見出し画像

~日報は「薬」と同じ?~2週間で部下が変わる「プラシーボ効果」の魔法。

「日報なんて、書いても意味ないでしょ」
「ただの事務作業じゃないか」

もし、あなたの部下がそんなふうに思っていたら。どんなに素晴らしい日報のフォーマットを用意しても、1ミリも効果は出ません。

でも、逆に、
「これ、書いたら成長できるかも」
「日報のおかげで、今日がちょっと良い日になった」
本人が、そんなふうに信じ始めたらどうでしょう。

そこから先は、少し大げさに聞こえるかもしれませんが、魔法みたいなことが起こり始めます。

今日は、私が実際に経験した「たった2週間で劇的に変わった部下」の話と、日報マネジメントにおける「プラシーボ効果」の正体について、お話しします。



日報は意味ない?効果が出ない一番の理由

前回、「日報は2週間で効果が出た」という話をしました。

考えてみたもらいたいのですが、日報で効果を出すうえで、一番大切なものは何だと思いますか?

ノウハウでしょうか。
書き方でしょうか。
テンプレートでしょうか。

実は、どれも違います。一番大切なことは、

「あ、日報って本当に効果が出るんだ」

本人に、心から、そう感じてもらうことになります。


2週間で部下が変わった理由【実体験】

私の部下の話をしましょう。

最初、彼は完全に半信半疑でした。というより、たぶん本音はこうです。

「正直、めんどくさいな」

それが、たった2週間後。

「日報を書くのって、楽しいですね」
「日報を確認するのって、大切ですよね」

誰に言われるでもなく、毎日、自分から日報を書くようになったわけです。彼が変わったのは、日報というツールの力だけだと思いますか?

もちろん、ツールそのものの良さもあるでしょう。でも私は、それ以上に「プラシーボ効果」の力が、大きかったのではないかと感じています。


日報が効く正体は「プラシーボ効果」

日報が、客観的に見て本当に効果があるかどうかの議論は、今回は置いておいて、大切なことはただ1つ「本人が、日報は効果があるものだと思っている」と言うことです。

本人がそう思っているから、日報を書くときにアンテナが立つ。
本人が信じているから、書く内容が自然と深くなる。
深くなるから、結果が少しずつ変わる。
結果が出るから、さらに信じられる。

このループことが、一番大切な事なのです。

逆に言えば、「意味ない」「やらされ仕事」と思って書いている段階では、どんなに凄い日報でも成果は出ないわけです。


日報と「薬」は、まったく同じ仕組み

この理論は、実は、病気のときの「薬」と同じなんです。私たちは正直、薬の成分や医学的な仕組みなんて、よくわかっていませんよね。

でも、いつもの病院に行って、信頼している先生から、「これ飲めば治りますよ」と言われると、過去の経験があるから、私たちは100%信じるわけですよね。

すると、成分の効果以上に、「気持ち」の力で治ってしまうわけです。

病は気から、なんて言いますけど、日報も、まったく一緒なんだと、私は思うんです。薬も日報も、大切なのは「信じる」ことなんじゃないこと、私は思っているわけです。


マネージャーがやるべき、たった一つの仕事

じゃあ、部下に「いいから信じろ!」と言えばいいのでしょうか。それは違いますよね。強制されたことをやることは、部下にとっては、ただの苦行です。

では、マネージャーがやるべき一番大切な仕事とは何なのでしょうか。それは、「部下の小さな成功体験に、気づいてあげること」なんじゃないかと思うわけです。

部下は、自分自身の変化に、なかなか気づけません。だからマネージャーが、言葉にしてあげることが大切なわけです。

「今日の日報のこの視点、すごくいいね」
「この振り返りがあったから、今日の成約につながったんじゃない?」

そうやって、最初の成功体験を作ってあげる。これが、マネージャーの一番大切な仕事だと私は考えています。


日報を「最強の武器」に変える最初の一押し

日報は、最初の一歩が一番大変です。

でも、本人が「効果がある」とわかった瞬間に、あとはドミノが1枚、また1枚と勝手に倒れていくように、日報を書くことで成果が出るようになっていきます。

マネージャーの仕事は、その最初の1枚を倒す風景を見せてあげることなんです。

もし今、
日報が形骸化しているなら。
部下育成に悩んでいるなら。

足りないのは、根性でも、制度でもありません。部下が、自分を信じられる風景を見せてあげること。それだけなのかもしれません。


あとがき(のような独り言)

私はずっと、この部下が自分を「信じる力」を信じてきました。

仕事が出来る人は、世の中にたくさんいます。でも、自分のやっていることを「効果がある」と信じることが出来る人は、意外と少ないんじゃないかと思っています。

たかが日報。
されど日報。

その一枚の報告書に、どれだけ魔法をかけられるか。それは、書く本人だけでなく、見守るマネージャーの「信じる力」にかかっているわけです。

あなたは、どんな風景を部下に見せますか?

また、次のお話でお会いしましょう。


📘 この連載について

このnoteは、
「日報」を通じて、部下との関係が変わっていった
実体験をもとにした連載です。

これまでのお話はこちらから読めます。

  • 第1話|たった5分の日報が、部下を自走させた。指示しないマネジメントで起きた2週間の変化
    👉こちらからどうぞ

  • 第2話|~日報は「薬」と同じ?~2週間で部下が変わる「プラシーボ効果」の魔法
    👉こちらからどうぞ

  • 第3話|日報がうまくいかなくなった理由―マネージャーの正論が招いた失敗談
    👉こちらからどうぞ

  • 第4話|~「読む側」も、こんなにしんどい~日報マネジメントの誰も言わない本音
    👉こちらからどうぞ

  • 第5話|日報が「交換日記」になった瞬間~管理をやめたら、部下との信頼が深まったマネジメントの話~
    👉こちらからどうぞ

  • 第6話|日報を続けたら、ちゃんと楽になる日が来る~日報が、上司と部下を同時に育てた話~
    👉こちらからどうぞ

  • 第7話|~部下が「文句」を書き始めた日~日報が“安心・安全な場”になったサイン
    👉こちらからどうぞ

  • 第8話|~「任せるのが怖い」から抜け出せた理由~交換日記日報が教えてくれたマネジメントの本質
    👉こちらからどうぞ

  • 第9話|~「任せるのが怖い」から抜け出せた理由~交換日記日報が教えてくれたマネジメントの本質
    👉こちらからどうぞ

  • 第10話|日報をやめようと思った日に、部下がくれた言葉~交換日記日報が報われた瞬間~
    👉こちらからどうぞ


いいなと思ったら応援しよう!