2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

K 3600 : 2000

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人バイオインダストリー (JBA) /財

団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS K 3600-1989

は改正され,この規格に置き換えられる。

(1)

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

日本工業規格

JIS

K 3600 : 2000

バイオテクノロジー用語

Biotechnology−Vocabulary

1. 適用範囲 この規格は,バイオテクノロジー分野で用いる主な用語について規定する。

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

JIS K 3610 : 1992 生体工学用語(生体化学部門)

JIS K 3611 : 1995 生体工学用語(生体システム部門)

3. 用語の分類 用語は次のように分類する。

3.1

基礎事項

a) 一般的事項

b) 酵素,タンパク質工学

c) 微生物,微生物工学

d) 動物細胞,植物細胞,細胞工学

3.2

基礎技術

a) 培養,培養工学

b) 細胞融合

c) 遺伝子操作,遺伝子工学

d) 一般的操作

e) 器具・装置

3.3

応用技術

a) 発酵

b) バイオリアクター

c) バイオインフォマティックス

d) バイオレメディー

e) その他

4. 定義 用語及び定義は次のとおりとする。

備考1. 二つ以上の用語を並べた場合は,その順位に従って優先使用する。

2. 用語を特定分野に限定して用いる場合には,用語の次に丸括弧書きで記す。例えば,固定化

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2

K 3600 : 2000

(生体触媒の)

3. 用語の定義の中で丸括弧を付けた部分は,詳細な説明をするためのものである。

番号

用語

ふりがな

アーサス現象/

あーさすげんしょ

対応英語

感作動物の皮内に抗原を注射したときに,免疫複合体により

アルチュス現象

う/

起こされる炎症反応。即時型反応 (immediate-typ reaction)

あるちゅすげんし

よりは遅れるが,遅延型反応 (delayed-type reaction) よりも早

ょう

定義

くみられるので,アレルギー反応の第3型 (acutetype reaction)

とよばれることもある。

アーティファク

あーてぃふぁくと

あーるえぬえー/

RNA/リボ核酸

実験又は処理の過程で起こった人工的変化。極限的な研究,

初期の電子顕微鏡像などについてよく現れていた。

りぼかくさん

D−リボースを糖成分とする核酸。アデニン,グアニン,シ

トシン,ウラシルが塩基成分のほとんどを占めるが,他にチ

ミンをはじめ様々な微量塩基を含むものがある。

RQ/呼吸商

あーるきゅう/

CO2呼出量とO2吸収量との比。ガス分析で求められる量で,

こきゅうしょう

体内でどの栄養素が酸化されてエネルギー源となっているか

あがろーす

を知るための指標となる。

アガロース

寒天の主成分 (70%) で,β- (1→4) -D-galactosyl-α- (1→4)

-L-3,6-anhydrogalactoseを単位とする多糖。冷水には溶けない

が熱水に溶ける。濃度0.5〜2%の溶液で作ったゲルは巨大網

状構造をもち,高分子でも自由に拡散できるので,免疫沈降

法,電気泳動の支持体として用いる。

アクチン

あくちん

アジュバント

あじゅばんと

細胞骨格を構成する主要な球状たん白質の1つ。筋収縮,原

形質流動などの細胞運動に関与している。(分子量約42KDa)

免疫系を刺激して,抗原に対する免疫応答を修飾する物質の

総称。通常,抗体産生や細胞性免疫の強化に用いられる。り

ん酸アルミニウム,フロイントアジュバントなどがある。

アポトーシス/

あぽとーしす/

生理的条件下で細胞自らが積極的に引き起こす細胞の死。細

プログラム死

ぷろぐらむし

胞は萎縮し,細胞の内容物が細胞外に放出されることなく周

囲の細胞に速やかに取り込まれて処理されるので炎症を引き

起こさない。

アミノ酸

あみのさん

同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物。た

だし,たん白質の構成アミノ酸の場合にはプロリン,ハイド

ロキシプロリンのようなイミノ酸もアミノ酸として取り扱

う。

アミノ酸残基

あみのさんざんき

ポリペプチドの構成単位で,ペプチド結合する際に除かれた

−H,−OH以外のアミノ酸部分の総称。したがってたん白質

やペプチドのなかでは,N,C両末端以外のアミノ酸はすべ

て同様のアミノ酸残基の形で存在する。残基とは結合のとき

に除去される原子団以外の基という意味。

アミノ酸組成

あみのさんそせい

たん白質やペプチドに含まれるアミノ酸のmol量比を試料の

分子量がはっきりしないときは量比をmol%で示す。アミノ

酸組成からそのたん白質の概略の性質を推定できる。

アミノ糖

あみのとう

糖の水酸基がアミノ基で置換された構造をもつ化合物の総

称。天然界では多糖,糖たん白質,糖脂質の構成分や抗生物

質の成分として存在する。

α−ヘリックス

あるふぁーへりっ

たん白質やポリペプチドが示す二次構造の1種でら旋状に伸

びた構造。Glu,Met,Ala,Leuはαヘリックスを形成しやす

くす

い。シート状の構造をもつβシートと対応する。

αフェトプロテ

あるふぁふぇとぷ

イン

ろていん

電気泳動的にα1グロブリン領域にくる胎児性たん白質。分子

量約70KDaの1本のポリペプチド鎖よりなり,約4%の糖を

含む。一時,肝細胞癌及び卵黄のう(嚢)腫瘍の特異的診断

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3

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

法として注目されたが,正常人血清中にもわずかにその存在

が知られ,特異的診断法としての意義は,少し薄らいだ。

アルブミン

あるぶみん

動植物細胞,体液中に含まれる硝酸アンモニウム50%飽和溶

液に可溶なたん白質の総称。分子量は64KDa程度である。等

電点は5〜6のものが多い。代表的なものとして,血清アルブ

ミン,オボアルブミンなどがある。

アレルギー

あれるぎー

感作動物にもう一度その抗原が入った場合に起こる強い免疫

反応。抗体の関与する即時型アレルギー,感作Tリンパ球が

関与する遅延型アレルギーとアーサス現象がある。

アレルゲン

あれるげん

アトピー又はアレルギーを起こす物質の総称。

アロステリック

あろすてりっくこ

(1)酸素の基質結合部位とは異なる部位とエフェクター物質

効果

うか

との結合による酵素分子の構造変化に伴う酵素活性の正若し

くは負の変化。

(2)たん白質との結合によって,その高次の構造に変化が生じ

る現象。

アンジオテンシ

あんじおてんしん

血中に含まれ,血圧や体液調節に関与するペプチド。I II III

の三種類あり,Iは昇圧作用があり,IIは昇圧作用とアルドス

テロン分泌作用があり,IIIはIIの半分の昇圧作用と等価のア

ルドステロン分泌作用がある。

イオノフォア

いおのふぉあ

細胞膜又は人工脂質膜に作用して,イオン透過性を高める働

きをする物質。イオンと疎水性の複合体を作り,膜の疎水性

領域を通過することによってイオンの透過性を高める。バリ

ノマイシン,モネンシンなどの抗生物質が知られている。

イオンポンプ/

いおんぽんぷ/

細胞膜を通してイオンを選択的に輸送するたん白質複合体。

イオンチャンネ

いおんちゃんねる

能動輸送 (active transport) をポンプ,受動輸送 (passive

ル/イオン輸送

/いおんゆそう

transport) をチャンネルという。能動輸送はイオンポンプなど

のように膜内外の電気化学的ポンテンシャルの勾配に逆らっ

て輸送される現象。受動輸送には輸送体を介さない拡散と輸

送体を介する促進拡散 (facilitated diffusion) がある。

異化作用

いかさよう

物質代謝において,化学物質をより簡単な物質に分解する過

程。異化作用で放出される化学エネルギーはATPに移されい

ろいろな生物活動に利用される。

いき値

いきち

作用を起こせる最小有効値。生体に作用を及ぼす物質の作用

限界点を示すのに用いられる。致死いき値,刺激いき値など

という。

育種

いくしゅ

微生物や動植物において,野生又は既存の株や系統・品種を

用い,従来のものよりも遺伝的に優れたものを育成すること。

交配,誘導変異に加えて,遺伝子操作が用いられる。

異数体

いすうたい

ある生物種において,その種に固有の基本数の倍数(その種

が単相であれば半数)より一個若しくは数個多いか,又は少

ない染色体数をもつ個体。異数体は細胞分裂の異常によるも

のと考えられている。

一次構造(たん

いちじこうぞう

たん白質におけるアミノ酸の連結している配列順序及びジス

白質の)/アミ

(たんぱくしつ

ルフィド結合の存在位置を含めた一次元的な全共有結合構

ノ酸配列

の)/あみのさん

造。この構造はその構造遺伝子であるDNA上の塩基配列に

はいれつ

よって一義的に定まっている。たん白質の高次構造は基本的

いちだいざっしゅ

ある対立遺伝子について,各々は全く同一の遺伝子組をもつ

が互いに異なる対立遺伝子組をもつ両親の間の交雑によって

に,その一次構造によって規定されると考えられる。

一代雑種

生じた子。F1で表すことがある。雑種に両親よりも優れた形

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4

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

インターフェロ

いんたーふぇろん

対応英語

定義

質が現れること(雑種強勢)を利用した育種に応用される。

リンパ球や繊維芽細胞など様々な細胞が生産し,抗ウイルス

作用や抗ガン作用などを示す生理活性たんぱく質。α,β,γ

の主要サブタイプがあり,生理作用の違いから,α/βをI型,

γをII型と呼ぶ場合もある。

インテイン

いんていん

タンパク質が自己触媒作用によって成熟タンパク質になる際

に切り出されるタンパク質の領域。

エクソトキシン

えくそときしん

細菌が生産し,菌体外に容易に放出される毒性物質。ジフテ

リアトキシン,ボツリヌストキシンなどの高分子たん白質は

熱に不安定で,毒性が強い。

SOS修復/

えすおーえすしゅ

DNAが傷害を受けたときその傷害部位を越えてDNA複製を

SOS機能

うふく/

行って修復する機構。エラーがち修復 (error-prone repair) と

えすおーえすきの

もいい,変異を伴うことが多い。特定の修復機構で修復でき

ないような傷害を修復するための緊急機構と考えられる。

えっちえるえー/

すべての有核細胞表面上に表現されているヒトの主要組織適

人白血球抗原

ひとはっけっきゅ

合抗原。その遺伝子は,ヒト第6染色体短腕上に密に連鎖し

うこうげん

て存在する。移植抗原,免疫監視機能,免疫応答の遺伝的制

御,ある種の難病の発症に関与している。

H鎖/重鎖

えっちさ/

免疫グロブリン分子を構成する2種類のポリペプチド鎖のう

じゅうさ

ち,長い方の鎖。一次構造の特徴から可変部と定常部からな

る。

F因子

えふいんし

大腸菌の性決定因子。F因子は伝達性のプラスミドの1種で,

F+菌の線毛を媒体としてF−菌と接触,接合してプラスミドゲ

ノムを伝達する。F因子が大腸菌の染色体に組み込まれると

Hfr菌となり,接合伝達のときF因子に隣り合う染色体DNA

を,一定方向で受容菌に移入できる。

LAL/カブトガ

えるえーえる/

ニの血球溶解成

かぶとがにのけっ

カブトガニの白血球の溶解成分を原料とする試薬。エンドト

キシン,β (1→3) -D-グルカンを検出,又は定量するために調

きゅうようかいせ

製された。

免疫グロブリン分子を構成する2種類のポリペプチド鎖のう

ち,短い方の鎖。一次構造の特徴から可変部と定常部からな

いぶん

L鎖/軽鎖

えるさ/けいさ

る。

塩基性たん白質

えんきせいたんぱ

くしつ

等電点がアルカリ性側にあるたん白質。アルギニンやリジン

などの塩基性アミノ酸の含量が酸性アミノ酸に比べて多い。

ヒストン,プロタミン,リゾチームなどが代表例である。

塩基対

えんきつい

核酸の塩基のうち定まった組合せの2個が水素結合によって

対合したもの。DNAではアデニンとチミン,グアニンとシト

シン,RNAではアデニンとウラシル,グアニンとシトシンが

対合する。核酸の複製,転写,mRNAとtRNAの相互作用に

重要な役割を果たす。

塩基配列

えんきはいれつ

エンドサイトー

えんどさいとーし

シス

エンドトキシン

えんどときしん/

ないどくそ

核酸分子鎖においてヌクレオチドの連結している順序。遺伝

情報はこれによって定まっている。

細胞膜を介する外界からの物質取込み作用の総称。細胞膜は

小胞を形成し,これがリゾチームと融合する。膜成分は最終

的に細胞膜に復帰すると考えられている。

グラム陰性細菌の菌体成分中にある毒性物質。その本体はリ

ポ多糖で,発熱,インターフェロン誘導活性を示す。

内毒素

オリゴ糖/少糖

おりごとう/しょ

2〜10個程度の単糖分子が脱水縮合した構造をもつ物質。天

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5

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

うとう

定義

然のオリゴ糖の大半は元来配糖体や複合糖質として存在して

いたものである。

オリゴマーたん

おりごまーたんぱ

白質

くしつ

カードラン

かーどらん

二つ以上のポリペプチド鎖から構成されたたん白質。各構成

ペプチド鎖単位は,サブユニットまたはプロトマーとよばれ

る。ヘモグロビンなどが代表例である。

Alcaligenes gaecalisから抽出された高分子物質で,β (1→3)

-D-グルカンの直鎖状高分子とβ (1→6) との枝分かれ構造を

もつ。分子量70KDa〜90KDa。

解糖

かいとう

嫌気的条件下におけるぶどう糖又はグリコーゲンから乳酸へ

の分解反応。ほとんどの生物に存在するエネルギー獲得系で

ある。

化学的酸素要求

かがくてきさんそ

水の汚染度を表す指標。被検水に酸化剤として重クロム酸カ

量/COD

ようきゅうりょう

リウムなどを加えて反応させ,その消費量から化学的に消費

/しーおーでぃー

される酸素量を求め,ppmを単位として表す。BODに比べて

短時間に測定できるが,生物学的酸化を受けやすい有機物と

安定な有機物及び無機被酸化物を区別できない。

核酸

かくさん

ヌクレオチド残基が多数つながった高分子物質の総称。糖部

分がリボースかデオキシリボースかによってRNAとDNAの

2種に大別される。

核酸塩基

かくさんえんき

DNAやRNAの構成要素となっている窒素を含む複素環式化

合物。アデニン,グアニン,シトシン,ウラシル,チミンが

その主なものである。

核小体/仁

かくしょうたい/

じん

真核細胞の核内にあるリボゾームRNAの合成とリボゾーム

の組立を行っている小体。

核内低分子

かくないていぶん

真核生物の核中に存在する低分子RNA。スプライシング,プ

しあーるえぬえー

ロセッシングなどに関与していると考えられている。

カスケード反応

かすけーどはんの

連鎖的反応増幅機構。血液凝固などで見られる。

活性酸素

1O2,・O2−,H2O2,・OHなどの高い反応性を示す酸素分子種。

かっせいさんそ

一酸化窒素,オゾン,過酸化脂質なども広義の活性酸素に含

められる。生体防御系や細胞内シグナル系で重要な働きをす

るが,生体成分に様々な酸化障害を起こし,老化や疾病の原

因となる。

カップリング/

かっぷりんぐ/

共役

きょうえき

二つ以上の反応について,一つの反応の生成物が,他方の反

応の基質となるような系列をつくっているとき,これらの反

応は共役(カップリング)しているという。その共通の中間

体としては,化合物のこともあるし,また,電子やイオン濃

度の差であることもある。

カリオプラスト

かりおぷらすと/

/核体

かくたい

サイトカラシンで処理された培養細胞は,マイクロフィラメ

ントの網目構造が破壊されて細胞膜でつつまれた核が突出す

る。これを遠心分離して細胞質体(サイトプラスト)と分け

たもの。

機能性高分子

きのうせいこうぶ

んし

キメラ

きめら

特定の機能をもった合成ポリマー。生体由来のたん白質を含

めることもある。

(1)2個以上の遺伝的に異なる体細胞からなる単一個体。

(2)2個以上の異なる分子の部分的複合体を表す形容詞。

例えば,キメラ個体,キメラたん白質,キメラDNA。同様な

現象をモザイクということもある。

凝集反応(抗原

ぎょうしゅうはん

細菌,赤血球などの表面抗原又は粒子表面に吸収させた抗原

の)

のう(こうげんの)

(凝集原)とそれに対応する抗体(凝集素)との抗原抗体反

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6

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

組換え体の第一

くみかえたいのだ

工場や施設内の限定した区域などの人為的に外界から隔離さ

種利用

いいっしゅりよう

れた条件下での組換え体の利用。

共通塩基配列

きょうつうえんき

ある遺伝子領域(例えば,プロモーター,ターミネーターな

はいれつ

ど)に最も頻度高く出現する塩基配列から帰納した理論的配

応に由来する巨大塊形成反応。

列。理論的配列に近い実際の配列を指すこともある。

キラー因子

きらーいんし

異なる二つの系統のゾウリムシや酵母を同じ容器で培養する

とキラーたん白質(キラー因子)を出して一方が他方を殺す

ことがある。キラー因子の遺伝子は,プラスミド上にあるが,

その保持は核遺伝子支配である。有用酵母の育種に応用され

ている。

金属たん白質

きんぞくたんぱく

しつ

重金属イオンを構成成分の一つとして結合しているたん白

質。ヘムたん白質,各種金属酵素(ニトロゲナーゼ,アルコ

ールデヒドロゲナーゼ,フェレドキシンなど)がある。

組換え体の第二

くみかえたいのだ

バイオレメディエーションなど人為的に制御がなされていな

種利用

いにしゅりよう

い自然条件下の限定された区域での組換え体の利用。

クラススイッチ

くらすすいっち

免疫グロブリン産生においてクラスの変換が起こること。

lgMが最初に産生され,ついでlgG産生に置き代わる,すな

わち免疫グロブリン遺伝子の中でH鎖のC領域をコードする

部位の上流にあるS領域 (switch region) での組換え。

グリコシド/

ぐりこしど/

配糖体

はいとうたい

糖の還元基と,糖又は,他の化合物の水酸基(まれにSH基,

NH2基)の脱水縮合により結合した物質の総称。多糖類をは

じめとしてO-グリコシドは広く生物界に存在する。N-グリコ

シドとして核酸,補酵素などがあげられる。

クローン

くろーん

1)共通の祖先から無性生殖によって生じた遺伝的に均一な細

胞又は個体。2)無性的に生じた個体で,親と全く遺伝的に同

じ個体(クローンカエル)。3)遺伝子操作で特定の遺伝子を

ベクターに結合させ,均一な遺伝子集団を得られるようにな

ったもの。

クロマチン/

くろまちん/

染色質

せんしょくしつ

血清

けっせい

真核生物の染色体物質で,DNA,RNA,たん白質,脂質から

なる複合体。その基本構造はヌクレオソームである。

凝固していない全血液から血球を除いたもの。動物細胞培養

の重要な構成分の一つでもある。凝固した血液から凝固部分

を除去したものを血漿という。

ゲノム

げのむ

生物個々の種を特徴づけながら,生命を維持できる最小限の

遺伝子群を含む染色体の組。ヒトでは1ゲノムの染色体数は

23本である。

抗イディオタイ

こういでぃおたい

抗体の可変領域(V領域)をエピトープとする抗体。つまり

プ抗体

ぷこうたい

抗体のレプリカに対するそのまたレプリカが抗イディオタイ

プ抗体である。目的の抗体産生を,抗原そのものを用いる代

わりに抗イディオタイプ抗体で誘導できることになる。

好塩基顆粒

こうえんきかりゅ

酸性の糖たん白質を含む顆粒球をもつ多形核白血球。ヒスタ

ミンとヘパリンを放出してアナフィラキシーを起こす。血流

こうげん

中の白血球の約0.5%を占める。

抗原

抗原抗体反応又は免疫応答を誘発し得る物質の総称。免疫原

性をもつ完全抗原に対して,比較的小さな分子で免疫原性を

もたない抗原をハプテンという。ハプテンを適当な担体と結

合させると抗原性がでてくる。

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7

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

抗原決定基/

こうげんけってい

抗原抗体反応において,抗原たん白質の分子表面に存在する

エピトープ

き/えぴとーぷ

抗体と特異的に結合する特定部位。ハプテンは抗原決定基に

相当し,構造既知の抗原決定基をエピトープという。抗原決

定基は相対的な生物学的意味を表し,対応する抗体によって

初めて決まる。

光合成

こうごうせい

光のエネルギーによって二酸化炭素と電子供与体から有機物

を合成する生物反応。

高次構造(たん

こうじこうぞう

たん白質のような鎖状高分子は分子鎖が折りたたまれて2次

白質の,核酸の)

(たんぱくしつ

構造,3次構造,4次構造をつくる。3次構造以上を高次構造

の,かくさんの)

抗生物質

こうせいぶっしつ

という。活性や機能の発現に必す(須)である。

微生物などの生物が生産し,病原微生物・ウイルス・寄生虫・

癌細胞などの発育若しくは機能を選択的に阻害する又は致死

的に作用する物質及びそれらの合成誘導体。

抗体

こうたい

免疫反応において,抗原の刺激によって生体内に作られ,そ

の抗原と特異的に結合するたん白質の総称。免疫グロブリン

がその本体であり,生体防御を引き起こす役割を担う。

硬たん白質

こうたんぱくしつ

分子間に共有結合性の架橋などが存在するため,通常の塩溶

液などには不溶で,酵素や化学処理にも抗抵性のあるたん白

質。コラーゲン,ケラチン,エラスチンなどがある。

固定化(生体触

こていか(せいた

酵素や微生物などの生体由来の触媒をある一定の空間内に閉

媒の)

いしょくばいの)

じ込めた状態にすること。固定化の方法には,非水溶性の担

体 (carrier) に結合させる担体結合法,試薬によって架橋する

架橋法,適当な素材で包み込む包括法がある。

コンビナトリア

こんびなとりある

基本骨格と様々な修飾基を自動合成手法で結合させることに

ルケミストリー

けみすとりー

よって多様な化合物群を同時に合成すること。

シクロデキスト

しくろできすとり

グルコースが環状構造に結合したもの。グルコース6分子,7

リン

分子,8分子からなるものをそれぞれα,β,γ−シクロデキス

トリンという。ドーナツ状の構造をしており,適当な大きさ

の有機分子をその中に包接できる。また人工酵素のモデルと

しても利用されている。

最小致死量/

さいしょうちしり

一定条件下で生物集団を死亡させるに足る薬剤などの最小

ょう/

量。毒物,病原微生物,ワクチンなどの力価測定に適用され

えむえるでぃー

最少培地

さいしょうばいち

る。

生育に必要最少限の成分だけからなる培地。栄養要求性変異

株の取得,各種栄養物の生物に対する効果を検討するための

基本培地。

最適温度

さいてきおんど

酵素,細胞又は生体組織に最大の活性を発現させる温度。

最適pH

さいてきぴーえい

酵素,細胞又は生体組織に最大の活性を発現させるpH条件。

リンパ球,マクロファージ,繊維芽細胞などが産生するリン

サイトカイン

さいとかいん

サイトカラシン

さいとからしん

パ球に作用して分化を誘導するたん白性物質の総称。

カビの代謝産物で,マイクロフィラメント系の関与する現象

を可逆的に阻害する物質。動物細胞をこの薬剤で処理すると

濃度によって多核細胞や脱核を起こす。サイトカラシンBが

最もよく利用される。

栽培漁業

さいばいぎょぎょ

特定の海域に魚礁,海藻の人工造林などを行い,漁場の改善・

造成を図り,人工育成した種苗を放流して漁業の増産を図る

こと。増殖・養殖を含めていうことが多い。

細胞骨格

さいぼうこっかく

真核細胞の細胞質に縦横にはりめぐらされた網目状の構造

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8

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

体。細胞の形,運動を制御。チューブリンからなる微小管,

アクチンからなる微小繊維,デスミンやビメンチンからなる

中間腺維などから構成されている。

雑種不稔性

ざっしゅふねんせ

交配又は融合によって生じた雑種が,通常の交配などにより

子孫を残せない現象。自然集団の局所的種間で起こる交雑に

多くみられる。

サテライト

さてらいとでぃー

えぬえー

細胞から取り出したDNAを平衡密度勾配遠心にかけると,

主要なDNAバンドのほかに現れる低分子DNAバンド。これ

はプラスミドのような独立の分子に由来することが多いが,

大きな核DNAから切り出された特異な断片(反復塩基配列

など)のこともある。

サブユニット構

さぶゆにっとこう

一つの機能発現単位が非共有結合で会合した複数個の構成成

ぞう

分から成り立っている構造。アロステリック効果の発現にお

いてサブユニットの会合や解離を伴うことが多い。また2種

類の全く異なる酵素の会合によって,新しい酵素機能が発現

することもある。

酸化的りん酸化

さんかてきりんさ

呼吸によって有機物の酸化から生じる電子の伝達系に共役し

んか

てATPを生産するりん酸化反応。生体にATPを供給する主要

な反応である。ミトコンドリア内膜又は原核細胞の形質膜に

おいて行われる。

酸性たん白質

さんせいたんぱく

しつ

等電点が酸性側にあるたん白質。アスパラギン酸とグルタミ

ン酸のような酸性アミノ酸の含量が塩基性アミノ酸に比べて

多い。代表的なものにペプシン,リボヌクレアーゼT1などが

ある。

C領域/恒常部

しーりょういき/

/定常部/定常

こうじょうぶ/

領域

ていじょうぶ/

免疫グロブリンのH及びL鎖のうち,クラス又はサブクラス

に共通して存在する構造領域。

ていじょうりょう

いき

シグナルペプチ

しぐなるぺぷちど

分泌たん白質のアミノ末端にある細胞膜透過機構に関与する

15〜30個ほどの主として疎水性アミノ酸からなる配列。膜通

過に当たって先導役を務めると考えられている。この配列を

目的たん白質に接続して,細胞外へそのたん白質を排出させ

るために利用できると考えられている。

脂質二重層/

ししつにじゅうそ

脂質二分子膜

う/

りん脂質などの極性脂質が,2分子の厚さに整列した膜状構

造。これが主体膜の基本構造であると考えられている。

ししつにぶんしま

二つのSH基が酸化されることによって形成される結合。た

ジスルフィド結

じするふぃどけつ

合/S-S結合

ごう/えすえすけ

ん白質のジスルフィド結合は,二つのシステインが酸化され

つごう

てできたシスチン残基に由来するものでたん白質の三次元構

造の保持に重要な役割を担う。

ジベレリン

じべれりん

肪脂酸

しぼうさん

植物ホルモンの一つ。茎や葉の伸長生長,休眠打破などを促

進する。種なしぶどう,梨や苺の肥大に実用化されている。

天然の脂質の加水分解によって得られる脂肪族モノカルボン

酸を指す。広義にはジカルボン酸も含まれる。

種特異性

しゅとくいせい

生物がその種に特異的な構成分をもっていたり,特定の物質

又は環境に対して種独自の反応性を示すこと。ヒトインター

フェロンは,ヒト細胞が作ったもので他の動物には作用しな

い。このような場合,インターフェロンには種特異性がある

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9

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

消泡剤(発酵液

しょうほうざい

通気発酵中に生じる泡を消す材料。大豆油,合成界面活性剤

の)

