小さな卵の、革新|第3部
■ 第6話 売れた場所、売れない場所
万博では、売れた。
けれど日常の画面では、最後のボタンが押されなかった。
成功したはずの商品は、そこで初めて、本当の壁にぶつかった。
6月22日の朝。池田は、関西万博「WASSE」最寄りの駐車場に車を停めた。助手席の大川が、荷物を確認していた。後部座席には、段ボール箱が積み上がっていた。UZU-HABI DELIとSWEETSのパウチ。試食用の小皿。保冷バッグ。チラシ。そして、ロールアップバナー。
池田は、大川の手元を見た。
「これ、いつ作ったんですか」
バナーには、UZU-HABIのロゴと、透き通ったジュレの写真が大きく入っていた。うずら卵の白。枝豆の緑。カニカマの赤。赤パプリカの鮮やかさ。あの断面が、大きく印刷されている。チラシも束になっていた。うずら卵の危機と、UZU-HABIの物語を、A4一枚に凝縮したものだった。
「昨夜です」
「昨夜、というのは」
「エクスプレス印刷に頼みました。朝イチで受け取って、そのまま来ました」
「寝ましたか」
「少し」
大川が、段ボールを持ち上げた。池田は、その背中を見た。クラウドファンディングのときも、そうだった。撮影のライティング、商品ページの文章、パッケージのデザイン。大川は常に、消費者の目線で手を抜かなかった。仮設の合同ブース。4日間の即売会。それでも、その姿勢は変えない。
「そこまでやりますか」
池田が言うと、大川は振り返った。
「ここで初めて見る人には、これが最初の印象ですから」
池田は、少し黙った。最初の印象。業務用の営業では、商品の説明から入ることが多かった。規格、数量、納期、価格、用途。相手はプロで、会話は早い。でも、消費者は違う。立ち止まるかどうか。手に取るかどうか。一口食べるかどうか。そこから始まる。
会場の空気は、朝から熱を持っていた。まだ開場前なのに、通路には出展者が行き交い、荷物を運ぶ音、設営の声、遠くのアナウンスが重なっていた。池田と大川がブースに着くと、大阪営業所の営業マンたちもすでに来ていた。三宅と小久保。普段は業務用の取引先を回る営業だった。問屋、外食チェーン、工場給食、スーパー惣菜売り場のバイヤー。消費者に直接売る経験は、ほとんどない。
「これ、本当にここで売るんですか」
三宅が言った。
「売ります」
「試食も出すんですよね」
「出します」
小久保が、商品を手に取った。「これ、説明が難しいですね」あおいが、チラシを並べながら言った。「難しく言わなくていいです」三宅が振り返る。「どう言えばいいですか」「うずら卵の新しい食べ方です、でいいです」大川が付け加えた。「そのあと、相手が興味を持ったら、ジュレのこと、タンパク質のこと、事故後のことを話してください。最初から全部言わなくていいです」
三宅は、少し不安そうに頷いた。あおいは、その顔を見て、少し笑った。去年の自分も、同じだった。何を、どこから話せばいいのか分からなかった。事故の話をすべきなのか、商品のおいしさから入るべきなのか。でも、目の前に人が来れば、分かる。その人が、何を知りたがっているのか。
開場した。最初の一時間、客足はまばらだった。通り過ぎる人がいる。チラシだけを取る人がいる。パウチを見て、首をかしげる人がいる。
「うずら卵ですか」
最初に足を止めたのは、若い女性だった。あおいが答えた。「はい。うずら卵を使った、出汁ジュレのデリです」「きれいですね」その一言で、あおいの胸が少しだけ熱くなった。きれい。大川が、田中に何度も言った言葉だった。食べる前に、まずそう思ってほしい。その入口が、今、目の前で開いた。女性は試食を口に入れた。少し目を見開いた。

「あ、おいしい」
三宅が、小さく息を吐いた。一つ、売れた。それから、少しずつ流れができた。
「子どもも食べられますか」
「お酒に合いそうですね」
「これ、どこで買えるんですか」
「スーパーにありますか」
あおいは、同じ言葉を何度も聞いた。どこで買えるんですか。それは、去年の夏、友人たちが電話口で言っていた言葉と同じだった。買いたい。でも、どこで買えばいいか分からない。あの言葉が、今、目の前で現実になっていた。
4日間、完売だった。
最終日の23日。撤収しながら、大川が言った。
「手応えがあります」
「ありますね」
「夏から通販を本格的に始めましょう。広告も打ちたい」
「やりましょう」
池田が言った。今度は、迷いがなかった。三宅と小久保が、最後の段ボールを運んでいた。小久保が、空になった棚を見た。
「全部、売れましたね」
「そうですね」
「通販、始まったら教えてください」
池田が、小久保を見た。
「買いますか」
「欲しいです。あと、お客さんにも紹介したい」
池田は、少しの間、小久保を見た。業務用卸の営業マンが、消費者向け商品を「お客さんに紹介したい」と言った。それは、名星食品の中で、これまで一度も起きなかったことだった。
