【往復書簡】KEACONさま from 近藤弥生子。優等生に課せられた問い、なのかも #2
ちょっと前まではお互いの存在を知らなかったふたりが、二冊の本を通して友だちになる――まるで寒い冬の午後に現れるひだまりのように、ほっこり温かい気持ちになるできごとがありました。
まるでAIのような手垢がついた表現になってしまいましたが、ここ数日の私の心の中はまさにこういう状況でした。日本の年末年始が終わったと思ったら台湾は今が年末。締め切りの中を綱渡りしていたところに突然、EQ本が台湾で翻訳出版されることになったりと、殺伐としていた私の心に、ぶわーっと優しさが満ちてくるような、そんな感覚です。
というのも、先日、Voicyのゲストに来てくださったKEACONさん(インスタグラムを中心に、暮らしや収納について発信されている)のお誘いで、noteで往復書簡をすることになったのです!
▶︎ Voicyにゲストに来てくださった回:《ゲスト》子どもとのかかわり、先生との関係構築など、整理収納アドバイザーのKEACONさんと初対談!
▶︎ ゲストにお誘いするまでの経緯を書いたnote:子どもとのかかわり、先生との関係構築について、暮らしのインフルエンサーKEACONさんと対談
トップ画像は、台湾の陽明山にある国立公園内で見かけたシダ植物です。私はよく、太陽の当たらないジメジメしたところでひっそりしているのが好きな自分をシダ植物に例えるのですが、高温多湿の台湾は、シダ植物がとっても元気なんです。

そんな私が、ひだまりのようなKEACONさんと友だちになる様子を、もし良かったら皆さんも、笑いながら見守ってやってください。照
往復書簡、始まりはKEACONさんから
公開することを前提にしたお便りのやり取り“往復書簡”。
まずは、KEACONさんが始めてくださいました。
まだの方は、ぜひこちらから読んでみてくださいね。
以下は、私からのお返事です。
KEACONさま from 近藤弥生子
KEACONさん、この度は心のこもったお便りをありがとうございます。
インスタでやり取りしただけの私のVoicyにゲスト出演してくださったばかりか、往復書簡を始めようとしてくださったこと。嬉しい驚きでした。
そもそも、暮らしや収納について発信されている方に向けて本をお送りするなんて、今冷静になって考えてみると、かなり空気が読めない行動なのかもしれません。汗
「楽天room」さえ知らなかったぐらい、日本のインスタグラマーさんの生態系を知らない私ですので、多々失礼をしてしまっていると思います。
それなのに! (一度は辞退されながらも)Voicyのゲストをご承諾くださり、ありがとうございました。
お誘いした時は、まだKEACONさんが出演されているYouTube動画などを観ていなくて、実際どんな感じの方なのか分かっていなかったのですが、それでも、インスタの投稿を拝見しているだけで、その温かいお人柄がにじみでていたんです。
私のVoicyにコメントを残してくださるKEACONさんのフォロワーさんも皆さんとっても温かい方が多いので、きっとお互いに信頼関係を築いてこられたんだろうな、すごいなぁ…と感じています。
大人になって友だちができることってなかなかないのに、今回、それが叶ってとても幸せな気持ちです。イエーイ! 友だちになってくれてありがとう!