(はっこうえき

などを使用する。

しょうほうたい/

真核細胞の細胞質内にある膜状の構造体。膜の細胞質側の面

いーあーる

にリボソームがついているのを粗面小胞体,ついていないの

という。

の)

小胞体/ER

を滑面小胞体という。たん白質の合成あるいは貯蔵が行われ

る場所。

植物ホルモン

しょくぶつほるも

植物体内で作られ,伸長生長,肥大生長,細胞分裂,花芽形

成,気孔の開閉,発芽,発根などの生理作用を示す物質。オ

ーキシン,ジベレリン,アブシジン酸,エチレンなどが知ら

れている。植物ホルモンと同様な作用を示すが,天然には存

在しない合成化合物は植物生長調整物質 (plant growth

regulator, plant growth substance) と呼ぶ。

人為突然変異/

じんいとつぜんへ

誘発変異

んい/

突然変異の誘発原を作用させて起こす突然変異。自然突然変

異の対語。アルキル化剤,アクリジン色素などの化学物質,γ

ゆうはつへんい

線などの物理的処理,トランスポゾン挿入などの生物学的処

理などで変異を誘発できる。

真核生物

しんかくせいぶつ

静止期において,核膜に包まれた核をもつ細胞からなる生物。

共通の構造物として,ミトコンドリア,ゴルジ体,リソソー

ム,膜系の小胞体及び細胞内骨格をもつ。

人工血液

じんこうけつえき

水素供与体/

すいそきょうよた

酸化還元反応において,他に水素を与えてそれ自身は酸化さ

電子供与体

い/

れる物質。電子の移動と水素の移動とは等価であるので両者

酸素及び二酸化炭素運搬・交換能力をもち,血液を代替する

化合物。

を区別せずに用いる。

でんしきょうよた

生合成

せいごうせい

生体によって行われる同化的な物質の合成。全く新しく合成

される全合成 (de novo synthesis) と異化作用の過程で生じる

分解物の一部が再利用される半合成 (salvage synsthesis) に分

けられる。

生体工学/

せいたいこうがく

生体のもつ機能を人工的手段で実現し,活用しようとする工

バイオニックス

学分野。特に生物の情報機能に注目しているところから生体

ばいおにっくす

情報工学ということもある。

せいたいまく

基本構造が脂質二重層で構成され,細胞及び細胞内小器官を

生体膜

覆っている膜。二重層の中を膜たん白質が膜を貫き又はその

表面に付着している

生理活性物質

接合

せいりかっせいぶ

生物の生理作用を抑制又は助長させる物質。ホルモン,ビタ

っしつ

ミンなどを指す。

せつごう

外観上配偶子と栄養細胞の区別がみられない細胞同士の合体

によって,有性生殖が行われる現象。大腸菌では,遺伝子の

移行は一方的で,片方が供与体 (donor) ,他方が受容体

(recipient) として働く。

接合子

せつごうし

2個の配偶子又は配偶子嚢が接合して生じた細胞。つまり受

精卵又はそれから生じた個体をいう。

接合伝達

せつごうでんたつ

接合によって遺伝因子が一方から他方に移行する現象。ある

種のプラスミドは細胞と細胞の接触によって伝達される。F

因子,薬剤耐性因子(R因子)などがこの代表例。

染色体異常

せんしょくたいい

染色体の数や形に変化の起こる現象。数の変化には倍数性,

じょう

異数性がある。形の異常として欠失,転座,逆位,重複,挿

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

染色体不稔性

せんしょくたいふ

正常な受粉が行われる交配において,親の染色体間の相同性

ねんせい

の欠如から生じる不稔性。植物の育種に利用されている。例

ぜんのうせい

入,環状染色体などがある。

えば種なし西瓜や十字科の野菜の育種に応用されている。

全能性

細胞,未受精卵及び発生初期の胚細胞が組織,器官に分化し,

個体を形成する能力を有すること。細胞は通常分化に従って

全能性を失う。

相同染色体

そうどうせんしょ

同数の同一若しくは対立遺伝子が同じ順序に配列している1

くたい

対の染色体。2倍体の生物においては父方及び母方から由来

した形態の相等しい1対の染色体。

早老病

そうろうびょう

組織適合(性)

そしきてきごう

動物の細胞膜表面にある,同種移植の正否を決定する抗原。

抗原

(せい)こうげん

移植拒否反応は免疫現象であり,その主役は細胞性免疫であ

体細胞クローン

たいさいぼうくろ

体細胞の核を脱核した卵細胞に移植することによって作製さ

動物

ーんどうぶつ

れたクローン動物。1997年にヒツジの乳腺の培養体細胞の核

体細胞変異

たいさいぼうへん

生殖細胞以外のすべての細胞(体細胞)に生じる突然変位。

放射線や化学物質などの変異原物質で処理して突然変異を誘

ハッチンソン・ギルフォード症候群に代表される早期老化を

起こす遺伝性疾患。多くは循環器障害を起こし死亡する。

る。

を用いてドリーと呼ばれるクローン個体が作製された。

発するほか,細胞培養中に突然変異が生じることもある。育

種や高生産性細胞株の選抜などに利用される。

代謝

たいしゃ

生命活動を維持するため,生体又は細胞内で起こっている合

成・分解などすべての化学反応を総合した概念。

代謝調節変異株

たいしゃちょうせ

代謝産物の生合成は,その最終産物又はその関連物質による

つへんいかぶ

主要生合成酵素の生成抑制と活性阻害によって制御されてい

るが,この制御が変化を受けた変異株の総称。工業微生物の

改良にしばしば用いられる。

多数体/

たすうたい/

倍数体

ばいすうたい

2組以上のゲノムをもった個体。ゲノムの重複はコルヒチン

などの薬剤処理で高頻度で起こすことができる。奇数倍数体

はしばしば稔性が低く,三倍体の種なし西瓜はこの原理によ

る。

多糖

たとう

数個以上の単糖分子が脱水縮合した構造をもつ物質。同一種

類の単糖から構成されるものは,単純多糖,異種のものは複

合多糖という。

単クローン抗体

たんくろーんこう

単一な抗原決定基と反応する一次構造が均一な抗体で,細胞

/モノクローナ

たい/ものくろー

融合で得られるハイブリドーマによって産生される抗体。特

ル抗体

なるこうたい

異性の高いものを選ぶこと,均質な製品を作ること,大量生

産ができることなどの特徴がある。これに対して複数の抗原

決定基と反応するものをポリクローナル抗体という。

単細胞たん白質

たんさいぼうたん

たん白質として利用することを目的として生産された微生物

ぱくしつ/えすし

又はその加工品。酵母,細菌,糸状菌,藻類等の微生物を殺

ーぴー

単純脂質

たんじゅんししつ

菌乾燥したもの又はそのたん白質を加工したもの。

炭素,水素,酵素より構成される脂肪酸とアルコールとのエ

ステル。これらは一般にアセトンに可溶性である。

単純たん白質

たんじゅんたんぱ

くしつ

ポリペプチドのみからなるたん白質。溶解性に基づきアルブ

ミン,グルテリン,プロラミン,ヒストン,プロタミンなど

がある。

担体(輸送物質

たんたい(ゆそう

の)

ぶっしつの)

細胞内,又は細胞間の輸送において生体膜若しくは体液中に

存在する物質の特異的輸送体。

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番号

用語

単糖

ふりがな

たんとう

対応英語

定義

加水分解によってそれ以上簡単な分子にならない糖質で,少

糖及び多糖の構成単位となるもの。炭素数に応じてジオース,

トリオース,テトロース,ペントース,ヘキソース,ヘプト

ースなどと呼ぶ。

たん白質

たんぱくしつ

L-α−アミノ酸からなるポリペプチドが高次構造を形成した

ものを主要成分とする高分子物質。アミノ酸だけから構成さ

れているたん白質を単純たん白質,アミノ酸以外の構成成分

を含むものを複合たん白質という。

沈降反応(免疫

ちんこうはんのう

抗体と可溶性抗原とが特異的に作用して沈降物を作る反応。

反応の)

(めんえきはんの

抗原分子間が抗体で架橋され,順次大きな結合物となって沈

うの)

殿する。

でぃーえぬえー/

デオキシリボースを糖成分とする核酸。DNAは遺伝子の化学

デオキシリボ核

でおきしりぼかく

的本体の一つである。

さん

テロメア/

てろめあ/

直鎖状染色体の末端部分には数塩基(ヒトの場合6塩基)か

テロメア仮説

てろめあかせつ

らなる繰り返し配列が存在し,特有のヘアピン構造をもつ。

この部分をテロメアという。テロメア長が細胞分裂ごとに短

縮し,テロメアの短縮に依存して細胞老化が生じるとする仮

説。

伝達物質

でんたつぶっしつ

シナプス(神経細胞同士又は神経細胞と筋細胞などが互いに

接触して機能的連結を行う場所)において,一方の神経細胞

から分泌されて他方の細胞に興奮性若しくは抑制性の効果を

伝える物質。アセチルコリン,アドレナリン,ドパミンなど

が知られている。

同化作用

どうかさよう

物質代謝において,原料物質の化学的複雑性を増加する合成

的な化学変化。ATPなどの形で蓄えられたエネルギーを利用

して,簡単な前駆体からたん白質,核酸,多糖,脂質などを

合成すること。

糖鎖

とうさ

糖脂質

とうししつ

細胞膜に存在する脂質のうち,糖鎖をもつもの。

糖たん白質

とうたんぱくしつ

ポリペプチドに糖質が共有結合したたん白質。生体を構成す

細胞膜に存在するたん白質や脂質に結合している数種の単

糖,又はその複合体。

るほとんどのたん白質が糖たん白質として存在する。ムチン

や血清糖たん白質が代表例である。

等電点

とうでんてん

たん白質等の両性電解質において,分子の正味の電荷がゼロ

になるpH値。たん白質では等電点の近くで溶解度,安定性

などの特性が大きく変化することが多い。

動物実験代替シ

どうぶつじっけん

医薬品,化粧品,化学物質などの安全性評価に使用される動

ステム

だいたいしすてむ

物実験を代替する実験系。

突然変異(体)

とつぜんへんい

(たい)

遺伝子の塩基配列に変化が生じたためにもたらされる遺伝形

質の変化。変化したものを突然変異体という。

トリソミー/

とりそみー/

三染色体性

さんせんしょくた

異数体の1種で,相同染色体組の他に,どれかの染色体を1

個分余分にもつ個体又は細胞。ヒトではダウン症候群で第21

いせい

番目の染色体がトリソミーになっている。

ドルトン/

どるとん/だると

軽水素の相対原子質量を1とする単位。1ドルトンは1.66×

ダルトン/

ん/げんししつり

10−24(アボガドロ数の逆数)gに相当する。Daで示す。分子

原子質量単位

ょうたんい

量の概念が不適当な染色体,リボソームなどの質量を表す場

合にも用いる。1 atomic mass unit=1 dalton

内分泌攪乱物質

ないぶんぴかくら

環境中に偏在し,微量でホルモンと同じ作用を示すことで生

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

/環境ホルモン

んぶっしつ/かん

体内の内分泌系をかく(攪)乱する作用がある化学物質。ビ

きょうほるもん

スフェノールA,ダイオキシンなどがその例である。

二次構造(たん

にじこうぞう(た

たん白質の立体構造において,ペプチド鎖のC=O基とNH

白質の)

んぱくしつの)

基との間の水素結合によって形成される比較的狭い範囲にみ

られる構造でα−ヘリックスやβシート構造などの規則的構

二重らせん(構

にじゅうらせん

核酸などにおいて2本の分子鎖が塩基対の水素結合で結合

造)

(こうぞう)

し,ねじり合わされている構造。DNAの二重らせん構造が

造。

WatsonとCrickによって発見され,その後の分子生物学の発

展の元になった。

二倍体

にばいたい

生存に必要最小限の種固有な基本的染色体数の2倍に相当す

る染色体数をもつ細胞又は個体。高等生物の体細胞は通常二

倍体であり,減数分裂によって配偶子(半数体)を生じる。

動植物では四倍体になると花や実が大型化することが多い。

認定宿主

にんていしゅくし

組換えDNA実験指針に記載の宿主,Escherichia coli K-12,

Bacillus subtilis Marburg strain, Saccharomyces cerevisiae及び動

物細胞を指す。これらは通常科学技術庁又は文部省に申請せ

ずに当該部署の安全委員会の許可によって組換え実験の宿主

として使用できる。この外13種の微生物についても限定され

たDNA供与体を用いる場合は認定宿主として扱える。

ヌクレオソーム

ぬくれおそーむ

ヌクレオチド

ぬくれおちど

真核生物の染色体の基本構成単位。8個のヒストン分子より

なる粒子を1巻き80塩基対のDNAが2巻きしている。

プリン又はピリミジン塩基,糖,りん酸からなる化合物。リ

ボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドがある。

能動輸送

のうどうゆそう

生体膜における,膜の両側の化学ポテンシャル(イオン輸送

の場合は電気化学ポテンシャル)の勾配に逆らう物質の輸送

機構。

バイオインダス

ばいおいんだすと

トリー

りー

バイオテクノロジーに関連したあらゆる分野の産業。バイオ

テクノロジーに用いられる装置・器具などの周辺産業までも

含めていうことがある。発酵工業,医薬品,化学品,農林水

産畜産業,食品工業,エネルギー,廃棄物処理などを含む。

バイオテクノロ

ばいおてくのろじ

ジー

狭義には遺伝子の組換え技術及びその周辺技術。広義におい

ては,生物又はその機能を利用又は応用する技術。従来の発

酵技術や育種技術に加えて,遺伝子組換え技術,酵素工学技

術,細胞工学技術,発生工学技術,たん白質工学技術などを

含む。

バイオハザード

ばいおはざーど/

/生物災害

せいぶつさいがい

生物実験において起こる可能性のある生物学的災害。遺伝子

操作による異種遺伝子をもつ微生物や細胞による災害が危惧

されているが,本来病原性をもつ,又は生態系に悪影響を及

ぼすウイルスや生物が管理区域から漏れ出して,研究者や地

域住民に危害をもたらすこと。

バイオマス

ばいおます

地球生物圏の物質循環系に組み込まれた生物体又は生物体か

ら派生する有機物の集積。太陽の光エネルギーが植物の光合

成作用によって物質の形に変換され,蓄えられたものが大部

分。目的に合う生物体を有効生産する(新種探索,品種改良)

と利用技術の開発としてエネルギー(アルコールの生産,メ

タン発酵),セルロース,リグニンの有効利用,化学工業原料

の生産などが挙げられる。

バイオミメティ

ばいおみめてぃく

クス/

す/

生物の機能を人為的に模倣する技術。人工酵素,バイオチッ

プ、人工血液,人工臓器,人工骨などがこの分野にはいる。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

生体模倣技術

せいたいもほうぎ

対応英語

定義

じゅつ

架橋法

はしかけほう/

生体触媒などを2個以上の官能基をもつ試薬で共有結合を形

かきょうほう

成させ,不溶化する方法。トルエンジイソシアナート,シア

ニルクロライド,グルタールアルデヒドなどを用いて酵素と

担体を直接結合させる。

発生工学

はっせいこうがく

半数体

はんすうたい

発生初期段階のはい(胚)に核移植,外来遺伝子導入など人

為的操作を加え,個体発生や生命現象の解析を行うこと。

生物の生存に必要最小限の,種に固有な基本的染色体数をも

つ細胞又は個体。単為生殖をする生物では半数体が多い。

半数致死量/

はんすうちしりょ

う/

化学物質を投与した生物の半数が死亡すると推定される量。

生物種及び投与経路を必ず付記。化学物質の急性毒性の指標。

えるでぃーふぃふ

てぃー

ビタミン

びたみん

動物体内で生合成できないが,生物が正常な代謝を保持し成

長していくのに必要な有機化合物の一群。ユビキノン,リポ

酸,オロット酸等のように細胞で合成できるビタミン様作用

物質も含まれる。

必須アミノ酸

ひっすあみのさん

動物の生育や窒素平衡を維持するうえに不可欠なアミノ酸。

動物の種類・性別・年齢によってその種類が異なる。ヒトの

場合は,Val,lle,Leu,Thr,Lys,Met,Phe,Trp(いずれも

L型)の8種である。

必須脂肪酸

ひっすしぼうさん

人体内で合成できないため,食事又は静脈栄養法などで摂取

しなければならない脂肪酸。リノール酸,γ−リノレイン酸,

アラキドン酸を指す。これらはプロスタグランジンの前駆体。

ヒト化抗体

ひとかこうたい

マウスの抗原結合部位 (CDR) の遺伝子配列だけをヒト抗体

遺伝子に移植したヒト様抗体。マウスの抗体部分が少ないた

め,ヒトへの投与により適している。

V領域/可変部

ぶいりょういき/

/可変領域

かへんぶ/

免疫グロブリンのH及びL鎖のうち,抗原に結合する部位で,

抗原の種類に応じて様々に変化する。

かへんりょういき

封入体

ふうにゅうたい

細胞内に蓄積された物質が特有の形態をもって存在する場

合,これを封入体という。遺伝子組換え体において,合成さ

れた異種たん白質が,大量に生産された場合にも封入体を形

成する。

複合脂質

ふくごうししつ

複合たん白質

ふくごうたんぱく

ポリペプチド以外に他の有機物質や無機物質を含むたん白

しつ

質。糖たん白質,リポたん白質,金属たん白質などがある。

複合糖質/

ふくごうとうしつ

糖質にポリペプチド又は脂質が共有結合した化合物。細胞表

複合多糖

/ふくごうたとう

面で,各種の抗原決定基群を形成したり,細胞間相互作用,

レセプター,細胞骨格物質などとして重要な役割を果たして

いる。

単純脂質にりん酸や塩基などを含む脂質群。したがって親水

性部分と疎水性部分からなり,一般的にアセトンに難溶。

復帰突然変異

不飽和脂肪酸

ふっきとつぜんへ

んい

突然変異体を再び親株又はそれに近い表現型に戻す突然変

異。

ふほうわしぼうさ

二重結合又は三重結合を含む脂肪酸の総称。魚類,植物など

に多く含まれる。劣化されやすく保存に問題があるが,この

ふらくとおりごと

中には必す(須)脂肪酸が含まれる。

フラクトオリゴ

庶糖分子の果糖残基にさらに果糖残基が2〜4分子結合した

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

フロイントアジ

ふろいんとあじゅ

ユバント

ばんと

定義

糖。腸内のビフィズス菌の増殖を促進する。また虫歯の原因

になりにくいなどの特徴がある。

流動パラフィンと表面活性剤を混ぜたもので,これに結核菌

死菌体を混ぜたものを完全フロイントアジュバント,加えな

いものを不完全フロイントアジュバントという。前者は細胞

性免疫を,後者は抗体産生を増強させるために用いる。

プロスタグラン

ぷろすたぐらんじ

ジン

エイコサポリエン酸から動物組織で合成される生理活性物

質。プロスタン酸を基本構造とし,五員環部分につく酸素原

子と二重結合の違い,側鎖の二重結合の数によって分類され

る。血圧降下,気管支拡張,子宮収縮,血小板凝集抑制,脂

肪酸遊離抑制などの作用がある。

分配係数

分泌たん白質

ぶんぱいけいすう

ぶんぴつたんぱく

互いに溶け合わない2種類の液体が共存し,ここに溶質が溶

解し平衡に達しているときの二つの液体中の溶質の濃度比は

一定温度で一定である。この比を分配係数という。

細胞内で合成され細胞膜外へ分泌されるたん白質。多くの場

しつ

合そのたん白質のN末端側に疎水性アミノ酸に富むシグナル

配列を含む前駆体として生合成され,細胞膜通過の際シグナ

ル配列は切断され,成熟型として分泌される。

ペプチド

ぺぷちど

ペプチドグリカ

ぺぷちどぐりかん

ぺぷちどけつごう

ペプチド結合を含む化合物。狭義にはアミノ酸残基数が100

以下位のものをいう。

ペプチド結合

糖鎖にペプチド鎖が結合した化合物。メタン菌のような始原

細菌などを除く,多くの原核生物の細胞壁成分である。

2個のアミノ酸分子の間で,一方のカルボキシル基と他方の

アミノ基が脱水的に縮合することによって生じるアミド結

合。共鳴があるため,ほぼ平面構造をもつ。

変異原

へんいげん

突然変異を誘発する物理的又は化学的作用原。アルキル化剤,

アクリジン色素,γ線などがある。またトランスポゾンを挿入

する生物学的方法もある。

変性(たん白質

へんせい(たんぱ

高次構造が熱,化学薬品などで破壊されて物性が変化するこ

の,DNAの)

くしつの,でぃー

と。物性の変化は溶解度の減少,結晶性の喪失,生物活性の

えぬえーの)

喪失又は低下がその典型。変性たん白質のゲル濾過や電気泳

動は分子量の決定に用いられる。(→リホールディング)