帰りの車の中で、池田はほとんど喋らなかった。疲れていた。でも、それだけではなかった。頭の中で、同じ景色が何度も流れていた。パウチを手に取る人。試食を口に入れる人。「きれい」と言う人。「どこで買えますか」と聞く人。売れた。たしかに売れた。けれど、それは万博という場所だった。
人が集まり、物語を聞く余裕があり、試食があり、説明できる人がいる場所だった。日常ではない。池田は、そのことにも気づいていた。ただ、その日はまだ、口に出さなかった。
あおいも同じだった。完売の喜びは本物だった。でも、心のどこかで、別の問いが残っていた。ここでは、売れた。では、日常では、どうするのか。その問いは、夏に入って、現実になる。
夏が来た。通販が始まった。大川のチームが広告を打った。SNSの広告費は、名星食品がこれまで一度も使ったことのない規模だった。池田が頭を下げ、社長が稟議を通し、あおいが商品ページを整え、大川が最後まで文言を磨いた。写真は、きれいだった。透き通ったジュレの中に、うずら卵が浮かんでいる。枝豆の緑、カニカマの赤、赤パプリカの鮮やかさ。
DELIは、商品として確かに美しかった。SWEETSも、悪くなかった。みるくうずら。学生たちの言葉から生まれたこの商品は、これまでのうずら卵にはなかった顔をしていた。

クラウドファンディングでは、売れた。万博でも、売れた。だから、売れると思っていた。少なくとも池田は、そう思おうとしていた。
朝、出社すると、最初に管理画面を開く。広告の表示回数。クリック数。ページ閲覧数。カート投入数。購入数。数字は、動いていた。動いているのに、売上だけが伸びなかった。クリックはされている。ページも見られている。写真の前で、誰かが一度は立ち止まっている。けれど、最後のボタンが押されない。カートに入った商品が、決済の手前で置き去りにされていた。一週間が過ぎた。二週間が過ぎた。
池田は毎朝、同じ画面を開いた。在庫管理のシートを見ていた頃と、似ていた。あの春、倉庫に積み上がっていった数字。どれだけ行政が動いても、どれだけ周囲が応援してくれても、減らなかった数字。今度は、逆だった。減らない在庫ではない。増えない売上だった。数字の種類は違うのに、胸に落ちる重さは同じだった。
あおいも、管理画面を見ていた。スマートフォンで商品ページを開き、閉じ、また開いた。写真は悪くない。説明も悪くない。商品も悪くない。でも、買うには少しだけ考える。それが、あおいには分かった。
DELIは、きれいだった。でも、日常の買い物としては少し特別だった。今日はちょっと体にいいものを食べたい。少しおしゃれな昼食にしたい。そういう気分が必要だった。SWEETSは、面白かった。でも、初めて見る人には、少し勇気がいる。甘いうずら卵。みるく味。興味は引く。
でも、迷わず買うには少し遠い。商品が悪いのではない。むしろ、良い商品だった。だからこそ、難しかった。良い商品なのに、日常に入っていかない。
会議室に、四人が集まった。池田。あおい。田中。大川。テーブルの上には、通販の数字が印刷されていた。
「悪くはありません」
大川が言った。田中が、少しだけ顔を上げた。
「でも、良くもない」
「はい。広告の反応はあります。クリックもされています。商品に興味を持っている人はいます。ただ、購入までの距離が長い」
池田が、資料を見た。
「価格ですか」
「価格もあります。でも、それだけではありません」
「味ですか」
「味の問題でもないと思います」
田中が、静かに聞いた。
「では、何が問題なんですか」
大川は、少し間を置いた。
「狭いんです。買う場面が、狭い。DELIは、きれいです。健康感もあります。だけど、昼食や軽食として選ぶには、少し説明が必要です。SWEETSは話題性があります。でも、変化球です。興味は持たれる。でも、毎回買う商品になるにはハードルがある」
田中は、反論しなかった。反論できなかった。数字が、そこにあったからだった。クラウドファンディングでも、反応はあった。万博でも、反応はあった。それでも、大川は「狭い」と言った。それは、売れなかったと言っているのではなかった。広がりきらない、と言っていた。
「じゃあ、どうするんですか」
田中が言った。責める言い方ではなかった。だが、声は低かった。
「広告を増やしても、同じですか」
「一時的には売れます。でも、効率は悪い。広告費をかけ続けないと動かない商品になります」
池田が、目を上げた。
「それでは、続かない」
「はい、続きません」
会議室が、静かになった。クラウドファンディングで目標を超えた。万博で完売した。メディアにも取り上げられた。なのに、日常の通販では売れない。それは、誰かの努力が足りなかったからではなかった。商品が悪かったからでもなかった。ただ、まだ足りなかった。うずら卵を、日常に戻すための形が。
