火を使わない日もあるごはんしたくがゆとりを生み出す/石塚瞳さん
3月6日(金)に新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』を発売しました。こちらを記念して、さまざまなライフスタイルやお仕事の10名に、ごはんしたくについてインタビューする連載企画【十人十色の薬箱とスパイス】をはじめました。
これまでの連載はこちら
第1回 買わない。迷わない。マイルールのあるごはんしたく/紫吹はるさん
第2回 日々のごはんしたくは笑顔を引き出す給食の「試作」時間/松丸奨先生
第3回 忙しい日々でも30分でつくる"家族ファースト”なごはん/髙塚しいもさん
第4回 「つくりたい期」にどんどん挑戦して食べることを楽しむ/編乃肌先生
第5回となる今回は、パーソナルスタイリストの石塚瞳さんにお話をうかがいました。
石塚瞳さんプロフィール

パーソナルスタイリスト(パーソナルカラー/スタイリング)。
出産前は夫婦で外食が多かったのですが、子どもが生まれてからほぼ毎日料理をするようになりました。
現在は2歳児を育てながら、効率や時短を追求した結果、調理家電をかなり活用しています。
栃木は野菜が美味しく、シンプルなメニューが多めです。
凛花:
瞳さんは、私が実際にお会いしたことのある数少ない方です。
過去にnoteやブログで紹介した「パーソナルカラー」や「テイストスケール」などのイメージコンサルティングは、瞳さんのサロンで受けています。
友人でもあります。
お会いしたときに「食」へのアンテナが高いと感じたことや、小さなお子さんがいてお仕事もしていることから、いろいろお話をお聞きしてみたいと思ったのです。
私の中の瞳さんのイメージは、「センスもありつつの理論派」。
イメージコンサルティングをお願いしたときにも、瞳さんご自身がファッションやメイクがお好きで、センスや感度が高いのだけれど、それを理論的に言語化するちからが優れている印象でした。
だからこそ、「食」についてもお聞きしたいなと思いお声がけしました。
コロナ禍で「家で食べる料理」への気持ちが変わった
凛花:
まずは、瞳さんの自炊歴について教えてください。
瞳さん:
自炊と呼べるようなものを作り始めたのは27歳くらいでした。それまでは実家に住んでいて、一人暮らしを始めたタイミングです。
凛花:
瞳さんは、生まれも育ちも東京でしたね。
瞳さん:
実家にいる頃は朝食とお弁当を作るくらいでした。
料理への気持ちが変わったのは、コロナ禍が大きかったと思います。家で食事をする機会が増えたことで、少しずつ作る頻度も増えていきました。
凛花:
コロナ禍がきっかけだったのですね。
家での食事を「よりおいしいもの」にしたいと感じたということでしょうか?
瞳さん:
まさにおっしゃる通りです!
それまでの「家ではそこそこ、外で満足」のスタイルから、自宅でも同じくらい満足したいなと思うようになりました。
生協で届く食材をベースに「ゆるいルーティン献立」がある
凛花:
その日つくるものは、どんなふうに決めることが多いですか?
瞳さん:
生協で届く食材をベースにした、ゆるいルーティンの献立があります。
ただ、その時のスケジュールによって自分の負担になりすぎないように、ざっくりした内容にしています。
凛花:
買い出しに行くのではなく、届くようにされているのですね。
私は生協さんは使ったことがないのですが、過去に食材宅配サービスをいろいろ試した時期があって……。
注文するハードルが高く感じていました。何を買えばいいか思いつかないというか。
あらかじめベースとなるルーティン献立があるからこそうまくいくのですね! 「ゆるい」ということについてもう少しお聞きしてもいいですか。
瞳さん:
いつも固定だと自分が飽きやすいなあと感じています。
だから、少しずつ変化をつけるようにしています。
たとえば、季節の食材を買い足したり、お買い得だったものを週の中頃に追加するといったことです。
凛花:
なるほど……!
