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降りしきる雨の下を進んだ先で

森の芸術祭。芸術はその場所を、読み直し

新たな意味が付加されて、それを幾重にもくぐるよう
に森の芸術祭をたどってきた。城東むかし町家で降り
出した雨は続き、空は雲に覆われ風景を平坦なものと
している。降りしきる雨の下を進み、この旅も終盤へ。



城東むかし町家を後にして、昨日にたどった道をなぞりつつ


次に訪れた衆楽園は、かつての津山藩別邸庭園で



近世池泉回遊式庭園という大きな池を基盤に



周囲に園路がぐるりとめぐらされたもの。この庭園は



京都の仙洞御所を模したものといい、懐かしい記憶をたぐる



降り止まない雨の下、池の形に沿うような園路の先に



桃色と鶯色の二色の立看板。ここは森の芸術祭の会場でもあり



その色の重なりをたよりに、いくつかの施設をたどってきた


旅の二日目は、一日目の旅をなぞるように



南北に長い池には、大小四つの島が配されて



めぐるほどに変化に富んだ風景が続く



樹木は高さを変え、風景を形作り、視線を導く。その先に建つ



茅葺き屋根の建物は、江戸時代の創園当時から残るもの



池に浮かぶ島には橋がかかり、立体的な構成となる



園路をつたい、水面にうつろう緑の連なりに



飛び立つ鳥の羽の音。池に落ちる雨の音。雨の日の音を感じ



地面と一体となるような橋を渡り、松に巻かれたこも巻きに


季節の移ろいを感じ、庭園の園路をなぞるように進む



睡蓮の葉が浮かぶ水面は、緑の風景を立体的にして



風景は拡張されるように反射して



水面の作る揺らぎは、動きのある風景を形作る



池と緑と建物で構成される庭園は



橋によって結ばれて、視線はその中を浮遊するように



庭園の風景は、遠くの山並みも景色に取り込み



また、近くに目をやれば、水面には波紋が連なり



雨は風景を、水面をうつろわせる


旅で感じたうつろひの作品の風景をそこに重ねて



橋を渡り、島をめぐる。円を描くような園路



頼りない石橋の横の水面に、落ちる木々の姿は


水面の揺らぎにより、その形を変容させて



園路の先の池のほとりに建つ建物は、旅の一幕の舞台のようで


旅をするということは、1つの物語を綴ること



池のほとりの建物は、風景に浮かぶ演者のよう


そして、雨が上がる。雲の切れ目に輝く青

平坦であった風景は、だんだんと転換しながら



水面にうつる空と雲の境界に


この旅で出会った空を重ね、いつかの空を思い出す



旅路を描くほどに、その奥行きは増していく


森の芸術祭の会場にもなる衆楽園に、アートの気配が
漂う中、衆楽園の上に広がる空の移ろいを感じながら、
池の周囲に体を沿わせていく。水面に重なる雨の波紋。
木々はその姿を反転させて揺らぐ。しとしとと風景を
にじませていた雨も次第にあがり、空には青みがさす。

今見た空は、時の流れとともに過去のものとなって、
時間の移ろいは空の表情を、刻々と転じさせていく。
今日の空、昨日の空、そしてまたいつかの空の連続に
空の風景を重ね、森の芸術祭の作品にも思いをはせて。


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