「王道が、ないんだと思います」
大川が、ぽつりと言った。その言葉が、会議室に落ちた。あおいは、手元の資料を見ていた。DELI。SWEETS。どちらも、意味はある。けれど、その間にある一番広い場所が、まだ空いている。
誰もが迷わず手に取れるもの。食べ方を説明しなくても分かるもの。買ったあと、どこで食べるかすぐ想像できるもの。足りないのは、美しさではなかった。新しさでもなかった。もっと手前にあるもの。
入口だった。
■ 第7話 ポケットに入る卵
「王道が、ないんだと思います」
大川の言葉が、まだ会議室に残っていた。誰でも手が届く価格で、誰でもすぐに食べ方が想像できる商品。おつまみでもいい。おやつでもいい。小腹満たしでもいい。迷わず買えるもの。
あおいは、その言葉を聞きながら、黙っていた。頭の中で、いくつもの声が重なっていた。
万博で聞いた声。
「これ、家で晩酌するときに良さそう」
「子どものお弁当に入れたい」
「コンビニにあったら買うのに」
「スーパーで売ってないんですか」
クラウドファンディングのコメント。楽天のレビュー。おでん缶を買ってくれた人の問い合わせ。そして、もっと前——事故のあと、友人たちからかかってきた電話。
「買いたいけど、どこで買えばいいか分からない」
あおいは、自分のノートを開いた。ページの端に、何度も書いていた言葉があった。
——買えるようにする。
その下に、もう一つ、無意識に書いていた言葉があった。持ち歩ける。食べきれる。安い。分かる。
あおいは、ペンを止めた。
「味玉です」
全員が、あおいを見た。あおい自身も、少し驚いていた。口に出した瞬間、自分の中で散らばっていたものが、一つの形になった。
「うずら卵の味玉」
あおいは、もう一度言った。今度は、はっきりと。
「おつまみとしても、おやつとしても、小腹が空いたときでも食べられる。味が想像しやすい。価格も抑えられる。カレー味、スモーク、旨辛にんにく——そういう、分かりやすい商品です」
田中が、腕を解いた。
「味玉なら」
言葉が、そこで止まった。田中の頭の中で、すでに工程が動き始めているのが、あおいには分かった。
「作れますか」
池田が聞いた。田中は、あおいではなく、池田を見た。
「作れます。うちの設備で作れる。水煮のラインを活かせる。味付けの調整もできる。ジュレほど複雑じゃない。コストも抑えられる」
大川が、身を乗り出した。
「容量は、小さくしたいです」
「何個入りですか」
「食べきりサイズ。ポケットに入るくらい」
あおいは、ノートに書いた。
Pocket。
その文字を見た瞬間、迷いはなかった。
「名前は、これでどうですか」
あおいが、ノートをテーブルに置いた。大川が、読んだ。
「UZU-HABI Pocket」
会議室に、小さな沈黙が落ちた。池田が、ゆっくり頷いた。「分かりやすい」田中も頷いた。「作りやすい」大川が言った。「売りやすいです」
あおいは、その三つの言葉を聞いた。分かりやすい。作りやすい。売りやすい。それは、これまでのUZU-HABIに少しだけ足りなかったものだった。DELIは、美しかった。SWEETSは、新しかった。でも、Pocketは近かった。手の中に入る。鞄に入る。食品棚の隅に入る。昼休みの机に置ける。夜の缶ビールの横に置ける。うずら卵が、ようやく日常の距離まで戻ってくる。
「三味展開でいきましょう」
大川が言った。「カレー、スモーク、旨辛にんにく」田中が、すぐにメモを取った。「味の強さは、調整します。小さい卵なので、濃すぎると飽きる。薄すぎると印象が残らない」あおいが言った。「パッケージは、分かりやすくしたいです。DELIみたいにきれいに見せるより、手に取りやすく」大川が頷く。「はい。少しカジュアルにします。価格も前に出しましょう」
池田は、三人を見ていた。話が、早い。以前とは違った。できない理由を探す会議ではなくなっていた。どうすれば届くかを考える会議になっていた。池田は、そのことに気づいた。
「やろう。Pocket、やろう」
田中が頷いた。大川も頷いた。あおいは、ノートの文字を見た。Pocket。その小さな英単語が、妙に頼もしく見えた。
開発は、早かった。田中が言った通り、味玉は名星食品の設備で作ることができた。もちろん簡単ではなかった。味の入り方、卵の食感、香りの残り方、液切れ、包装のしやすさ。調整することはいくらでもあった。それでも、DELIのときとは違った。見えない壁を壊す作業ではない。すでにある技術を、消費者の手に届く形へ寄せていく作業だった。
