引かれた線を伝うように
空間の記憶をつなぎ止める
真っ直ぐに立つ壁の先に続く山並みと、屋根が
切り取る空に、海へと続くガラスの連続。重なる
円と静かに引かれた線の上で、彫刻にふれるよう
に建物にふれるほど、空間は穏やかに動きを持つ。

ガラスに映る彫刻の先に

緑に満ちる山並みがそびえる
真っ直ぐに伸びる線と

港の風景が交差する

トップレールが描く線に

入り混じる街と海岸沿いの風景を

建物と彫刻と緑を伝うように

構築された線をなぞる

打ち放しコンクリートの柱の影が伸びる

光を遮る屋根の間を
風が抜けていく

縦横に伸びるコンクリートに
重ねられる風景と

地面に落ちる光と影は

静かに交わりながら
背景に線を描いていく

横たわる線が方向性を与え
連続するサッシの線が面を作る

石、コンクリート、ガラス、鉄の素材が

角度を変えながら

交わり合う線に沿って

彫刻にふれるように建物をたどる

風をとらえては伸びる屋根に

建物は動きを与えられ

港に浮かぶ船のようにこの地に建つ

刻々と過ぎゆく時間に

視点をずらしては連続させ

建物に沿わせては

彫刻と緑の間を進む

立体感を増す素材に

木々のシルエットが揺れる

建物は線を重ね

真っ直ぐに、緩やかに

連続しては風景を切り取る

大きな彫刻のように佇む建物が

刻んだ壁の凹凸の先へ
素材による線が幾重に連なっては、影が動きを
帯びる。階段を降り、スロープを下り、また降りる。
建物に視線を沿わせ、引かれた線をたどるほどに、
建物は空間を内包する彫刻のように動き始める。
