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ゆらぐ波間に旅も揺れて

重ねる旅路が描く線


夜明けに始まる瀬戸内の旅も、やがて暮れなずむ
陽の下へと進む。波に揺られ島から島へ、また島へ。
航路は海の線上に、景色を立ち上げては沈ませる。
光の温度が高まるほど、旅の風景が頭上に浮かぶ。


旅が揺れる。エンジン音が響く。視線はずれては
定まる。足元がゆらぐ。言葉を旅のリズムに乗せる。
日々を揺らす旅に沿う。視点を置く。言葉が揺れる。
拡張する日常と穏やかな旅。ピントは重なり合う。
焦点は定まり像をなし、滲んでは現れる旅の輪郭。

 


船は瀬戸内海に弧を描き


島と島を線でつなぐ



光はやがて色を増し


過ぎては、夕焼けが空に色を落とす




浮かび上がる島影は



繰り返す旅の線上に



伸ばせば届きそうな空の下にある



振り絞られる光の温度と



折り重なる島影を眺めるほどに



瀬戸内をめぐる旅の風景が


ぐるりと脳内で反復する



水平線はにじんでは


過去の景色と混ざり合い



船は緩やかな線を描く



波のごとく揺れる旅



振り返れば言葉も揺らぐ



赤白の線の船が


旅の風景に浮かんでいる



やがて光は夜に溶け



船は航路を重ねていく



光を帯びるトゲトゲと



旅を照らす猫の姿を経由する


重なり合う海の旅を



港の風景がつなぐ



円の光が船を出迎える



彩られた神戸の夜が近づいてくる



夜から夜へと海を渡り



神戸の港から始まり


幕を閉じる旅は



夜を越えて、その先へ



静かな闇に包まれる神戸の港。夜から夜へと海を
渡る旅をした。ゆっくりと、静かに、大きくも、
めまぐるしく転じていく旅の景色。波の振動を体
に感じ、立ち現れる色や形に揺さぶられる。記憶は
層をなし、認識はずれ、焦点は深度を増すように、
旅の終わりに次なる旅への視点を定める。航路を
変えて進路を違えて、瀬戸内への旅を重ねていく。



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