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【AOE2DE】文明別戦術(17)ペルシア

これからしばらく、苦手文明の研究記事に取り組みます。まずはペルシア。強力な騎乗ユニット、TCや港の作業速度アップの他に1vs1等で独特のTCR戦術があり、初見では苦戦します。


文明特性と基本戦術

「騎兵文明」。初代AOKからある13文明の1つだが、2023年10月のアップデートで大幅にテコ入れされた。斥候から騎士やラクダ、弓騎兵等に展開するほか、元祖エレファントの数を溜めて押し寄せるのが圧倒的。城主ユニテクで、石弓を木コストだけで出せるようになる。浮いた金は騎士や象・聖職者に使いたい。他に町の中心(TC)のHP2倍を活かしたTCRが、稀にプロの大会ですら採用される奇襲戦法として有力(後述)。

ユニークユニットと天敵

ユニークユニットはウォーエレファント(170F85G)。訓練時間は25秒。EL化コストも1350F800Gと高価だがこれでも昔よりだいぶ安くなった。天敵は聖職者と槍系ユニット。他文明のバトルエレファントの1.5倍のコストで、強さも1.5倍。23年10月のテコ入れで建物や城に対して超強力になった他、基礎移動速度が0.6から0.8に向上(バトルエレファントは0.9)(従来の帝王ユニテク「象使い」による速度アップは廃止)。鈍足で使えないユニットとしての汚名を返上。コストも昔よりは軽減されたため、チーム戦でたまに大暴れしている様子が見られる。

他に、重騎士からサヴァールへアップグレード可能(コスト1200F600G)。近衛騎士の代替で、防御力が高く射手系に強いが、HPがやや低い。以下はこうじゃんさんのサイトから引用(太字は引用者による)。

ペルシアだけが重騎士からアップグレードできる近衛騎士亜種のようなユニットです。HP-15、防御力+1/+1の表記ステータス差以外に攻撃速度が近衛騎士(1.9)より0.1だけ速いです。
運用としては近衛騎士とほぼ変わらないですが、対弓ユニット性能が上がった一方で、わずかながら対アンチの耐久性能が落ち込んでしまったと言えます。チームボーナスと合わせて+4の弓ユニットへの攻撃力アップは目を見張る物があり、射程防御の耐久力も相まって歩兵弓はとにかく駆逐対象として立ち回ることができます。

ペルシア :: Blue Emotion -the Portal Site of AoE2-

内政ボーナス

開始時に木材と食料各+50……量的には微々たるもの。農民生産や漁船建造が速い分の補填と考えても良さそう。
暗黒/領主/城主/帝王の時代で町の中心と港の作業速度+5/10/15/20%……農民生産が速くなるので、屈伸や畑を張るタイミングに注意。また、進化時間も短縮される(それぞれ→領主6.5秒、→城主16秒、→帝王28.5秒)。合計51秒の短縮は農民生産2人分相当。

帝王の時代にキャラバンサライ(175W50S)が建設可能
ヒンドゥスタンと共通の文明ボーナス。20マス四方の範囲を通る交易馬車の移動速度+20%、HP自動回復(1/秒)。交易が有利になるので終盤は忘れずに複数配置したい。

テクと出せないユニットのメモ

鉄工所テク

鉄工所テクは小手(射手系の攻撃力3段階目)のみ研究不可。

文明ボーナス

町の中心(TC)と港の HP+100%……後述のTCR戦術の他、海マップ等で港を破壊されづらくなる。
城主の時代からパルティア戦術が利用可能……城主で弓騎兵をガッツリ使うなら有用。

チーム ボーナス: 騎士系ユニットの射撃兵に対する攻撃+2
チーム戦で射手/石弓を運用していて相手チームにペルシアがいるときは要注意。自前の槍を忘れず添えたい。また1vs1でも相手がペルシアの時は徒歩射手の単独運用は避け、(長)槍や聖職者を用意。(可能なら)ラクダにつなげる。騎士を出すとペルシア側はラクダに切り替える可能性が高いが、それならば(重)石弓路線に戻ってもよい。

