回り続ける彫刻の先へ
芸術家たちの視点に触れて
対象への接し方が更新される。視点は寄りと引き
を繰り返し、見上げては見下ろし、作品との位置
関係をずらしていく。空間に内包された彫刻作品
が、生み出された風によりゆっくりと回り続ける。

外から内へと
つながるような美術館は

多様な視点を内包する場所

構築される線の向こうに

浮かぶ黄色の断片は

風とともにある彫刻家が手掛けたもの

円を描くように回転する

四角の黄色の欠片が宙に浮かぶ

空間に吊り下げられた彫刻は

場所との関係性を保ち

見えない空気を視覚化する

室内に起こされた風にのって

分割された部分は全体となり
静かに回り続ける

階段を上り、廊下をめぐる

寄せては引いて
視点を対象に沿わせるほどに

壁の質感、静かな空気、彫刻の動き、分散された光が

混ざりあう空間の質に触れる

彫刻は同じ位置で回り続け

わずかに部分の角度を変えながら、元の位置に戻る

空間を構成する壁

吹き抜けに沿う階段は

壁の確かな質感と

ガラスの奥行きで構成される

空間の中で回り続ける彫刻は
過去から今に回転の軌道をつなぎ

円の動きを
旅の軌道と重ね合わせていく
風をとらえる彫刻は、空間に動きを与える。整然
と立ち上がる縦横の線に、上昇する空気を捉える
ように彫刻は静かに回り、また元の角度へ戻る。
対象との関係性を確かめて、自らの動きを重ね、
先へ続く旅はゆっくりと螺旋を描くようにして。