包接

ほうせつ

一つの原子又は分子の集合体の中に形成された空間中に特定

の化合物が決まった比率で存在する状態。シクロデキストリ

ン,クラウンエーテルなどが包接化合物の代表である。

飽和脂肪酸

ほうわしぼうさん

脂肪酸のうち脂肪族鎖が飽和のものを指す。分枝鎖を含む場

合は分枝脂肪酸,水酸基を含む場合はヒドロキシ脂肪酸と呼

ぶ。種子油,動物脂質中に多い。

補体

ほたい

感染,炎症反応,免疫反応などに動員されて,種々の生物学

的活性を発現する体液(主として血清)成分の総称。少なく

とも13個のたん白質が関与している。

ホメオボックス

ほめおぼっくす

ショウジョウバエのホメオティック遺伝子(体節における器

官形成に関与する遺伝子)の3領域に見つけられた約180塩

基からなる共通配列。ショウジョウバエからヒトまでに同様

の配列が見つけられ,これを含む遺伝子は発生過程を制御し

ていると考えられている。

ポリエチレング

ぽりえちれんぐり

エチレングリコールが重合したポリマー。細胞融合を促進す

リコール

こーる

る物質として利用されている。融合させる種によって好適な

分子量に違いがある。

ポリヌクレオチ

ぽりぬくれおちど

ヌクレオチドが30個程度以上重合したポリマー。

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15

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

ポリペプチド

ぽりぺぷちど

アミノ酸残基が30個程度以上結合したポリマー。たん白質と

の区別は必ずしも明確でないが,最近は高次元構造をもつポ

リペプチドをたん白質と呼ぶ傾向にある。

ホルモン

ほるもん

生物の代謝又は活動作用を微量で調節する生物体内で合成さ

れる有機物の総称。特定の細胞が内外からの情報に応じて生

産・分泌し,体液を介して標的細胞に運ばれ,細胞膜のレセ

プターに結合して第2メッセンジャーの生産調節に関与する

もの,又は,細胞内若しくは核内のレセプターと結合して作

用するものがある。

マーカーレスキ

まーかーれすきゅ

ュウ

ミスセンス変異

みすせんすへんい

2種類の不完全ウイルスがそれらのゲノム同士の組換え又は

再配列によって完全な感染性のあるウイルス粒子が回収され

る現象。

突然変異によってコドンが変化して別のアミノ酸が取り込ま

れるような変異。アミノ酸が一つ置き代わるだけの変異なの

で一般に検出は難しいので,条件致死変異として検出する。

無菌状態

むきんじょうたい

メディエーター

めでぃえーたー

受容体とホルモンの結合によって発生した信号を伝達する物

質。細胞内メディエーター又はメッセンジャーとも呼ぶ。

微生物がいない状態。殺菌・除菌によって達成できる。狭義

には病原菌のいない状態を指す。

cAMP,Ca2+などがある。

免疫

めんえき

生体の内部環境に外来性又は内因性の異物が存在したとき,

それを排除しようとする機構。生物体が自己と非自己を識別

して,非自己を排除する機構である。細胞性と体液性の二つ

がある。

免疫グロブリン

めんえきぐろぶり

抗体及びこれと構造上・機能上の関連性のあるたん白質の総

称。イムノグロブリン (Ig) ともよばれ,IgG,IgM,IgA,IgE,

IgDのクラスに分類される。

モノカイン

ものかいん

サイトカインの1種で,マクロファージが産生する生物学的

活性をもった可溶性因子。インターロイキン−1,TNF,顆粒

球・マクロファージコロニー刺激因子 (GM-CSF) などがその

例。

ラジカル捕捉剤

らじかるほそくざ

短寿命のフリーラジカルと付加反応を起こし,不対電子が共

鳴安定化され,比較的長寿命のフリーラジカルになるような

不飽和結合をもつ反磁性化合物。ESRによるフリーラジカル

の解析に使用される。

ラセミ化

らせみか

熱・光又は酸・塩基などの作用で,光学活性物質の一部がそ

の対掌体に変化することによって施光度を減少,又は,全く

失う光学不活化。

リボソーム

りぼそーむ

たん白質とRNAからなるたん白質の合成の場となる細胞質

内の顆粒。原核細胞では,沈降係数70Sの粒子で,50Sと30S

のサブユニットから成る。真核細胞では,80Sの粒子で,60S

と40Sのサブユニットからなる。

リポたん白質

りぽたんぱくしつ

脂質とたん白質の複合体の総称。広義には構造リポたん白質

(細胞膜,ミトコンドリア膜など)と可溶性リポたん白質(血

しょうリポたん白質,ミルクリポたん白質など)にわけられ

る。狭義には形態的に一定で,かつ一定の構成成分比をもつ

可溶性蛋リポたん白質をいう。

リンフォカイン

りんふぉかいん

サイトカインの1種で,リンパ球が活性化されて放出する

種々の生物学的活性をもった可溶性因子の総称。マクロファ

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

ージ,リンパ球,好中球それぞれに作用するものが知られて

いる。インターロイキン−2,−3,−4,インターフェロン−

γなどがその例。

レクチン

れくちん

自然界に広く分布する糖たん白質で,特異的な糖鎖構造を認

識し,結合するたん白質の総称。ただし,免疫学的産物を除

く。赤血球の血液型特異的凝集,ある種のガン細胞の特異的

凝集,リンパ球の分裂促進,細胞毒性などを示す。

連鎖(遺伝子の)

れんさ(いでんし

の)

同一染色体上の遺伝子群の結合。隣接する二つの遺伝子の間

にはスペーサーがあり,完全な連鎖はまれであり,組換えが

ある頻度で起こる。

ロイコトリエン

ろいことりえん/

えるてぃ

ワクチン

わくちん

分子中に三つの共役2重結合をもつ一群の化合物で,プロス

タグラニジンと同じ経路によって合成される。

ある種の伝染病の予防又は治療のために使用される能動免疫

源の諸形態の総称。病原性を弱めた弱毒生ワクチン,病原体

を不活化した不活化ワクチンと病原体を含まず免疫を得るた

めに必要な成分からなるコンポーネントワクチンがある。

b) 酵素,たん白質

番号

用語

ふりがな

アイソザイム/

あいそざいむ/

イソ酵素

いそこうそ

アポ酵素

あぽこうそ

対応英語

定義

同じ個体にあって,同じ反応を触媒する酵素群で,物理化学

的に異なる性質(例えば,電気泳動の移動度)を示すたん白

質分子。

補酵素をもつ酵素(ホロ酵素)のたん白質部分。一般に酵素

分子をアポの状態にしたときには,本来もっていた活性は失

われる。

アルカリホスフ

あるかりほすふぁ

最適pHをアルカリ側にもち,ほとんどすべてのりん酸モノ

ァターゼ

たーぜ

エステル結合をほぼ同じ速度で分解する特異性の広い酵素

異性化酵素/

いせいかこうそ/

イソメラーゼ

いそめらーぜ

エキソペプチダ

えきそぺぷちだー

ーゼ

分子内の位置的又は構造的転換反応を触媒する酵素 (EC5.

ペプチド鎖を末端残基から順次分解して,アミノ酸を遊離す

るプロテアーゼ。ジペプチドを遊離するものも含まれる。N

末端から作用するものとして,アミノペプチダーゼ,ジペプ

チジルペプチダーゼなど,C末端から作用するものとしてカ

ルボキシペプチダーゼなどがある (EC3.4.□.□)。

S1ヌクレアーゼ

えすわんぬくれあ

Aspergillus oryzae由来の核酸分解酵素で,一本鎖核酸に特異

ーぜ

的で,DNA,RNAの区別はできない (EC3.1.30.1)。

エンドヌクレア

えんどぬくれあー

ーゼ

ポリヌクレオチド鎖の内部を切断する酵素。SIヌクレアーゼ,

制限酵素はこの酵素群の1種。様々の特異性を示すものが知

られていて核酸の解析,遺伝子操作などに利用されている

エンドペプチダ

えんどぺぷちだー

ーゼ

ペプチド結合鎖を内部側のペプチド結合で分解するプロテア

ーゼ。セリンプロテアーゼ,チオールプロテアーゼ,カルボ

キルプロテアーゼ,メタルプロテアーゼなどがある (EC3.4.

加水分解酵素

かすいぶんかいこ

うそ

エステル結合,ペプチド結合,グルコシル結合などの加水分

解を触媒する酵素 (EC3.□.□.□)。

活性中心(酵素

かっせいちゅうし

酵素分子上の触媒機能を発揮する部位。活性部位ともいう。

の)

ん(こうその)

一般に分子表面に存在する明瞭な割れ目又はくぼみ構造部分

に活性中心が存在し,補酵素や補欠分子若しくは金属などが

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

含まれることもあるが,少数のアミノ酸残基が特異的空間配

置をとっている。

活性半減期(酵

かっせいはんげん

酵素活性が最初の値の半分に減少するのに要する時間。工業

素の)

き(こうその)

用酵素の重要な指標の一つ。

基質

きしつ

(1)酵素の作用を受けて化学的変化を受ける物質。

(2)代謝の出発物質。

基質阻害

基質特異性

きしつそがい

きしつとくいせい

高濃度の基質によって,酵素の反応速度又は細胞などの代謝

速度が減少すること。

ある酵素が特定の基質にだけ作用し,特定の化学反応の触媒

作用を示すこと。特異性は基質分子が酵素分子の活性部位に

近接するとともに,活性部位の立体構造に変動を生じて,基

質と相補的な複合体形成をすると考えられている。

競争阻害/

きょうそうそがい

阻害剤が酵素分子の基質結合部位と同じ部位に結合すること

拮抗阻害

/きっこうそがい

によってもたらされる酵素反応速度の低下。阻害剤の分子構

菌体外酵素

きんたいがいこう

微生物の細胞外に分泌される酵素。細胞内でシグナルペプチ

ドのついたプレたん白質として合成され,合成の途中から膜

造は基質のそれと類似している。

を通過しはじめ,膜内にあるシグナルペプチダーゼ (signal

peptidase) によってシグナル部位が除かれる。

菌体内酵素

酵素

きんたいないこう

こうそ

微生物の細胞外に分泌されず,細胞内に存在する酵素。

選択的な触媒作用をもつたん白質などの生体高分子物質。多

くは単体で細胞内外で作用するが,複数個の酵素が複合体を

形成して触媒作用を行うものもある。

酵素前駆体

酵素阻害剤

こうそぜんくたい

こうそそがいざい

他の酵素又は自己の活性酵素作用によって,活性型に転換さ

れる酵素の母体。活性化にはプロテアーゼによって限定分解

やホスホリラーゼによるりん酸化などがある。さらにその前

駆体をpre-pro-enzymeという。

酵素の反応速度を低下させる物質。種々の外来物質や基質ア

ナログなどが阻害剤として用いられる。

酵素命名法

こうそめいめいほ

国際生化学連合 (IUB) 及び国際純正応用化学連合 (IUPAC)

の酵素命名委員会が定めた酵素の命名に関する規則。酵素を

反応の種類によって6種に分類し,それぞれ酵素番号,推奨

名と系統名が決められている。

抗体酵素

こうたいこうそ

国際単位(酵素

こくさいたんい

国際生化学連合の酵素委員会で勧告された酵素活性を表す単

活性の)

(こうそかっせい

位。1ユニット (U) は1分間に1マイクロモルの基質を変換

抗原又はその類似化合物に対する反応に触媒作用をもつよう

にした抗体。

の)

する活性量。1カタール (kat) は1秒間に1モルの基質を変

換する活性量。

固定化酵素

こていかこうそ

1)不溶性担体に酵素を共有結合,イオン結合,吸着などによ

って結合させる,2)酵素を互いに架橋させる,3)高分子の

網目構造の内部に酵素を包括するなどの方法によって不溶化

した酵素のこと。固定化したことの利点は,安定性の増加,

酵素の再利用と反応の連続化,反応生成物の純度と収率の向

上があげられる。

最大速度

さいだいそくど

酵素反応において,基質が過剰に存在する場合に与える反応

速度。ときには基質阻害を起こす酵素もあるので,最大速度

を求めるときには注意が必要である。Vmaxと略記。

細胞壁溶解酵素

さいぼうへきよう

細胞壁を溶解してプロトプラストを作る酵素。リゾチーム,

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K 3600 : 2000

番号

用語

酸化還元酵素

ふりがな

対応英語

定義

かいこうそ

セルラーゼ,ペリケナーゼなどがある。

さんかかんげんこ

酸化還元反応を触媒する酵素 (EC 1.□.□.□)。

うそ

三次構造(たん

さんじこうぞう

ポリペプチド鎖のアミノ酸配列において,互いに離れたアミ

白質の)

(たんぱくしつ

ノ酸残基同士の水素結合,ジスルフィド結合などによって二

の)

次構造が折りたたまれた立体構造。三次構造の安定化は側鎖

間の相互作用によるもので,なかでも疎水結合が最も大きく

寄与する。ドメインがその具体例。

酸素移動容量係

さんそいどうよう

酸素吸収液(又は培養液)単位体積当たりの気(相)液(相)

りょうけいすう

間の酸素移動速度に関する係数。移動係数KLと接触面積a

とで表現されるが,区別して測定することは困難なので,全

体 (KLa) として測定される。通気かくはん槽の場合通気量と

かくはん力によって変化する。

残存活性

ざんぞんかっせい

失活

しっかつ

各種処理を施した後に,その処理によって,失活せずに残っ

た酵素活性。

酵素が熱・酸などによってたん白質が高次構造をが破壊され,

酵素活性を失うこと。

シャペロン/

しゃぺろん/ぶん

たん白質が機能を発現する立体構造の構築を助け,その最終

分子シャペロン

ししゃぺろん

構築物内には残らないたん白質。たん白質質の合成直後,膜

透過時,高温などストレス環境下で働く。

修飾酵素(DNA

しゅうしょくこう

DNA上の特定の配列を認識して,特定の塩基(アデニン,シ

の)

そ(でぃーえぬえ

トシンなど)をそのコーディングを変えることなく修飾する

ーの)

酵素。一般にメチル化が行われる。

受容体/

じゅようたい/

(1)外来性の化学的又は物理的刺激を認識して,細胞に応答を

レセプター

れせぷたー

誘起するたん白質複合体。認識部位は酵素の活性中心のよう

初速度

しょそくど

人工酵素

じんこうこうそ

酵素機能をもつ人工触媒。生体機能の模倣技術の一つで,天

然酵素のもつ基質特異性,反応特性,高効率性を備えること

が重要。広義には天然酵素を修飾した物も含まれる。

酵素の反応生成物が,その酵素が関与する反応速度を減少さ

に特異な立体構造をとっている。(2)遺伝子移行の受取り側。

反応時間を零に外挿した時点での反応速度であり,反応が定

常状態になったときの反応速度と通常等しい。

生産物阻害

せいさんぶつそが

せること。反応産物の酵素への親和性が強いとき,反応産物

が酵素から離れず,基質の酵素への結合を阻害する。

生体触媒

せいたいしょくば

反応を触媒する機能をもつ生体又は生体由来のもの。

ターミナルトラ

たーみなるとらん

1本鎖DNA又は3ʼ末端が1本鎖として突出している2本鎖

ンスフェラーゼ

すふぇらーぜ/

DNAの3ʼ末端ヌクレオシドの3ʼOH基にヌクレオチドを一つ

/末端転移酵素

まったんてんいこ

一つ添加していく反応を触媒する酵素。突出末端を付加する

うそ

ために重要 (EC2.7.7.31)。

多機能酵素

たきのうこうそ

脱共役剤/除共

だつきょうやくざ

役剤

い/じょきょう

化だけを阻害する化合物。CCCP(カルボニルシアニドm-ク

やくざい

ロロフェニルヒドラゾン)やDNP(2, 4-ジニトロフェノール)

2種以上の反応特異性を示す酵素。

酸化的りん酸化反応において,酵素呼吸を阻害せずにりん酸

などがその例である。

Taqポリメラー

たっくぽりめらー

耐熱性DNA合成酵素の一つで,Thermus aquaticusから精製さ

治療用酵素

ちりょうようこう

遺伝疾患による酵素の欠損を補う治療薬として用いられる酵

素又はその製剤。

れた。PCRに使用される (EC2.7.7.□)。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

DNAポリメラ

でぃーえぬえーぽ

デオキシヌクレオチド三りん酸を基質として鋳型DNAの塩

ーゼ/DNA合

りめらーぜ/でぃ

成酵素

ーえぬえーごうせ

基配列に相補的DNA鎖の合成を触媒する酵素 (EC2.7.7.7)。

いこうそ

テロメラーゼ

てろめらーぜ

すべての自己複製能をもつ線状染色体に必要な末端構造物で

あるテロメアの繰返し配列の合成に関与する酵素。正常体細

胞では発現していないが,多くのガン細胞では発現しており,

細胞不死化に関係する(→テロメア)。

転移酵素

てんいこうそ

供与体から受容体に,メチル基やグルコシル基などを含む基

を転移する酵素 (EC2.□.□.□)。

ドメイン(たん

どめいん(たんぱ

白質の)

くしつの)

比活性

ひかっせい

生体高分子特にたん白質の構造上又は機能上のまとまりをも

つ領域。

単位重量の酵素分子あたりの活性。酵素1mg当たりの酵素活

性の単位で与えられる。各酵素に固有の値であり,精製の過

程で,純度の指標としても用いられる。

非きっ抗阻害/

ひきっこうそがい

阻害剤が酵素分子の基質結合部位と異なる部位に結合するこ

非競争阻害

/ひきょうそうそ

とによってもたらされる酵素反応速度の低下。

がい

フィードバック

ふぃーどばっくそ

生合成又は代謝経路の最終産物が,その経路の初段階又は途

阻害

がい

中の酵素反応を阻害する現象。最終産物は酵素の制御部位を

変化させるように働いて作用を表す。

不拮抗阻害/

ふきっこうそがい

阻害剤が遊離の酵素と結合せず,酵素一基質複合体と結合し

反競争阻害

/はんきょうそう

て不活性な複合体を形成することによって起こる阻害。

そがい

プロテアーゼ/

ぷろてあーぜ/

たん白質を加水分解する酵素。その生理的意義には,栄養素

プロティナーゼ

ぷろてぃなーぜ/

としてのたん白質をアミノ酸に消化する,使用済みの酵素を

/たん白質分解

たんぱくしつぶん

分解する,不活性な前駆体を活性化する,などがある (EC3.3.

酵素

かいこうそ

プロテインエン

ぷろていんえんじ

自然界にあるたん白質の構造と機能の関係を解明し,目的に

ジニアリング/

にありんぐ/

かなったたん白質を設計して新しいたん白質を創り出す技

たん白質工学

たんぱくしつこう

術。

がく

プロテインホー

ぷろていんほーる

ルディング

でぃんぐ

ポリペプチドが折りたたまれて高次構造をとること。オリゴ

マー酵素では異種のサブユニットが四次の構造をとることも

含める。

プロテインリホ

ぷろていんりほー

変性したたん白質からもとの高次構造を回復し,再びもとの

ールディング/

るでぃんぐ/

生物活性等をもつたん白質を得ること。尿素,塩酸グアニジ

たん白質の再生

たんぱくしつのさ

ンなどの変性剤を除去又は希釈して,25〜30℃でゆっくりと

いせい

行う。オリゴマー酵素の場合異種のサブユニットが正しく会

合して元の構造を復元すること。

分子活性

ぶんしかっせい

酵素1分子が単位時間に変換する(反応励起する)基質分子

数。古くは代謝回転数,ターンオーバー数 (turnover number)

ともよばれた。

分子設計

ぶんしせっけい

コンピューターグラフィックスなどを活用して分子の構造活

性相関を解明し,新しい分子を設計すること。低分子の薬剤

の開発やたん白質の設計に応用されている。

βシート/

べーたーしーと/

βプリーツ

べーたーぷりーつ

たん白質やポリペプチドがもつ二重構造の一つで,ひだ状の

構造のこと。βプリーツ (pleats) とも呼ばれる。Val,Ile,Thr,

Phe,Tyr,Trpはβシートを形成しやすい。

補欠分子族/補

ほけつぶんしぞく

酵素において活性発現に不可欠なアミノ酸以外の成分で,た

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20

K 3600 : 2000

番号

用語

因子

ふりがな

対応英語

/ほいんし

定義

ん白質と比較的強く結合(共有結合及び非共有結合)してい

る因子,チトクロームCのヘムやアセチルCoAカルボキシラ

ーゼのビオチンなどがその例である。

補酵素

ほこうそ

ミカエリス定数

みかえりすていす

酵素反応における酵素基質複合体形成の平衡定数。初速度が

/ミハエリス定

う/みはえりすて

最大速度Vmaxの1/2になるときの基質濃度と定義され,酵素

数/Km/KM

いすう/けーえむ

ホロ酵素を構成する部分のうちの補欠分子部。S−アデノシル

メチオニン,テトラヒドロ葉酸,CoAなどがその例である。

と基質との親和性を表す。

/けーえむ

誘導酵素

ゆうどうこうそ

特定の物質によって細胞内での合成を促進される酵素。基質

(特定の物質)の存在しない状態では発現が抑制されていた

遺伝子が,特定の物質の存在によって抑制が解除されて,細

胞内の酵素合成速度が促進される。

四次構造(たん

よじこうぞう(た

三次構造をもつ複数のポリペプチド鎖が非共有結合で会合し

白質の)

んぱくしつの)

て,一つの機能をもったたん白質分子を形成する立体構造。

ラセミ化酵素/

らせみかこうそ/

D異性体又はL異性体のいずれかを基質として,ラセミ体を

ラセマーゼ

らせまーぜ

リアーゼ

りあーぜ

リガーゼ/

りがーぜ/

合成酵素

ごうせいこうそ

リガンド

りがんど

生じる反応を触媒する酵素 (EC5.1.□.□.)。

基質から一基質反応によってある基を脱離させ,二重結合を

残す反応又はその逆反応を触媒する酵素 (EC4.□.□.□)。

ATPその他のピロりん酸結合の開裂と共役して,二つの分子

を結び付ける酵素 (EC.6.□.□.□)。

たん白質と特異的に結合する物質の総称。酵素に結合する基

質,調節因子,補酵素や細胞膜上に存在するレセプターと結

合するレクチン,ホルモンなどを指す。アフィニティクロマ

トグラフィーにおいて特異的吸着をさせるために支持体につ

ける化合物もリガンドと呼ぶ。

c) 微生物,微生物工学

番号

用語

ふりがな

アグロバクテリ

あぐろばくてりう

ウム

対応英語

定義

土壌中のグラム陰性好気性かん菌。Agrobacterium tumefaciens

は植物に感染して腫瘍(Crown gall,クラウンゴール)を作る。

この菌のTiプラスミドの一部は植物染色体に組み込まれるの

で,植物遺伝子操作の重要なベクターである。一方,A.

rhizogenesのRiプラスミド (root inducing plasmid) は感染した

植物に毛状根を形成させるほかベクターとしても利用でき

る。

アナログ耐性変

あなろぐたいせい

正常な代謝産物と同様の制御作用を示すが,栄養源とならず

異株

へんいかぶ

生育阻害作用を示す物質に対して抵抗性を示す変異株。生合

成酵素系の調節機構が脱感作されたことを利用して工業微生

物の改良にも応用される。

ウイルス

ういるす

ウイロイド

ういろいど

独立に増殖できず,宿主細胞内でだけ複製,増殖が可能な

DNA又はRNAを含む細胞より小さな伝染性病原体の総称。

コートたん白質をもたないむき出しの環状RNAからなるウ

イルス様物質。高等植物のウイロイド感染症が知られている。

栄養要求性変異

えいようようきゅ

野生株には必要でない栄養素を生育のために必要とする突然

うせいへんいかぶ

変異株。原栄養株 (prototroph) に対する言葉。生合成経路の

一部が遮断されたため栄養要求性になることを利用して,ア

ミノ酸,有機酸などを工業的に生産するためにも応用されて

いる。

温度感受性変異

おんどかんじゅせ

ある一定の温度では野生株と同様に生育するが,その温度を

いへんいかぶ

超えるか下がるかすると,野生株と違った性質を示す変異株

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21

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

の総称。条件致死変異株なので生体にとって不可欠な遺伝子

の研究に利用できる。

菌株

きんかぶ

安定で均一な遺伝形質を持つ微生物群。

菌根

きんこん

植物の根に真菌類が共生しているものを指す。マツタケはア

クローニング

くろーにんぐ

カマツに菌根を形成しなければきのこ(子実体)を生じない。

(1)異なる遺伝子型をもつ混合集団から,特定の遺伝子型をも

つ均一の細胞又は個体群を作り出すこと。

(2)不特定多数のDNA断片をベクターに挿入した組換え体

DNAを宿主に導入して得られたコロニー又はプラークから

目的のDNA断片をもつものを検出し,そのDNAを単離する

こと。

原栄養株

げんえいようかぶ

野生株の要求する栄養素以外の物を生育のために必要としな

い株。変異株であっても栄養要求性に変化の無いものは原栄

養株である。

原核生物

げんかくせいぶつ

核膜がなく,染色体構造の認められないほとんど裸のDNA

分子からなり,有糸分裂を行わない核様体をもつ細胞で構成

される生物。藍藻類と細胞がこれに属する。

嫌気(性)細菌

けんき(せい)さ

いきん

酸素の存在の下では生存が困難,又は不可能な細胞。酸素の

存在下では生育できないものを偏性嫌気性細胞 (obligate

anaerobe),酸素の存在下でも生育できるものは通性嫌気性細

胞 (facultative anaerobe) と呼ぶ。

好アルカリ性菌

こうあるかりせい

pH9-10又はそれ以上に最適生育領域をもつ細菌。好アルカリ

きん

性菌の菌体外酵素は高アルカリ性領域に最適pHをもってい

るが,菌体内酵素は中性ないし微アルカリ性に最適pHをも

つものが多い。

好塩菌

こうえんきん

約1.2%又はそれ以上の食塩濃度の培地が発育に好適な細菌。

高塩濃度でも生育できるが,最適濃度が低いものは耐塩性菌

と呼ぶ。食中毒の起因菌が含まれる。

好気性(細)菌

こうきせい(さい)

