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トランプ政権、クリーンエネルギー37億ドルの補助金を一斉撤回

2025年5月、米国エネルギー省(DOE)は、バイデン政権下で承認されたクリーンエネルギーおよび製造業向けの補助金・支援金のうち、総額37億ドル分について取り消す方針を明らかにした。この動きは、再び政権交代による政策の大転換を象徴するものであり、該当企業やスタートアップのみならず、米国の産業政策全体に波紋を広げている。

今回の撤回対象には、エネルギー大手のエクソンモービルから、気候テック分野で注目を集めるブリムストーンやサブライム・システムズといったスタートアップまで、多様なプレイヤーが含まれている。


1. 撤回の背景:政権交代と「デューデリジェンス」


エネルギー長官のクリス・ライト氏は、今回の措置を「デューデリジェンス(適正な精査)の一環」と説明。5月15日に発表されたメモランダムでは、DOEが監査権限を活用し、補助金の再評価および取消しを可能とする方針が示されていた。ただし、各プロジェクトが具体的にどのような理由で撤回対象とされたかは明示されていない。

2. 影響を受ける企業とプロジェクトの一覧


撤回の影響を受ける24件のプロジェクトには、以下のような著名企業や先進的なスタートアップが含まれる。

  • Exxon Mobil(化学プラント):3億3,190万ドル

  • Eastman Chemical(分子レベルのプラ再生):3億7,500万ドル

  • Calpine Energy(天然ガス発電):2件で計5億4,000万ドル

  • Brimstone Energy(低炭素アルミナ・セメント):1億8,900万ドル

  • Sublime Systems(低炭素セメント):8,690万ドル

  • Skyven Technologies(ヒートポンプ式スチーム生成):1,530万ドル

  • American Cast Iron Pipe(金属製造):7,500万ドル

これらのプロジェクトは、気候変動対策、インフラ刷新、製造拠点の国内回帰を目指す「インダストリアル・デモンストレーション・プログラム(IDP)」の下で支援されていた。

3. 企業側の反応:突然の撤回に戸惑いと反発


3-1. Sublime Systems:「不意打ちだった」

サブライム・システムズの広報ロブ・クライス氏は、TechCrunchに対し、以下のように述べた。

「我々は、アメリカで発明されたセメント技術のスケールアップに向け、すでに複数の大手パートナーと連携し、着実な成果を出してきました。今回の補助金撤回の通知には、驚きと失望を禁じ得ません。」

同社は現在、プロジェクト継続に向けて新たな資金調達や他の政府支援を模索している。

3-2. Brimstone:「政権の優先事項と整合しているはず」

低炭素セメントとアルミナ製造を手がけるブリムストーンの広報、ライザ・ダーウィン氏も次のようにコメントしている。

「ブリムストーンのプロジェクトは、米国内で採掘された岩石からアルミナを経済的に生産する唯一の手段であり、トランプ大統領が掲げる『重要鉱物の国内生産強化』に完全に整合しています。誤解に基づく決定である可能性が高く、我々はDOEとの再協議に期待しています。」

ブリムストーンは、このプロジェクトが「米国初の新規アルミナ製造拠点」であるとし、数千人の雇用創出と国内サプライチェーンの強化を訴えている。

4. 政策の先行きと今後の注目点


今回の決定は、政策の不確実性が気候テックや製造業スタートアップに与える影響の大きさを浮き彫りにしている。特に、資本集約型で長期的スケールアップが必要な領域では、政府支援の安定性が事業の生命線となる。

政権交代ごとに補助金が白紙化されるような構造は、民間投資を萎縮させ、ひいては米国のグリーン産業の国際競争力を削ぐおそれもある。

今後、DOEが再評価のプロセスをどのように進めるのか、そして補助金の復活や再配分の可能性があるのかが注目される。


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