田中は、何度も試作を出した。カレー味は、最初、少し粉っぽかった。次は、香りが立ったが、卵の味が消えた。三回目で、ようやくバランスが取れた。スモーク味は、燻製香を強くすると食品添加物の匂いに寄りすぎた。弱くすると、印象がない。田中は、香りの立ち上がりを何度も調整した。旨辛にんにくは、いちばん分かりやすい味だった。けれど、強すぎると食べる場面を狭める。昼休みに食べられない。仕事中に開けづらい。そこを、あおいが何度も指摘した。
「お酒には合います。でも、オフィスで食べられないとPocketじゃないです」
田中は、少し笑った。
「厳しいですね」
「田中さんほどではないです」
田中は、何も言い返さなかった。でも、表情は柔らかかった。
ある日、開発室で、田中が試作品を差し出した。「これでどうですか」あおいは、一粒食べた。カレーの香りが最初に来た。そのあと、うずら卵の白身の弾力。黄身の小さな濃さ。最後に、出汁のような丸みが残った。
「分かりやすいです」
あおいが言った。田中は、少しだけ眉を上げた。
「褒め言葉ですか」
「最高の褒め言葉です」
田中は、試作品を見た。「そうですか」短い返事だった。でも、口元が少しだけ緩んでいた。
大川は、パッケージを作った。DELIの透明感とは違う。SWEETSの遊びとも違う。小さく、軽く、分かりやすい。ポケットに入る卵。その言葉が、自然に立ち上がるデザインだった。

あおいは、完成した三つのパウチを机に並べた。DELI。SWEETS。Pocket。あおいは、そっと息を吐いた。
ようやく、うずら卵が歩き出せる形になった。まだ、売れたわけではない。まだ、棚に並んだわけでもない。まだ、誰かの食品棚に入ったわけでもない。それでも、あおいには分かった。小さな卵は、もう業務用の箱の中だけにはいない。誰かのポケットに入るところまで、来ていた。
■ 第8話 棚に並ぶ日
UZU-HABI Pocketの試作品が完成したあと、社内の空気は少しずつ変わり始めた。
最初は、ほんの小さな変化だった。開発室に置かれた試作品を、通りがかった社員が手に取る。
「これ、もう食べてもいいんですか」
「カレー味、けっこううまいですね」
「これならビールに合いそう」
「子どものお弁当にも入れられますか」
そんな言葉が、少しずつ増えていった。DELIのときは、驚きが先に来た。透明なジュレ。9種の具材。美しい見た目。SWEETSのときは、面白さが先に来た。甘いうずら卵。みるく味。けれどPocketは、違った。誰もが、すぐに食べる場面を想像した。昼休み。帰り道。家飲み。子どものおやつ。食品棚のすみ。バッグの中。あおいは、その反応を見ていた。これは、近い。そう思った。商品と人との距離が、近い。
名星食品がずっと苦手にしていたもの。消費者の手元までの距離。その距離が、Pocketでは少しだけ縮まっていた。池田も、それを感じていた。営業会議でPocketの試作品を配ったとき、いつもの空気とは違った。営業マンたちは、味を見てすぐに質問した。
「これは、どこに提案するんですか」
「スーパーですか」
「コンビニは無理ですか」
「ドラッグストアもいけませんか」
「道の駅とか、高速の売店もありですよね」
以前なら、池田が説明しなければならなかった。これは、消費者向けの商品です。うずら卵の新しい市場を作るための商品です。業務用だけではなく、小売にも広げたい。そう言葉を尽くさなければ、伝わらなかった。でも、Pocketは違った。見れば分かる。食べれば分かる。売り場が浮かぶ。それは、商品にとって大きな力だった。
池田は、会議室の端で、その反応を見ていた。
「ようやく、営業が持って歩けるな」
隣にいたあおいに、小さく言った。あおいは頷いた。
「はい。説明しすぎなくても、分かります」
「それは大きい」
「大きいです」
あおいは、三つのパウチを見た。DELI。SWEETS。Pocket。この三つが並んだとき、UZU-HABIはようやくブランドに見えた。DELIは、理想だった。SWEETSは、挑戦だった。Pocketは、入口だった。どれか一つでは足りなかった。でも、三つが並ぶと、世界が見えた。うずら卵は、まだやれる。そのことを、商品棚の上で語れる形になっていた。
地元のプロバスケットボールチーム、三遠ネオフェニックスのホームゲームイベントに出展することが決まったのは、その頃だった。アリーナ前の広場にテントブースを出す。来場者に試食を配り、商品を販売する。
万博ほど大きな会場ではない。食品専門の展示会でもない。でも、だからこそ意味があった。そこに来る人は、食品を探しに来ているわけではない。試合を見に来ている。家族で出かけている。友人と待ち合わせている。ビールを片手に、開場を待っている。日常に近い場所だった。
「ここで売れたら、強いですね」
大川が言った。池田が頷いた。
「万博は、特別な場所でしたからね」
「はい。今度は、もっと生活に近い」
あおいは、その言葉を聞いた。生活に近い。それが、ずっと欲しかった場所だった。