酸素のない状態では生存が困難又は不可能な細菌。酸素がな

きん

いと全く生育できないものは偏性好気性細菌 (obligate

aerobe) と呼び,酸素分圧が0.2気圧よりも低い条件でよく生

育するものは微好気性細菌と呼ぶ。

好熱菌/高温菌

こうねつきん/

45℃以上で生育し,30℃以下では生育しない細菌。75℃以上

こうおんきん

でも生育できるものは高度高熱菌とよび,それ以下のものは

中等度高熱菌と呼ぶ。又常温でも生育できるものは通性好熱

菌と,高温でだけ生育できるものを偏性好熱菌と呼ぶことも

ある(参考 好中温性30〜40℃)。

酵母

こうぼ

生活環の大部分が単細胞であり,主として出芽によって増殖

する真菌類の総称。古来より酒,醤油など発酵醸造に広く用

いられている。

好冷菌

こうれいきん

発育増殖の上限温度が約20℃である細菌群。耐寒性とは区別

する。

枯草菌

こそうきん

胞子を形成する好気性のグラム陽性かん菌で,バチルス属細

菌の一種。人や動物に病原性がなく,比較的容易に形質転換

することから,特にMarburg株は遺伝子操作の宿主として大

腸菌,酵母などとともに重要である。類縁菌のBacillus natto,

Bacillus amyloliquefaciensは,工業微生物として重要である。

根粒菌

こんりゅうきん

マメ科植物の根に侵入して,共生型の根粒を形成する好気性

細菌。比較的高い宿主特異性を示し,窒素固定能をもってい

る。Rhizobium属のに属するグラム陰性細菌である。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

22

K 3600 : 2000

番号

用語

細菌

ふりがな

さいきん

対応英語

定義

原核微生物の内,藍藻と放線菌を除いた微生物群。その多く

は単細胞で,増殖は一般に二分裂によるが,発芽,不均等な

分裂などをするものもある。

最小阻止濃度/

さいしょうそしの

微生物に対する抗菌性物質の感受性試験において,微生物の

うど/えむあいし

発育を阻止し得る抗菌性物質の最小濃度。抗菌性物質の特性

指標として重要。

始原菌/古細菌

しげんきん/こさ

リボゾームの小サブユニットRNAの塩基配列に基づく生物

いきん

の分類で真核生物,真正細菌と並ぶ微生物群であり,メタン

細菌,好塩菌,超好熱菌などが含まれる。細胞膜がエーテル

脂質からなり,イントロンをもつなど真正細菌より真核生物

に近い性質をもつ。

指標(菌)株

従属栄養細菌

しひょう(きん)

(1)力価の定量などの標準となる(菌)株

かぶ

(2)食品若しくは環境における汚染の程度の指標となる菌株。

例えば,水質汚染の指標菌として大腸菌がある。

じゅうぞくえいよ

細胞に必要な栄養素を一部しか合成できない細菌。光化学反

うさいきん

応を利用してエネルギーを得る緑色非硫黄細菌などの光従属

栄養細菌と化学的暗反応を利用してエネルギーを得るその他

の大部分の細菌が属する化学従属栄養細菌(有機栄養細菌)

に分けられる。

腫瘍ウイルス/

しゅようういるす

オンコウイルス

/おんこういるす

造腫瘍性のウイルス。DNAをもつものとして,SV40,

papilloma virus, polyoma virus, adenovirusなどがある。RNAを

もつものとしてオンコウイルスと呼ぶものがあり,oncovirus,

(HTLV−I) などがある。

真菌

しんきん

細菌を除く,粘菌・カビ・酵母などの真核微生物。分化した

細菌小器官と典型的な核をもつ大型の細胞からなる点で原核

生物である細菌と異なり,細胞壁構成多糖と光合成できない

点で藻類と異なり,細胞壁を欠く点で原虫と異なる。

水素細菌

すいそさいきん

水素と酸素との反応エネルギーを利用して生育できる細菌。

耐性菌/

たいせいきん/

生存に不利な環境条件,薬剤作用,ファージ感染などに耐性

抵抗性菌

ていこうせいきん

を示す微生物。ファージ耐性やある種の薬剤耐性等の性質に

大腸菌

だいちょうきん

よっては工業的に有用なものもある。

ヒトを含めて,ほ乳類などの結腸を主な寄生場所とする細菌。

通性嫌気性グラム陰性かん菌。K12株は,寄生性,定着性,

病原性がないので遺伝子操作の宿主として広く用いられてい

る。既にヒトインシュリン,インターフェロンなどがK12の

組換え株を用いて工業生産されている。

独立栄養細菌

どくりつえいよう

細菌内のすべての有機代謝物質を無機物から合成できる細

さいきん

菌。細胞のもつ光化学反応系でエネルギーを得て,炭酸同化

に利用するものを光独立栄養細菌,化学的暗反応を利用して

エネルギーを得るものを化学独立栄養細菌という。

粘菌類/

ねんきんるい/

変形菌類

へんけいきんるい

変形体といわれるアメーバ状の栄養体は組織を形成せず裸出

した原形質からなり多数の核を含み,塊状,樹枝状など不規

則な形状をなす菌類。

微生物

氷核細菌

びせいぶつ

藻類,酵母,カビ,細菌,リケッチア,ウイルスなどに対す

る便宜的な総称。原虫なども微生物に含まれる。

ひょうかくさいき

葉の表面で,霜の核となるたん白質を細胞表面にもつ霜害の

原因になる細菌。その一つ,Pseudomonas syringaeの氷核遺伝

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

子が単離され,また,この遺伝子を除いた組換え体は最初の

野外実験計画として有名。一方氷核形成能のない天然変異株

は霜害防止剤として,形成能のあるものは人工雪増量剤とし

て市販されている。

(バクテリオ)

(ばくてりお)ふ

ファージ

ぁーじ

細菌に感染して増殖するウイルス。遺伝子操作においてベク

ターとしても利用されている。RNA及びDNAファージがあ

る。

不完全ウイルス

ふかんぜんういる

/欠陥ウイルス

す/けっかんうい

増殖能がなく,かつ,もとの完全ウイルスの増殖を阻害(干

渉)するウイルス。

るす

ヘルパーウイル

へるぱーういるす

増殖能を欠いた不完全なウイルスの存続を助けるウイルスの

総称。トリやネズミの肉腫ウイルスにたいする白血病ウイル

ス,サルの細菌でのヒトアデノウイルスの増殖を助けるSV40

がその例である。

胞子/芽胞

ほうし/がほう

放線菌

ほうせんきん

生物が有性又は無性生殖の手段として形成する休止期にある

小体。胞子は一般に耐久性がある。

主に土壌中に存在する菌糸状形態を取る細菌の総称。DNAの

GC含量は70mol%以上で,一般の細菌よりも高い。特に抗生

物質の生産菌として工業的に重要である。

マイコプラズマ

まいこぷらずま

125〜250nmの大きさで,細胞壁がなく,3層からなる細胞膜

で覆われている。完全合成培地で増殖できる最小の微生物。

マクロファージ

まくろふぁーじ/

/貪食細胞

どんしょくさいぼ

において抗原情報をT細胞に伝えたり,活性化を促す。又炎

Muファージ

みゅーふぁーじ

大きな骨髄由来の貪食細胞で,異物排除のほかに特異的免疫

症反応においてのエフェクター細胞として働く。

大腸菌K12株に見いだされた2本鎖DNAをもつtemperate

phageの1種。挿入配列 (IS) と同種の性質があり,遺伝子解

析の重要な手段を提供している。

メタン細菌

めたんさいきん

嫌気下にメタンを生成する偏性嫌気菌。水素と二酸化炭素を

気相とする条件を好んで生育するが,ギ酸も利用できる。メ

タン細菌は古細菌に属する独立栄養細菌である。

野生株

やせいかぶ

自然界で最も高頻度に出現する表現型をもつ個体,微生物遺

伝学では原栄養株ともいう。原株の意味で用いられることも

多い。

溶菌

ようきん

ファージの作用又は補体の存在下における免疫反応による細

菌細胞の破壊と溶解。ある抗生物質がその作用する微生物の

菌体を溶解して死滅させるとき,その抗生物質は溶菌作用が

あるといい,生育を止める作用しかないものを静菌

(bacterio-static) 抗生物質という。

溶原菌

ようげんきん

溶原ファージをもち,当該ファージに抵抗性を示す宿主。

溶原ファージ

ようげんふぁーじ

ファージゲノムを宿主の染色体に組み込み,その一部として

複製するバクテリオファージ。染色体に組み込まれることを

溶原化と呼び,この状態のファージをプロファージと呼ぶ。

溶原化したプロファージは自然誘発,紫外線照射で誘発され

て溶菌に向かい,子ファージが産生される。

λファージ

らむだーふぁーじ

大腸菌K12株に見いだされた2本鎖DNAをもつtemperate

phageの1種。最もよく研究されているファージの一つでも

あり,また遺伝子操作でもベクターとして広く利用されてい

る。インビトロパッケージングにも用いられる。

レトロウイルス

れとろういるす

RNAウイルスの1種で,遺伝子RNAを粒子内に存在する逆

転写酵素の働きでDNAに変換する生活環をもつ。逆転写酵

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

素の働きで合成されたDNAの一部は宿主のDNAの中へ挿入

され,プロウイルスとなる。oncoviruses(腫瘍ウイルス),

lentiviruses(HIVなど),spumaviruses(持続感染ウイルス)に

分けられる。

d) 動物細胞,植物細胞,細胞工学

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

ES細胞/

いーえすさいぼう

マウス初期胚から得られたEC細胞によく似た細胞。テラト

胚幹細胞

/はいかんさいぼ

カルシノーマを得る簡便法。

異常に増殖するがん(癌)の性質と細胞分化する性質を兼ね

備えている細胞。テラトカルシノーマはこの細胞に由来する。

えすぶいふぉーて

二本鎖DNAをもつ腫瘍ウイルス。げっし類の新生児に腫瘍

をつくる。サルの細胞内で増殖するが,ハムスター,マウス,

EC細胞

いーしーさいぼう

ウサギなどの細胞ではトランスフォメーション(形質転換)

を起こす。また動物細胞系のベクターとしても利用されてい

る。

えっちあいぶい

AIDS(後天性免疫不全症候群)の原因となるウイルス。レト

ロウイルスの中で最大である。

NK細胞

えぬけいさいぼう

エフェクター細

えふぇくたーさい

ぼう

L-細胞/

えるさいぼう/

L株細胞

えるかぶさいぼう

抗原感作をしていない正常動物に存在するリンパ球で,非特

異的に腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害するリンパ球。

反応を担当する細胞。細胞性細胞傷害反応を担当する細胞(キ

ラー細胞など)。

正常な雄マウスの皮下組織から分離され,継代培養された培

養細胞株。変異を誘導しやすいので,様々な変異株が知られ

ている。動物細胞の宿主ベクター系としても利用されている。

幹細胞

かんさいぼう

動物のいろいろな組織中にあって,分化した細胞を補給する

際のもとになる幼若未分化の親細胞。幹細胞は分化せずに自

己再生できる。

グラム染色

ぐらむせんしょく

クリスタルバイオレットで染色し,ヨード液で媒染後アルコ

ールで脱色したとき,脱色されるかどうかで判定する細菌分

類上の手法。細胞表層構造の差異によるものと考えられてい

る。細菌はグラム陽又は陰の二つに分けることができる。

形質細胞

けいしつさいぼう

好酸球

こうさんきゅう

塩基性たん白質を含む顆粒球をもつ多形核白血球。炎症反応

を仲介すると考えられている。血流中の白血球の約1〜3%を

占める。

中性の顆粒球を含む多形核白血球。旺盛な貪食作用を示す。

全白血球の約55〜65%を占める。

外来のDNAを取り込み得る状態になった細胞。組換えDNA

骨髄由来の分化したBリンパ細胞で,抗体を分泌する。小さ

な核と発達した粗面小胞体をもつ。

好中球

こうちゅうきゅう

コンピテント細

こんぴてんとさい

ぼう

などを取り込ませるために利用されている。発生学では特定

の分化誘導刺激に応じて一定の分化をする能力のある細胞を

指すこともある。

再構成細胞

さいこうせいさい

ぼう

融合させたい細胞A,Bのうち,Aの核とBの細胞質体とを

融合したもの。核外にあるミトコンドリアDNAなどの作用

を判定するよい実験系である。サイトプラストとカリオプラ

ストを融合させたもの。

細胞

さいぼう

生体内を構成する単位。外界を隔絶する膜で囲まれ,内部に

自己再生能を備えた遺伝情報とその発現機構をもつ生命体。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

はっきりした核をもつ真核細胞とはっきりしない原核細胞が

ある。

細胞株

さいぼうかぶ

細胞工学

さいぼうこうがく

主として培養細胞を材料として,細胞融合,細胞内へDNA

を注入するなどして細胞自体を操作する手法。新しい細胞株

選択又はクローニングによって細胞系から分離された特異な

性質あるいは遺伝的標識をもつ培養細胞系。

の造成や有用産物の生産を目的とする。

CHO細胞

しーえいちおーさ

チャイニーズハムスター卵巣組織から分離された繊維芽細胞

いぼう

株。付着性の細胞であるが,浮遊状態でも生育できる。ヒト

由来の生理活性物質(エリスロポエチンなど)の工業生産に

も利用されている。

食細胞

しょくさいぼう

細菌,原生動物,死んだ組織細胞,異物などを摂取し,消化

する能力をもった細胞の総称。血流中にある多形核白血球と

単球,そして組織中に存在するマクロファージがある。

線維芽細胞/

せんいがさいぼう

繊維芽細胞

動物のほとんどすべての組織中にある中胚葉由来の細胞で,

組織培養系では紡錘形をなしてよく増殖する。

藻類

そうるい

多分化能

たぶんかのう

水中で光合成によって独立栄養生活をする下等植物の総称。

クロレラ,スピルリナ等が代表例。

胚の一部又は細胞が,種々の種類の細胞に分化する能力をも

っていること。造血幹細胞は赤血球,白血球,マクロファー

ジなどに分化する多分化能をもっている。分化して個体まで

造れる能力を全分化能 (totipotency) という。

単球

たんきゅう

血流中にある貪食能をもった単核白血球。組織内に移入する

とマクロファージとなる。

T細胞/

てぃーさいぼう/

胸腺に由来するリンパ球。抗体は産生しないが,抗体産生の

Tリンパ球

てぃーりんぱきゅ

調節と標的細胞の傷害を担う。T細胞にはその機能から,B

細胞の抗体産生を促進するヘルパーT細胞,抑制するサップ

レッサーT細胞,特異的に標的細胞を傷害するキラーT細胞,

遅延型アレルギーにかかわるDTHエフェクターT細胞に分け

られる。

胚移植

はいいしょく

白血球

はっけっきゅう

BHK細胞

びーえっちけーさ

生後1日目のシリアン(ゴールデン)ハムスターの腎臓より

いぼう

培養,その後繊維芽細胞株クローンとして分離された細胞系

培養された胚又は他の雌の胚を,発生段階に応じて別の雌の

卵管,又は子宮に移して個体を誕生させる技術。

核と細胞質を備えた細胞で,形態及び染色性から好塩基顆粒

球,好酸球,好中球,リンパ球及び単球に分かれる。

統。染色体が安定なため,CHO細胞株とともに,有用物質の

生産に多く使用されている。

B細胞

びーさいぼう/び

骨髄由来の抗体産生細胞。幼若なB細胞の表面上のレセプタ

/Bリンパ球

ーりんぱきゅう

ーに抗原が結合すると活性を受けて,RNA合成が増加する。

次いでB細胞増殖分化因子に対するレセプターができて増殖

が始まる。これにさらにB細胞分化因子が働いて大量の抗体

を産生する細胞に分化する。

比速度

ひそくど

生物とくに微生物の生理活性を表す1種の反応速度を言う。

単位微生物量,単位時間当たりの対象とする物質の変化量で

表現される。例えば,微生物の比増殖速度,基質の比消費速

度,酸素の比呼吸速度などがある。酵素の場合は,比活性と

呼ばれる。

肥満細胞/

ひまんさいぼう/

血液中の好塩基球に相当する大きな細胞質顆粒をもつ多形核

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

マスト細胞

ますとさいぼう

蛍光in situハイ

けいこういんしち

蛍光標識されたDNAプローブを細胞や染色体の形態を保っ

ブリダイゼーシ

ゅはいぶりだいぜ

たままの試料とハイブリダイズさせ標的遺伝子又はその転写

ョン/FISH

ーしょん/ふぃっ

産物の存在位置や分布状況を蛍光顕微鏡下で観察する方法。

細胞。アナフラキシーに関係するヒスタミンやセロトニンな

どを産生する。

しゅ

2. 基礎技術

a) 培養,培養工学

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

ウシ胎児血清

うしたいじけっせ

動物細胞培養において広く利用されるウシ胎児から調製され

たγグロブリンを含まない血清。細胞増殖を促すペプチド性ホ

ルモン,栄養因子,担体,微量金属などを含むが,ロット差

などが問題となる場合もある。

株化細胞

カルス

かぶかさいぼう

かるす

移植継代しても集団として長期に安定して増殖し,その特性

が安定に保たれる細胞。L細胞,HeLa細胞などが代表例。

植物組織培養において組織片より形成される不定形の細胞

塊。カルスは固体又は液体培地で増殖できる,又この脱分化

したカルスに適当な培地(植物ホルモンなど)を与えると再

分化して完全な植物体にまで分化させることもできる。

完全培地

かんぜんばいち

主として微生物の培養に際して,その生物の成長,増殖が最

高度に起こるのに必要な条件を備えた培地。

灌流培養法

かんりゅうばいよ

基質を装置内に供給すると同時に同量の反応液を系外に排出

うほう

して反応の定常状態を維持する培養法。動・植物の組織細胞

を培養するとき慣習として灌流培養法といわれている。

器官培養

きかんばいよう

継代培養

けいたいばいよう

微生物や細胞を増殖又は保持する際,その一部を新しい培地

に植継いで培養すること。植継ぎを重ねることによって特性

器官を単離してその形態的特徴を保持しつつ培地中で培養す

ること。

が変化することもあるので,その回数はできるだけ少なくす

る。

茎頂培養

血清添加培地

けいちょうばいよ

茎の頂端部を切りだして培地中で培養し,同一の遺伝的性質

を有する個体を育成する技術。

けっせいてんかば

血清の種類を明らかにした動物細胞などの培地。血清は多種

いち

類の化合物を含み,有効成分は不明である。ロット差が著し

ごうせいばいち

く,培養条件の正確なコントロールは難しい。

合成培地

化学組成の明確な物質だけからなる培地。微生物や細胞の特

性を研究するうえで重要。

高密度培養

こうみつどばいよ

新鮮培地や基質を途中添加又は増殖阻害物質を除くなどし

て,細胞や生産物を高密度に得る方法。特に動物細胞培養に

おいて重要なもので,灌流培養,置換培養など様々な工夫が

されている。

コロニー

ころにー

混合培養

こんごうばいよう

微生物や動植物の培養細胞の1個の細胞が,固形培地上で増

殖してできる可視的な集塊。

2種類以上の菌株又は微生物からなる培養。微生物の協同作

用によって物質生産などを行う方式。生もとを用いる酒の生

産,廃液処理などがその例である。

最少必須培地

さいしょうひっす

透析血清の存在下で,培養細胞を増殖させるための必要最少

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

ばいち

対応英語

定義

限の化学成分を含む培地。イーグルの考案した培地を指すこ

とが多い。動物組織,又は細胞培養に使用されるアミノ酸,

ビタミンを含み,10〜20%の血清添加で多くの細胞を良好に

生育できる。

最大比増殖速度

さいだいひぞう

単位菌体量当たりの増殖速度の最大値。μmaxで表すことが多

しょくそくど

い。微生物種に固有の値で,培養条件によって変化する。

通常の発生分化から逸脱した細胞から元の器官や生物体が復

元すること。植物の場合再生ともいう。

核は一方の細胞由来であるが異種の細胞質が混在している細

再分化

さいぶんか

細胞質雑種/

さいぼうしつざっ

サイブリッド

しゅ/さいぶりっ

胞又は個体。サイトプラストと細胞とを融合させた細胞。

細胞周期

さいぼうしゅうき

細胞の分裂・増殖するときの細胞の生活環。分裂期(M期),

DNA合成準備期(G1期),DNA合成期(S期),分裂準備期

(G2期),細胞が細胞周期の進行を停止している状態(G0期)

