祝福を宿すバスケット ― バイエルンのイースターの朝に
2026年、今年もイースターがやってきました。私の住む南ドイツ・バイエルンのある地域には、少し変わったイースターの風習があります。
それが
Speisensegnung シュパイゼンセーグヌング「食べ物の祝福」
Speisenweihe シュパイゼンバイエ「食べ物の奉献」
と呼ばれるものです。
これは
「イースター(復活祭)の礼拝で、食べ物を奉献する」
というものです。
イースター当日の礼拝は早朝に行われ、そこで祝福を受けた食べ物を朝食で食べるという習わしがこの地域にはあります。
人々は各自、バスケットにパンや肉の加工品、タマゴなどを詰めて教会に持っていきます。
礼拝では、並べられたバスケットに聖水が振りかけられ、ひとつひとつが祝福を受けます。
その食べ物を口にすることは、ただの食事ではなく、神の恵みを体に迎え入れるということ。
それは、神が私たちの内に宿り、幾度でも命を与えてくださる――そんな祈りのかたちを意味しています。

【バスケットの中身】
バスケットに詰める物にもそれぞれ意味があります。
・ラム(子羊)の焼き菓子
自分を犠牲にして人々を救ったイエス・キリストそのものを「ラム(子羊)」に例えています。ラムの形をした焼き菓子はイースターの定番であり、ラム肉をイースターに食べるという習慣も広く知られています。
・パン&バター
白パンやドライフルーツの入ったパンなど、様々なパンが使われます。パンはイエスの象徴です。
・タマゴ
豊穣の象徴。動物性食品を控えていた四旬節(イースター前の断食期間)に溜まっていった卵を茹でて保管していたことにも由来しているそうです。
・肉(ハム、ソーセージ)
ハムやソーセージ、ベーコンなどの肉の加工品が入れられます。肉は「永遠の命」を象徴しています。
・セイヨウワサビ
生きることの苦しさを象徴しています。
その他、四旬節に我慢していたお酒やチョコレートなどの嗜好品を入れる人もいます。
【歴史と習わし】
「食べ物の祝福」は、バイエルン語圏では7世紀からあると記録されています。(※他の文献では11世紀とも言われている)
この「食べ物の祝福」は最後の晩餐となる聖木曜日(イエスが亡くなる前日)の礼拝でも行われます。
そして亡くなった翌日、復活の前日である聖土曜日の夜の礼拝でも行われる場合があります。
先ほども述べましたが、イースター当日には早朝のミサで行われます。
【イースターの教会装飾】
最後に、私の住む町の小さな教会の飾り、イースターバージョンをご紹介します。
①Osterlammイースター・ラム(子羊)
先ほども登場しました、イエスを象徴するラムです。

①Osterkerzeイースター・キャンドル
イースターの期間中に灯されるロウソクです。

③Eierkranzタマゴの形をしたリース
「豊穣」と「永遠の命」の象徴です。

小さな教会ですので、そこまで豪華な飾りはありませんでしたが、普段の教会とは違うデコレーションになっており、「イースターの特別感」を味わうことができます。
もしイースターの時期にドイツなどヨーロッパへお越しの際は、街中の装飾だけでなくカトリック教会内の装飾にも注目してみてください。
私自身はカトリック教徒ではありませんが、自分の住む地域の文化や習慣を辿る意味でこういった発信をしております。
こちらの記事でも「食べ物の祝福」について触れています。よろしければのぞいてみてください。
参考:
Welche Speisen zur Speisenweihe an Ostern mitbringen?
Speisensegnung – Wikipedia
最後までお読みいただきありがとうございました。
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