ユニークテクノロジー

城主ユニテク: カマンダラン(400F300G)……射手系ユニットを木材50で生産できるようになる。2025年12月のパッチで強化された(以前は木材60)。中盤の展開によっては便利だが、スペックが上がりきらないので主力にはできない。騎士や象のアンチである槍への対策と考えるべき。
帝王ユニテク: 城塞(600W300G)……城の攻撃力+4、破城槌に対する攻撃+3、歩兵に対する攻撃+3、ボーナスダメージ-25%
通常の射手13体分くらいのコストで城が強化できると思えばお得だが、ラム単にすら単独で防衛できるほどではないし遠投には無力。

出せないユニット・使用不可テクノロジー

戦士小屋……全文明で唯一*、剣士系統が長剣剣士までしかアップグレードできない。矛はフルアップする。
*2025年5月に実装された女真は長剣剣士アップグレードも不可。2026年2月以降のインカを含む南米4文明は剣士系統を作成不可。
弓小屋……重石弓アップグレード不可。城主の時代にパルティア戦術研究可。砲撃手が出る。
馬小屋……ハサー、重装ラクダはフルアップ可能。重騎士からやや低コスト(1000F600G)でサヴァールにアップグレード可能。詳細は上述の通り。
兵器小屋……白ラム、改良投石機、ヘビスコ使用可。大砲が出せる。しかし攻囲技術者研究不可。
聖職者……異端がないので象の転向対策は帰依と信仰だけ。贖い・償い、神聖(聖職者HPアップ)、啓蒙(信仰回復速度アップ)等が研究不可。
学問所……防御塔・狭間と砲台研究不可。人力起重機なし。また、石壁を建てられる中では強化壁を持たない7つの文明の一つ。城以外の防衛施設は貧弱。
内政テク……基本内政テクはすべて研究可。
海軍……造船技術がない以外は一通りすべての艦種をアップグレード可能。ただし小手がないのでガレオン船の撃ちあいではやや劣る。詳細割愛。

戦績

チーム戦では5戦して2勝3敗。相手チームにペルシアがいたときの勝率は46.4%(2025年6月末現在)。1vs1での対ペルシアは5戦全敗。アラビアでの4戦のうち、2回はTCRを食らっている。残りの一戦は内海。

参考動画

TCRについて

TCRとは、自分のTCを一旦デリートして相手のTC付近に再建することで、駐留農民のTC矢により相手のTC破壊を狙う奇襲戦術。TC Dropとも。英語圏では通称「Douche」(ドゥーシュ=ビデのこと)。センシティブ扱いされて検索結果に出てこないこともある。ペルシアのTCは耐久度が高いため、通常の撃ちあいになれば優位に立てる。

対策

TCで矢を撃ち返しては絶対に勝てない。まずは機織り。そして領主進化のことはいったん忘れ、TCを建て直せるだけの木材を確保する(できれば2回分)。伐採所は複数持ちたい。TCは補修しない(とはいえ農民2人くらい入れておいて最低限の矢を撃たせるのはあり)。TC補修には石が不要になる代わり、木材を倍(HP1からの全修復で約550)消費するのでコスパが悪い。TCが破壊されたら新規TCを森または金鉱のそばに建て直す。相手がTCを再度デリートして追いかけてきたら同じことを繰り返す。自文明がインカやスラブでない限り、塔や前哨は建てない(TCを建て直しづらくなるため)。追いかけてこなければ畑を張って進化を目指す。もしすでに領主進化を押していたら、キャンセルしても良いが、普通に進化して射手を出す選択肢もある(下記の引用記事を参照)。相手はTCを建て直す所要時間のほか、農民の移動時間、TC矢を撃つための農民駐留分だけ資源を損しているので、技倆が同程度ならば優位に立てるはず。

予防策

相手がペルシアで、斥候等でTCを発見されている時にはTCから数マスの範囲に1マスでも柵を建てたり、家をまばらに建てておく等で一応妨害することはできる。暗黒でのTCRは果実の茂みを狙ってきがちなので、果実が前方に生成したときは特に、その周辺を対策しておくのが有力。

こちらの記事も参照。

参考動画

TCRを仕掛ける側の参考動画。

キャンペーンシナリオ等

歴史上の戦闘でブハラ(557)がある他、モンゴルやサラセン等、中央アジア~中東のキャンペーンシナリオで敵味方双方として登場。2023年リリースの「山中の王族」DLCでは改めてサファヴィー朝がモチーフの「イスマイル」が登場した他、ジョージアのタマルのキャンペーンでも顔を出す。

