フリーランスエンジニアの「元単価」、知っていますか?──見えない中抜きの話
天井のない働き方 ①
第1回 元単価を、見せる
僕は、フリーランスという働き方が、好きです。
もし自分がエンジニアだったら、間違いなくなってた。
自分で仕事を取って、自分で値段を決めて、自分で食っていく。
かっこいいと思う。
だから、これは「フリーランスはやめとけ」という話じゃ、ありません。
むしろ逆です。
そのうえで、ひとつだけ、気になっていることがあって。
フリーランスには、2種類ある
僕はいつも、フリーランス・エンジニアを、2種類に分けて考えています。
ひとつは、企業と、自分で直接契約する人。
もうひとつは、あいだに仲介会社が入る人。
後者は——ちょっと乱暴ですが——言ってみれば「個人SES」です。
会社に雇われず、自分ひとりで、下請けの末端に入る。
名前は「フリーランス」。響きは、自由で、かっこいい。
でも、契約の形だけ見れば、SESと同じ再委託なんです。
気を悪くしたら、すみません。
でも、こう見ると、損得が、すごく見えやすくなるんです。

働き方も、自由さも、もちろん違います。
でも、"契約の形"だけを見ると——
上から下へ、仕事が渡されていく。その構造は、同じなんです。
そう考えると、損得が見えてくる
いいところは、2つ。
ひとつ。手取りが、増えやすい。
会社に雇われていれば、会社が社会保険料を半分負担し、待機のときの給料も保証する。
その分は、めぐりめぐって、単価から引かれています。
フリーランスには、それがない。だから、同じ単価でも、本人に回る額が、多くなりやすい。
ふたつ。経費を、使える。
仕事に必要なものを、経費にできる。
会社員より、その幅は広い。手元に残るお金を、増やしやすくなります。
その代わり。
健康保険も、厚生年金も、雇用保険も、会社員のようには入れない。
病気やケガの手当も、失業の給付も、ない。
仕事が切れても、待機の保証も、ない。
――どっちがいい、って話じゃ、ないんです。
ぜんぶ引き受けて、自分で選んでいる。それは、かっこいいことです。
——どっちがいい、って話じゃないんです。
ぜんぶ引き受けて、自分で選んでいる。それは、かっこいいことです。

ただ、ひとつだけ。
その損得を、正しく計算できてますか、という話なんです。
「元単価」、知ってますか?
エージェントは言います。
「うちのマージンは◯%です」と。
でも——
エージェントとクライアントが、いくらで契約してるか。
あなたの単価の、その前にある「元単価」。
それを知らない人が、多いんです。
仮に教えてくれても、確かめられない
「いや、単価も聞いてるよ」。
そういう人も、いるかもしれません。
でも、その単価、ほんとですか?
ちょっと、意地の悪い言い方をします。
たとえば、本当は120万円の契約でも、「100万円です」と伝える。
それでも、元単価が見えなければ、確かめようがない。
ここで言いたいのは、「どの会社も怪しい」ということじゃ、ありません。
ただ、"見えない"というだけで、確かめる手立てがない——そのことが、問題なんです。
僕は、25年見てきた
僕は25年以上、この業界で生きてきました。
だから、正直に言います。
残念ながら——そういう会社も、ないとは言えない。
元単価を隠して、割合だけ見せる。
数字を動かして、それらしく見せる。
全部がそうだ、とは言いません。
でも、まざっていないとも、言えないんです。
おかしな話なんです
もうひとつ、言わせてください。
最近、SESや派遣の会社では、単価を公開するところが、増えてきました。
「この案件の単価はいくら、あなたの取り分はいくら」と、見せる。
単価連動で給与が決まる会社も、その一つです。
不自由だと言われてきた、あのSESや派遣が、です。
なのに——
フリーランスの仲介のほうは、まだ変わっていない。
おかしくないですか。
自由なはずのフリーランスのほうが、不透明。
不自由なはずのSESや派遣のほうが、見えてきている。
——「自由」って、いったい何なんでしょうね。
見せない理由が、ないんです
ここから、リツアンの話をさせてください。
正直に言えば、リツアンのフリーランスだって、構造は同じです。
違うのは、それを、見せているかどうか。
リスクを背負ってもらうなら、せめて、元単価くらいは、見せるべきだ。
法律に、公開の義務はありません。
ただ、僕たちは見せています。
納得して、働いてほしいから。
だから、マージンを、月6.5万円の固定に決めました。
案件の単価が、80万でも、120万でも、150万でも。
リツアンがいただくのは、6.5万円。それ以上は、増えません。
率でいうと、100万で6.5%、150万で4.3%まで下がります。