よく作るメニューがあればぜひお聞きしたいです。
ルーティン献立は、「献立そのもの」がルーティンなのですか? それとも、私自身がそうなのですが、「からあげの日」「肉じゃがの日」のような、メニューの一部を固定されているのでしょうか。
瞳さん:
エアフライヤーで作る鶏の唐揚げは定番メニューになりました。調味料のバランスを変えながらマイベストを追求しています。笑
あとはカレーです。
ホットクックはトマトと玉ねぎの水分で作る無水カレーが有名です。産前はそちらが定番でした。
今は、子供も食べられるようにルゥのカレーになりました。水の代わりにトマトジュースを使ったり、ホットクックならではの作り方にしています。
特に忙しい日はソース焼きそばです。
カット野菜と豚こま肉と麺を入れてホットクックの手動炒めモード1分のスーパー時短メニューです。笑
火を使わないまま完成することもある夜ごはんも。
凛花:
瞳さんの料理の「薬箱」について教えてください。
ここでいう「薬箱」というのは、料理を「ラク」にする工夫のことです。
瞳さん:
効率化のために調理家電を活用しています。
火を使わないまま夜ご飯が完成することもあり、昔だったら考えられないなとしみじみ思うことがあります。
ビストロ、ホットクック、エアフライヤーが活躍中です。
凛花:
ああ、どれも聞いたことがあります。私は調理家電とは無縁でうちにはない……あれ……? ビストロ……?
ふと気がついたんですが、うちでも5年くらい「ビストロ」を使ってました(!)
家電は全部、インテリアに合わせて夫が選び、ぜんぶ一気に届いたから、説明書も読んでいなかったんですよね。
うわあ、すごくもったいないことをしていたかもしれません!!!!!
この記事を書き終わったら説明書からじっくり読んでみます(笑)
ちなみに「ビストロ」のおすすめなところがあったらぜひお聞きしたいです。
瞳さん:
冷凍品と常温品をごちゃ混ぜにしてグリル皿で一気に焼けるところが気に入っています。
ふるさと納税で鮭を買っているので、適当に旬の野菜と一緒にいっぺんに焼いたりするのに便利です。
凛花:
記事を書いたあと、説明書(料理集)を読んで実際にやってみました。いや、すごいですね……。料理番号を押して終わりでした。私は野菜を「切る」作業に苦手意識があるのですが、オーブンに入れて終わりでいいって思ったらがんばれました。
ちなみにホットクックは、よく聞くんですがどんなときに使われていますか?
瞳さん:
在宅で一人仕事をしている日は、ホットクックで一人分のパスタを作ることも多いです。
凛花:
パスタもつくれるんですね。ひとり分って地味に手間だから便利ですね。調理家電はどういった方に向いていると思われますか。
瞳さん:
アレンジを考えるのが好きな人や、身体に良くて美味しいご飯を食べたい人、料理自体は嫌いではないけれどできるだけ楽をしたい人、機械に抵抗がない人に向いていると思います。
逆に、もともと料理が好きで工程そのものを楽しんでいるタイプの人には、少し物足りなさを感じるかもしれません。
調理家電導入は、レンタルを経て決めた
凛花:
なるほど……ちなみに導入のきっかけはありましたか?
私は便利だと憧れる反面、初期投資というか、安いものではないからなかなか家電を導入できずにいるんです。自分が飽きっぽい性格だから使いこなせるのかな、とか。
瞳さん:
私はコロナ禍に一度レンタルしてみたことがきっかけでハマりました。
それ以来ほぼ毎日稼働させています。導入の際は勝間和代さんのロジカルクッキングの考え方を参考にしました。
凛花:
レンタル! そんな選択肢もあるんですね。
実際に使ってみると生活に沿ったイメージが湧きやすいし、限られた期間のあいだに集中して試せそうですね。家電を導入するときにはぜひやってみたいです。
料理の過程よりも「結果」を大事にする
凛花:
瞳さんの日々のごはんしたくでは、効率化がキーワードなんですね。
ちなみに、料理でやらないと決めていることはありますか?
瞳さん:
思い切って手放したことは2つあります。
1つめは「火を使う料理の基本的な作り方」です。調理家電を使っておいしければ全てよし、というスタンスで、途中の工程にはあまりこだわらないようにしています。
シンプルなメニューが増えますが、その分、食材や調味料はできるだけ良いものを選ぶようにしています。
凛花:
料理の過程よりも、結果を重視されているんですね。
まだ未公開なのですが、次回のインタビュー記事でご紹介する大塚ぐみさんが真逆のことをお話ししていたのです。
人によって大事なことが違うと改めて感じられて興味深いです。
ちなみに2つめはなんですか?
瞳さん:
もう1つは料理の出し方です。
以前はランチョンマットを敷いて箸置きも必ず置いていました。
子どもが生まれてから物理的にそこまで手が回らなくなりました(笑)。
凛花:
わかります(笑)
お子さんまだ2歳ですもんね。乳幼児のあいだは本当に手が回らないですよね。うちも、2人目が3歳を過ぎてから、やっとゆとりが出たと記憶しています。あ、でも今は偏食の作りわけで手一杯で、お盆に雑にのせて出すスタイルです……。
料理の出し方……テーブルコーディネートだったり配膳のていねいさ、きれいさだったりも「過程」のひとつかもしれませんね。
この習慣は完全に手放す予定ですか?
