街の時間を手に取るように
街の鼓動を受け止める
ひっそりと気づかれぬよう、静かな時を纏うもの。
リズムを刻み、視点を揺らし、人の流れを導くもの。
散りばめられた街の形を、拾い集めては、言葉に
置いて、また言葉の中を歩くように、街を眺める。

緑の隙間を空へと伸びる

ビルの谷間に、時を連ねる彫刻は

途方もない繰り返しの先にある造形で
点から線へ、線から円へ、鉄は軽やかに姿を変える

点在する街の形に目を落としては

切り取られた空を見上げる

緑は建物を縁取るように

街に動きを与える存在となる

足裏から伝わる振動に
視点はシンクロするように、動的で

静的でもある街を歩く

ビルの間を通り抜ける風と

ゆらゆらとずれては重なる彫刻の

関係性に目線を合わせ
見えないものに心を寄せる

すっと空へとひかれた線に

視点を合わせては、ずらしながら

連続する線の並びを追うように

街の部分となる建物の持つ

色と形を重ね合わせ
そこに乗せられた意図を思う

迫りくる線の連続、色の並び
どこにひかれるのか、何に足が止まるか

体を反らせては、振り返り

等間隔に置かれた線と、交互に並ぶ窓

鋳物のしっとりした格子の手触りに

ふと街は温度を変える

ガス燈の背後の彫りの深い造り、繊細なレリーフを

持つ建物は、街を見守り続けている

浮かび上がるような時の厚みと

今を表現する素材の連なりと

単純化された形態と

街は干渉しあいながら、現代の風景を形づくる

まっすぐな線と柔らかな線
彫刻が緩める街のリズムの先に

続くものを求めては

心をつかまれてしまった姿に
立ち止まっては振り返る

2025年に出会った風景は
この先にも続いていくと

思い描いては、日々の中に
視点をつなぐ。過去から現在へ、ここから向こうへ。
形に意味を感じて、構成の意図をなぞる。ふいに
現れる色彩は、時を軽やかに越えてくる。街の直線
に視点を沿わせ、足から伝わる振動に心を震わせ、
位置をずらし、角度を変えて、数えるようにして、
切り取っては並べてみる。街の楽しみはつきない。
