【閲覧注意】何故グラミーはBTSにネゴらなかったのだろうか?【人脈の壁】
先を読む前に
最近、BTSがグラミー賞へのエントリーを見送ると発表しました。それ以来各所からの反応が続き、改めて「グラミー賞」に対する注目度や影響力の大きさを感じています。
そんな中で、グラミー賞の関係者であるZeena Koda(ジーナ・コーダ)がネガティブな文脈でBTSに言及し、炎上しました。
背景を調べてみたところ、なるほどと思うことがわかったので、共有します。
わりと微妙な案件なので、先に目次を確認して、読んだらショックを受けたり怒ったりしてしまいそうだと思った人はここでページを閉じてください。「へえ、そうなんだ」って思えるウォッチャー気質の人向けの記事です。趣味が悪くてすみません……!
注意事項
内容がちょっとセンシティブなので、【閲覧注意】にしています。
和訳は間違っている可能性がありますし、内容をアップデートする可能性もありますので、記事をそのままスクショ・転載しないでください。リンクしての引用はかまいません。
Zeena Kodaとは誰か
グラミー賞の投票権を持つRecording Academy(レコーディング・アカデミー)の会員で、アジア系アメリカ人のクリエイター支援コミュニティAAC(Asian American Collective)の共同創設者です。
「Linkedin」の情報によると、HYBEの全米流通を担うグローバルパートナーシップ提携企業であるUMG傘下にある、「Universal Music Enterprises」のマーケティング担当副社長です。
(Instagramにも載っていたのですが、消えました)
Zeena Kodaの発言はどのようなものだったか
要約(本文を読みたくない人用)
大分感情的な内容なのですが、骨子としては以下です。
要するに、BTSのエントリー辞退により、自分たちが関わって来た「アジアン・ポップ賞」が批判されている現状を嘆いている内容です。
自分はグラミーの「アジアン・ポップ賞」新設に関わった
アジア系アーティストの認知向上や代表権の確立が目的だった
次世代支援が目的で、BTSのようにメイン賞へ挑戦できるスターのためのものではなかった
事情を知らないネット民やマスコミの反応、そしてトップアーティスト側の動きに失望している
制度改革に命を懸けてきた裏方の努力が、メディアの誤ったストーリーやネットの叩きによって踏みにじられた
BTSは注目を求めるような行動をする前に、ネゴることもできたはずだ
ネットで文句を言うのは簡単だが、内部から変革を起こすには勇気と献身が必要だ
全文和訳


