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伝える力が、島を変える。 【島総①#07】 /vol2 お魚天国青波島編/離島の総合的な学習① 

これまで積み上げてきた学びが、少しずつ形になってきました。
子どもたちの発表も、島の暮らしと結びついた探究の成果として仕上がりつつあります。
そして迎えた研究会前日。 静まり返った教室で、思いがけない試練が待っていました。

前回の話 👇

私が勤務していたのはこんな島です👇👇

離島勤務1年目総合的な学習の時間の実践記録です。 今から約20年以上前の2002年(平成14年)度のことです。

※注:本文中の一部地名や固有名詞・氏名等は仮名(かめい)にしています。


1.つまずきは、強さに変わる

公開授業の前日、教室には熱気と静けさが同居していました。
子どもたちは最終チェックに余念がなく、私はデジタルボードの前で眉をひそめていました。

昨日まで使えていたマーカーが、突然動かなくなってしまったのです。
それどころか、ペン位置の調整画面すら表示されません。

再起動しても変化はなく、焦りながらソフトを再インストールしてみましたが、結果は同じでした。

「このままじゃ授業ができない……」

頭の中では、研究会当日の光景がぐるぐると回っていました。
機器を扱う授業では、トラブルが一番怖いものです。
けれど、立ち止まっているわけにもいきません。

いろいろと試行錯誤を重ねるうちに、 どうやらハードディスクやインターネットを速くする常駐ソフトが原因ではないかと気づきました。

思い切ってそのソフトをアンインストールしてみると・・・
止まっていたマーカーが動き出し、ペンの位置を合わせる画面もちゃんと表示されるようになりました。

胸の中で小さくガッツポーズをしました。
トラブルは授業を止めるものではなく、教師を鍛えるものなのかもしれません。


2.小さな教室の大きなステージ

翌朝、いよいよへき地教育研究会当日を迎えました。
教室にはすでにパソコンとプロジェクター、デジタルボードが並び、機器はすべてスタンバイ済みです。

1時間目の算数では、教科書会社の指導書用付属ソフトを使って、教科書の問題を掛け図のように提示しました。
1学期にも使ったことがありました。 子どもたちも操作に慣れ、ボード上でスムーズに学習を進めていきます。
その流れのまま、いよいよ総合的な学習の時間へと移りました。

公開授業の時間になりました。
市教育長さんを始め市内各校から先生方が連絡船で来られています。
休み時間までは冗談を言い合い、いつものように笑い声があふれていましたが、扉の向こうから参観者の姿が見えた瞬間、教室の空気がぴんと張りつめました。
子どもたちの表情が一気に引き締まり、緊張がこちらにも伝わってきます。

それでも、これまでの練習がしっかりと身についていました。
声が震えながらも、スライドを切り替え、伝えたいことを精いっぱい話す姿に成長を感じます。
中には、原稿を見ずに画面を見ながらアイコンタクトを意識して発表する子もいました。
質問や感想にもしっかり受け答えできていて、胸の中で思わず「よくやったな」とつぶやきました。

発表イメージ

授業の後半は予定より短くなってしまいましたが、それでもこの発表こそが今日の授業の中心。
子どもたちにとって、島の中ではなかなか得られない「人前で話す経験」になったはずです。
こうした機会を、これからもっと多くつくってやりたい・・

心からそう思いました。


3.島から発信する、「ICT授業」の驚き

午後の授業研究会では、先生方からさまざまな感想をいただきました。
中でも多くの方が驚かれていたのは、デジタルボードを使った子どもたちの操作です。
「子どもがボードに書き込みながら発表する授業は初めて見た」・・・
そんな声もありました。

教育長さんからも、「総合的な学習としての探究の深さとICTの融合が素晴らしい」と評価をいただき、うれしく思いました。
ICTの目新しさだけではなく,総合的な学習の時間の学びもきちんと認めていただいたことにさらに喜びを感じました。

同時間帯に行われていた1・2年生の複式生活科の授業では、1年生がPCを使いこなし,ローマ字入力で検索していたことにも驚かれたそうです。
全員が1人1台使えるようにと整備してきて本当に良かったと思いました。 離島のICT教育をここまで評価してもらえたのは、本当にありがたいことでした。

中古PCの各教室へ整備👇👇👇

とはいえ、これがゴールではありません。 この授業は、まだ始まったばかりの単元の“途中経過”にすぎません。
むしろ、ここからが本番。
子どもたちが自分の手で学びを広げ、深めていく時間が始まるのです。


今回の解説編👇

▶離島の総合的な学習の時間08へ続く

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