イベント当日、空はよく晴れていた。アリーナの外には、試合開始を待つ人たちが集まっていた。ユニフォームを着た親子。タオルを首に巻いた若者たち。缶ビールを持った男性。ベビーカーを押す夫婦。テントの下に、UZU-HABIの小さな売り場ができた。
DELI。SWEETS。Pocket。白いクロスをかけたテーブルに商品を並べ、試食用の小皿を用意する。POPには、できるだけ短い言葉だけを載せた。小腹に、うずら。ポケットに入る味玉。たんぱく、ひとくち。
森下が、そこにいた。製造部の若手だった。普段は工場でラインを見ている。商品を作る側の人間で、消費者に直接売った経験はほとんどなかった。
「本当に、僕も立つんですか」
森下が言った。
「立つ」
田中が答えた。
「でも、説明とか」
「作った人間の言葉が、一番強い」
田中は、そう言った。森下は困ったように笑った。あおいは、その二人を見ていた。少し前の田中なら、そんなことは言わなかったかもしれない。製造は製造。販売は販売。消費者の声は営業や通販が拾えばいい。でも今の田中は、違っていた。作る人間も、届ける場所を見るべきだ。きっと、そう思い始めている。

試合が始まるまでの時間、ブースには何度も人が来た。
「うずら卵ですか」
「試食できますか」
「子どもも食べられますか」
「お酒に合いそうですね」
森下は、最初、あおいの説明を真似した。「うずら卵を使った新しい商品です」次に、大川の話し方を真似した。「持ち歩けるサイズで、手軽にたんぱく質が取れます」それから、少しずつ自分の言葉になっていった。
「小さいので、食べきりやすいです」
「工場で味をしっかり調整しています」
「Pocketは、持ち歩けるサイズにしています」
自分がいつも見ている工程の言葉が、消費者の言葉に変わっていく。その変化を、あおいは横で聞いていた。
一人の女性が、ブースの前で立ち止まった。森下が、試食の小皿を差し出した。
「よかったら、こちら、Pocketのカレー味です」
女性が、受け取った。食べた。森下は、相手の表情を見ていた。工場では、製品の良し悪しは数値で見る。塩分濃度。pH。殺菌条件。内容量。賞味期限。だが今、目の前にあるのは、人の顔だった。女性が、少し目を丸くした。
「これ、おいしい」
森下は、一瞬、返事が遅れた。
「ありがとうございます」
「うずら卵って、こうやって食べてもいいんですね。お弁当に入れたい」
森下の手元で、小皿が少し揺れた。お弁当に入れたい。その言葉は、仕様書のどこにも載っていなかった。製造日報にも、検査表にも、出荷伝票にも載らない。でも、確かにそこにあった。自分たちが作ったものが、誰かの生活の中に入っていく瞬間だった。
「どこで買えますか」
女性が聞いた。森下は、一瞬詰まった。
「今は、通販が中心です。今日はこちらでも販売しています」
「近所のスーパーで売ってほしいです」
女性はそう言って、Pocketを二つ手に取った。森下は、会計を終えたあとも、その言葉をしばらく手の中に持っていた。近所のスーパーで売ってほしい。それは、工場の中にいるだけでは聞こえない言葉だった。
休憩時間、森下が池田に言った。
「スーパーに置きたいって、何人かに言われました」
「そうなんだよ」
「通販だけじゃ、足りないですね」
池田は、少し笑った。
「それが、次の壁だ」
森下は、売り場を見た。ブースの上に並ぶパウチ。手に取る人。財布を出す人。袋を受け取る人。ラインの向こう側に、こういう景色があったのかと思った。それは、森下だけではなかった。田中も、見ていた。製造の数字ではない。歩留まりでもない。加熱条件でもない。自分たちが作ったものを、人が選ぶ瞬間。その景色は、工場の中からは見えない。
春、東京ファベックスに出展した。食品の専門展示会だった。バイヤーが来る。流通の人間が来る。外食、商社、卸、通販、メディア。食品を仕事にする人たちが、朝から会場を歩いていた。
その日は、UZU-HABI Pocketをラインアップに加えた新生UZU-HABIシリーズの、ネット通販正式発売日でもあった。大川が設定した日取りだった。ファベックスで業界に見せながら、同じ日に消費者にも届け始める。リアルとデジタルを同時に動かす。それが、大川の描いた絵だった。
名星食品のブースには、UZU-HABIが三本揃った。DELI。SWEETS。Pocket。ようやく、一本のブランドに見えた。
もう一つ、展示したものがあった。うずら卵の危機を伝えるパネルだった。2024年2月26日の事故。需要の消滅。産地の苦境。行政の支援。クラウドファンディングの挑戦。万博での4日間。Pocketの開発。そして、小売の棚へ向かう現在。
ただの商品紹介ではなかった。なぜ、この商品が生まれたのか。なぜ、うずら卵をもう一度届けようとしているのか。その理由を、ブース全体で語る構成だった。