当然ですがこれは炎上してしまい、Zeena Kodaはアカウントを非公開にしてプロフィールを消しました。まあ、炎上慣れしているARMYがスクショを回してしまうのですが……。
普段炎上商法案件は無視するのですが、さすがにグラミー&UMG関係者のコンボは見逃せなくて、私も触ってしまいました。修行が足りなくてすみません(/ω\)
@RecordingAcad @UMG #zeenakoda
どんな組織でも改革には苦労があり、70年近い歴史を誇るGRAMMYSならなおさらだと思います。
彼女もしくは彼女たちの尽力を無視するわけではありません。
しかし、人々が誤解し声を上げた時、その反応は悪なのでしょうか。
運営側の人間であれば、
「なぜ意図が正しく伝わらなかったのか」
「説明責任を果たせていたか」
という問いを持つべきではないでしょうか。
少なくとも私の知る限り、GRAMMYSは「アジアン・ポップ賞」の新設の意図を広く開示したとは言えません。一番詳しく説明したのは、BTSの反応を受けた後です。
🔗https://variety.com/
組織内部の事情や意図が伝わっていない責任をアーティストや大衆に転嫁し、非難するのは不適切です。
BTSは「音楽が地域や言語で区分されるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願っています」と伝えました。
この理念を特定の賞への攻撃や非難と取るのは自由ですが、組織側の人間として公言すべきではないと思います。
また、自らの楽曲をどの賞にエントリーするか、しないかは、アーティストとレーベルの自由と権利です。
「既に成功しメイン賞を目指せる者のための賞ではない」と言うなら、そのように規定設計をしてください。
部門設置を働きかけた人物として発言する根拠があると主張するなら、それは既に個人の意見ではありません。
発言の権利だけでなく、責任も引き受けてほしいと思います。
Zeena KodaはInstagramのストーリーズで発言し、アカウントを非公開にする前に、できることがあったのではないでしょうか。
「...and it makes me really sad that there could have been a more meaningful conversation on the backend to understand what the actual aim of this was and have a dialogue vs taking a bold move like this to get more press.
(本来の目的を理解するために裏でもっと意味のある会話を持ち、対話を行うことができたはずなのに、より多くの注目を求めてこのような大胆な行動を選んだことが、心から残念です)」
この言葉は、彼女自身に対して放たれたものになるでしょう。
🔗https://instagram.com/zeenakoda/
BTSはHYBEの主軸IPですから、グラミー賞委員会・ビジネスパートナー、いずれの立場でも不適切な発言であり、プロとしての倫理観が問われる案件だと感じます。
私は社畜ベースの価値観を持ってるので、そういうのが一番好きじゃありません。
何で人は(主語がデカい)Instagramのストーリーズで、不穏なことをつぶやいてしまうんでしょうか。
Threadsのゴースト投稿も一緒だと思うんですけど、公開したら誰かが見てスクショ取って流す可能性がありますよね。
それを実名や所属を晒した状態でやるというのは、すごい蛮勇だと思います。褒めてませんが。
消してもダメだ、とHYBEも言ってます。良い子は「通報用スクショの仕方」を覚えておいてね。
特に言及されたのは以下の件でした。匿名性を盾に処罰を逃れようとしても投稿後に削除してもダメだ!だそうです。
でも、何故ネゴらなかったの?
少し時間を置いて考えてみたら、疑問が湧いてきました。
彼女の発言は感情的で混乱しており、動揺が伝わるものですが、以下の部分には違和感がありました。
このような大胆な動きに出てさらなる報道を得ようとするのではなく、裏側でもっと意味のある対話を行い、実際の目的が何であったかを理解するための対話が持てたはずだと思うと、本当に悲しくなります。
立場的に接点がないわけじゃないので、必要だと思えばネゴれたんじゃないでしょうか。何故それをせずに、相手を非難したんでしょうか。
2024年に会長&CEOが訪韓して事務所巡りをした時とか、チャンスはあったと思うのですが、その時はまだ話が出てなかったのかしら。
情報筋によると、Recording Academyは、次回の「アジアン・グラミー」の開催地として、韓国か日本を選ぶ可能性があるという。Recording Academy
のパノス・パネイ会長とハーヴェイ・メイソン・ジュニアCEOは最近韓国を訪れ、音楽業界やテクノロジー業界関係者、地方自治体関係者らとこの問題について話し合ったと、情報筋は付け加えた。
疑問だったので、ストーリーズを見た時に調べた彼女のバックボーンを、更に掘り下げてみました。
アジア系アメリカ人コミュニティの繋がり
Varietyにインタビューがあり、こう載っていました。
――AAPIの表現力や露出という点において、音楽業界で進展は見られましたか?
単に目覚ましい進展があったというだけでなく、メディアというより大きな枠組みの中で、私たちにもようやくしかるべき議論の場が与えられたと感じています。
世界中の音楽シーンを牽引している存在に目を向ければ、SEVENTEENやStray Kidsといったアーティストたちがトップクラスの収益を生み出し、圧倒的な存在感を示しています。
Recording Academyもついに「Gold Music Alliance(ゴールド・ミュージック・アライアンス)」を立ち上げ、自社のネットワークを通じてAAPIのミュージシャンや専門家たちの露出を高める取り組みを始めました。
分かった状況は、こう。
元々、「AAPI」という、アジア系アメリカ人・太平洋諸島系アメリカ人のコミュニティがある
「AAPI」メンバーがグラミー賞委員やその周辺にもいる
グラミー賞の母体であるRecording Academyが、アジア系の受け皿として「Gold Music Alliance」を作った
(おそらく「AAPI」メンバーが中心になっている)
なるほど、この流れからの「アジアン・ポップ賞」だったんでしょうね。
ちなみにZeena Kodaが「トップクラスの収益を生み出し、圧倒的な存在感」として別グループを挙げてるのは、2024/5/1の記事ということを考えると、BTSは完全に軍白期中でソロツアーもなかったので、K-POP界隈を見ればそんなものかなとは思います。……ほんとかな?