に分かれる。

細胞寿命

さいぼうじゅみょ

細胞の死,分裂の停止,又はある細胞集団から排除される現

象,及びそれに至る期間。培養系では,正常2倍体細胞分裂

に伴う分裂加齢によるクローン加齢を指すことが多い。

細胞培養

さいぼうばいよう

動物,植物など多細胞生物の器官,組織片を細胞に解離し,

これを試験管内で培養すること。

細胞分化

さいぼうぶんか

細胞老化

さいぼうろうか

細胞レベルにおける形質や機能の変化とそれに続く細胞死。

個体老化の部分的現象と考えられている。

特定の有用菌の培養中に,他の菌が混入すること。今日の発

発生中の生物の細胞の構造や機能が前進的に変化し,特殊化

した細胞や構造を生じる過程。

雑菌汚染

ざっきんおせん

酵はほとんどが純粋培養によるものであるから,雑菌の混入

は妨げねばならない。

三次元培養法

さんじげんばいよ

試験管内に立体的配置をとらせた状態で行う器官又は細胞培

うほう

養法。生体内での組織と類似の組織を構築させたり,特有の

分化機能を発現させる目的で使用される。スポンジ状構造を

もつ様々な支持体が開発されている。

斜面培養

しゃめんばいよう

試験管の中に寒天などの固形培地の斜面を作り,その面に微

生物を培養すること,又はそうして培養したもの。無菌操作

が容易で,植継ぎによく用いられる。

集積培養

純粋培養

植物組織培養

しゅうせきばいよ

特定の微生物集団を選択的に増殖させる培養法。薬剤,温度

などの物理的条件等を用いて選別する。

じゅんすいばいよ

単一の菌株のみの培養。現在の発酵プロセスの大部分はこの

方式による。

しょくぶつそしき

植物の細胞,組織,器官などを取り出して無菌的に培養する

ばいよう

技術。植物細胞は全能性をよく保っているので,組織培養に

よって少ない材料から多くの個体を得ることも可能であり,

また比較的短時間で有用植物の育種も可能である。

初代培養

しょだいばいよう

生体から分離した器官,組織,又は細胞を体外培養に移して

から植継ぎを行うまでの培養。多くの場合,初代培養細胞は

由来組織,臓器の性質を保持しているが,継代を重ねるにつ

れて特徴が失われる。

生育速度/

せいいくそくど/

増殖速度

ぞうしょくそくど

静止期

せいしき

単位時間における生育の度合。生体重量や細胞数の増加又は

伸長の程度で示す。

(1)微生物又は細胞等の培養において増殖速度と死滅速度が

平衡状態にある時期。定常期ともいう。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

(2)動植物の細胞周期における分裂期を除く時期。間期ともい

う。

静置培養

せいちばいよう

振とうや通気をせずに容器を静置して行う液体培養。

成長因子

せいちょういんし

生物又は細胞の数,重量,体積などを増加させる作用をもつ

物質。一般的には,細胞,組織,臓器,個体を問わず,この

作用をもつものを指す。細胞に対しては,形態を変化させ,

肥大させるものもある。

成長点

成長点培養

せいちょうてん

せいちょうてんば

茎や根の先端に存在し,新しく細胞をつくりだす分裂機能を

もつ部位。

いよう

世代時間

せだいじかん

成長点を切りだして培養し,無ウイルス株の育成や同一の遺

伝的性質をもつ個体を育成する技術。

(1)個体がその発生を開始してから次の世代を生じるまでの

時間。

(2)細胞などの場合は細胞分裂における一細胞周期の平均所

要時間。微生物の分野では1個の細胞が2個になるまでの時

間に相当し,培養条件によって変動する。

接触阻止

せっしょくそし

単層状に増殖した細胞が相互に間げき(隙)なく接触するこ

とによって,増殖が止まること。狭義には細胞の運動が他の

細胞との接触によって,規制されることを指す。形質転換し

た細胞はこの性質がなくなるので,その指標として利用でき

る。

穿刺培養

せんしばいよう

微生物の培養物を白金線の先端に付け,寒天やゼラチンなど

の固形培地に深くさし込んで接種し培養すること。通性嫌気

菌の保存や酵母,細菌の生理的性質の観察に使われる。

選択培地

せんたくばいち

ある集団の中から特定の性質を示す細胞を選択的に増殖させ

る培地。栄養要求性,温度感受性,薬剤耐性などを指標にす

る。

阻害定数

そがいていすう

組織培養

そしきばいよう

酵素反応において酵素と阻害剤から酵素−阻害剤複合体を形

成する反応の解離平衡定数。Kiと略記。

生体の組織の一部又は細胞を生きたまま取り出し,その特性

を保持させながら培養すること。細胞培養を含むことがある。

広義には器官培養,組織培養,細胞培養を含めた体外培養一

般を指す。

組織培養苗/

そしきばいような

胚又は体細胞由来の組織培養により作られた均一な遺伝形質

クローン苗

え/くろーんなえ

をもつ苗。

対数増殖期

滞留時間

たいすうぞうしょ

細胞集団の細胞数が対数的に増加する時期。増殖の最も盛ん

くき

な時期。

たいりゅうじかん

連続培養又は殺菌において反応槽に培養液を滞留させる時

間。広義には液体を特定の場所にとどめておく時間のことで,

例えば下水中の浮遊物を沈殿分離するために沈殿池に下水を

とどめておく時間を指す。

大量培養

たいりょうばいよ

大量に培養すること。“組換えDNA実験指針”では20Lを超

えるものを指す。ガイドラインによると,P1レベルはLS-1,

P2レベルはLS-2で行う。一方,個別審査で,危険性の極め

て少ないと判断されたものはLS-1よりも封じ込めレベルの

緩やかなLS-Cレベルで培養できる。

多段単層法

ただんたんそうほ

トレーを多段に積み重ねて動物細胞を単層状に効率よく培養

すること。付着依存性細胞を効率よく大量培養する方法の一

つ。

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29

K 3600 : 2000

番号

用語

種培養

ふりがな

たねばいよう

対応英語

定義

本培養を効率よく行えるように微生物又は細胞の条件を整

え,かつ,それらの数量を確保するための培養。培地組成,

培養時間,種培養の量などが本培養の成績に大きく寄与する。

単層培養

たんそうばいよう

培養容器の底又は壁面に一層の細胞層として培養すること。

形質転換した接触阻止のない細胞株では,増殖して細胞が接

し合っても増殖を続け多層になる。

通気攪拌培養/

つうきかくはんば

好気性の微生物を液中で生育させるために培養液を通気又は

深部培養

いよう/しんぶば

通気かくはん(攪拌)しながらする培養。かくはん翼を備え

いよう

た通気かくはん型発酵槽と通気だけを行う気泡塔型発酵槽が

ある。

天然培地

てんねんばいち

同調培養

どうちょうばいよ

細胞を細胞周期の特定の時期にそろえた培養。細胞周期の

様々な時期にある細胞集団から,特定の時期の細胞を密度の

生物材料から得られた成分だけより構成されている培地。無

機塩類やビタミンなどの増殖因子を補強することが多い。

差や付着性で分ける方法と薬剤や物理的処理ですべての細胞

をいったん周期上のある時期で止め,次いでこれを解除して

周期をそろえて進ませる方法がある。

軟寒天培地/

なんかんてんばい

培地に0.3〜0.6%の寒天を溶解固化したもの。細胞の付着依存

半流動培地

ち/はんりゅうど

性増殖の判定,ファージの計数などに用いる。

微生物や細胞,組織,器官などを増殖,発育させるために与

うばいち

培地

ばいち

付着依存性培養

ふちゃくいぞんせ

細胞が増殖するとき付着すべき足場を必要とする培養。ガラ

いばいよう

スなどの器壁に接触しなければ増殖できないこと。通常軟寒

ぷろとぷらすと

える栄養成分と支持体。

天培地での増殖で判別する。

プロトプラスト

細菌,菌類,植物細胞などの細胞壁を取り除いた原形質膜で

囲まれた細胞質体。細菌ではリゾチーム,カビ・酵母ではカ

タツムリの消化酵素,植物細胞ではセルラーゼ,ペクチナー

ゼ,ヘミセルラーゼなどが細胞壁を除くのに用いられる。

平板培養

へいばんばいよう

寒天などの固化剤を用いて得られる平らな培地上での培養。

固化剤として寒天のほかにゼラチン,シリカゲル,gelrite

(Pseudomonas sp. の生産するヘテロ糖ポリマー),合成ポリ

マーなども使える。

保存培養

ほぞんばいよう

将来の必要に備えて保存された微生物,細胞及び組織の培養。

凍結保存法(液体窒素中又はグリセリン存在下で−20〜−

100℃保存),凍結乾燥保存法,L−乾燥法(10−1torr付近で凍

結しないで気化によって水分を除去する)などがよく用いら

れる。

保存培養/保存

ほぞんばいよう/

将来の必要に備えて保存された微生物,細胞及び組織の培養

菌株

ほぞんきんかぶ

又は保存物。

本培養

ほんばいよう

微生物,動植物細胞又はその生産物を得るために行う培養。

無血清培地

むけっせいばいち

血清の代わりに各種の成長因子など既知物質からなる動物細

胞増殖用培地。動物細胞による有用物質(特にたん白質様物

質)生産には血清由来の不純物を避けるためにその開発が必

す(須)。

葯(やく)培養

やくばいよう

流加培養/流加

りゅうかばいよう

系外から連続又は逐次新鮮な基質(原料)をバイオリアクタ

発酵

/りゅうかはっこ

ー内に許容液量に達するまで供給し,生物反応を行わせる培

養又は発酵操作方法。半連続培養 (semi continuous culture),

植物組織培養の1種で,やくを培養し半数性細胞や半数体を

得る技術。

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30

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

半連続発酵 (semi continuous fermentation) とも呼ばれる。反応

の進行状態,生体触媒の活性に応じて実行される。

連続培養(連続

れんぞくばいよう

培養槽中に連続的に培地を供給し,かつ,連続的に培養液を

定常培養法)

(れんぞくていじ

排出させる培養法。培養液中の菌体・基質・生産物などの濃

ょうばいようほ

度を一定に保てるので一定状態の微生物を得るのに好適であ

う)

る。単位装置当たりの生産効率はバッチ法に比べてよいが,

雑菌汚染対策を厳密に行うことが必す(須)。

b) 細胞融合

番号

用語

ふりがな

対応英語

雑種

ざっしゅ

シンカリオン

しんかりおん

スフェロプラス

すふぇろぷらすと

定義

遺伝的に異なった細胞又は個体の交雑によって得られる細胞

又は個体。

接合又は細胞融合によってもたらされた2個以上の核が融合

して一体になった状態。

細菌又は植物細胞の細胞壁を酵素処理などで部分的に取り除

いたもの。完全に取り除いたものをprotoplastという。高分子

物質に対する透過性は,プロトプラストと同じように高くな

るので,形質転換実験などに利用される。

トランスジェニ

とらんすじぇにっ

遺伝子組換えによって,外来遺伝子を導入した動植物。通常

ック動植物

くどうしょくぶつ

の交雑育種では不可能な形質をもった動植物ともいえる。

c) 遺伝子操作,遺伝子工学

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

RFLP/制限酵

あーるえふえるぴ

制限酵素処理によって得られるDNA断片の長さの多型。同1

素断片長多型

ー/せいげんこう

種内でも遺伝子には種々の個体差があり,その違いが集積し

そだんぺんちょう

た部位があり,個体固有の変異パターンがある。表現型と高

たけい

度に相関する部位のDNAプローブを作り,サザンブロット

によってRFLPを検出する。遺伝子疾患の予測,作物の育種

などに利用されている。

アテニュエイシ

あてにゅえいしょ

ョン(DNAの)

ん(でぃーえぬえ

翻訳と共役した転写調節機構。オペロン内部にある転写終結

部位(アテニュエーター)の存在によるもので,その構造は

ーの)

GC塩基の多い2回回転対称構造に連なるA塩基に富んだも

のである。

イーエスティー

いーえすてぃー/

mRNAをもとにして決定されているが,その機能が解明され

いーえすてぃー

ていない塩基配列断片。

EKシステム

いーけーしすてむ

組換えDNA実験において,大腸菌K12又はその誘導体を宿

主とする宿主−ベクター系。K12を用いるEK1とK12のジア

ミノピメりん酸要求変異株 (x1776) を使用するEK2に分か

れる。

イーストツーハ

いーすとつーはい

二つに分断した転写因子に融合した遺伝子産物の相互作用を

イブリッドシス

ぶりっどしすてむ

転写因子の再結合を指標にした酵母細胞内での高感度検出

いでんあんごう

テム

遺伝暗号

系。

4種の塩基 (A/U/G/C) から作られる3種の塩基の順列組合せ

(コドン,codon)。4種の塩基から作られるコドンは全部で

64個あり,そのうち3個には対応するアミノ酸はなくアミノ

酸重合の終了を指定する。

遺伝子

いでんし

遺伝情報を決定する機能的・物理的構造単位。転写・翻訳さ

れる構造遺伝子と発現を制御する調節遺伝子から構成され

る。

遺伝子型

いでんしがた

個体又は特定の遺伝子構成。環境との相互作用によって表現

型が決まる。個体がもつ遺伝子の総体を指すこともある。個

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31

K 3600 : 2000

番号

用語

遺伝子欠失

ふりがな

対応英語

定義

体がとり得る遺伝子型の数は莫大である。

いでんしけっしつ

染色体からDNAの一部を失うこと。従って機能あるいは構

造体を失うことになり,復帰変異は認められない。

遺伝子座/座

いでんしざ/ざ

染色体地図上における遺伝子の位置。一つの染色体上にある

遺伝子座には一つの遺伝子が存在するが,それがとり得る状

態は必ずしも一つとは限らない。そのため多数の個体から特

定の遺伝子座の状態を調べると異なった遺伝子(対立遺伝子)

が見いだされることがある。これを多型現象 (Polymorphism)

という。

遺伝子操作

いでんしそうさ

DNAの組換え分子を作り,これを生細胞に移入することによ

って遺伝子を電離・解析したり人為的に変換したりすること。

遺伝子を直接取り扱うことをすべて含む。応用だけでなく生

物学の基本的課題解明のためにも重要な分野である。

遺伝子増幅

いでんしぞうふく

ある特定の遺伝子が多数複製される現象。生活環のある時期

に増幅する場合と環境の変化に応じて増幅する場合がある。

前者の例として両性類の卵母細胞のリボソーム遺伝子の増

幅,後者の例は細菌のプラスミドの増幅がある。遺伝子操作

では遺伝子そのものを増加させて生産性を上げることが多

い。

遺伝子ターゲッ

いでんしたーげっ

ティング/ジー

てぃんぐ/じーん

子だけに変異を導入すること。個体レベルで遺伝子ターゲッ

ンターゲティン

たーげてぃんぐ/

ティングを行った特定遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウ

グ/相同組換え

そうどうくみかえ

ス)は様々な遺伝子機能の解明に利用されている。

技術

ぎじゅつ

遺伝子地図

いでんしちず

相同組換えを利用して細胞及び個体レベルで目的とした遺伝

連鎖した遺伝子間に起こる組換え頻度を尺度にして決めた同

一染色体上に乗っている遺伝子の配列順序と相対的関係を直

線上に表したもの。DNAの塩基配列を決めて作られる物理的

地図と比較すると配列順序は一致するが,距離は必ずしも一

致しない。

遺伝子重複

いでんしちょうふ

染色体が倍数化すること又は特定の遺伝子がDNA配列の重

複によって増加すること。同一染色体間の不等交差によるも

ので,一方の染色体で遺伝子の重複が起こり他方には遺伝子

欠失が起こる。

遺伝子治療

いでんしちりょう

遺伝子を導入して,患者の疾患を治す治療法。患者の細胞を

採取して,体外で目的の遺伝子を導入した後,再移植するex

vivo法と遺伝子を直接導入する直接法の2種ある。アデノシ

ン・デアミネース欠損症(ADA欠損症),ガンなどの治療に

応用されている。

染色体ウォーキ

せんしょくたいう

目的とする遺伝子が既にクローニングされている遺伝子と近

ング/遺伝子ウ

ぉーきんず/いで

接している場合,その隣の遺伝子の断片をクローニングされ

ォーキング

んしうぉーきんぐ

ている遺伝子とオーバーラップさせながら順次染色体上を動

いて行くようにして目的の遺伝子をクローニングする方法。

遺伝子量効果

いでんしりょうこ

うか

特定の遺伝子の遺伝子量に応じて遺伝子産物が増加するこ

と。遺伝子操作では特定の遺伝子を多コピープラスミドに載

せて遺伝子産物の生産を高めることがよく行われる。

イニシエーター

いにしえーたー

正常細胞に働いてそのDNAに固定的変化を起こし,それを

(発癌の)

(はつがんの)

潜在性細胞 (initiated cells) に変える物質。ジベンゾアンスラ

セン,ウレタン,クロロメチルエーテルなどが知られている。

インサイチュハ

いんさいちゅはい

DNA−DNA又はDNA−RNAハイブリダイゼーションの一つ

イブリダイゼー

ぶりだいぜーしょ

で,固定した染色体に放射性同位元素で標識したプローブを

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32

K 3600 : 2000

番号

用語

ション

ふりがな

対応英語

定義

その場でハイブリダイゼーションさせ,オートラジオグラフ

ィーを行うと,プローブと相同性のある染色体上の配列を決

定できる。

イントロン

いんとろん

真核生物やそのウイルスの遺伝子には,最終的にたん白質又

はRNAとして発現する配列と,発現しない配列とがあるが,

このうち,発現しない配列部分。intronはスプライシングを

受けて,切り捨てられ,成熟mRNAの中には存在しない。

インバートン

いんばーとん

逆位を起こすDNA断片が一定の領域であり,かつその中に

この逆位を起こす酵素。DNA invertaseの遺伝子をもっている

もの。逆位し得る断片の両端に塩基配列の回文構造がみられ

る。

インビトロパッ

いんびとろぱっけ

組換えDNAを細胞外でファージ粒子たん白質に包み込み,

ケージング

ーじんぐ

完全な感染体を作ること。ラムダファージがよく用いられる

が,この方法でDNAを効率よく宿主に導入できるのでDNA

クローニングの重要な手法の一つである。

エーエフエルピ

えーえふえるぴー

ー/AFLP

DNAの制限酵素切断断片をPCR法によって選択的に増幅し,

個体間のゲノムDNA,又はcDNAの多型を検出する方法。

エクソン

えくそん

真核生物やそのウイルスの遺伝子には,最終的にたん白質又

はRNAとして発現する配列と,発現しない配列とがあるが,

このうち,発現する配列部分。しかしアミノ酸に翻訳されな

い領域を開始コドンの上流にもつものもある。

mRNA/メッセ

えむあーるえぬえ

DNAから転写されてできる一本鎖RNAで,リボゾーム上で

ンジャーRNA/

ー/めっせんじゃ

たん白質へと翻訳される。原核細胞では一つのオペロンに属

伝令RNA

ーあーるえぬえー

する遺伝子群を一続きのmRNAとして転写する。真核細胞で

/でんれいあーる

は,核の中で前駆体に転写され,5ʼ末端にキャップ構造,3ʼ

えぬえー

末端にポリアデニン構造を結合して修飾される。

エンハンサー

えんはんさー

真核細胞及びそのウイルスの遺伝子に存在し,配列の向きに

かかわらず転写を著しく促進する塩基配列。比較的大きな配

列であり,かなり距離(数千kilobase)が離れていても働き,

組織特異性がある。シスに作用する要素である。

オペロン

おぺろん

DNAからRNAへの転写がプロモーターによって同調的に制

御される遺伝子群。単一プロモーターの下に制御されている

ポリシストロンといえる。カビ以上の微生物及び高等生物で

は一続きのオペロンではなく,遺伝子は散在することが多い。

がん遺伝子/

がんいでんし/

オンコジーン/

おんこじーん/

子や,抑制遺伝子の支配下にあって,細胞分裂,細胞分化な

腫瘍遺伝子

しゅよういでんし

どに関与していると考えられる。しかし,その制御が外れる

癌化の指令を発する遺伝子。正常な細胞にあっては制御遺伝

と,ガン化に至る。レトロウイルスの多くが腫瘍遺伝子

(viral oncogene; v-onc) をもち,正常細胞にはこれと相同性の

ある細胞性腫瘍遺伝子(cellular oncogene; c-onc)があることが

示されている。

開始信号/

かいししんごう/

開始コドン

かいしこどん

生体内でのたん白質合成に際して,mRNAの塩基配列の中で

第一番目のアミノ酸を指定するコドン。AUGとGUGの二つ

を指す。塩基配列から,その遺伝子産物であるたん白質のア

ミノ酸配列を推定するとき,AUGはN末端を決める重要な

目安である。

核移植

かくいしょく

あらかじめ核をサイトカラシンなどを使って取り除くか,紫

外線照射で核を不活化した細胞に,別の細胞から取った核を

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33

K 3600 : 2000

番号

用語

偽遺伝子

ふりがな

対応英語

定義

挿入すること。核と細胞質の機能や相互関係を検討できる。

ぎいでんし

機能のある本来の遺伝子によく似た塩基配列をもつ機能のな

い遺伝子。pseudo-geneの特徴はその進化速度が速いことであ

る。

逆転写

ぎゃくてんしゃ

RNAを鋳型にしてDNAを合成すること。遺伝子操作では

mRNAからこの反応を触媒する逆転写酵素を利用してcDNA

をつくり,このcDNAを適当なベクターにつなぎ目的とする

遺伝子産物を生産するために広く利用されている。

キャップ構造

きゃっぷこうぞう

真核細胞のmRNAに広く存在する5ʼ末端の修飾構造で,7メ

(mRNAの)

(えむあーるえゆ

チルグアシンがピロリン酸を介して5ʼ末端のりん酸に結合し

えーの)

たもの。酵素分解に対する保護作用と翻訳開始機構に働いて

いる。

組換え体

くみかえたい

組換えDNAを含む宿主細胞。遺伝子操作におけるin vitro組

換えによって形成された組換えDNAのことを指すこともあ

る。

組換えDNA

くみかえでぃーえ

ぬえー

酵素などを用いた切断,再結合の操作によってDNAをつな

ぎ合わせたもの。遺伝子操作では異種遺伝子の発現を図るた

め,ベクターと目的遺伝子の組合せが多い。

組換えDNA技

くみかえでぃーえ

組換えDNAを作製し,それを生細胞(宿主)に移入し,増

ぬえーぎじゅつ

殖させる技術。異種のDNAを取り扱う場合安全確保のため,

適切な生物学的封じ込め並びに物理的封じ込めの下での実施

が要求されている。

形質転換

けいしつてんかん

遺伝物質が細胞に取り込まれ,発現されることによって形質

が変わること。外来の単離した遺伝物質(DNA)を取り込める

状態にある細胞をコンピテント細胞と呼び,表層荷電の変化

や細胞壁の除去などの工夫が必要である。細胞学では動物細

胞の形質が癌化状態を示し,無期限に増殖できるようになる

こと。増殖の接触阻止の喪失,軟寒天内コロニー形成などの

変化がみられる。

形質導入

けいしつどうにゅ

ウイルスを介して遺伝物質が細胞に取り込まれ,発現される

ことによって形質が変わること。普遍形質導入ではすべての

遺伝子が導入されるのに対して,特殊形質導入では特定の遺

伝子だけが導入される。

抗菌スペクトル

構造遺伝子

こうきんすペくと

化学物質の抗菌作用の範囲を微生物の種類と濃度で表示した

図又は表。化学療法剤や抗生物質の特性を表す。

こうぞういでんし

たん白質のアミノ酸配列に関する情報を担っている遺伝子。

分子レベルでは開始コドンと終止コドンに挾まれた配列のこ

と。rRNA tRNAなどの塩基配列を決める情報をもつ遺伝子も

指す。

高頻度反復配列

こうひんどはんぷ

同じ向きに繰返しがまとまってあるものとゲノム中に散在す

くはいれつでぃー

るものとがある。前者はセントロメア領域に局在するものが

えぬえー

多く,後者は前ゲノム中に散在する(ヒトにみられるAluフ

ァミリーなど)。

コスミド

こすみっど

ファージとプラスミドの雑種ベクター。細胞内ではプラスミ

ドとして存在するが,ヘルパーファージなどで誘導するとフ

ァージの殻の中にDNAを包み込む性質(cos領域)をもつ。

大きなDNA断片 (40〜50kilobase) を取り込める。

Cot解析(DNA

こっとかいせき

DNAを約300塩基対の長さに物理的に切断し,熱変性によっ

の)/コット解

(でぃーえぬえー

て1本鎖にしたものを,適当な条件下でアニーリングする。

の)/こっとかい

DNAの濃度 (Co) と反応に要した時間 (t) の積 (Cot) に対

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34

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

せき

定義

して,形成された2本鎖の割合をプロットしてDNA断片の

反復度を知ることができる。これを用いて染色体の中に存在

する遺伝子の数を測定できる。

細菌人工染色体

さいきんじんこう

大腸菌のF因子由来の複製制御遺伝子を組み込んだ約50〜

せんしょくたい/

150kbのDNAを挿入できる人工プラスミドベクター。

ばっく

サプレッサー変

さぷれっさーへん

突然変異によって変異した形質が,その変異部位とは異なる

部位の変異によって,もとの形質を取り戻すこと。遺伝子

DNAの塩基配列を変えるように働くのではなく,mRNA上の

特定のコドンの読み方を変えるように働く。tRNA,リボソー

ム,アミノアシル−tRNA−シンターゼなどの遺伝子の変異が

関与する。

自己複製配列/

じこふくせいはい

自律的に複製できる複製開始点を含むDNA配列。これを利

れつ/えーあーる

用して新しいベクターが開発されている。

えす

姉妹染色分体交

しまいせんしょく

細胞分裂期に形成された染色体は,分裂中期に長軸方向に縦

ぶんたいこうかん

裂して,娘細胞へ分配される。この2分された各々を姉妹染

色分体 (sister chromatid) と呼ぶ。この間で起こる部分的交換

現象。同一箇所で切断,再結合を行うので,それ自体では遺

伝的障害を伴わない。

シャイン・ダル

しゃいん・だるが

原核細胞のリーダー配列中にある共通の構造で,16Sリボソ

ガーノの配列/

ーののはいれつ/

ームRNAと相補的に結合する翻訳に必す(須)の配列(5ʼ)