さてさて、KEACONさんが今回教えてくれた、「子どもが不登校になる一番の要因は、“学校以外の選択肢がないこと”にあるのでは?」という気づきに関しては、私もまったく同じように考えています。
特に、この部分ですね。
学校以外の選択肢があたりまえに選べるかたちで用意されていないことで、「学校」という学び方に馴染めない子どもたちが、
・心をすり減らしながら、我慢して学校に行く
・学校に行くのは当然のことなので、行かない自分はダメな人間なんだと自信を失う
・気持ちを理解してくれない親や周囲への不信感や孤独感から無気力に
という過程を経て、家にいることを選ばざる得ない状況になっているのかもしれませんね。
オードリー・タンさんのお母様のリー・ヤーチンさんでさえ、学校になじめないオードリーさんを見ながらも、当初は「学校に行くのが当たり前」という価値観を何の疑問もないままに持ち、『いつも、子どもが規律正しい良い国民になってくれることを望んでいた』と書かれています。
(出典:オードリー・タンの母が綴る『家族と教育』。以下同)
そこから、「子どもの手に教育を返そう」と、オルタナティブスクールを創立するまでに価値観がダイナミックに変わっていきました。
幼少期のオードリーさんも、担任教師やクラスメイトの良いところを見つけようとする一方で、教師から体罰を受け、クラスメイトからは「お前が死んだら、僕が一番になれるのに」と言われたり、いじめに遭いました。
「この世界と僕の間には何か問題があるに違いない」という当時のオードリーさんの言葉は、今回、以前出版した単行本を文庫化するに際し、新たに加えたものです。まさに、自殺願望を持ち始めた頃の心のうちを表したものでした。
知識欲が飛び抜けて高いオードリーさんでさえ、この状態から持ち直すまでには家族だけでなく、多くの専門家の力を借りることが必要でした。
だからこそ、“一旦無気力になった状態からでは、再びやる気を取り戻すのは簡単ではなく、学ぼうという意識が湧いてくるまで時間が掛かってしまう”、“子どもたちが気力を失う前に、前向きな気持ちで選べる選択肢が必要なんだ”というKEACONさんの気づきに、とても共感し、励まされました。
どんなに本を読んでも、人の話を聞いても、自分自身で実感を伴って感じないと、あらゆることは自分の中に落とし込めないと思うんです。
そういう意味で、執筆者はとても無力でもあるなと思います。読んでくださった方がどう受け止めるかは、私にはコントロールできません。
一方で、希望だと思うのは、書いた本をきっかけに、対話が広がることです。
私とKEACONさんを出会わせてくれたVoicyの配信『子どもから「気力を削ぎ落としていくもの」は、何なのか?』(note版はこちら)も、私が日本の保護者たちと交流するなかで、皆さんから教えていただいた考え方でした。
「日本では、不登校になった時点で子どものエネルギーが枯渇し、そもそも“学ぼう”という気力自体がなくなってしまっている状態なのかもしれません」
我が子の不登校初期に立ち返って考えると、そもそもこの「自分はこれがしたい!」と思えるエネルギーが無かったように思いました。表情も乏しく、癇癪を起こすことも多くて、親としても「とにかく生きていてくれたら」というフェーズで、とても「やりたいことを探そう」という状態ではなかったような気がします。
今回のKEACONさんのnoteを拝見して、ますます思いを強くしました。こうしたしたやり取りを通じて、私たち日本の大人たちが自分ごととして考え、普段から自分の考えを話すようになることってすごく価値があることで、私自身もそこに微力でも貢献したいと思っているんだと。
同時に、「自分が大切だと思ってやってきたことは、無駄ではなかったんだ」と、今、静かに感動しています。
そろそろ文字数が多くなってきてしまいました。
子どもの柔らかい心を、気力を削らないように、保護者に限らず、そばにいる大人たちが、「今通っている学校が、世界のすべてではないんだよ。世界には、ほかにもたくさんの学びの方法があるんだよ!」と確信を持って伝えられるようになれたら、と心から願っています。
そしてそれは、オードリーさんのお母様やお父様がそうであったように、自分が成長の過程で学校に通うことに何の疑問も持たなかった優等生にこそ、課せられた「問い」のようでもあると、感じています。なにせ、私は落ちこぼれだったので、「学校に行かなくても全然いいじゃん!」というタイプ。私だけでは力不足のようなんです。
ではでは、もしまた気が向いたら、いつでもお手紙お待ちしております。
追伸:桜林直子さん、私も、ジェーン・スーさんとのポッドキャスト『となりの雑談』が大好きで、特に「サクちゃんのプール理論」には「それ、それだー!!」と膝を打つ思いでしたが、サクちゃんに助けられて、KEACONさんと友だちになれたなんて。こりゃー、サクちゃんの本も読まなければ。
➤ KEACONさんのお返事が来ました!
いいなと思ったら応援しよう!
こちらでいただいたサポートは、次にもっと良い取材をして、その情報が必要な誰かの役に立つ良い記事を書くために使わせていただきます。ありがとうございます! 