いやまあ、回答時期や参照データわからないからいいんですけど。
次は「アジアン・ポップ賞」を生んだと思われる、この組織について調べてみました。
グラミー内にできた「GMA」の関係者は誰?
Instagramに設立時の投稿があり、そこで関係者の名前が分かりました。
アジア・太平洋諸島系のミュージシャンへの支援や援助、そしてその地位向上のあり方を改革する新たなプラットフォーム「Recording Academy’s Gold Music Alliance」を立ち上げることができ、私たちは心から誇りに思っています。
このプロジェクトは、Gold Houseの共同設立者でありマルチに活躍するKev Nishimura(ケヴ・ニシムラ)、グラミー賞受賞プロデューサーのJon Yip(ジョン・イップ)、Amazon MusicのFrankie Yaptinchay(フランキー・ヤプティンチャイ)、Recording Academyのガバナンス&会員・業界関係部門ディレクターのGrace Jun Baca(グレース・ジュン・バカ)らの主導のもと、数年がかりで進められてきました。
また、私たちのコミュニティを力強く支えてくださったCEOのHarvey Mason Jr.(ハーヴェイ・メイソン・ジュニア)をはじめ、Ryan Butler(ライアン・バトラー)とその素晴らしいチームの皆様にも心より感謝申し上げます。
(後略)
この人達をざっと調べたところ、作詞作曲で著作権を持っている人がいたので、推し活で覚えた著作権追跡スキルが活躍しましたw
KOMCA(韓国音楽著作権協会)
K-POPの曲は基本ここに載っている(海外からの提供曲は、制作者の国の著作権管理団体に登録されていることもある)
思ったよりカカオ人脈が強かった
著作権もコミで見ると、SMとの仕事歴と現KakaoのCBOがそれぞれ軸になって人間関係を作っているようでした。

Recording Academy(グラミー賞主催者)
CEO:Harvey Mason Jr.
KOMCA登録は「Z0503070」
著作権34曲はいずれもSM管理(2012~2022)
奥さんのBritt Burtonもミュージシャン
KOMCA登録は「Z0503109」※2曲が「Z9999900」
著作権20曲のうち、18曲がSM管理(2014~2024)
Gold Music Alliance(グラミー内部のアジア系プラットフォーム)
主催:Kevin Nishimura 👈「Gold House」共同創設者
関係者:Jon Yip
KOMCA登録は「Z0503551」※どちらかというとPDっぽい
著作権4曲はいずれもSM管理(2015)
関係者:Zeena Koda(今回炎上した人で「アジアン・ポップ賞」新設に尽力したらしい)
Gold House(「AAPI」最大の支援・非営利団体)
共同創設者:Kevin Nishimura👈「Gold Music Alliance」主催
現Kakao Entertainment CBO(グローバル最高事業責任者)

ちなみに、Frankie YaptinchayはAAPI繋がりで接点がありました。最近、AMAZON MUSICのK-POP部門グローバルヘッドになったそうです。

要するに、アジア系クリエイターコミュニティのグラミー委員が中心になって「アジアン・ポップ賞」を作ったんだけど、この流れの関係者は全員Kakaoエンタ繋がりが濃いSM系人脈だったので、HYBE方面へのネゴかパイプか何かその辺が足りなかったのではないか……という想像が、著作権を見ていると浮かんでしまいますね。
まあ、ネゴったとて受け入れるかどうかは別の話なんですが。
ちなみにこれだけ読むと、毎年会員から出た意見を有志による委員会が承認するプロセスがあるように見えます。
授賞プロセスはどのように設計されているのでしょうか?
これは音楽コミュニティとの非常に直接的な対話であり、約1年前から始まる年次プロセスは、レコーディング・アカデミーのメンバーによって推進されています。
(中略)
何か新しいものが導入されるたびに、音楽関係者による投票が行われます。
それが関連性がなく、今日の音楽で起こっていることに対して現実的または適用可能でない場合、一般的に、日々音楽の最前線で働いているクリエイターで構成される賞とノミネーション委員会のクリエイターグループはそれを承認しません。
SMとかカカオとかわかんないわよ!な人向け解説