SD配列

えすでぃはいれつ

シャトルベクタ

しゃとるべくたー

2種以上の細胞のいずれでも複製可能なベクターの総称。酵

母−大腸菌,枯草菌−大腸菌,放線菌−大腸菌,動物細胞−

大腸菌などのシャトルベクターが開発されている。

シャロンベクタ

しゃろんべくたー

ラムダファージDNAの一部を欠失した部分にクローン化し

ようとする断片をつなぎ,ベクターとして利用できるように

したもの。charon3A 4A 16Aは更にアンバー変異をもち特定の

サプレッサー変異株だけで生育できるので,EK2ベクターと

して利用される。

宿主

しゅくしゅ

(1)組換えDNA技術において,DNAを移入される生細胞。目

的の遺伝子を増殖,発現させ宿主細胞内で目的産物を生産す

る。

(2)寄生性生物(寄生虫,ウイルスなど)の生育を許容する生

物。

宿主−ベクター

しゅくしゅ−べく

たーけい

純化DNA

じゅんかでぃーえ

組換えDNA技術で用いられる宿主とベクターの組合せ。

組換え技術においてDNA供与体から調製し,同定された

ぬえー

DNA,クローン化されたDNA又は化学合成されたDNA。(通

商産業省“組換えDNA実験指針”を参照)。特に危険性のな

いDNAの場合,その組換え体の規制レベルを一段階下げる

ことができる。

純系

じゅんけい

遺伝子が均一でホモ接合である個体からなる系統の総称。自

家受粉や近親交配を繰り返して得ることができる。マウスで

は20世代以上も近親交配を続けても完全に純系にできない

ので,着目した遺伝子が純系であればよいとすることが多い。

スプライシング

すぷらいしんぐ

真核細胞遺伝子の直接の転写産物(前駆体RNA)からイント

ロンを切りだし,残ったエクソンをつなぎ合わせて,成熟

mRNAを作ること。核内に見いだされる低分子RNA (small

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35

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

nuclear RNA, snRNA) の関与,スプライシング酵素,マチュ

ラーゼ,前駆体RNA自体による触媒作用などが発見されてい

る。

制御遺伝子/

せいぎょいでんし

調節遺伝子

/ちょうせついで

遺伝子。プロモーター,アテニュエーター,ターミネーター,

んし

制限酵素

せいげんこうそ

ある遺伝子のもつ遺伝情報の発現に対して,調節機能をもつ

エンハンサーなどのことを指す。

2本鎖DNAの塩基配列を認識してDNA鎖を切断する機能を

もつ酵素。ファージの感染を制限する細菌の生体防御のため

の酵素として発見されたものであるが,その特異性から遺伝

子操作に必す(須)のもの。

制限酵素地図

せいげんこうそち

制限酵素によって切断される点をゲノム上に示したもの。そ

れぞれのDNAに特異的な地図が得られる。

生物学的封じ込

せいぶつがくてき

自然環境下での生存能力が低い宿主及び宿主依存性の高いベ

ふうじこめ

クターを用いることによって,組換え体の伝ぱん,拡散を防

挿入配列

そうにゅうはいれ

転移性遺伝要素 (movable genetic element/transposable genetic

elemant) の一つ。DNA上を動く1000塩基対前後のDNA配列

止すること。B1/B2の二つのレベルがある。

で,移動する部位は一定ではない。転位された遺伝子を不活

化する。末端に逆向きの繰返し構造(パリンドローム)をも

ち,これが移動に重要な役割を果たしている。

相補的DNA/

そうほてきでぃー

mRNAを鋳型として逆転写酵素によって合成された一本鎖

えぬえー/しーで

DNAのこと。このとき鋳型DNAと相補的な一本鎖DNAと

ぃーえぬえー

プライマーが要求される。遺伝子操作でよく利用される技術

である。

ターミネーター

たーみねーたー

転写が終了するとき,RNAポリメラーゼの離脱をうながす

DNAの塩基配列。次の特徴がある;中央に数塩基はさんで逆

方向反復配列,数個のポリU残基,終止点の上流にこれに接

してG/C塩基対に富む配列。

対立遺伝子

たいりついでんし

相同の遺伝子座を占める遺伝子。同一遺伝子座に起こった

DNA塩基配列の差に基づく差異によるものとみなされ,表現

型の違いで区別できる。

DNA供与体

でぃーえぬえー

きょうよたい

組換えDNA技術で宿主となる細胞に移入するために,DNA

を供与する細胞。生物種の危険度に応じて組換えDNAを取

り扱うとき備えるべき封じ込めレベルが示されている。

DNA修復

でぃーえぬえー

しゅうふく

DNAに生じる様々な変異を修復する機構。異常な塩基やヌク

レオチドを除去する除去修復,ピリミジン二量体の光回復,

アルキル化された塩基の修復に関わる適応修復,複製後修復

(組換え修復),SOS修復など多数の修復機構がある。

転移性遺伝要素

転座

てんいせいいでん

遺伝子上を移動できる配列の総称。insertion sequence (IS),ト

ようそ

ランスポゾン,ある種のファージ(Muファージなど),酵母

のTy因子,ショウジョウバエのコピア様因子やP因子,トウ

モロコシのDs因子などを指す。

染色体上を遺伝子が移動すること。遺伝子制御が変化して遺

伝子疾患や発癌に至る原因となることも多い。

DNAを鋳型にしてRNAを合成する過程。DNA依存性RNA

てんざ

転写

てんしゃ

転写因子

てんしゃいんし

遺伝子の転写を調節している因子で,RNAポリメラーゼ以外

のたん白質。転写の開始反応を誘導する転写開始因子と,転

ポリメラーゼによって触媒される。

写を正又は負に調節する転写調節因子がある。

転写解読枠/オ

てんしゃかいどく

アミノ酸配列として翻訳され得るDNA塩基配列のこと。ORF

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

ープンリーディ

わく/おーぷんり

を調べることによって翻訳され得るたん白質の数とアミノ酸

ングフレーム/

ーでぃんぐふれー

配列を知ることができる。原核生物では一本のmRNAの上に

コーディング領

む/こーでぃんぐ

複数のORFがあるが,真核生物ては一本のmRNAには一つ

域/翻訳領域

りょういき/ほん

のORFしかない。mRNAのORFに対応するDNA上の領域

やくりょういき

定義

もORFと呼ばれる。

転写調節/

てんしゃちょうせ

転写制御

つ/てんしゃせい

遺伝情報の発現過程において,転写段階に働く調節。

ぎょ

突出末端/相補

とっしゅつまった

DNA分子又はDNA断片の末端部位の数塩基が一本鎖として

末端/付着端

ん/そうほまった

突き出しているDNAの構造。両末端は互いに相補性がある。

ん/ふちゃくたん

トランジション

とらんじしょんへ

変異/塩基転位

んい/えんきてん

この性質を利用して異種DNAを挿入する。

DNA塩基対の置換の一形式で,プリン塩基が他のプリン塩基

と,ピリミジン塩基が他のピリミジン塩基と置き換わること。

DNA塩基対の置換の一形式で,プリン塩基がピリミジン塩基

トランスバージ

とらんすばーじょ

ヨン変異/塩基

んへんい/えんき

転換

てんかん

トランスファー

とらんすふぁーあ

翻訳の過程で特定のアミノ酸をリボソームへ運ぶ低分子量の

RNA/転移

ーるえぬえー/て

RNA。mRNAのもつコドンを厳密に読み取るアンチコドン領

んいあーるえぬえ

域がある。3ʼ末端にはすべてのtRNAに共通のCCAの配列が

ある。

トランスフェク

とらんすふぇくし

ション/移入

ょん/いにゅう

と,ピリミジン塩基がプリン塩基と置き換わること。

細胞にDNAを直接導入して細胞の遺伝形質を変化させる方

法。通常,目的とするDNAはベクターに挿入して導入する。

遺伝子機能の解析,植物育種,細菌内でのファージ増殖など

に利用される。

トランスポゾン

とらんすぽぞん/

転位性遺伝要素の一つで,自らの転移に必要な遺伝子のほか

/転位因子

てんいいんし

に薬剤耐性遺伝子など他の遺伝子をもったもの。IS (insesion

sequence) よりも大きく,両末端に反復配列 (inverted repeat

IR) をもっている。転移のとき働くたん白質(トランスポゼ

ース)の遺伝子をもつものもある。

ナンセンス変異

なんせんすへんい

突然変異によってコドンが変化して翻訳が停止する変異。

UAGをアンバー (amber) codon,UGAをオパール (opal)

codon,UAAをオーカー (ochre) codonともいう。

ニックトランス

にっくとらんすれ

レーション

ーしょん

二本鎖DNAをエンドヌクレアーゼで軽く処理し,一本の鎖

に切れ目をつける。その切れ目からDNA polymeraselで5ʼ→3ʼ

方向に新たなDNA合成を行うこと。この方法で特定の遺伝

子の比活性の高い標識DNAを作製できる。サザンブロティ

ング法などに使用される。

ノックアウトマ

のっくあうとまう

ジーンターゲッティング(相同組換え技術)で任意の遺伝子

ウス

ハウスホールデ

はうすほーるでぃ

個体のいろいろな種類の細胞で共通に働いていて,細胞の生

ィング遺伝子/

んぐいでんし/は

存に必す(須)の遺伝子。luxury geneの対語。

ハウスキーピン

うすきーぴんぐい

を破壊し機能を欠損させたトランスジェニックマウス。遺伝

子の生体内での機能を調べる有力な手法となっている。

グ遺伝子

でんし

発現ベクター

はつげんべくたー

表現型

ひょうげんけい

生物の観察し得る形態的及び生理的性質。遺伝子型の対語。

標識遺伝子

ひょうしきいでん

遺伝解析に利用できる遺伝的に決定されている形質が,明り

ょうに分かる遺伝子。薬剤耐性(抗生物質耐性など),温度感

遺伝子産物を宿主細胞で効率的に発現させるために作られた

ベクター。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

部位特異的突然

ぶいとくいてきと

遺伝子の特定の部位に特定の変異を導入する技法。変更しよ

変異

つぜんへんい

うとするDNA配列だけを変え,その前後は目的のDNAと相

補的なオリゴヌクレオチドを合成する。これを改変しようと

する一本鎖DNAとアニーリングさせ,これにDNA合成酵素

受性,栄養要求性などがよく利用される。

を働かせて変異DNAを得ることができる。Muファージを用

いることも多い。

複合プラスミド

ふくごうぷらすみ

由来の異なるプラスミドからなる複合プラスミドのこと。コ

スミド,シャトルベクターなどがある。

物理的封じ込め

ぶつりてきふうじ

組換え体を施設,設備内に物理的に閉じこめることにより,

こめ

伝搬,拡散を防止すること。実験レベルではP1からP4まで,

大量培養ではLS-C/LS-1/LS-2がある。実生産ではGLSP,カ

テゴリー1/2/3がある。

プライマー

ぷらいまー

DNA合成の開始や遺伝子工学実験で逆転写酵素を用いて相

補的DNAの合成を開始する際に要求されるヌクレオチド。

短鎖のRNA又は一本鎖DNAが一部折り返してもprimerとな

り得る。ファージなどではヌクレオチドの30Hの代わりにセ

リン又はチロシンのOH基がprimerとして働くことが発見さ

れた (protein priming)。

プラスミド

ぷらすみど

細菌や細胞内で染色体とは別個に存在して自律的に複製され

る遺伝因子。遺伝子操作においてベクターとしてよく用いら

れる。大腸菌のpBR322,酵母のYRp7,植物のTiプラスミド

などがその例である。

原核生物のmRNA転写において転写開始部位から10塩基ほ

プリブノーボッ

ぷりぶのーぼっく

クス/タータボ

す/たーたぼっく

ックス

プローブ(DNA

ぷろーぶ(でぃー

プローブ)

えぬえーぷろー

断片。例えば目的遺伝子のmRNAから作成したcDNAやたん

ぷ)

白質のアミノ酸配列を基にしてデザイン,合成したもの。又

ど上流のRNA polymearaseが認識結合する部位にある共通の

構造(5ʼ) TATAATG (3ʼ)。

組換えDNA実験で目的遺伝子を探り出すために用いる核酸

遺伝子病に関与する特定遺伝子の検出に用いることもある。

プロモーター

ぷろもーたー(て

(転写の)

んしゃの)

平滑末端

へいかつまったん

転写を開始させるために必要なDNA上の特徴的な塩基配列。

RNA polymeraseの結合に関与しているTATA box,Pribnow box

などの翻訳されない配列。

制限酵素などで二本鎖DNAを切断した際,二本鎖の同一箇

所が切断されるために生じるDNAの構造。T4ファージリガ

ーゼは適切な条件下で,平滑末端を繋げるが効率はよくない

ので,通常は末端に適切なリンカーDNAをつけることもあ

る。

ベクター

べくたー

目的とする遺伝子を宿主に移入し,増殖,発現させるための

運搬体DNA。宿主内で複製できること,既知の制限酵素切断

部位があること。適切な標識遺伝子をもつことがベクターと

しての要件である。本来は病気を媒介する昆虫を指す。

ヘテロカリオン

へてろかりおん

一つの細胞に2個以上の遺伝子型の異なる核が存在する状

態。核融合が起こっていないのでヘテロカリオン試験を,細

胞質遺伝研究の手段の一つにでき,同種の核が融合せずに存

在するものをホモカリオン (homokaryon) という。

ホグネスボック

ほぐねすぼっくす

真核生物のmRNA転写において転写開始部位から30塩基ほ

ス/タータボッ

/たーたぼっくす

ど上流のRNA polymerase IIが認識結合する部位にあり,ヒト

クス

から酵母までに共通の構造(5ʼ) TATAAA (3ʼ)。

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K 3600 : 2000

番号

用語

翻訳

ふりがな

ほんやく

対応英語

定義

mRNAの情報に従ってたん白質を合成する過程。リボソーム

上でtRNAが運んできたアミノ酸をペプチジルトランスフェ

ラーゼでアミノ酸を重合させること。

マイクロインジ

まいくろいんじぇ

ェクション

くしょん

卵細胞や体細胞に微量のDNAや化合物を細いガラス針など

を用いて注入する方法。顕微鏡下で,マイクロマニピュレー

ターを使用して行う。トランスジェニック動植物を作成する

のに用いられる。

酵母人工染色体

こうぼじんこうせ

酵母で染色体として機能するセントロメア,複製開始点,テ

んしょくたい/や

ロメアを含む大腸菌と酵母のシャトルベクター。

っく

融合遺伝子/モ

ゆうごういでんし

ある遺伝子を別の遺伝子と連結することによって,各々の遺

ザイク遺伝子

/もざいくいでん

伝子のすべて又は一部をもった連結遺伝子。天然には存在し

ない遺伝子で異種たん白質を生産するのに利用される。

ラグジュアリー

らぐじゅありーい

遺伝子

でんし

分化した細胞でその細胞に特有のたん白質の産生に関与して

いる遺伝子。この遺伝子が働かなくとも細胞の生存には支障

のないものともいえる。

ラプド法/

らぷどほう/あー

10塩基程度の任意の配列をもったDNAをプライマーとして

るえーぴーでぃー

PCRを用いてDNA増幅を行い,試料間のDNA多型を検出す

る方法。簡便さから多型解析や遺伝子マーカーとしてよく用

いられている。プライマーはキットとして市販されている。

リーダー配列

りーだーはいれつ

転写されるmRNAの5ʼ末端からアミノ酸重合開始コドンまで

の翻訳されない配列。翻訳に際して重要な配列[SD

(Skaine-Del gorns) sequence, attenuation sequenceなど]を含む。

リプレッサー

りぷれっさー

DNA上の特定領域(オペレーター)に結合して,オペロンの

転写を阻止するたん白質。誘導酵素系(ラクトースオペロン

など)ではリプレッサーに誘導物質が結合すると不活性化さ

れて,転写が開始される。抑制酵素系(トリプトファンオペ

ロンなど)では,誘導物質が結合して,活性化されて転写が

阻止される。

リンカー

りんかー

二つのDNA断片を結合させるとき制限酵素が認識する部位

を作る目的で,つなぎ目に挿入する合成ヌクレオチド配列。

利用度の高い制限酵素(EcoRI, BamHI, Sallなど)の認識部位

をもつものが市販されている。

レトロポゾン

れとろぽぞん

RNAを転移中間体とする転移遺伝因子群。

レプリコン/

れぷりこん/

隣り合った複製開始遺伝子の制御下にあるDNAの複製単位。

複製単位

ふくせいたんい

大腸菌,プラスミドなどは,1か所の複製開始点をもち,そ

れ自体が一つのレプリコンである。一方動物細胞のDNAは

何箇所もの複製開始点があり,複数のレプリコンよりなって

いる。

d) 一般的操作

番号

用語

アニーリング

あにーりんぐ

ふりがな

対応英語

(DNAの)

(でぃーえぬえー

鎖に分かれる。これを徐々に冷やして再結合してもとの生物

の)

活性のあるDNAに戻すこと。このとき近縁の生物に由来す

定義

二本鎖DNAを水溶液中で特定の温度以上に加熱すると一本

るDNAを混在させると,雑種DNAができる。雑種DNAの

形成の程度は用いたDNAの近縁度を示す。

アビジン−ビオ

あびじん−びおち

一次抗血清を特定の抗原に対して作成して,特定の抗原と反

チン法

んほう

応させたあと,あらかじめ準備したビオチン化した二次抗体

で処理する。次いであらかじめ準備したアビジン−ビオチン

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

−ペルオキシダーゼ複合体を用いて二次抗体が反応した部位

を特定する免疫ペルオキシダーゼ法。ペルオキシダーゼ反応

は,過酸化水素とジアミノベンゼン又はクロロナフトールと

の反応による発色によって検出できる。この方法はパラフィ

ン包埋標本,塗沫標本などに応用できる。

アフィニティク

あふぃにてぃくろ

生体物質の示す特異的な相互作用(親和性)を利用して多成

ロマトグラフィ

まとぐらふぃー

分混合物からある目的成分を分離する手段。酵素や抗原など

の高い特異性のある物質を固定化して担体とするので,原料

中の含量の極めて低いものの精製も可能になった。

いどうそうしきれ

ロマトグラフィ

んぞくくろまとぐ

らふぃー

インビトロ検査

いんびとろけんさ

移動層式連続ク

固定相を移動させて行う連続クロマトグラフィー。

生体外に取り出して人工的な系で行う検査。生物個体がもつ

各種の制御機構の影響を排除して純粋な生理的反応を確認で

きるが,一方限られた反応しか検出できない。微量で,簡便

に行える特徴があり臨床検査法などに応用されている。

ウエスタンブロ

うえすたんぶろっ

アクリルアミドスラブゲルなどの上で分離したたん白質をニ

ツト法

とほう

トロセルロース膜などに転写,同定する方法。

エアロゾル

えあろぞる

気体中に分散している微細な液体又は固体粒子及びその状

エームス試験

えーむすしけん

態。バイオハザード対策の最も重要な項目の一つ。

ヒスチジン要求性サルモネラ菌の復帰変異試験。変異原性試

験の一つ。癌原性の可能性ある物質を検出するための第一次

スクリーニングに用いられる。代謝活性化を受けて生物活性

を示すものの検出には肝臓ホモジネートの遠心上澄(S9)を使

って検討する。

滅菌保証レベル

めっきんほしょう

ある条件(温度,酸化エチレン濃度,線量など)で,あるも

れべる/えすえー

のを処理した結果,それに付着している菌が生き残っている

える/さる

S1マッピング

であろう確率をいう。

えすでぃえすぺー

ドデシル硫酸ナトリウム (SDS) の存在下で行うポリアクリ

ルアミドゲル電気泳動法。SDSはたん白質と結合してたん白

質固有の負電荷を消してしまうので,ポリペプチド鎖レベル

で分析できる。また,難溶性のたん白質を溶かすこともでき

る。たん白質の分子量や会合状態の検討に用いられる。

成熟mRNAがDNAのどこにマップされるかを知る方法。

えすわんまっぴん

mRNAと相補的配列を含むDNAとアニーリングし,非相補

部分をS1nucleaseて分解する。これを熱処理で分離して一本

鎖のDNAを得て,その大きさ塩基配列を解析できる。

X線結晶構造解

えっくすせんけっ

X線が結晶によって回析されることを利用して結晶内部の分

しょうこうぞうか

子,原子の配置,電子分布,スピン分布などの状況を解析す

いせき

ること。低分子化合物の構造解析及び高分子物質の構造解析

えぬまったんぶん

たん白質,ペプチドのアミノ酸配列で,アミノ基側の末端ア

せき

ミノ酸配列を分析する方法。主な方法としてエドマン法,ジ

に利用されている。

N末端分析

ニトロフェニル法,ダンシルクロリド法などがある。自動化

した装置としてペプチドシーケンサーがある。

FAB質量分析法

FD質量分析法

えふえーびーしつ

質量分析の際,高速の中性原子を一次粒子として用い,グリ

りょうぶんせきほ

セロールと混合して金属表面に塗布した試料に照射して得ら

れる二次イオンを分析する方法。分子量に関する情報が得ら

れやすい。

質量分析の際,樹脂状の細いエミッターに試料を塗布して高

えふでぃーしつり

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40

K 3600 : 2000

番号

用語

FT赤外分析法

ふりがな

対応英語

定義

ょうぶんせきほう

い電圧をかけることによってイオン化させ,これを分析する

方法。

えふてぃーせきが

横軸に時間又は光路差をとった応答曲線をとり,これをフー

いぶんせきほう

リエ変換して分散型分光器で得られるように横軸に周波数又

は波長を,縦軸に吸収又は発光強度が得られるように測定す

る方法。分子構造の推定や定量分析に利用される。

ELISA/酵素免

えらいざ/

ハプテンを酵素で標識し,抗ハプテン抗体と反応させること

疫(検査)法/

こうそめんえき

によって酵素活性が変化することを利用した酵素免疫(検査)

酵素抗体法/

(けんさ)ほう/

法。臨床診断法などに応用されている。酵素で標識した抗原

エンザイムイム

こうそこうたいほ

又は抗体によって分析する方法。ペルオキシダーゼやガラク

う/えんざいむい

トシダーゼがよく用いられ,酵素反応によって発色する基質

ノアッセイ

むのあっせい

エレクトロポレ

えれくとろぽれー

ーション/電気

しょん/でんきさ

窄孔法

っこうほう

遠心分離法

えんしんぶんりほ

の発色度によって測定する。

細胞に高電圧をかけて膜の透過性を亢進させDNAやオルガ

ネラを導入する方法。特に動・植物の細胞への遺伝子導入に

用いられる。手軽さと効率がよい。

遠心力場において物質を形状と比重差によって分離する方

法。核酸やたん白質,細胞内顆粒,オルガネラ等の調製や分

析に利用する。

塩析法

えんせきほう

溶液に塩類を加えて,先に溶けていた物質を析出させる方法。

たん白質の沈殿などに用いられる。硫酸イオンやりん酸イオ

ンなど多価の陰イオンを含む塩が塩析効果が大きい。

円二色性/

えんにしょくせい

物質が同一波長の左円偏光と右円偏光に対して異なる吸光度

円偏光二色性

/えんへんこうに

を示す現象。不斉分子の立体構造や立体配座を決定するのに

しょくせい

オートラジオグ

おーとらじおぐら

ラフィー

ふぃー

利用する。

X線フィルムに密着させて感光させることによって,試料中

の標識化合物の分布を調べる方法。放射性同位元素で標識す

るので微量の物質を検出することができるブロット法などの

分析法又は薬物の生体内分布の測定など広く利用されてい

る。

火炎殺菌/

かえんさっきん/

火炎滅菌

かえんめっきん

灼熱や焼却によって微生物を殺すこと。白金線,白金耳など

金属性のものやガラス棒などをガスバーナーで殺菌すること

がよくある。

化学発光

かがくはっこう

原子又は分子が,化学反応によって生じるエネルギーにより

励起され,発光する現象。例えば,過酸化水素としゅう酸ジ

エステルが反応して生じる中間体が蛍光物質を励起発光する

ことを利用して,過酸化水素を発生する酵素反応を感度よく

測定できる。

ガス殺菌/

がすさっきん/

ガス滅菌

がすめっきん

間けつ殺菌/

かんけつさっきん

100℃の湿熱で1日1回30分の加熱を3回繰り返す殺菌。細

間けつ滅菌

/かんけつめっき

胞を加熱で殺し,次の加熱までの間に胞子が発芽するのを待

って,殺菌しやすい生細胞として殺菌することを狙っている。

殺菌効力をもつガスに接触させることによって行う殺菌。加

熱処理ができないプラスチック器具などの殺菌法。エチレン

オキサイドがよく使われる。

乾熱殺菌/

かんねつさっきん

乾燥した加熱空気によって行う殺菌。通常,165〜170℃,2

乾熱滅菌

/かんねつめっき

〜3時間行う。ガラス器具,包帯,綿栓などの殺菌を行う。

疑似移動層式連

ぎじいどうそうし

原料及び溶離液の供給排出位置を切り換えて固定相を動かす

続クロマトグラ

きれんぞくくろま

ことなく行う連続クロマトグラフィー。

フィー

とぐらふぃー

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K 3600 : 2000

番号

用語

逆浸透法

ふりがな

ぎゃくしんとうほ

対応英語

定義

膜と加圧によって溶液中の低分子量溶質や溶媒を分離する方

法。通常,分子量500以下が対象。たん白質を濃縮したり,

また海水から真水を得ることなどに利用されている。

くん蒸消毒

くんじょうしょう

どく

蛍光抗体法

昆虫や微生物の生活力を奪うガスを用いる消毒。ホルマリン,

亜硫酸ガス,クロールピクリンなどが用いられる。

けいこうこうたい

蛍光をもつ物質によって標識した抗体による分析方法又は染

ほう

色方法。よく使われる色素としてフルオレシン・イソチオシ

けいそうどろかほ

けい(硅)藻土をあらかじめ支持面に積層(プレコート)し,

その層で濾過する方法。発酵液から菌体を分離するときその

げんかいきしゃく

細胞又はウイルスを含む培養液を,1滴にその1個又はそれ

ほう

以下が含まれる程度にまで希釈し,この1滴を多数の新しい

アネート (FITC) とローダミンがある。

硅藻土濾過法

速度を早めるためによく使われる。

限界希釈法

液体培地に摂取して培養する方法。単クローン化に用いられ

る。

高圧水蒸気を用いて殺菌する湿熱殺菌法。通常は120℃,ゲ

高圧蒸気殺菌/

こうあつじょうき

高圧蒸気滅菌

さっきん/こうあ

ージ圧1kg/cm2,20分で行う。培地,各種器具などの最も一

つじょうきめっき

般的な殺菌法。

光学分割

こうがくぶんかつ

光学対掌体を分割すること。光学活性の酸又は塩基との塩を

形成させて光学対掌体ではない異性体に導き,物理化学的な

差をつけて分離するか光学活性分離用担体によるクロマトグ

ラフ法又は酵素や微生物による生物反応を利用して分離す

る。

好気性処理

こうきせいしょり

高周波殺菌法/

こうしゅうはさっ

水又は水を含む物質が高周波の照射を受けて生じる熱による

高周波滅菌法

きんほう/

殺菌法。食品などの殺菌法。

こうしゅうはめっ

酸素呼吸を伴う微生物の作用で有機物を分解,処理する方法。

活性汚泥法による廃液処理はこの原理を応用している。

きんほう

固定化(リガン

こていか(りがん

リガンドを支持体に共有結合させること。リガンドの特異性

ドの)

