日雇い労働者だった僕がひとり社長になるまで
高校3年生から20代にかけて、気づいたらアルバイトを20箇所くらい転々としていた。
お好み焼き屋や回転寿司、コンビニ各種(セブン、ローソン、ハートイン)から、腕時計屋、フェスの警備、交通誘導警備、お弁当や新聞工場、ファミレス、パチンコ店、引越し屋、ホテルの配膳や深夜の大浴場番、数え出すとキリがない。
今思えば、人付き合いがあまり得意じゃなくて、どこかしら上司とトラブルを起こしやすかった。空気を読めないし、妙に論理的に喋りすぎて「こいつ論破してくるな」みたいな扱いをされがちだった。
自分でもASDの気質があるんだろうなと思うし、たぶん25歳くらいまでは一度バイト先に入ると、なんだかんだで摩擦ばかり起こしてた気がする。
当時は、そもそも家電の説明書をきちんと読むことすらできないくらい集中力が続かなかった。
ビジネス書なんかも一応買うけどパラパラ飛ばし読みするだけで、ちゃんと1ページずつ読むことができない。もともと本は好きだけど、物語の世界に没入するのは得意なのに、何かを正確に理解しようとか、順序立ててやろうとか、そういうことは本当に苦手で。
コンビニバイトだとうっかりレジの打ち忘れをして、後で自腹で穴埋めすることなんてザラだった。
タバコのカートンやジュースにおにぎりなど。打ち忘れることを防ぐことは不可能で、オーナーも自腹で埋めてくれるならいい、という感じだったからそこの点は気楽だった。
努力したって直らないものはお金で解決すればいい、という考え方は今も昔も変わってない。
当然、会社員として働いても似たような感じで、通算3回ほど転職した。
その間もどうしても人に合わせるということがうまくできず、言いたいことを理路整然と主張してしまって浮く。28歳あたりでようやく多少は「まあまあ、いっか」と思えるようになって、社会との折り合いを覚えた感じがする。そこから先は少しずつラクになった。
そんなぼくも今はひとり社長になって、不思議とやっていけている。
正直、ひとりの方が楽だ。
自分のペースで仕事ができるし、働く時間だって月に50時間もあれば十分。稼いだお金の大半はそのまま会社の利益になるからピンハネされるわけでもない。もちろん税金をたくさん払って手残りが思ったよりないな、とは思うけど。
それでも組織の中にいる時よりは息苦しさがないのはいい。ほんとにいい。
年収2000万円の会社員と年収200万円のひとり社長なら当然後者を選ぶ。
もちろん、税金や保険のこととか、起業7年目でいろいろわかっているから年収が全てじゃないことも織り込み済み。ひとり社長は強かなのだ。
で、だから、もし今、なかなか社会に馴染めなくてバイトを転々としている20代の人がいるなら、「そのままでも、別に大丈夫だよ」と言いたい。
会社に溶け込めないなら、いっそ自分が会社を作ってしまえばいい。
ぼくみたいにその日暮らしだった人間でも、いつの間にかそういう道にたどり着くことがある。
うまくいくかどうかはわからないけれど、少なくとも「なんとかなる」可能性はあるってことを、胸の片隅に置いておいてほしい。
絶望しきるよりはちょっとは前向きに生きれるだろうから。
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