本編は以上です。ご意見、ご感想はツイッターまで


以下は趣味の垂れ流しです。ゲーム攻略上は読む必要はありません。

歴史のうんちく

AOE2以前の時代

初代AOEで登場するペルシアはアケメネス朝~アルサケス朝(パルティア)と考えられる。アケメネス朝は紀元前7世紀に興り、アッシリアの衰退に乗じて勢力を伸ばしたという。メディアの属国であったが、紀元前550年にキュロス2世が「ば~~~~っかじゃねぇの!?」で有名なハルパゴス将軍の助けを得て下剋上。息子カンビュセス2世がエジプトも征服して世界帝国となった。紀元前5世紀にはギリシア征服を企てたダレイオス1世クセルクセス1世父子がペルシア戦争を起こすが失敗。これは初代AOEの他、クロニクルDLCのキャンペーンシナリオの第2部でも扱われている。

アケメネス朝はその後、御家騒動などもあって弱体化し、紀元前330年にマケドニアのアレクサンドロス大王により滅ぼされた。アレクサンドロス大王の征服行は2025年10月リリースのクロニクルDLC第二弾で扱われている。

パルティアはローマ帝国の宿敵として歴史に登場するが、成立は意外に早く紀元前3世紀中頃。遊牧民族のルーツを持つという。アケメネス朝滅亡後に当地を支配したディアドコイ諸国の一つ、セレウコス朝を追い出して広範な支配域を確立した。交易と商業で栄え、富を背景に貴族の重装騎兵団を主力とし、大鎌戦車やインド産の戦象も運用していたという。三頭政治のクラッスス率いる侵攻軍を軽装の弓騎兵で撃破したことが「パルティア戦術」の名に遺っている。五賢帝の2人目であるトライアヌスや、セヴェルス朝のカラカラの時にメソポタミアまで深く侵攻されたことが衰退を決定づけた。

サーサーン朝の興亡とイラン人の復権

パルティアを滅ぼして台頭したサーサーン朝が、AOK~AOE2のペルシアの基本モチーフ。勃興期の260年にローマ皇帝を(奸計で?)捕虜にしたのを皮切りに、東ローマ帝国(ビザンティン)と数百年にわたり死闘を繰り広げた。ブハラ(557)はサーサーン朝と突厥が連合してエフタルを破った戦いがモチーフだが、これが最後の最盛期となった。西方での戦役が長く続いたため、7世紀までには衰弱してイスラム帝国(≒サラセン)の出現を迎えることになる。

ペルシア地域はその後長くアラブテュルクモンゴルなどの異民族の支配を受けることになったが、16世紀にイスマイール1世サファヴィー朝(1501-1736)を興した。彼の建国譚は「山中の王族」DLCで全5戦のキャンペーンシナリオとなっている。2023年10月のアップデートはこのサファヴィー朝の要素も幾つか盛り込んだもの。滅亡後は数十年の群雄割拠の後にガージャール朝(1785-1925)が統一。その後も英露間のグレート・ゲームのいち舞台となって翻弄された。20世紀に入ってクーデターでパフラヴィー朝(パーレビ朝とも)が成立してイラン革命(1978年~)まで存続した。

現代イラン情勢

革命後のイランは隣国とのイラン・イラク戦争を筆頭に諸外国の干渉を受けたが、シーア派諸国の一方の盟主としての地位を占めるようになった。21世紀に入ってからは核開発の試みやイスラエルとの対立で存亡の危機に瀕しており予断を許さない情勢(2025年6月現在)。

2026年1月9日追記。イラン各地で反体制派による暴動が起きており、パフラヴィー朝の末裔が国外から呼びかけるなどしている。

2026年2月19日追記。イラン周辺にここ20年では最大規模の米軍が展開しており、週末までに攻撃の火蓋が切られると専らの評判である。2月23日追記。米軍の無人機がイランにより撃墜されたとの一部報道がある。2月28日 報道によれば、イスラエル・アメリカ合衆国がイランに対する攻撃を開始した。

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