「いつか必ず成果が出る」じゃない
「いつかかならず効果がでる」と信じながら、迷いを断ちきれない状態で、スランプ気味の語学学習をしている人もいるはずです。「英語習得にはウン千時間必要です」みたいなよくある言説なども相まって、長い時間をかければそのうち、いつか芽が出るはずと信じながら頑張っている人も、少なくないのではないでしょうか。
今回は、そのような「いつかかならず成果が出る」のような妄信的な希望を抱かない方がいいし、ことがうまくいくかどうかの確信は自分で固めるものである、という話をします。語学メインの話ですが、「なにかに本格的に挑戦しようとしている人」にも役立つはずです。
質から量
これは別の記事でも触れたことなのですが、世の中、質が先に担保され、それが拡大されることで量になることのほうが多いです。僕はよく、「グローバルブランドのチェーン展開」を例にして説明しているのですが、一号店で獲得した成功の方程式を、そのまま別の商圏に適用して、そしてそのまま地球上を覆うほどの勢力までもっていく、というやり方が世の中よく認められます。
なにかしらの意図をもって大きな成果を狙いに行くビジネスの世界でも、質が先に来ることが多いです。(中略)まず「一号店」が登場し、そこでデータをていねいに集めます。そこで勝ち筋というか、自分らのビジネスモデルがうまく機能していることを確認してからはじめて、より広い商圏をターゲットにして店舗を増やしていきます。
そして、「質を先に担保する」というこのやり方は、語学学習にも当てはまるはずです。質を担保して、それを日々の取り組みで拡大していくというモードを採用すれば、「そもそも最初から質を担保しているのだから、芽が出ないわけがない」という安心感とともに学習をすすめられます。これは、大規模出店を臆さずにできる、「成功の方程式」をすでに獲得したグローバルブランドのやり方と同じです。質から量の話の詳細については、以下の記事で触れています:
判断を人に任せない
さて、ここからがメインなのですが、「いつか成果が出る」と妄信的に考えてしまうのは、「自分がいま何をしているのかよくわかっていない」とか、「今やっていることがどうつながるのかを自分でも把握していない」ことのサインになりそうじゃないですか。冒頭で触れた言葉で説明するなら、「質を担保できていない」ということであり、その場合、それをいくら拡大しても何にもなりません。妄信的希望を抱かない方がよいといえるのは、そのためです。
また僕は、「騙されたつもりでやってみて」という言葉が嫌いで、というのも、それでほんとうに騙されることがあるからです。自分が何をやっているのかよくわからない、質を担保できないという心理は、よその正解を確認してそれと足並みがそろっているか確認したくなるという心理につながるのですが、そのような人はとくに、「他人がくれる特効薬」にメロメロになってしまいます。
オモチャみたいな話に喜ぶのはやめよう
ちょっと考えるとわかることなのですが、「英語ができない日本人は圧倒的多数派である。そして、その日本人に定番の英語学習法がたいへん人気を博している」という話を聞いたときに、なんだか小さな違和感のようなものを覚えませんか。できない人たちがよろこんで使っている「定番」の学習法に、活路を見出すことなどできるのでしょうか。
子供は唐揚げやハンバーグが好きですから、唐揚げやハンバーグを与えれば喜んでくれますし、それはよくある光景ですが、多くの人は子供が喜ぶ料理だけを与えることはしないですよね。「喜ぶから与える」というアクションだけする、「不都合であるが本質であることを与える」ことをしないのは、長期的視点でみた場合はその子供にとって不親切です。

何が言いたいかというと、ハンバーグや唐揚げを与えらえた子供のように、「みんなが喜ぶ、なかよしの定番語学学習法」をホイとよそから与えられて、喜ぶだけのことをしていませんか、ということです。英語学習は個人的な取り組みであり、「みんななかよし」みたいな要素は入ってきませんから、極論すると、「他人が何をどうしているのか」なんてどうでもいいわけです。
これは、シュガーコートされた心地よい情報を与えたがる側の話なのですが、大衆のウケを狙う場合、どうしても、「英語ができない圧倒的多数の日本人」からの支持を得ることが必須になります。そして、そのような多数派の人たちは、なるべく簡単で、わかりやすくて、具体的で、自分でもできそうであると感じられる唐揚げみたいなコンテンツに群がりますから、その人たちに迎合する、唐揚げやハンバーグみたいなコンテンツだらけに世の中の景色がなります。
論点整理
僕は良く、「論点整理」という言葉を用いて、「解くべき問題を選ぶことの重要性」を説明しているのですが、今回の話もそれに通じます。学校の勉強や受験など、解くべき問題が天から降ってくる場合には、問題の精査などする必要はないのですが、そのような、「誰かが課題をこちらにくれる」という場面は人生の後半になるほど減ってきます。
論点を選ぶ取り組みは質を担保することと同じであるはずです。論点を整理する、今回の記事で言うところの質を担保するという仕事は、その人自身にしかできません。質を量に拡大するさいには外部の助力みたいなのは役に立つかもしれませんが、「結局何をするのか」に外部の支えをつかうことはできません。
僕はよく、「少数派になる勇気」と呼んでいるのですが、世間がはしゃいでいる多数派の言説をなぞるのではなく、少数派として、オリジナルの立場でやっていくのは少し勇気がいります。ただそれはここまでの話でしたように、自分の筋でびしっとやっていくために必要になります。
さいごに
「いつかかならず」という妄信的な心理になっているのであれば、質を担保できているかどうかを確認することをおすすめします。それができれば少なくとも迷いはなくなりますし、また、「外部からやってくる唐揚げやハンバーグ」をいい意味で、冷めた視線で眺めることができるようになります。
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▼この記事を書いた人▼
そっちゃそ
フリーランス英日翻訳者。本業で培った知識や経験をもとに、発音指導をはじめとした語学指導もやっています。noteは、僕の思想や考えをひろく公開するために使用しています。僕の思想や考え方については、考察と思想哲学のマガジンにまとめているのでこちらをぜひご覧ください。詳しいプロフィールはこちらから。


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さいごに
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