する4バック可変
④    中央CB小林が偽CBとしてボランチの位置に上がる4バック可変

…と、こんな感じで、前半の途中からは代わる代わる色んなビルドアップをしてきていて、面白っ!って思いながらスタンドで眺めていた。

基本は①と②のビルドが多かった感じ。
右CB福宮はオーバーラップの切れ味が鋭く、例えば36分のシーンなどは一気に右サイドを駆け上がることで、サイドに数的優位を生み出して、高知のチャンスに繋げていた。

他にも④の偽CBでは、そのCB小林がビルドアップ時に普通に最前線まで上がっていったりしていて、選手の動きを追っているだけでも楽しかった。③に似たような事は、高木監督時代のミカさんが大宮でもよくやってたなー。


そんなで大宮のやり方をじっくり見極めた後、自分達の色を出してきた高知。
前節もそうだったんだけど、高知は相手のやり方を見てから、ピッチ上ですぐさま修正して方針転換する事ができる、非常に柔軟性があるチームだなぁと思った次第。

20分の茂木を食いつかせて裏を取り、ガブ様を釣り出しておいてからのサイドチェンジでハイボールを聖と競らせるなんてのは、シュートまで繋がらなかったけど、非常にいい攻撃だった。
後は34分の左から右へのサイドチェンジで密集抜けられて、一気に攻め込んだシーンなんかも、大宮のウィークを突いた嫌~な攻撃だった。

こんな感じで、前半は尻上がりに高知もチャンスを構築
ただいずれのチャンスも、最後のとこで数 mズレが生じて決定的なシーンに繋げられない感じであった。チャンスになる一つ前のとこでもそういったズレが見受けられたシーンもあったので、そこの部分の精度がもう1段階上がったら、もっと得点が取れるんじゃあないかなぁとは思った。

という事で前半はスコアレスで終了。
序盤一方的にボールを握った大宮の支配率が55%となったが、最後は様々なやり方を駆使して、普通に高知もビルドアップからの前進ができていた。

シュート数は「大宮: 5 VS 高知: 5」という互角だったが、両チームとも、決定的なシュートチャンスはなかった印象。
また大宮の平均奪取位置は27.1 mと非常に低かった。序盤は高知が繋いでこなかったってのもあったけど、高いとこでは狩りきれなかったというデータに。

個人的には、大宮は玄の動きを、高知は3CBの動きばかりを追って観戦していた。



試合展開 後半

後半開始から小林→関口の交代で、関口がそのまま右WGへ。茂木-関口の縦の並びは中々見慣れない。
前節に引き続き小林は前半で交代だったけど、25分のキープからカウアンクロス→豊川ヘッドに繋げたシーンだったり、27分のカウアンへの素晴らしいスルーパスなど、今日はサイドで基点となって攻撃面で魅せていた。もう少しドリブルを見せられれば、相手がもっと警戒して選択肢が広がるハズ。

一方の高知も右WB松本→三好の交代。三好が左STに入り、上月が右WBへ部署異動。

そして前半終盤から引き続き、高知はビルドアップでの前進を狙う。また、後半からギアを入れ直したか、前~中盤でのプレス強度を上げてきて、大宮の前進を許さない。
そういえば高知は前節も、後半からハイプレスをいきなり強くしてペースを握ってたっけか。この辺りは事前のシナリオ通りだったのかも。

そんなわけで後半は、高知がボールを握る展開で試合が進むことに。



高知ペースで試合が入った中での55分、最終ラインからのフィードで、ST三好が斜めランで体一つ前に出て茂木の裏を取る。三好がゴール前で潰れたこぼれ球を、必死で走ってきた上月がつめて、高知が先制に成功。
一本のパスであっさりやられちゃった感のある失点だったけど、三好のあの体の入れ方はうまかったなー。

失点直後に大宮は怪我明けでフル出場が難しかったであろう玄と豊川を下げて、退団が決まっている和田さんと、現役ラストゲームとなる石川がピッチに入る。
入ったちょっと後に、石川とミカさんが互いを称え合うようにやり取りしてたのが印象的だった。


交代後の布陣はこんな感じ。FW不足のためかカウアンがトップに入り、石川がIH、和田さんがアンカーに入った。
和田さんアンカーだったけど、前半の玄ほどアンカーの位置にどっしりいたってわけじゃあなく、攻撃時の中盤の三人は結構流動的だった。


石川の狩り取り能力を活かしたいためか、ハイプレス時は4-4-2ぎみになり、高知の前進の食い止めにかかる。

61分にはパスミスからカウンターを受け、三好にコントロールショットを撃たれるが、辛くも枠外へ。

65分にはイエローを貰ったカウアンに代わり、磯崎が初出場を果たし、1トップの位置へ。
すると直後の66分、クイックFKから関口が右サイドを一気に抜け出して、磯崎に絶好のラストパスを送るもこれをふかしてしまい、初得点のチャンスを逸してしまう。

69分には大宮のクリアを引っ掛けた三門が左足でミドルを撃つも、グローバーが好セーブ。大宮時代の21年、水戸ホーリーホック戦でのミカさんの凄いミドルを思い出した。


高知のプレス&ブロックに中々前進できないでいた大宮だったが73分、聖のCKをGKがパンチングミス。真上に上がった跳ね返りに対し、助走を取れたガブリエウが頭一つ高く跳んでヘッドで押し込んで同点に追いついた!
意外や意外、大宮でのガブ様はこれが初得点とのこと。CBながらアシストは多かったけど、そういえば得点取ってたってイメージがなかった。