大川は、細部まで見ていた。パネルの位置。商品の高さ。試食皿の向き。スタッフの立ち位置。通路から見たときの視線の流れ。池田は、それを見ながら言った。
「展示会のブースって、ここまで考えるものなんですね」
大川は、真面目に答えた。
「考えます。ここで立ち止まってもらえなければ、話す機会もありませんから」
「業務用の営業とは、違いますね」
「でも、同じでもあります。相手が何を求めているかを見て、言葉を変える。それは同じです」
池田は、少し黙った。そう言われると、そうだった。消費者向けだから特別なのではない。デザイン会社だから特別なのでもない。相手を見る。それだけのことだった。ただ、その当たり前を、名星食品は長い間、取引先にはできても、消費者にはできていなかった。
初日の午前、最初に強く反応したのは、地方スーパーのバイヤーだった。
「これ、面白いですね。うずら卵の味玉か。分かりやすい」
池田は、すぐに説明に入った。「食べきりサイズで、カレー、スモーク、旨辛にんにくの三味です。冷蔵で、売り場としては惣菜横や珍味、たんぱく質系の棚を想定しています」バイヤーは頷いた。
「DELIはきれいですね。でも棚で動くのは、こっちかもしれない」
池田は、心の中で頷いた。やはり、そうだ。DELIは引きつける。Pocketは動かす。役割が違う。
東京営業所の若手、榊原も、ブースに立っていた。普段は量販店向けの加工原料を担当している。UZU-HABIの説明にはまだ慣れていなかった。大川が来場者に声をかけているのを、少し離れたところで見ていた。名星食品の社員ではない。製造をしているわけでもない。営業の数字を背負っているわけでもない。それなのに、誰よりも熱心に、うずら卵の話をしている。

「あの人、なんであそこまで話せるんですかね」
隣にいたあおいに、思わず聞いた。あおいは、ブースの前を見たまま答えた。
「自分の仕事だと思っているからじゃないですか」
「うちの社員じゃないのに」
「うちの社員じゃないから、見えているものもあるんだと思います」
榊原は、少し黙った。来場者が、パネルの前で立ち止まった。大川が声をかける。「うずら卵の産地で、いま起きていることです」榊原は、その言い方を聞いていた。難しくない。自分たちが作ってきたものの話をすればいい。自分たちが困っていたことを隠さず話せばいい。そのうえで、いま何を届けようとしているのかを伝えればいい。
榊原は、少しの間迷ってから、ブースの前に出た。
「うずら卵の商品です。よかったらご覧ください」
最初の声は硬かった。それでも、一人が立ち止まった。
「これ、味玉ですか」
「はい。UZU-HABI Pocketです。おつまみでも、小腹満たしでも食べやすいサイズにしています」
来場者が、パウチを手に取った。
「こういうの、売り場にあったら面白いですね」
榊原は、すぐに名刺を出した。「ぜひ、お話を聞かせてください」その様子を、池田は少し離れたところから見ていた。
そこに、見覚えのある背中が現れた。佐藤だった。東京営業所所長、執行役員の佐藤が、ファベックスの会場にいた。名星食品が展示会への出展を決めたとき、東京を地元とする佐藤がすべての世話役を買って出てくれた。会場の手配から当日の運営まで、陰から支えてくれた人だった。
佐藤は、ブースを眺めた。UZU-HABIの三本を見た。パネルを読んだ。来場者に声をかける榊原を見た。その横で説明する森下を見た。工場の人間が、展示会で来場者に商品を説明している。若手営業が、業務用ではない言葉で、消費者向け商品を語っている。それが、どういうことを意味するか。佐藤には、分かった。
池田が近づいた。
「佐藤さん」
佐藤が振り向いた。少しの間、池田を見た。それから、ブースに目を戻した。
「やってるな」
「はい」
「あの若いの、工場か」
「田中の部下です。森下といいます」
佐藤は、少し目を細めた。
「工場が、客に話してるのか」
「はい」
「変わったな」
池田は、すぐには答えなかった。その言葉を、少しだけ胸の中に置いた。変わった。確かに、変わったのだと思った。あの春、在庫の数字を見ていたときとは違う。誰かが戻してくれるのを待っていたときとは違う。行政が動くのを待ち、教育委員会が動くのを待ち、給食が戻るのを待っていた頃とは、違う場所に来ていた。
「名古屋に戻してよかったか」
佐藤が、ぽつりと言った。池田は、前を向いたまま答えた。
「おかげさまで」
佐藤が、小さく頷いた。それだけだった。二人は並んで、しばらくブースを見ていた。
あおいは、ファベックス最終日の撤収が始まったあと、一人で会場の隅に立っていた。段ボールが畳まれていく。パネルが外される。商品が箱に戻される。それでも、何かが終わった感じはしなかった。むしろ、これから始まる感じがした。
