はじめての方へ|5分SF 5選
今日より少し先の未来を、5分以内で。
TEPA LABでは「5分SF」という短編小説を書いています。
描くのは、遠い宇宙や何百年後の未来だけではありません。
AIがもう少し賢くなったら。
当たり前の言葉を、文字どおり受け取ったら。
今ある仕組みが、ほんの少しだけ変わったら。
そんな「ありそう」と「なんだそれ」の間にある物語です。
便利な未来。
少し怖い未来。
笑ってしまう未来。
そして、ときどき何も未来じゃない話。
SFのサイエンスだけでなく、
Sometimes Funny、少し不思議。
5分で読めて、読み終わったあとに、
今までと少し違って見えるものを。
気になったものから、どうぞ。
01|においのない終
父が死んだ。
母から届いたメッセージには、
桜の絵文字がひとつついていた。
葬儀場に着いて、
僕はあることに気づく。
02|目をつぶる
「少し若く見える感じで。
あとはお任せします」
美容室で目を閉じた。
何かが外れる音がした。
03|洗面所
鏡の中に、赤ん坊がいた。
洗面所は、ずっと同じ場所にある。
そこに立つ人だけが、
少しずつ変わっていく。
04|いきの音
上司の声が消えたのは、
去年の春だった。
それでも仕事には、
何の支障もなかった。
むしろ、前より快適だった。
05|開かない
夜中、腹が減った。
冷蔵庫は、開けてくれなかった。
未来は、ある日突然やってくるものではなく、
今日の便利さが少しずつ積み重なった先にあるのかもしれません。
だから「5分SF」で描いているのは、
未来の話でありながら、たぶん今の話です。
毎日、ひとつ更新しています。
どれか一編でも、
読み終わったあとに少しだけ何かが残ったら。
また次の5分に、来てください。
TEPA LAB