瞳さん:
いつかまた余裕ができた時に復活できたらいいなと思っています。
「これ食べたいな」と思うものを買うこと自体が、日々の楽しみ
凛花:
瞳さんの料理の「スパイス」は何ですか?
ここでいう「スパイス」というのは料理を「楽しく」する工夫のことです。
瞳さん:
私にとってのスパイスは「食材そのもの」かもしれません。食いしん坊なので…(笑)。「これ食べたいな」と思うものを買うこと自体が、日々の楽しみになっています。
といっても特別なものを買うことはあまりありません。
魚や野菜をシンプルに調理するだけでも十分満足感があります。
エアフライヤーは、干物がグリルと遜色ないくらい美味しく焼けることを発見してから出番が増えました。
ホットクックで汁物、エアフライヤーで干物、ビストロで野菜の副菜、という30分で完成する献立がお気に入りです。
凛花:
すごい……! ものすごくシステマチックですね。でも、コンロに張りついて、次に作るものを待つ時間ってあまり好きじゃないんです。私も最近、ゆで卵メーカーを買ったら、ほったらかしでいろいろできて感動しました。
現代ならではのものを活用していくの、いいですね。
調理している間に子どもと遊べて、片付けも少ないのがうれしい
凛花:
料理について、今あらためて思うことがあれば、なんでもお聞きしたいです。
瞳さん:
母が栄養士の資格を持っていて、時々料理教室を開くような人でした。
子どもの頃から手をかけた料理を食べさせてもらっていたと思います。
ランチョンマットを敷いたり、季節やイメージに合わせて箸置きを選んだり、器と料理のコーディネートを考えたりするようになったのも、すべて母の影響です。
ただ、ほぼ専業主婦だった母と、前職でフルタイムで働いていた当時の私が同じようにできるわけもなく……。結婚したばかりの頃、同じレベルで料理をしようとして一人で勝手にパンクしたことがあります(笑)
凛花:
ああ、わかります……。
「母の料理」ってたぶん、無意識レベルの「お手本」なんですよね。
私が過去にアンケートを取ったときも、実家のお母さんの食卓が「ちゃんと」している人がとくに料理を「きちんと」つくらなければという気持ちになるようでした。
今のように考え方が変化したきっかけはありますか?
瞳さん:
結婚して母のレベルを目指し、うまくいかなかったことです。
その頃から少しずつ、「楽に負担なく、そして美味しく」を考えるようになりました。こだわりを一つずつ手放していくと、簡単にできることはたくさんあると気づきました。
ホットクックの導入は特に大きなターニングポイントでした。
いまは調理している間に子どもと遊ぶこともできますし、片付けも少なくて済みます。これからも便利なものはどんどん試しながら、時短できるところは無理せず取り入れていきたいと思っています。
凛花:
瞳さんのごはんしたくスタイルは、フルタイムで働く人が多いのに、いまだに女性が自炊担当になりがちな現代に即したものだとすごく感じました。
お話をうかがったあと、自宅にあった唯一の調理家電「ビストロ」を使いこなすべく奮闘してみたり、勝間和代さんの「食」に関する本をいろいろ読んでみたりとすごく刺激をいただけました。
貴重なお話をありがとうございました!
最後に、なにかお知らせしたいことなどあればぜひ教えてください!
瞳さん:
凛花さんが昨年受けてくださったテイストスケール関連のメニューは休止しているのですが、今後また再開予定です。
その他のメニューやトータルのご相談は変わらず受け付けていますので、オンラインもサロン対面もお気軽にどうぞ!
サロンは栃木県のJR宇都宮駅東口から徒歩9分です。
栃木近郊の県はもちろん、都内のお客様もリピート利用やご紹介でご利用いただいています。
ホームページ:https://meibi-color.com/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/X9KPHaHAC9sTTW7A7
Instagram:https://www.instagram.com/hitomi_ishizuka/

▼3月6日(金)に発売した私の新刊『台所には薬箱とスパイスがあるといい』についてはこちらから。1食のごはんしたくはなんと30アクションも必要だった。
そんな気づきをベースに「ラク」と「楽しい」を調合する実用エッセイです。私の薬箱15個、スパイス15個を紹介しています。
石塚瞳さんの薬箱とスパイス


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