この得点でガブ様は村上に交代。今シーズンのガブ様は怪我の影響からか、フル出場はやっぱり難しいみたい。。。。

77分には相手のパスを磯崎が引っ掛ける。ボールを持った泉が一人かわして3人引き連れたとこで磯崎へスルーパス。しかしあと一歩のところでGKに阻まれて、磯崎はまたも初得点のチャンスを逃してしまう(でもいいインターセプトだった♪)。



得点のチャンスを逃してしまった磯崎だったが81分、ゴール前でのポストで3人の高知選手を引き寄せておいてから石川へラストパス。そして石川が思いっきってミドルを放つと、ボールはGKの手をかすめてそのままゴールネットに突き刺さった!
自らの引退試合で勝利を手繰り寄せる、石川のエモーショナルなビューティフルゴール。あのシュートに、ここまでの石川のサッカー人生の悲喜こもごもが込められていたであろう事を思うだけでも、熱い物がこみ上げてくる素晴らしいゴールだった。うぅ…。


逆転された高知はFW新谷→FW青戸の交代。前線に高さを入れて打開を図るも、粘りの守備で跳ね返す大宮。87分の青戸のキープを潰した村上なんかが象徴的だった。

ATに入り、前半から出ずっぱりで足に来ていた(?)茂木の交代を準備していた中、前線の磯崎が負傷で続行不能に。急遽磯崎のとこ(FW)に中山を入れると共に、茂木を守備負担の小さい右SHに上げて、右SBに関口を落として逃げ切りに入る。

高知のロングスローであったり、ゴール前のFKだったりも防ぎきり、そのまま2-1でタイムアップ
百年構想リーグの最終戦、ならびに石川の引退試合を優秀の美で飾った。


後半はボールを握ってビルドアップしてきた高知の保持率が上がり、最終的な大宮の保持率は50%となった。
シュート数は「大宮: 8 VS 高知: 12」と高知が上回った。大宮は前節の7本に次いで少ないシュート数で、後半は僅か3本のシュートで2点取ったって事に。効率がいいっちゃそうなんだけど、後半は高知のプレス守備に手こずり、いい攻撃を打ててなかった感じではあった。

ただゴール期待値は「大宮: 1.04 VS 高知: 0.85」と大宮が上回る事に。
高知の枠内シュートは10本と多かったが、決定的なシュートはあまり多くなかった印象ではあった。前半の時も書いたけど、数mのズレでチャンスにならなかったシーンを活かせてればと感じだったかな。



雑感

まずは試合内容としては、相手の出方をじっくり見極めてから自分らの取るやり方を見定め、それをきちんと実行してきた、柔軟性の高い高知のサッカーが非常に面白かった。
前節もそんな感じだったので、チームとしての引き出しの多さと準備、吉本監督・スタッフの分析&判断力の高さが、そういったやり方を可能にしているんだろう事を強く感じた。前半終盤のビルドアップは、何度も見返す価値があるかと思う。

・・・と思ってたら、吉本監督に来季徳島ヴォルティス就任の噂が。。。


大宮としては4-3-3で挑んだ中でも、アンカーのポジションでフィルター役に、パスのハブ役にと機能していた玄の存在が大きかった。シーズン開幕前は司令塔タイプのボランチかと思ってたんだけど、全くもって中盤での狩り取り屋だったとは(勿論パスも上手いんだけど)。リーグ中盤以降のチームの低迷には、少なからず玄の負傷離脱が原因にあったかと思われる。

後は尾崎が今日もロングボールを跳ね返し続けてくれていて、そこは非常にチームとして助かっていた。

ともあれチームは一旦リセットされるけど、新シーズンはこの4-3-3をベースにしてくるのかな?新監督のやり方もあるかと思うので、そこは今オフに注視したいところ。


この試合でチームを抜けることになるのが、まずは和田さん

一昨年の夏に久しぶりに大宮に復帰してからは、CMF、アンカー、OMF、SBと、どこでもこなすユーティリティーさと、抜群のスペース管理とバランス感覚で、目立たないところでチームを支え続けてくれた立役者。高い戦術理解度で監督の意図を汲んで。途中出場から盤面を変えることもできるため、ベンチにいると非常に助かる選手で、宮さんやテツさんからの信頼も非常に厚い事が見ていてよく伝わってきていた。
別チームに移籍ということになるだろうけど、これからも頑張ってほしいっすね。

そして引退となった石川
大宮ユースから大学経由で湘南ベルマーレに加入。2019年、当時J1の湘南の主力でありながら、J2の大宮にカテゴリーを下げてまで移籍してきてくれ、甲府のレンタルを挟みながらも大宮の主力として戦ってくれた選手。大宮愛の強さもよく伝わり、キャプテンとして掴んだJ3優勝は記憶に新しい。
狩り取りがうまく、前目でも後ろ目でも出場すれば守備を引き締めてくれた。
昨年のいわきFC戦で負った大怪我を、必死のリハビリで乗り越えただろう事は、ピッチに戻ってきた時の宮さんの涙を見れば自ずと想像できた。
中盤のデュエル要員として抜擢されたHいわきFC戦での活躍や、今日の躍動など見ても、まだまだ活躍できるよ・・・。

とにかく本当にお疲れ様でした。



*百年構想リーグの総括は別記事で書く予定です

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