あおいは、最後に一枚だけ写真を撮った。撤収前のブース。少し傾いたバナー。空になった試食皿。名刺が減ったカードスタンド。三本並んだUZU-HABI。完璧な写真ではなかった。でも、今の名星食品には、その不完全さが似合っていた。
まだ、棚には十分に並んでいない。まだ、学校給食は戻っていない。まだ、全国の消費者に届いたわけではない。それでも、会社はもう、待っているだけではなかった。自分たちで、届けに行き始めていた。
スマートフォンをしまい、撤収作業に戻った。会場の外には、夕方の東京が広がっていた。ガラスの向こうで、街の光が少しずつ灯り始めていた。
■ 終章 誰かを待つのをやめた日
棚に並んだのは、小さなパウチだけではなかった。
外の力を借り、自分たちの力に変えた社員たちの時間も、そこに並んでいた。
うずら卵はもう、誰かが戻してくれるのを待っていなかった。
ファベックスが終わっても、UZU-HABIの仕事は終わらなかった。むしろ、そこからが始まりだった。
展示会で名刺を交換した相手に連絡を入れる。サンプルを送る。条件を詰める。見積を出す。ひとつ話が進むたびに、次の確認事項が生まれた。会場では「面白いですね」と言ってもらえた。でも、売り場に並ぶには、それだけでは足りなかった。価格。納期。ロット。賞味期限。JANコード。物流。販促物。棚の位置。棚替えのタイミング。バイヤーへの説明。食品を棚に並べるということは、夢を語ることではなかった。細かい現実を、一つずつ越えていくことだった。
池田は、また数字を見る日々に戻った。ただし、前とは違った。以前見ていたのは、減らない在庫の数字だった。今回は、これから動かすための数字だった。原価。売価。粗利。出荷予定。販路候補。サンプル送付先。商談の進捗。重さはあった。でも、閉塞感はなかった。
あおいも、同じだった。商品ページを直し、販促資料を作り、問い合わせに答え、写真を差し替えた。楽天とAmazonの画面を見ながら、以前とは違う手触りを感じていた。前は、限られた商品をどう見せるかだった。今は、うずら卵の新しい入口をどう作るかだった。仕事の意味が、少し変わっていた。
田中は、工場にいた。
UZU-HABI DELIの初期製造は、外部の小さな工場で始まった。手詰めで、小ロットで、少しずつ市場に出した。それは必要な一歩だった。だが、いつまでもそのままでは続かない。外部委託では、コストが高い。数量にも限界がある。品質の細部を、自社で直接見られない。改善の速度にも制約がある。
田中は、次の課題を見ていた。自社工場に、戻す。
以前なら、その言葉は最初に来ていた。自社で作れるものを作る。自社の設備に合わせる。自社のラインに乗るように仕様を削る。でも、今は違った。まず、消費者が欲しいものを見た。料理人の答えを見た。外部工場で形にした。市場の反応を見た。その上で、自社に戻す。順番が、変わっていた。それは、田中自身の変化でもあった。
開発室で、田中は何枚もの工程表を広げていた。9種の具材を、どう扱うか。どこまで手作業を残すか。どこを治具化するか。ジュレの粘度を、どのタイミングで調整するか。透明度を保ちながら、加熱条件をどう安定させるか。難しい。だが、以前の「難しい」とは違った。以前の「難しい」は、終わりの言葉だった。今の「難しい」は、始まりの言葉だった。
森下が、隣で工程表を見ていた。
「これ、本当にうちでできますか」
田中は、すぐには答えなかった。以前なら、できない理由を並べたかもしれない。でも今は、違った。
「できる形を作る」
森下が、田中を見た。
「できるかどうか、じゃないんですか」
「違う。やると決めたものを、どうしたら安定して作れるかを考える。それが、今の仕事だ」
森下は、少し黙った。それから頷いた。
何度もテストをした。具材の投入順を変えた。作業台の配置を変えた。一袋あたりの作業時間を測った。ジュレの温度を測った。冷却時間を見直した。包装後の見え方を確認した。一つ改善すると、別の問題が出た。具材が偏る。ジュレが少し濁る。もち麦が沈む。赤パプリカの色が移る。厚揚げの角が崩れる。マッシュルームの断面が見えにくい。田中は、そのたびに調整した。
工場の人間たちも、少しずつ巻き込まれていった。最初は、面倒な商品だと思われていた。9種の具材。透明なジュレ。見た目の個体差。小ロット。手間がかかる。現場からすれば、厄介な商品だった。
でも、展示会に出た森下が話した。「試食した人、みんな見た目で止まるんです」「Pocketは、子ども連れがよく買ってました」「DELIは、写真撮る人がいました」その言葉が、少しずつ現場に広がった。自分たちが作っているものが、どこへ行くのか。それが見えると、手間の意味が変わった。
