万博は形の実験の場でもある
万博の地に散りばめられた形は
祝祭の高揚感を帯びて、揺らめいたり、突出したり、
積み重なったりと、様々にデザインされて驚きに
満ちている。点在する変化に富んだ休憩所は、ひと
休みする時間をデザインする。最後の訪問となった
万博を名残惜しみつつ手に取るように形をたどる。

円を描くステージは、建築家によりデザインされたもので
トイレや休憩所の形も万博を舞台にめくるめく

互い違いに空へと伸び

光をまといゆらめくように
形作られた風景の間を縫うようにして

光を反射するもの、吸い込むものと
多様なデザインに視線を重ねていく

トイレのピクトは旅先で目に留めるモチーフでもある
今回もまた実験的な形をたどる

上部に続く淡い色のトタンの連なり

鮮やかな色の建物は緑との関係を持ちながら

角度を持って連なり、空との境界線を作り出す

風景に透過する色、変化をもたらす色。柔らかな色は

周囲との関係性を持ちながら

風景に楽しげに配置される。壁は黒と黄色に

屋根は紫に光を帯びて

水色をアクセンとしたトタンの壁に

建物を包み込む白銀のパンチングメタル

形はジクザグに、色を帯びては切り替わる

浮遊する形に、つい心を弾ませながら

周囲の緑に浮かぶ、柔らかく光をまとう素材感

風景を鮮やかに色づかせる橙のテント膜

休憩所となる。建物のリズムを感じ、色を楽しみ
手掛けた建築家のまなざしを感じながら

繰り広げられる形の間を進む。その先には山谷のような

空間にかけられたふわりとかけられたパーゴラの屋根

波打つような鉄筋の上を緑がつたう

万博で作られる建築は、未来につながる意志をめざすもの

地面は掘られ、盛り上げられ、土の重さが調整されて

その上にふわりと浮かぶようなメッシュの屋根

壁には訪問者を出迎えるような、モザイクタイルの

淡い色のタコは水心というアート作品でもあり

レモンは瀬戸内海の記憶とつながる

うねる地形。地面と屋根が生み出す波打つ空間に
瀬戸内海に浮かぶ豊島に建つ美術館を思う

地形が反転したメッシュの屋根。その間を駆ける子ども達

それを見守る大人達。穏やかで居心地のよい空間は
掘っては盛られ土の重さがデザインされたもの
屋根をつたう藤が作る木陰。塗装された鉄筋の質感
万博という祝祭に応じて生み出された
斬新な空間には、作り手の思いも込められて
手ざわりがあり、人との関係をつくる空間となり
万博であるからこその場所ともなる
デザインされた休憩所やトイレやステージには、
一つ一つに物語がある。休憩所一つをとっても、
対照的な空間が広がる。プロポーザルで選ばれた
建築家たちの未来へのまなざし。実用性や利便性
を越えた実験性と身体性。リアリティを求められ
ながらも目指された挑戦の形。それは万博という
祝祭の場に生み出された産物でもある。形をたどる
旅において万博は驚きに満ちあふれた場所となる。
