SoFi USDの衝撃⑨ ―【巨額の利益:30億ドル/年】を稼ぐ可能性の世界線
※過去の記事へのリンク一覧は、前回記事の“末尾”をご参照ください。
「30億ドル/年」――
2030年、SoFiが暗号資産取引市場(B2B領域)におけるステーブルコイン事業から得られる最終損益として、計算された一つの数字だ。
「30億ドル/年」は以下の前提に基づいて算出されている。
・2030年のステーブルコイン発行残高:1.2兆ドル
・暗号資産取引市場:4,800億ドル(シェア40%)
・SoFi USD発行残高:2,400億ドル(シェア50%)
・政策金利2%
・利益率90%
・実効税率25%
※利益率:準備金運用収益が中心で、発行残高の拡大に伴う追加コストが極めて限定的である前提(費用構造も今後記載していく)
1.2兆ドル × 40% × 50% × 2% × 90% ×(1-25%)= 32.4億ドル
※上記は最終結果を示す計算式であり、それぞれの妥当性については、順に検証していく。
SoFiの2025年通期ガイダンスにおける最終利益は4.55億ドルである点を踏まえると、仮にこの規模の利益が新たに積み上がるとすれば、SoFiの利益構造に与えるインパクトは極めて大きい。また、現時点で市場がこの可能性を十分に織り込んでいるようには思えない。
もっとも、30億ドル/年という数字そのものについては、絶対の自信があるわけではない。それでも、「現在の市場分析」「制度理解」、そして最終損益を算出する「思考プロセス」には自信がある。
そして、この見立ては決して突飛なものではない。
Tether社は2024年、短期米国債を中心とする約1,200億ドルの運用から、約60億ドルの運用収益を上げたとされている。また、前回記載したようにCircle社は2025年第3四半期において、ステーブルコイン発行残高740億ドルに対する裏付け資産(準備金)から、7.11億ドル(=約28億ドル/年)の運用収益を“実績”として上げている。
ステーブルコインのビジネスモデルは、Tether/Circleの2社からすでに証明されている。ただ、まだ多くの人が気づいていない。そして、SoFiに極めて大きなチャンスがめぐってきていることも――。
さらに、今回の「30億ドル/年」という数字は、SoFi USDが描き得る収益機会のうち、暗号資産取引市場(B2B領域)に限定された試算にすぎない。
───
私はSoFiのステーブルコイン事業に大きな期待をしている。一方で、様々な事業環境の変化が起き得ることは、“大前提”として理解していただきたい。
【マクロ環境リスク】
・ステーブルコイン市場の成長鈍化(例:政策転換、規制強化)
・政策金利の急低下(例:2010年代前半、コロナ禍)

【事業固有リスク】
・想定外の競合の登場
―大手銀行(J.P.モルガン/Citi)×大手決済会社(Visa/Master/PayPal)
―Circle/Paxosなどの信託銀行がFRB口座へのアクセス権を得る
・SoFi USDが想定通りに普及しない
―米国では成功する一方、国際市場ではUSDT/USDCが根強く残る
―技術的トラブルやセキュリティ事故の発生
例として、2030年にSoFiが「ステーブルコイン発行残高5,000億ドル」「政策金利2%」という条件の場合、
・運用収益:5,000億ドル × 金利2%=100億ドル
となり、信じられないほどの運用収益が期待できる。
しかし、仮にゼロ金利政策(政策金利が0〜0.25%程度に抑えられる局面)が再び採用された場合、この100億ドルの主な収益源は失われる。もっとも、SoFiの場合、運用収益以外にも取引手数料などの収益が見込めるため、ステーブルコイン事業から利益がまったく生まれない、ということではない。
言いたいことは、以下の3点である。
・SoFi USDは極めて大きなポテンシャルを持つ
・しかし、算出される数字は複数の前提がすべて順調に進んだ場合の姿
・様々なシナリオが考えられ、それにより事業規模や利益水準は大きく変動する
よって、算出された最終損益「30億ドル/年」という数字も、経済環境によって大きく左右され、上振れ・下振れの双方で十億ドル単位で変動し得るものとして理解しておいていただきたい。
それでは最終損益に至る計算過程を見ていく。
単なる数字の大きさではなく、数字に至る“道筋”を明らかにしていく。
※後日追記:上記に関する補足は【SoFi:2026年10大びっくり予想②🚀「SoFi USDの採用が相次ぐ!?」】にてご確認ください。
【編集後記】
この原稿を書いているときに、トランプ大統領が「政策金利は1%あるいはそれよりも低い水準を望む💡」と述べ、「そ、それは今だけは言わないで~。ぜ、前提が狂う~」ということがありました🤣
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