51歳の終活
その3年ほど前──
私は、
狭心症になっていました。
それは、
いつ発作が起こるか分からないという
非常に厄介なもので、
根本的な治療はなく、
最悪は突然死を招くというものでした。
──その診断の時
医師から言われたのは、
『ストレスと疲労を避けるように』
ただ、
それは私にとって、
とても難しいことでした。
年齢はまだ、
50そこそこ。
発作の時に飲むニトログリセリンを
持ち歩く生活にも、
ようやく慣れてきた頃でした。
そんなある日──
朝から、
例えようのないほど調子が悪く、
そのまま、
かかりつけ医に相談に行きました。
──その検査の結果
その心電図の波形には、
狭心症以外に、
悪性の不整脈が出ていました。
それは、
突然死に繋がりやすいという
厄介なタイプ。
それが原因で昔、
亡くなった人を知っていました。
厄介な、
狭心症と不整脈──
よもやの
突然死ダブルコンボ。
すでに私の心臓は、
限界に達していました。
……いつ死んでも、おかしくない
そう思った時──
最初に思ったのは、
死に対する恐怖ではなく、
介護が必要な妻のことでした。
それから、
いつ死んでも良いように。
さっそく、
その準備を始めました。
──それが、私の終活でした。

51歳の終活 【完】
▼この話は、
『51歳の遺書』に続きます。
※この話に関連した作品
『破壊された心臓』は、
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