半年後、UZU-HABI DELIの製造が、自社工場に移管された。製造コストは、およそ二割下がった。池田は、その数字を見たとき、しばらく黙っていた。二割。ただのコスト削減ではなかった。理想を削って安くしたのではない。理想に近い形を守ったまま、作り方を変えた。それは、田中の仕事だった。
池田は、開発室に行った。田中は、いつものように資料を見ていた。
「二割、下がった」
「まだ下げられます」
池田は笑った。
「相変わらずだな」
「相変わらずです」
田中も、少しだけ笑った。池田は、しばらく田中を見ていた。
「最初、これを見たとき、どう思った」
「無理だと思いました」
「今は」
田中は、少し黙った。
「無理だと思ったところから、始めればよかったんだと思います。作れるものを作るだけなら、今までと同じです。でも、作れないと思ったものを、どう作るか考えると、技術が変わる」
田中は、机の上のサンプルを見た。
「商品だけじゃなくて、作る側も変わるんですね」
池田は、静かに頷いた。
ある夕方、あおいはスーパーの商品棚の前に立っていた。正式導入前のテスト販売だった。棚の一角に、UZU-HABI Pocketが並んでいた。カレー。スモーク。旨辛にんにく。隣には、チーズやサラダチキン、小さな惣菜が並んでいる。大きな棚ではなかった。目立つ場所でもなかった。でも、そこにあった。
あおいは、少し離れた場所から見ていた。
買い物かごを持った女性が、棚の前で立ち止まった。スマートフォンを片手に、夕食の材料を見ているようだった。視線が一度、Pocketの上を通り過ぎた。戻った。手が伸びた。カレー味を取った。裏面を見た。少し考えた。かごに入れた。

それだけだった。
ただ、それだけのことだった。
でも、あおいは胸の奥が熱くなった。誰も説明していない。試食もない。大川のプレゼンもない。池田の営業もない。田中の工程説明もない。棚に並んだ商品を、ひとりの消費者が、自分の意思で選んだ。
うずら卵が、自分で選ばれた。
あおいは、その場で泣きそうになった。でも、泣かなかった。代わりに、スマートフォンで棚を一枚だけ撮った。写真には、特別なものは何も写っていなかった。白い棚札。照明の光。小さなパウチ。少しだけ減った商品列。完璧な写真ではなかった。でも、あおいには、それがいちばん大切な一枚になった。
翌日、あおいはその写真を池田に見せた。池田は、しばらく画面を見ていた。
「買われたのか」
「はい」
「誰が」
「知らない人です」
池田は、少し笑った。
「それが一番いいな」
知らない人。それが、ずっと会いたかった人だった。イベントに来た人でもない。クラウドファンディングの支援者でもない。展示会の関係者でもない。社内の誰かでもない。ただ、買い物の途中で、棚の前に立った人。その人が選んだ。それが、日常に入るということだった。
池田は、ある夕方、工場の前に立っていた。日が落ちかけていた。工場の窓には明かりがつき、ラインの音が低く響いていた。その音は、昔から知っている音だった。でも、少しだけ違って聞こえた。作っている。ただ注文をこなしているのではない。自分たちで決めた未来に向かって、作っている。
池田の隣に、あおいが来た。
「棚に並びますね」
池田は、少しだけ笑った。
「ようやくだな」
学校給食は、まだ戻っていなかった。失われたものが、すぐに元通りになるわけではなかった。それでも、うずら卵はもう、誰かを待っていなかった。行政が動くのを待つだけではない。教育委員会が決めるのを待つだけではない。昔の需要が戻るのを待つだけではない。自分たちで、棚へ向かった。自分たちで、手に取れる形を作った。自分たちで、食べ方を届けに行った。
工場の中で、ラインの音が続いていた。その音は、静かだった。けれど、確かに前へ進む音だった。
小さな卵は、誰かを待つのをやめた。そして、誰かの日常へ向けて、静かに動き出していた。
(完)
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
『小さな卵の、革新』は全3部構成です。
学校給食から消えたうずら卵が、外部の視点、社内の摩擦、作る人と届ける人の変化を経て、もう一度、誰かの日常へ戻っていくまでを描きました。
▶ 第1部はこちら
https://note.com/team_quail2026/n/n5afac2e5ba69
▶ 第2部はこちら
https://note.com/team_quail2026/n/n1c41faed51c4
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小さな卵 三部作
学校給食から姿を消したうずら卵。
その後を追った三つの物語です。
新しい届け方をつくる物語
子どもたちへ届ける物語
食卓へ戻す物語
うずら卵の未来は、
誰かひとりが変えるものではなく、
多くの人の小さな選択の積み重ねでできている。