どの)

を十分に発揮させるため適当なスペーサーを介して結合させ

る。アフィニティークロマトグラフ法の担体として利用され

る。

コロニーハイブ

ころにーはいぶり

探索したいDNAの配列を全部又は一部の配列を含むDNA断

リダイゼーショ

だいぜーしょん

片に標識を付け,これを平板培地に培養して目的のDNAを

含むと思われる細菌群のコロニーをフィルターに転写溶解し

て,露出させたDNAと相補的結合させることによって目的

DNAを検出する方法。

コンフォメーシ

こんふぉめーしょ

ョン

結合の回転によって生じる原子の空間的配置のこと。たん白

質などの高分子化合物については,特異な生物機能や生理活

性維持に重要な三次元的立体構造を指す。

細胞凍結法

さいぼうとうけつ

ほう

培養細胞,精子,卵などを細胞機能を回復可能な状態に保っ

たまま凍らせて保存すること。細胞外に氷晶を緩やかに成長

させることによって,細胞内を脱水させて,氷晶による細胞

内構造の破壊を少なくして超低温に凍結する。

細胞融合

さいぼうゆうごう

2個以上の細胞が融合して隔壁が消失し,単一の細胞膜で包

まれた細胞が生じる現象。植物細胞では育種技術として,動

物細胞ではハイブリドーマを形成してモノクローナル抗体を

産生するための必す(須)技術である。

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42

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

サザンブロット

さざんぶろっとほ

アガロースゲルなどの上で分離したDNA断片をニトロセル

ロース膜などへ転写し,同定する方法。最初に方法を開発し

たDr. Southernにちなんで命名した。以後それにちなんで方位

の名を付けるのが慣習。

殺菌/滅菌

さっきん/めっき

微生物の生活力を奪い,生存しているものを完全になくし,

無菌状態を作り出すこと。広義には無生物状態を作り出すこ

と。ごく狭い意味では細菌を殺すことを指すことがある。

サンドイッチ法

C末端分析

さんどいっちほう

抗原を試料中の抗体及びそれと同じ性質の蛍光抗体で挟み込

んで免疫反応を検出する方法。

しーまったんぶん

たん白質,ペプチドのアミノ酸配列で,カルボキシル基側の

せき

末端アミノ酸を分析する方法。主な方法としてヒドラジン分

解,トリチウム標識法,及びカルボキシペプチダーゼを用い

る酵素法がある。

時間分解蛍光イ

じかんぶんかいけ

試料溶液中の特定物質を定量するために,抗原抗体反応を利

ムノアッセイ

いこういむのあっ

用し検出試薬として標識蛍光色素を利用する高感度蛍光免疫

せい

測定法の1種。蛍光寿命の長い色素を用いて励起光を照射し

た直後に生じる様々な迷光が消失した後に測定対象の蛍光を

測定することによって高感度で定量する方法。

質量分析法

しつりょうぶんせ

きほう

イオン化した分子及びそのフラグメントを電磁場に導入し,

その移動状況からm/z(質量・電荷比)のスペクトルを求め,

定性・定量を行う方法。様々のイオン化法が考案されている。

一般にガス状の試料に電子衝撃をあたえてイオン化する

消毒

しょうどく

病因微生物を不活化したり,除去したりして感染が起こらな

いようにすること。殺虫,解毒を意味することもある。必ず

しも殺菌を意味しない。

静脈栄養法/ハ

じょうみゃくえい

イパーアリメン

ようほう/

経口栄養摂取ができないとき,上行大静脈にカテーテルを入

れ,これを通じてアミノ酸,糖を含む高張液,脂肪乳剤,ビ

テーション

はいぱーありめん

タミンなどを持続的に与えて栄養を確保すること。

てーしょん

除菌

ショットガン法

じょきん

しょっとがんほう

洗浄,ろ過,遠心分離,電気的手法などによって,微生物を

除くこと。

目的とする特定のDNA断片を狙ってクローニングするので

はなく,全DNAを適当に断片化し,すべてをクローン化し,

そのなかから目的の断片をもつものを探す方法。

真空凍結乾燥/

しんくうとうけつ

凍結した溶媒を真空下で昇華・除去すること。生物試料の濃

冷凍真空乾燥

うかんそう/れい

縮や保存に用いられる。微生物の保存によく用いられるが,

浸透気化法

水性二相分配法

とうしんくうかん

このときは処理過程及び復元のときの傷害を最少にするため

そう

保護剤を加える。

しんとうきかほう

すいせいにそうぶ

互いに溶けにくい2種類の水溶液で2層を形成させ,この2

んぱいほう

層に対する親和性の差を利用する分離法。水溶性高分子物質

すくりーにんぐ

膜の片側へ液体を置き,反対側へ蒸気として成分を取り出す

方法。膜の親水性を利用するアルコールの脱水はその一例。

や細胞顆粒の分離に利用される。

スクリーニング

ある特定の生物活性又は化学的性質をもった物質又は特定の

性質をもった生物個体を集団の中から選別する操作。例えば,

抗生物質の生産菌を選別し,さらに,生産された物質の新規

性を検討しながら特定の菌株を選抜すること。

スペーサー(固

すぺーさー(こて

定化用の)

いかようの)

リガンドを支持体分子から離して固定化するために,支持体

との間に導入する適当な長さの鎖状分子。鎖状分子の末端に

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43

K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

固定化に使用できるジスルフィド基,ヘキサメチレンジアミ

ン基などが付けられたものを活性化支持体という。

生物発光

せいぶつはっこう

染色体分析/核

せんしょくたいぶ

染色体の数と形を分析すること。体細胞分裂の中期に観察さ

型分析

んせき/

れる生物種に固有の染色体構成を分析することによって,種

かくがたぶんせき

の系統・類縁関係及び表現系として発現する前の遺伝的変異

生物が自ら光を発する現象。細菌,菌類,原生動物,昆虫(ホ

タル)など多数知られている。

を検出するのに利用される。パルスフィールドゲル電気泳動

法でも解析できる。

体細胞雑種形成

たいさいぼうざっ

遺伝型の異なる培養細胞を融合して,シンカリオンを形成さ

しゅけいせいほう

せること。細胞工学の重要な技術の一つである。

担体結合法

たんたいけつごう

生体触媒を水不溶性の担体に物理的又は化学的に固定する方

ほう

法。酵素の離脱がなく,基質との接触性もよい。酵素の熱安

定性を増すことも多い。臭化シアンによるデキストラン,ア

ガロースとの固定,酸アミド法によるカルボキシメチルセル

ロースとの固定などがよく行われる。

チェインターミ

ちぇいんたーみね

1本鎖DNAファージM13に目的とするDNA断片を結合し,

ネーター法/ジ

ーたーほう/じで

プライマーDNAをアニーリングしてDNAポリメラーゼで

デオキシ法/サ

おきしほう/さん

cDNAを合成する。このとき基質としての4種のヌクレオチ

ンガー法

がーほう

ド三りん酸とジデオキシ三りん酸を独立した四つの反応系に

それぞれ1種加える。反応生成物を電気泳動によって分け,

各バンドに対応する塩基を同定することによって配列を決め

る酵素的DNA塩基配列決定法。

超音波処理

ちょうおんぱしょ

超音波照射によって,菌体の破砕,はく離などを行うこと。

可聴周波領域よりも高い振動数の音波を用いる(20kHz以

超臨界流体クロ

ちょうりんかいり

超臨界流体を移動相とするクロマトグラフ法。固形物の成分

マトグラフィー

ゅうたいくろまと

分析や超臨界ガス抽出条件の検討に利用される。

ちょうりんかいち

超臨界流体(気体を臨界点以上に加圧した液体)を用いて抽

ゅうしゅつほう

出する方法。緩和条件下で効率よく目的物を分離抽出できる。

上)。

ぐらふぃー

超臨界抽出法

薬草の有効成分,食品の香気成分,脂肪酸の分離などに利用

されている。

ディファレンシ

でぃふぁれんしゃ

RNAからPCR法によってDNAを増幅し,その電気泳動パタ

ャルディスプレ

るでぃすぷれいほ

ーンを比較することにより遺伝子発現の特異性を研究する手

イ法

電子スピン共鳴

でんしすぴんきょ

試料物質の不対電子の数と存在状態を,磁場中でのスピンの

分析法

うめいぶんせきほ

磁場共鳴によるマイクロ波吸収によって分析する方法。酸化

還元反応の中間体ラジカル,鉄や銅イオンを含むたん白質な

とうせきほう

法。

どの研究に用いる。

透析法

膜を隔てて,一方に溶液を他方に溶媒を流すことによって,

溶液中の低分子溶質を濃度差によって分離する方法。使用す

る膜は半透性のもので,セロファン膜,コロジオン膜,合成

半透膜などが使われる。

二次元核磁気共

にじげんかくじき

二つの時間変数に対するスピン系のパルス応答を2度フーリ

鳴分析法

きょうめいぶんせ

エ変換する核磁気共鳴分析法。

きほう

二次元電気泳動

にじげんでんきえ

原理の異なる2種類の電気泳動法を逐次組み合わせて行う電

いどうほう

気泳動法。まず比較的細いガラス管を用いてゲル電気泳動を

行い,これをスラブゲル電気泳動の開始点に埋め込んで第2

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K 3600 : 2000

番号

用語

二重染色法

ふりがな

対応英語

定義

回目の泳動を行う。

にじゅうせんしょ

くほう

2種類の異なった染色剤で逐次染色する方法。細胞や組織を

より詳しく弁別して染め分けること。グラム染色法もその一

つである。

ノーザンブロッ

のーざんぶろっと

アガロースゲルなどの上で分離したRNA断片をニトロセル

ト法

ほう

ロース膜などへ転写し,同定する方法。

バイオアッセイ

ばいおあっせい/

物質の量,構成成分又は効力を,その物質を与えられた生物

/生物学的定量

せいぶつがくてき

ていりょうほう

バイオオートグ

ばいおおーとぐら

ラフィー

ふぃー

の反応から推定する方法。

微生物や細胞を用いて,その生育や機能に影響を与える物質

を検出する方法。薄層クロマトグラフ法又はぺーパークロマ

トグラフ法で混合物を分離後,検定用の寒天プレート上に置

き,一定時間培養後有効物質の位置を知る方法。

ハイスループッ

はいするーぷっと

多様な対象物から目的のものをロボット・自動解析装置を用

トスクリーニン

すくりーにんぐ

いて包括的かつ高速に見つけだすこと。

ハイブリダイゼ

はいぶりだいぜー

DNAとDNA又はDNAとRNAの間で塩基配列に相補性があ

ーション法

しょんほう

るときに二重鎖を形成する。この原理を応用して核酸の相同

性を判定できる。核酸を溶液中で混ぜて加熱し,そのあと徐

冷して二重鎖を形成させる。

ハイブリドーマ

はいぶりどーま

発色合成基質法

はっしょくごうせ

酵素によって加水分解されたとき,着色生成物を生じる合成

(比色法)

いきしつほう(ひ

基質を用いた酵素作用の測定法。エンドトキシンの測定など

リンパ球とミエローマ細胞を人工的に融合させてできる雑種

細胞。モノクローナル抗体を作るのに利用される。

しょくほう)

にも利用される。

パッチクランプ

ぱっちくらんぷほ

細胞膜の一部をマイクロピペットの先端を用いて取り出し,

パルスフィール

ぱるすふぃーるど

電場の方向を正逆交互に変えたり,方向に変化をつけて大き

ドゲル電気泳動

げるでんきえいど

なDNA分子(百万塩基対くらいまで)を分離するための方

うほう

法。

ここに流れる電流を測定する方法。

PCR/プライマ

ぴーしーあーる/

試料DNA断片をプライマーと結合させ,2重鎖DNAをDNA

ー利用遺伝子増

ぷらいまーりよう

ポリメラーゼ(Klenow polymerase又はThermus aquaticus (Taq

いでんしぞうふく

polymerase))を用いて合成する。次いで熱変性して合成され

たDNAを鋳型から離す。再びアニーリングさせ,先の工程

を繰り返す。このとき熱耐性のTaq polymeraseを用いること

によって酵素の補給をすることなくこのサイクルを繰り返す

ことによって,目的のDNA配列を増幅できる。2 000塩基対

くらいのものを106くらい増幅できる目的遺伝子を互いに逆

方向から挟み込むような2種の相補的オリゴヌクレオチドプ

ライマーをハイブリダイズさせ,行う方法をnest PCR法とい

う。RNAからの増幅も可能。

比濁時間分析法

ひだくじかんぶん

反応液の透過光量が,あらかじめ定められた値に達するまで

(比濁法)

せきほう(ひだく

の反応時間を測定することによって,凝集反応の平均反応速

ほう)

度を測定する方法。カブトガニ血球抽出物を用いたエンドト

キシン,(1→3) -β-D-グルカンの測定にも利用される。

ひとくいてききゅ

特定の官能基又はリガンドに特異的に吸着すること以外の吸

うちゃく

着で,予期しない,又は,好ましくない吸着現象。

フローサイトメ

ふろーさいとめと

蛍光標識又は未標識の細胞などを大きさ,光散乱様式,蛍光

トリー

りー

非特異的吸着

等の因子について定量的に解析し,その情報に基づいて特定

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

の細胞などを迅速に選択分離する方法。蛍光活性化セルソー

ターはその一つの例である。

ブロツト法/ブ

ぶろっとほう/ぶ

核酸やたん白質をメンブレンフィルターに浸み込ませ

ロツトハイブリ

ろっとはいぶりだ

(blot),固定させた後,標識したプローブを用いてそのプロー

ダイゼーション

いぜーしょんほう

ブと反応するものの位置を検出する方法。標識したDNAプ

ローブとハイブリダイゼーションさせたり,抗体と反応させ

てその位置を決定する。

分取

ぶんしゅ

実験室で用いられる分析 (analysis) に対して,工業で目的生

産物を得る方法。したがって,物質を同定することではなく,

決まったプロセスで活性を失わず,純度を保ち,確実に分離

することが要求される。

包括法

ほうかつほう

生体触媒などを高分子ゲル,膜などの中に閉じ込める方法。

天然又は合成高分子のゲルに閉じ込める格子型,半透膜によ

るマイクロカプセル型,液体膜によるリポソーム型などがあ

る。酵素のみならず微生物,細胞,オルガネラを固定化でき,

包括操作中に修飾が起こらない。一方,高分子基質は作用を

受けない,担体の再利用ができない難点がある。

放射線殺菌/

ほうしゃせんさっ

ガンマ線又は電子線の照射による殺菌。加熱処理ができない

放射線滅菌

きん/

器具や食品の殺菌法。

ほうしゃせんめっ

きん

マクサム−ギル

まくさむ−ぎるば

3ʼ又は5ʼ末端を32Pで標識したDNA断片に4種類の各塩基に

バート法

ーとほう

選択的な化学修飾をし,修飾した塩基の位置で部分分解する。

得られた分解物を電気泳動によって,1塩基ずつの長さの違

いによって分け,一端から順に各バンドに対応する塩基を同

定することによって配列を決める化学的DNA塩基配列決定

法。

密度勾配遠心

みつどこうばいえ

(沈降)法

んしん(ちんこう)

しょ(蔗)糖などを用いて遠心方向に媒体の密度勾配を形成

させ,溶質である高分子の分離精製を行う方法。溶質の密度

ほう

に分布があるとき,溶液中の溶質に働く遠心力と浮力因子が

釣り合う点に分かれることを利用して分離する。

無菌操作

むきんそうさ

無菌濾過/

むきんろか/

微生物を含む液体を微細な孔径のろ(濾)過器を通すことに

濾過除菌/

ろかじょきん/

よって,微生物を除き無菌状態の液体を得ること。メンブレ

濾過殺菌/

ろかさっきん/

ンフィルターなどが用いられる。加熱処理のできない培地成

濾過滅菌

ろかめっきん

ラジオイムノア

らじおいむのあっ

放射性同位元素又は物質によって標識した抗原又は抗体を用

ッセイ/RIA/

せい/あーるあい

いて,試料中の目的物質を検出・定量する方法。RIAは放射

放射性免疫(検

えー/ほうしゃせ

線の被爆や廃棄物処理の問題があるので診断薬はEIAに変わ

査)法

いめんえき(けん

りつつある。

殺菌したものに手を触れたり,殺菌していないものに接触さ

せないようにして,雑菌の汚染を妨げながら行う操作。

分の殺菌に用いる。

さ)ほう

レース法/

れーすほう/れー

部分的な既知配列を基にPCR法を行い,全長cDNAを得る方

法。

(1)寒天平板上のコロニーをビロード布上に移しとり,それを

レプリカ法(培

れぷりかほう(ば

養法の)(電子

いようほうの)

各種の培地に順次プリントし突然変異株を検出する方法。

顕微鏡の)

(でんしけんびき

(2)表面の鋳型をとり,それと電子線の散乱の違いによって観

ょうの)

察する方法。

e) 器具,装置

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

アイソレーター

あいそれーたー

対応英語

定義

無菌動物を外界の微生物から隔離するために用いる装置。無

菌化された空気が送られ,器具,器材はすべて殺菌したもの

をスリーブを通して入れる。

アブソリュート

あぶそりゅーとふ

フィルター

ぃるたー

孔径が微細で均一な網目構造をしているスポンジ状の有機材

安全キャビネッ

あんぜんきゃびね

っと

イオン交換膜

いおんこうかんま

正又は負の固定電荷をもつ荷電膜。多数のイオン交換基を備

えた多孔性の合成膜。正と負の膜を組み合わせて電気透析に

料を用いたフィルター。空気,液体いずれにも使用できる。

実験操作中に発生する汚染エアロゾルが外部に漏出しないよ

う設計された箱。組換え体の操作に用いられる。

用いて効率よく電解質を除ける。

イオン選択電極

いおんせんたくで

溶液中の特定イオンの濃度(活量)に依存して電極と溶液と

んきょく

の界面に電位差を発生する半電池。膜材料によってイオン選

択性が決まる。

インキュベータ

いんきゅべーたー

内部温度などを一定に保つことのできる培養装置。動物細胞

の培養に使われるものは炭酸ガス濃度を一定に保つようにな

っていて,CO2インキュベーターという。

ウエルリーダー

うえるりーだー/

比色及び比濁に適応した96穴マイクロプレート用の測定装

/マイクロプレ

まいくろぷれーと

置。

ートリーダー

りーだー

液体膜

えきたいまく

形成物質が液体である膜。組成の異なる2種の水溶液相が混

合しないようにその間に全く溶け合わない有機溶媒を膜状に

したもの。疎水性多孔質高分子膜又は非イオン性界面活性剤

の助けを借りて作成する。

加圧液体せん断

かあつえきたいせ

ノズルより弁座に高速で液を衝突させ,せん断力によって菌

式ホモジナイザ

んだんしきほもじ

体を破砕して均質化する装置。工業的に菌体抽出液を得る装

ないざー

回転濾過機

かいてんろかき

組換え体の環境

くみかえたいのか

放出

んきょうほうしゅ

置。

ろ(濾)過円筒又はろ過円板を原液槽に浸して回転させなが

ら行う連続ろ過。加圧型と真空型がある。

遺伝子を組み換えた生物を用いて野外(開放系)で行う試験。

気体分離膜

きたいぶんりまく

混合気体中の特定の気体を選択的に透過させる膜。

クリーンベンチ

くりーんべんち

規定された清浄度レベルに管理された空気が作業対象物に対

して直接に流れるように作られた作業台。作業台内部にろ過

空気の供給源をもつことを特徴とする。無菌操作を行うため

に旧来の無菌箱に代わって使用されている。

グロースチャン

ぐろーすちゃんば

バー

グローブボック

ぐろーぶぼっくす

植物細胞,植物個体などの生育箱。温度,光,湿度などを制

御できる。ファイトトロンよりも小規模のもの。

操作用の手袋を取り付けた無菌箱又は危険物取扱い箱。P4設

備で用いる安全キャビネットや危険な化学品を取り扱うとき

に使用。

蛍光活性化セル

けいこうかっせい

ノズルから噴射された細胞流にレーザーを当て,発生する分

ソーター/

かせるそーたー

散光と蛍光を分析して,各1個の細胞を含む水滴を荷電させ,

/ふぁくす

高電界で分離する装置。また,適当な蛍光物質と組み合わせ

て,ある特徴ある細胞集団を定量測定できる。FACSは

Dickinson社の商品名。

原子間力顕微鏡

げんしかんりょく

AFM,SFMとも略した呼び名の装置。代表的な走査型プロー

けんびきょう

ブ顕微鏡の一つで,鋭くとがらせたプローブと試料との間に

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

働く原子間力を,プローブを保持する微細な板バネのたわみ

によって検知し,その力を一定に保つようにして走査するこ

とによって試料表面の三次元像を得る装置。

コロニー計数器

ころにーけいすう

/コロニーカウ

き/ころにーかう

ンター

んたー

サーマルサイク

さーまるさいくら

ラー

細胞破砕機

さいぼうはさいき

固体培地に形成されたコロニーを自動的に測定する装置。コ

ロニーを画像的に認識して,コロニーサイズを区別して数え

たり,コロニーを無菌的に移植できる装置もある。

数段階の異なった温度からなる反復反応を自動的に行う装

置。PCR法に使用。

細胞壁と細胞質膜を破壊し,内容物を抽出する器具。機械的

手段で破壊や,乳化を行う装置の総称。加圧型装置,振とう

式装置,衝撃式装置などがある。

殺菌灯

さっきんとう

殺菌効力のある253.7nm前後の紫外線を放出するランプ。紫

外線は透過力が弱くガラスを透過しないので,直接しかも長

時間照射しなければ殺菌できない。

酸素富化膜

さんそふかまく

通常の空気よりも酸素濃度の大きい気体を得るために用いる

選択性透過膜。

晶析器

しょうせきき

溶液から結晶を析出させる装置。濃縮して過飽和にする方法

として蒸発,冷却などがあり,精製か造粒かの目的に応じた

方法をとる。

徐放性膜

浸漬槽

じょほうせいまく

しんせきそう

封じ込められた物質の放出速度を制御する機能をもった膜。

厚さや崩壊速度,溶出速度を調節した膜。

組換えDNA実験区域から加熱殺菌が不適当な試料,物品を

搬出するために備えた消毒液入りのくぐり抜け槽。麦芽製造

の前処理として大麦を水に浸せき,吸水させる装置 (steeping

振とう培養器

生化学的酸素要

しんとうばいよう

振とうをして液体培地中で微生物・細胞を増殖させるための

装置。回転式装置と往復式装置があり,それぞれ特徴がある。

せいかがくてきさ

水の汚染度を表す指標。有機物を微生物の酸化作用によって

求量/

んそようきゅうり

安定した物質まで,酸化分解するために消費される酸素量を

生物学的酸素要

ょう/

表し,その値が大きいほど汚染されていることになる。通常,

求量/BOD

せいぶつがくてき

20℃,5日間に消費する酸素量を,被検水1L当たりのmg

(mg/L) 又はppmで表す。

さんそようきゅう

りょう/びぃーお

ーでぃー

セルソーター

せるそーたー

フローサイトメトリーに基づいて細胞を選択分離する装置。

選択性透過膜

せんたくせいとう

液体又は気体の成分を,その成分の大きさ,形,荷電,溶解

かまく

度,拡散速度のような性質の差によって分離する膜。合成ポ

リマー,セラミックスなど様々な材質のものが製品化されて

いる。

濁度センサー

だくどせんさー

一定の強さと波長をもつ光(例えば,レーザー光,632.8nm)

