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【あがり症|仕事編1】小学生時代、最悪の読書感想文発表で気が付いたこと|ふるえるままに、すすめ1

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___小学校にて。

「じゃあ、次。読書感想文の発表は、うにさん」

先生の声に、教室の空気が一瞬だけ静かになって、うにの心臓が、どくん、と大きく鳴りました。

椅子から立たなきゃいけない。
わかってるのに、 体が動かない。
足の裏が、 床にくっついたみたいだった。
全身から冷汗が出てくる。

授業中にさされて、自分の席で教科書を読むだけで死にそうになるのに
立ちあがって教壇まで歩いていくなんて。
そしてみんなの前で作文を読むなんて。
無理に決まってる。

なんでなんでよりによって、『読書感想文』なんていう、
『自分の心の中のキモチをつづった文章』を
人前で読み上げなくちゃいけないんだろう。

何たる罰ゲーム。
酷い。酷すぎます。
ああ、学校、休みたい。休みたい。

でも、休んでも逃れられないんです。
休んだら別の日に。
全員、必ずやらなくちゃいけないって決まっていたから――。

クラス全員が読み終わって、もう、うにしか残っていません。
みんなが「あとはうにちゃんだけだ」と思って、こっちを見ています。

うには、震える脚でみんなの机の間を歩いて、教壇に上がって、必死で読書感想文を読み始めました。

でも、緊張マックスで、手は震えるし、声も震えるし……

ついには、あまりの自分への情けなさに、涙が出てきてしまって、
途中で読めなくなってしまいました……

あがり症って、極度までいくと涙が出てしまうんですよね。
これがまた、恥ずかしさに拍車をかけるんです。

あがり症って、極度まで行くと涙がでちゃいますよね、
これがまた恥ずかしさに拍車をかけるんですよねえええ

でもなぜか、次の瞬間、教室が拍手でいっぱいになりました。

(え? え? えええええ?)

うには、泣きながらもびっくりして顔を上げました。
何が起こっているのか、さっぱりわかりません。

気がついたら、クラスの女子の一部がもらい泣きしていて、

「感動したよ……!」
「気持ちが伝わってきたよ……!」

と言っています。

何事かと思ったら――

あ、そういえば。

うにが読んでいた読書感想文の本は、広島の原爆で被爆した子の話だったんです……

そうです……

みんなには、うにが
『本の主人公の悲しい運命に感情移入して泣いてしまって、
原稿が読めなくなったんだ、超感動★』
というふうに見えていたわけです……

そんなのってあり……?


ああ、人生って、なんでこんなにアベコベで、ヘンテコなんでしょうか。
真意って、こんなにも伝わらないものなんですね。

(だとすると、うにだって、周りの人の真意をちゃんとわかっていたかどうか、怪しいものですよね……)

それにしても、広島原爆の本を書いてくださった作者さん、ごめんなさい。

うには、やっぱりぜんぜんだめです……

とても大切なテーマの本なのに、うには自分のことばかり考えて泣いてしまって、なんて情けない。


でもきっと、うに以外の、もっと積極的で、ハキハキしていて、発表がすごく上手な子が、きっと他の学校で本の良さを伝えてくれているはずです……

……と、長年思っていました。

(もちろん、その後もどんどんあがり症街道まっしぐらです)

このときのことが、ずっとずっとあとになって、何度も思い返されることになります。波みたいに、何度も。

うにの見ている世界と、相手が見ている世界は、いつも少しだけ違っていて、そのズレに、すくわれることもあれば、のみこまれてしまうこともあるのでした。

つづく。

~今までの物語が読みたい!~
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※本作は実体験をもとに再構成した創作エッセイです。






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