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海への旅の余韻に浸る

視点を積み重ねては

過去から現在へと旅を続ける。波打ち際は揺れ
動き、何度も境界を書き換える。砂浜に沈み込む
足裏の感触。その線上を伝い、刻々と移ろいゆく
空を仰いでは、繰り返した海への旅の余韻に浸る。



過去から今へと視点をつなぎ



黒みを帯びる砂浜を歩く



鉄とガラスでできたカラミ砂が



固有の風景を立ち上げる



寄せては引いて


境界は常に留まることなく



ゆるやかに変化を続ける



繰り返す波の向こうに



混じり合う島並みを


重ねる旅を続けている



瀬戸内の島をめぐる最後の旅に



残された精錬所の遺構が



過去から未来へとつながれる



時間の層を感じては


風景の中を縫うように



引いては



寄せるように


波の動きに沿うように



浮かぶ岩に視点を置いては



風景に織りなす線上を歩く



島の石で造られた防波堤に波がゆれ



夕日は温度を増していく



島の港に降り立って



島に流れる時間を歩いては



拾い集めたものを手に携えて



船に揺られては、島を後にする



あっという間の一日の旅を



ひとつひとつ確かめるように



旅の始まりの港で



芸術祭への旅を終える



海を渡り島をたどる



旅の終わりに



伝う手触りに思いをはせて



ここから向こうへ



またその先へ



電車を乗り継ぐように



旅の物語を繋いでは


次なる始まりへと



海への旅の余韻を乗せて


島から島へ船で渡り、西へ東へと電車に揺られる
小さな旅を繰り返す。その集合が一つの風景を立ち
上げる。モチーフの角度を変えては、折り重ねる。
具体的なものの力が、抽象的なものの背景となる。
旅そのものとそこにしかないもの。旅を繰り返し
ては視点を置いて、普遍と固有の間を縫うように。

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