そして、割合だけじゃなく——
リツアンが取引先からいくらで受注しているか、その元単価と、商流も見せる。
元単価が見えれば、その割合が本当か、自分で確かめられる。
言いたいのは、「見える」ということ。
それが、最低限の誠意だと思うから。
確かめてから、選べばいい
フリーランスになるな、という話じゃ、ありません。
いまのやり方を変えろ、という話でも、ないんです。
ただ——
元単価も知らないまま、リスクだけ背負っているなら。
一度、確かめてみてほしい。
その「◯%」の、元単価は、見せてもらえるのか。
——それが見えて、はじめて、自分の値段を、自分で握れる。
確かめるのは、いつでもできます。
でも、ひとつだけ。
元単価が見えて、納得して働けたとして——
その働き方は、どこまで、伸びると思いますか。
その話は、第2回「時間の天井」で。
【根拠ボックス】
マージンの相場:多くの大手仲介会社が上流の契約額やマージンを公開していないため、業界全体の正確な平均は確認できません。
元単価(上流の契約額)の開示:フリーランス法で本人への明示が義務づけられているのは「本人に支払う報酬額」まで。仲介会社がクライアントから受け取る上流の契約金額の開示は、義務に含まれていません(公正取引委員会)。派遣には労働者派遣法にもとづくマージン率の情報提供の仕組みがありますが、これは事業所単位の平均値の公開で、個別案件の発注単価を本人に開示する制度ではありません。フリーランス(業務委託)の仲介には、同様の一律の公開義務はありません。
仲介料 月6.5万円(固定・外税)、実効率(単価100万→6.5%/150万→4.3%):リツアンSTCのフリーランス仲介制度。実効率は「6.5万円 ÷ 単価」で算出。
※数値はいずれも記事公開時点。制度・調査は更新されることがあります。
連載「天井のない働き方」全6回
リツアンのフリーランス事業と、その先にある「小さなCEO」——
エンジニアが、中抜きの外で正当に稼ぎ、時間の天井を越えていくための考え方を、全6回にまとめました。
気になる回から、どうぞ。
第1回 元単価を、見せる
フリーランスエンジニアの「元単価」、知っていますか?──見えない中抜きの話第2回 時間の天井
フリーランスの年収に「上限」がある理由──時間の天井とは第3回 作る側になる
エンジニアが「SES企業を作る」という選択──小さなCEOのはじめ方第4回 お金の流れ
「小さなCEO」のお金の流れ──エンジニアの年収は、どう増えるのか第5回 なぜ、やるのか
なぜリツアンは「小さなCEO」を支援するのか──社長が、社長を生む第6回 よくある質問
「小さなCEO」よくある質問
キャリアリターンのこと
フリーランスは、自由です。でも、ずっとこのまま、とも限らない。
——「そろそろ、会社員に戻ろうかな」。そう思う日が、来るかもしれません。
そのときのために、キャリアリターンがあります。
今すぐ動かなくて、いい。
フリーランスを続けながら、登録だけしておく。
それだけで、"戻れる場所"と"次の選択肢"を、先に確保しておけます。
登録は、無料。入社の義務も、ありません。
フリーランスのままでも、他社で働きながらでも、登録できる。
まなびBASE(無料eラーニング)やハンズオン研修で腕を磨きながら、自分のタイミングを、計れる。
正社員に戻る。またフリーランスに出る。あるいは、小さなCEOとして、作る側にまわる。
——どの道を選んでも、リツアンは、その入口でいます。
※ 将来の採用・年収を約束する制度ではありません。募集枠・期間は変わることがあるので、最新は下のページでご確認ください。
▶ キャリアリターン https://ritsuan.com/career_return2026/