Kakaoは韓国の複合企業で、エンタメ専門のKakaoエンタ傘下にSMやスターシップといったK-POPアイドルを抱える事務所を持っています。
業界内ではよく、HYBEとSM・JYP・YGが4大事務所と呼ばれています。
HYBEとKakaoはSM買収時の株価操作疑惑で裁判中ですが、SMはHYBEのファンプラットフォーム・WeverseにFCを移管しているなど、微妙な距離感でお付き合い中。
改めての注意書き
これは強く断っておきたいのですが、ここで陰謀論に走るのはお待ちください!(; ・`д・´)
確かにこれだけ読むと「またカカオ?」みたいな反応が出てしまう人もいるかもしれないのですが、そもそもアメリカで太いパイプ作れる余裕のあるところがHYBEとKakaoくらいしかない気がします。
企業規模的にもそうですし、JYPはローカライズグループでちょいコケしたりYGはそもそも手を出してなかったりするので。
だからまあ確かに人員が偏ってるとは思うんですが、必然なのかもしれない……という視点はあっていいのかもしれません。知らんけど。
一応このへんの組織とHYBEとの接点もあるんです。ただ、今回暴れた人の周辺では見つかりませんでした。また探しておきますね!
個人的には、Kakaoはさすが老舗だけあって根回しが強いなーと思っちゃいますね。政治力が高い。
HYBEは後から来た新興企業なので、どうしてもそういうところ弱いなって感じちゃうシーンがあるんですよね。アンチが言うくらい暗躍出来ればあんなことにはゲホゴホ
Melon(Kakao)は最近他の国産プラットフォーム(中国のテンセントミュージックや日本のLINE MUSIC)との連携を深めており、「Global-K Chart」を作りました。
グラミーには頑張ってほしい(棒)
第69回グラミー賞は、2027年2月7日(日)にABC・Disney+・Huluで生中継されます。
この機会に、放映権を10年契約で移したらしいんですよね。
GRAMMY Awards が ABC で放映されるのは 1972年以来、実に54年ぶり。Recording Academy と The Walt Disney Company の10年契約に基づく長期パートナーシップの第一弾という位置付けである。
3/21にNetflixで放映したバンタン復帰ステージ「BTS THE COMEBACK LIVE | ARIRANG!」中継の同時接続者は1840万人でしたから、その辺織り込み済みで期待してたんじゃないかなあと思うんですが、見事にハシゴを外された形です。
ああ、ARMYの動員は一桁違うというのに……(/ω\)アチャー

グラミー賞の選考委員会で働いている友人たちのグループチャットを今すぐ覗けたらいいのに。絶対今ごろ大パニックになってるはず。グループチャットは今、絶対に大荒れだよ。
視聴率の30〜40%を失ったようなものだからね。視聴率は暴落するぞ。
彼らはあらゆる手段を使って挽回しようとするだろうな。誰かを冷凍保存から呼び起こして引っ張り出してくるかもしれない。いやぁ、参ったな。
前にも話したけど、アジアのある授賞式から、出資の打診を受けたことがあったんだよ。送られてきた提案書をチェックしたら見た目は綺麗に飾られてたんだけど、もう少し深掘りして見てみたら……ちょうどメンバーが兵役に入った時期で、広告収入が70%くらい激減してたんだ。
とりあえず、うちのバンタンは元気にアメリカツアー第二弾を開始しております。イースト・ラザフォード公演の彼らもポップかわいいニュールックで、ワクワクしちゃいますね( *´艸`)
現地ARMY、ウリバンタンへの歓声とベストなFanCamをお願いします!!
関連記事
Zeena Koda と Frankie Yaptinchayの対談動画。
(GRAMMYsの公式Instagramアカウントにあったのは消えました)
[📍] En mayo, la cuenta oficial de los GRAMMYs publicó un reel en colaboración con Frankie Yaptinchay, Global Head of K-Pop de Amazon Music y cofundador de la Gold Music Alliance de la Recording Academy, y Zeena Koda, ex ejecutiva de Atlantic Records y actual VP Marketing de UMG,… pic.twitter.com/KG12PrRB2x
— BTS Daily Chile⁷ (@BTSDailyChile) July 31, 2026
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