旅は円の軌道に沿うように
組み合わさって奥行きを持つ
ここから向こうへ、その先へと移動を続け、また
戻る。繰り返す旅は大小に円を描いては、わずか
にずれては連なっていく。静かに響く街の音に、耳
をすませ、作品の持つ重力に引き込まれるように。

空間の持つ奥行きに

体を沿わせては測るように

旅に動きを同期させる

円を描く階段を上り

空を切り取り

また降りる
移動に視点は動きを与えられ

中心から周囲へと

放射状にかかる張力

連続するアーチが

街を映し出し
円の軌道が視点を開く

空間をゆるやかにつなぐ

螺旋階段がアーチの曲線と呼応する

ガラスに映し込まれる

尖頭アーチ窓には、街を守護するように

セント•ジョージが剣を抜く

街に重ねられた境界は

時と場所を隔ててつなぐ

床の模様は波紋のように

開いては閉じてを繰り返す
線に沿ってはなぞり

連なる円の軌道をたどる

ひっそりとした空間で

静かに回るモノクロームの円

かつてかけられた重力から

解き放たれるように、そっと軽やかに

白と黒の円が描くのは碁会所の記憶

ゆっくりと断続的な動きを
旅の連続に重ね合わせる
回っては止まる。白と黒のターンテーブルが円を
描く。しんとした空間を震わせるように、回って
は止まり、また動き出す。立ち止まっては歩き、
また立ち止まる。旅は円の軌道に沿うように。