を培養液に照射し,微生物によって散乱若しくは吸収されて

減衰した光の強さを測定することによって,微生物濃度を測

定するセンサー。

超低温フリーザ

ちょうていおんふ

りーざー

通気攪拌槽

つうきかくはんそ

−85℃以下の低温を保てる冷凍保存機。−85℃〜−135℃の範

囲に限定する場合もある。微生物や特に細胞の長期保存に用

いる。

装置底部から通気し,かくはん翼を回転させて生体触媒(と

くに微生物)と原料(基質)及び空気とか互いによく混じり

合い接触反応効率が高まるように設計されたバイオリアクタ

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

ーをいう。もっとも古い歴史をもつバイオリアクターで,装

置工学的にはほとんど完成されているといわれている。

DNAシークエ

でぃーえぬえーし

DNAの塩基配列を自動的に解析する装置。ジデオキシ法で調

ンサー/

ーくえんさー/

製したDNA断片を電気泳動にかける方式が行われているが,

ベースシークエ

べーすしーくえん

細菌4種の蛍光色素を取り込ませて,電気泳動1レーンで4

ンサー

さー

種すべての塩基について配列を決定できる装置がある。識別

にはレーザーを利用して,画像処理の自動化と組み合わせて

自動的に読み取れるものもある。

DNAシンセサ

でぃーえぬえーし

イザー/DNA

んせさいざー/

自動合成機

でぃーえぬえーじ

目的とする塩基配列をもつDNAを自動的に合成する装置。

何百万とおりものDNAプローブをパネル上に固定したもの。

どうごうせいき

DNAチップ

でぃーえぬえーち

っぷ

これを未知のDNA断片と対合させてそのパターンを手掛か

りにして遺伝子の発現や変異,多型性などの同時解析に有用

である。

デンシトメータ

でんしとめーたー

薄層クロマトグラフ法又は電気泳動法でバンドを走査しなが

ら光学的に濃度を測定する装置。光の反射又は吸収のいずれ

でも測定できる。

糖鎖シーケンサ

とうさしーけんさ

糖鎖の構造を自動的に解析する装置。ピリジルアミノ化(PA

ー/

ー/

化)による蛍光標識だけ,又はPA化とエキソグリコシダー

糖鎖構造解析装

とうさこうぞうか

いせきそうち

動物細胞培養装

どうぶつさいぼう

動物細胞は物理的な力に対して弱いので,かくはんによるせ

ばいようそうち

ん断力を避けること及び培地を交換しやすくするなどの工夫

がなされている。

トキシノメータ

ときしのめーたー

比濁(反応)時間分析法に基づいて,エンドトキシン又は (1

ゼなどの酵素反応を組み合わせて得た糖鎖サンプルをHPLC

によって比較して,その構造を分析する方法。

→3) -D-β-グルカンの測定に使用する分析装置。

トランスファー

とらんすふぁーぶ

スラブゲル上で泳動分離したDNA又はたん白質の分離を,

ブロッティング

ろってぃんぐそう

ニトロセルロース膜などの上に自然拡散又は電気泳動的に転

装置

パーティクルガ

ぱーてぃくるがん

バイオイメージ

ばいおいめーじん

二次元的な画像データを記録し演算処理を行う装置。例えば,

ングアナライザ

ぐあならいざー

放射性同位元素の2次元的な分布を,輝尽性蛍光体を塗布し

写し,固定する装置。

微細な金属粒子にDNAなどを付着させ,これを高速で細胞

に打ち込むことによって遺伝子を細胞に導入する装置。

たプレートを使用し,電離放射線の照射によって放射された

蛍光を検出,オートラジオグラムを得る装置。又は,二次元

電気泳動の展開図の解析装置。

バイオクリーン

ばいおくりーんる

ルーム

ーむ

バイオセンサー

ばいおせんさー

生物学的な清浄にした部屋。バイオテクノロジーに関連する

実験室や工場など室内を清浄に保ち,微生物による汚染を防

ぐ施設。GMP,GLPなどに基づいて基準が定められている

被検出物の識別に生体由来の選択的認識作用・反応性を利用

したセンサー。固定化して使うことが多く,固定化生体触媒

の形態は膜の場合が多い。グルコースセンサーがその例であ

る。

バイオチップ

ばいおちっぷ

たん白質や脂質,神経細胞などの生体分子から構成され,コ

ンピューターと同じく基本的な演算や処理を行わせる素子。

現在はチトクロームやバクテリオロドプシンなどを使ってコ

ンデンサー特性や光スイッチ特性を確認中である。

ビアコアシステ

びあこあしすてむ

センサーとしては表面金属膜層とそれに共有結合によって固

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

定化した分子とから構成される。これにある試料分子が特異

的に結合するとき,その結合量を表面プラズモン共鳴によっ

て測定する装置。表面プラズモン共鳴とは一定波長の変更が

金属一電気二重層の界面で内部全反射をする最小角度で起こ

る共鳴現象。BIACOREという商品名が一般名詞化しつつあ

る。

飛行時間型質量

ひこうじかんがた

マトリックス利用レーザー脱離イオン化法やエレクトロイオ

分析装置

しつりょうぶんせ

ン化法と組み合わせ,イオン化された試料が一定距離を移動

きそうち

する時間の測定によってイオン分子量を測定する装置。質量

分析装置の1種。ある程度の無機塩存在下でもイオン化が可

能で,質量分析が困難であった高分子領域のたん白質まで高

感度で構造解析分析が可能な装置。

プロテインシー

ぷろていんしーく

たん白質の一次構造を決定するために用いるたん白質,又は

クエンサー/

えんさー/ぺぷち

ペプチドをN末端アミノ酸から逐次分解するエドマン法を自

ペプチドシーク

どしーくえんさー

動化した装置。

エンサー/

/あみのさんはい

アミノ酸配列分

れつぶんせきそう

析装置

HEPAフィルタ

へぱふぃるたー

0.3μm以上の粒子を99.97%以上除去できるエアフィルター。

空気から微粒子を除去するために使用され,医薬品,食品な

どの製造過程での微粒子制御及び封じ込を必要とする遺伝子

操作を行う空間への空気の給排気装置に付けられている。

0.1〜100μmの小胞で,各種の物質を包括したもの。薬剤に徐

マイクロカプセ

まいくろかぷせる

放性をもたせたり,細胞や酵素の固定化,人工細胞,人工種

子などとしての広い用途がある。

膜電極

まくでんきょく

イオン選択性膜の膜電位を利用した可逆電極。

備考:イオン選択性コロジオン膜,イオン交換膜などの

電極のほか,ガラス電極もこの1種。

溶存酸素計

ようぞんさんそけ

液中に溶存する酸素深度を測定するセンサーをいう。酸化還

元電位を測定する分析計,磁気式分析計,ガルバニックセル

を用いたセンサー,隔膜式ガラス電極,蛍光半導体を用いた

センサーなどがある。バイオリアクターに直接装塡する場合

には蒸気滅菌ができるかどうか,その他測定範囲,糖度,応

答時間,安定性などを使用前に検討することが重要である。

3. 応用技術

a) 発酵

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

アミノ酸発酵

あみのさんはっこ

微生物の培養によって特定のアミノ酸を生成,蓄積させる発

酵。我が国が1957年にグルタミン酸発酵を世界にさきがけて

工業化した。発酵法は合成法に比べて光学異性体のアミノ酸

が得られる利点がある。

アルコール発酵

あるこーるはっこ

生物が炭水化物を分解して無酸素的にエネルギーを獲得する

一つの様式で,通常はアルコールが生成される場合を指す。

異常診断(発酵

いじょうしんだん

発酵プロセスシステム又はもっと広くバイオプラントにおい

プロセスの)

(はっそうぷろせ

て,発酵状態や計測・制御器,装置などの異常又は故障を自

すの)

動的に検出し,原因を究明して対応措置をすばやく指示する

計算機ソフトウエア。熟練運転者の知識と経験を体系化した

ソフトウエアで,これによって初心者でも確実かつ容易にプ

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

一次代謝産物

いちじたいしゃさ

定義

ロセスを運転できるようになった(エキスパートシステム)。

んぶつ

生物の生命維持又は発育増殖に必す(須)な物質を供給する

代謝産物。

回分発酵法/バ

かいぶんはっこう

原料(基質)の仕込み,殺菌,冷却,植菌,発酵,排液,装

ッチ法

ほう/ばっちほう

置の洗浄を1回ごとに達成する発酵方法。バッチ法ともいわ

れる。

核酸発酵

かくさんはっこう

微生物の培養によって核酸及び核酸関連物質を生成,蓄積さ

せる発酵。化学調味料としてのIMP,GMPやFADNADなど

の補酵素の生産方法として重要である。

後発酵

こうはっこう

固定床バイオリ

こていしょうばい

アクター

おりあくたー

主発酵が終わり,なお,おだやかに発酵が続いている時期の

発酵。

固定化生体触媒を浮遊させずに反応を行うバイオリアクタ

ー。反応器単位体積当たりの触媒負荷量が多く,効率がよい。

一方,温度,pHの制御,軸方向の濃度変化,圧損などの難点

がある。

酸素消費速度

さんそしょうひそ

微生物が水中の酸素を消費する速度。酸素要求量ともいい,

くど

微生物の種類,生育相などによって異なる。発酵を効率的に

深層ばっ(曝)

しんそうばっきほ

気法

代謝制御発酵

たいしゃせいぎょ

微生物の代謝調節機構を人為的に変え,目的とする代謝生産

はっこう

物を大量に生産,蓄積させる発酵。アミノ酸などの一次代謝

産物の発酵生産にしばしば応用される。

にじたいしゃさん

植物や微生物の発育増殖機能に関与しない特定の代謝産物。

ぶつ

抗生物質などはその代表例である。

ばいおりあくたー

生体触媒を固定化して用いる反応器。微生物を固定化せずに

管理するときの指標の一つ。

二次代謝産物

バイオリアクタ

発酵

水深の大きいばっ気槽を用いる活性汚泥処理法。

利用する反応器は発酵槽 (fermentor) という。

はっこう

微生物を利用して物質を生産するプロセス。本来は有機物質

が微生物によって分解される現象又は炭水化物が微生物によ

って無酸素的に分解されることを指した。

発酵槽

はっこうそう

微生物を利用して物質を生産する反応器。通常かくはん翼,

通気用装置,邪魔板などが通気効率を向上させるためについ

ている通気かくはん型と通気だけを行う気泡塔型に分けられ

る。

HAT培地

はっとばいち

ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ

(HGPRT) 欠損細胞とチミジンキナーゼ欠損細胞を融合させ

たとき融合雑種細胞を選択するために用いるhypoxanthine

(H),aminopterine (A),thymidine (T)を含む選択培地。ハイブ

リドーマ選別など最も広く用いられている動物細胞用選択培

地。

マイクロキャリ

まいくろきゃりあ

極微小のビーズを用いELISA,エンザイムイムノアッセイな

ア法/

ほう/さいぼうば

どの測定用抗体の固定化や細胞培養を行う方法。付着性細胞

細胞培養用担体

いようようたんた

を大量に培養するとき浮遊細胞と同じように取り扱える利点

法/

いほう/すーぱー

があるが,マイクロキャリアは使い捨ての物が多く高価であ

スーパービーズ

びーずほう

る。動物細胞によるインターフェロンの生産に実用化されて

いる。

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

膜型バイオリア

まくがたばいおり

装置内又は外部に高分子若しくは無機素材の膜を装てんし,

クター

あくたー

生産反応と目的生産物との分離を同時に達成できるように設

計された分離型バイオリアクターの1種である。濾過面積を

かせぎ,膜に形成するろし(濾滓)(ケーキ)をいかに除去す

るかが運転上主要な問題となる。

メタン発酵

めたんはっこう

嫌気条件下で細菌の働きによって,有機物が分解されてメタ

ンを生成する発酵。非メタン産生菌によって有機物が分解さ

れてできたギ酸,酢酸などがメタン細菌によってメタンに転

換する。

流動床バイオリ

りゅうどうしょう

固定化生体触媒を懸濁浮遊させて反応を行うバイオリアクタ

アクター

ばいおりあくたー

ー。固体粒子と流体との均一混合物全体を流体として取り扱

え,熱や物質移動特性がよく,目詰まりがない。スケールア

ップに難点がある。

b) バイオリアクター

番号

用語

生物農薬

ふりがな

せいぶつのうやく

対応英語

定義

化学薬品の代わりに害虫や雑草を駆除,防除するために用い

るそれらに寄生したりする動物植物や微生物。種特異性が高

いため周辺環境に与える影響が少ない。

生分解性ポリマ

せいぶんかいせい

自然界中に存在する生物による分解・消化により低分子化が

ぽりまー

可能な高分子樹脂。

バイオレメディ

ばいおれめでぃえ

生物又は生物機能を利用して環境に放出された有害化学物質

エーション

ーしょん

及び有害廃棄物を除去し,汚染された環境を浄化・修復する

こと,又はその技術。

バクテリアリー

ばくてりありーち

細菌を利用して,鉱石に含まれる金属を溶出して回収する方

チング

んぐ

法。従来は利用しにくかった低品位鉱や廃鉱などから金属を

回収できる。

c) バイオインフォマティクス

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

遺伝子ライブラ

いでんしらいぶら

染色体DNAの全断片をベクターに結合した組換え体で,染

リー

りー

色体上のすべての領域を含むように工夫したもの。ポリA鎖

のついたmRNAからcDNAを作製したときも,こう呼ぶが,

このときは,全ゲノムを含むものではない。全ゲノムを含む

ようにしたものをgenomic libraryということもある。

ゲノミッククロ

げのみっくくろー

ーン

細胞の中で遺伝子として存在するままの状態のDNAをプラ

スミドにつなぎ,クローン化したもの。真核細胞からのゲノ

ミッククローンはイントロン,エクソンを遺伝子のなかでの

配列のままもっている。

ゲノミックス/

げのみっくす/

ゲノム解析

げのむかいせき

バイオインフォ

ばいおいんふぉー

ーマティックス

まてぃっくす

生物のゲノムの全塩基配列を決定し,全遺伝情報を解読する

ことを目的とする研究。

タンパク質のアミノ酸配列や高次構造に関する情報,染色体

DNA又はcDNAに関する塩基配列などの生命情報を明らか

にして,医療,医・農薬の開発,生物の系統保存や新品種の

開発などに役立てるコンピュータ技術をいう。計算機産業,

電子・通信産業などの情報産業と次々に新しい生命情報を創

成しているバイオインダストリーとが融合した結果生まれた

最も新しい学際領域の一つである。

d) バイオレメディエーション

番号

用語

データベース

ふりがな

でーたべーす

対応英語

定義

多様なデータを統一的に貯蔵・管理し,複数の利用者の間で

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番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

共用できるようにした計算機ネットワーク。DNAの塩基配列

やたん白質の構造,細胞信号情報など多くのデータベースが

構築され,利用されている。

糖鎖工学

とうさこうがく

天然に存在する糖鎖を改変して,目的の機能をもつ糖鎖を作

製すること。糖鎖が細胞間の認識,情報伝達に重要な役割を

果たしていることが分かり,注目されている。

閉鎖株

へいさかぶ

生合成経路上である特定の部位の反応が失われている変異

株。通常閉鎖された反応の直前の代謝産物が蓄積される。こ

の原理を応用して特定の代謝産物の工業的生産を行える。

e) その他

番号

用語

RI診断

ふりがな

対応英語

定義

あーるあいしんだ

物理的半減期が短く,粒子線をできるだけ放出しないが,電

磁波を放出する化合物を利用する腫瘍位置,形態学的変化を

診断すること。99mTc,67Ga,131I,18Fなどがよく用いられる。

アトピー

あとぴー

遺伝的に様々な抗原に対して示す通常よりも高い免疫反応。

アナフィラキシ

あなふぃらきしー

感作動物に抗原を与えたときに起こる,即時型過敏症の一つ

ー/過敏症

/かびんしょう

の表現。lgEが肥満細胞に働いてヒスタミンなどのメディエ

ーターを放出して起こる。

血管内に造影剤(水溶性のヨード含有有機物)を注入してX

アンジオグラフ

あんじおぐらふぃ

ィー/血管造影

ー/けっかんぞう

えいほう

萎縮

いしゅく

移植免疫

いしょくめんえき

個体の一部を分離して,同じ個体の別な場所に移植

(trans-plantation/graft) する際に,移植片に対して受容体が示す

線撮影を行い血行状態などを観察して,血管の異常,癌の範

囲などを診断する方法。

臓器,組織又は細胞の体積の減少。機能の低下を伴う。病気,

栄養不良,老化に伴って認められる。

免疫反応。移植片対宿主反応 (graft vs. hostreaction) ともいう。

組織適合性抗原が移植免疫を起こす抗原の主体である。

SPF動物/

えすぴーえふどう

微生物及び寄生虫の検出できない動物。餌を含むすべてのも

無菌動物

ぶつ/

のを殺菌して与え無菌状態でアイソレーターを用いて飼育す

むきんどうぶつ

る。生理機能,免疫応答,発癌などの研究に用いる。特に常

かっせいおでい

在細菌の影響を解析するのに重要である。

活性汚泥

下水,廃水などに連続通気かくはんして,それらの含有有機

物に対する資化能,酸化能の高い種々の好気性細胞を増殖さ

せて得られる泥状の物質。細菌に加えて糸状菌,原生動物が

混在している微生物集団で,廃水処理に広く使用されている。

仮親/里親マウ

かりおや/さとお

やまうす

培養した胚を受け取って正常な個体にまで育てる雌親。ホル

モン処理や輸精管を切断して不妊になった雄と交尾させ,偽

妊娠 (pseudopregnancy) の状態にしておき,ホルモンバラン

スを妊娠時と同じにしておく。

機能性食品

きのうせいしょく

摂取されて食品機能を有効に発現するように設計され,加工

ひん

変換された食品。食品機能とは,1)一次機能性(栄養機能),

2)二次機能性(感覚機能),3)三次機能性(生体調節機能)の

ことである。しかしその重点は人間の健康に直接関係する生

体の諸系統の調節に有効に機能する食品にある。

胸腺

きょうせん

Tリンパ球分化の中枢的働きをするリンパ組織。

クローン動物

くろーんどうぶつ

無性的に複製された遺伝的に同一な動物個体。卵細胞に脱核

や核移植などの操作をすることにより個体を複製することを

いう。

交配

こうはい

接合体を形成するため,2個体間で受粉又は受精をすること。

自己免疫疾患

じこめんえきしっ

生体防御機構である免疫系が自己の細胞を攻撃することによ

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

かん

対応英語

定義

って引き起こされる疾病。代表的疾患としてSLE(全身性エ

リトマトーデス),慢性間接リウマチなどの膠原病,糸球体腎

炎,自己免疫性溶血性貧血,橋本病などがある。

持続感染

じぞくかんせん

ウイルス感染が1個の細胞又は一定の細胞集団若しくは1個

体で感染性のある子ウイルスをつくるかあるいはつくらずに

持続していること。有膜ウイルス(ヘルペスウイルスなど)

で起こりやすい。

条件致死突然変

じょうけんちしと

ある環境条件下では増殖不能の突然変異体。温度条件がよく

異体

つぜんへんいたい

選ばれる。生物に必す(須)の遺伝子の研究によく用いられ

る。また,制御機構の変化したものも得られる。

ショウジョウバ

しょうじょうばえ

果実につく小型のハエ。飼育が容易で,世代時間が短く(約

2週間),多数の子孫が得られ,唾液腺から巨大染色体が得ら

れるので,古くから遺伝研究の材料として利用されている。

Homeoboxなど形態形成に関する研究の材料として再脚光を

浴びている。

植物工場

しょくぶつこうじ

ょう

植物を環境制御が可能な温室内で生育させ,工場のように安

定・計画生産する栽培システム。人工光や水耕栽培によって

完全に無農薬の植物を生産できる。

人工臓器

じんこうぞうき

臓器の人工的な代替物。心臓,腎臓,肝臓,膵臓,中耳など

の代替臓器から,人工弁,人工血管,ペース・メーカー,生

体材料(バイオマテリアル)までが含められる。人工材料と

培養細胞を組み合わせたハイブリッド型人工臓器(バイオ人

工臓器)もある。

ストレス

すとれす

生体において誘起有害作用因子(ストレッサー)に反応する

生体内緊張状態。細胞レベルでは,高温ストレス,酸化スト

レスなどのように作用因子を意味し,それに対する細胞の状

態変化をストレス反応と呼ぶ。

性染色体

生体適合材料

せいせんしょくた

雌雄の分化に深い関係のある染色体。ヒトを含む多くのほ乳

類はXY型であり,鳥類などはZW型である。

せいたいてきごう

細胞,血液,結合組織などの生きた生体組織に直接的に接触

ざいりょう

して利用され,長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も

与えず,本来の機能を果たしながら生体と共存できる医用材

料。

生体防御系/

せいたいぼうぎょ

外来性異物や異物的自己成分の排除に関与する生体の恒常性

生体防御

けい/

維持機構。ほ乳類の場合はインターフェロン,補体,好中球,

せいたいぼうぎょ

好酸球,マクロファージ,NK細胞などが関与する非特異的

生体防御機構と抗体や感作Tリンパ球などが関与する抗原特

異的生体防御機構がある。

全雌化/

ぜんめすか/

雌性発生

しせいはっせい

臓器移植

ぞうきいしょく

雌性前核から単為発生によって,雌の個体を選択的に発生さ

せること。

機能しなくなった臓器を正常な機能をもつ他人の臓器で置き

換えて機能回復を図ること。角膜移植と腎臓移植は治療法と

して確立している。しかし組織適合性,拒絶反応,手術方法

の開発などの科学的問題と宗教的,法律的問題がある。

体外受精

たいがいじゅせい

精子と卵を人為的に体外に取り出して,ガラス容器内で受精

させた後,体内に戻す手法。体外に取り出した精子と卵を同

時に卵管内に直接移植するギフト法 (gamate intra-fallopian

transfer/GIFT) も含めることが多い。ヒトの不妊症の治療及び

家畜の品種改良と増産に利用されている。

胎児

たいじ

子宮内で受精卵から子宮外生活をできるまでに成長発育した

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

個体。

脱感作

だつかんさ

(1)酵素活性は失わないで,アロステリックエフェクターに対

する感受性だけを酵素の化学的処理などや突然変異によって

失うこと。

(2)アレルギーに対する感受性を失うこと。

窒素固定

ちっそこてい

空気中の窒素からアンモニアなどの窒素化合物を生成する過

程。通常,生物による固定を指し,Azotbacter/Rhizobiumなど

が代表的窒素固定生物である。

転移(癌の)

てんい(がんの)

腫瘍細胞が身体の他の部位に移動し,定着して増殖すること。

転移しやすいものほど悪性である。

動物工場

どうぶつこうじょ

マウス,ブタ,ヒツジ,ウシなどに外来遺伝子を導入したト

ランスジェニック動物を医薬品など有用たん白質の製造工場

として利用すること。

ヌードマウス

ぬーどまうす

nu遺伝子のホモ接合体で体毛,胸腺を欠損しているマウスの

突然変異種。胸腺で成熟するTリンパ球がないので,免疫力

が弱く,異種細胞を移植できる。

脳死

のうし

心臓は動いているが脳が機能していない人に死の宣言を下す

こと。次の基準が出されている。①深い昏睡死の定義②自発

的呼吸の消失③瞳孔が固定し,瞳孔径は左右とも4mm以上④

脳幹反射の消失⑤平坦脳波⑥以上の条件が満たされた後,6

時間経過を見て変化が無いことを確認。

バイオトロン/

ばいおとろん/せ

生物環境調節実

いぶつかんきょう

生育環境を人工的に調節して,光,気温,湿度など多くの要

因の効果を正確に出すための装置。植物用のファイトトロン

験施設

ちょうせつじっけ

(phytotron) がよく使われている。アクアトロン(aquatron,水

んしせつ

生動植物用),インセクトトロン(insectotron,昆虫用)など

もある。

バイオナーサリ

ばいおなーさりー

最適に制御して効率的な苗の生産を期待できる。

バイオプリベン

ばいおぷりべんし

ション

ょん

ハセップ/

組織培養などを利用して苗を育てる工場。光,水,温度等を

生物又は生物機能を利用して製造過程及び製品に由来する有

害化学物質及び有害廃棄物を除去すること,又はその技術。

はせっぷ/えいち

原材料から製品に至るまでの一連の工程で安全性を管理する

えーしーしーぴー

こと。食品製造における衛生管理手法の一つ。

発癌機構

はつがんきこう

正常細胞が癌細胞になること。その原因から(1)化学発癌

(chemical carcinogenesis);発癌物質によるもの及びイニシエー

ターとプロモーターによるものがある。

(2)ウイルス発癌;腫瘍ウイルスによる発癌。

(3)放射線による発癌;X線や紫外線によるDNAに対する傷

害による。

病態モデル動物

びょうたいもでる

/疾患モデル動

どうぶつ/しっか

んもでるどうぶつ

日和見感染

ひよりみかんせん

封じ込めレベル

ふうじこめれべる

人間の疾患と類似した症状を示す実験動物。

通常の健康人には感染しない病原性の極めて弱い菌や非病原

菌による感染。免疫力の低下した患者に起こる。

遺伝子組換えで得られた新しい生物が一般環境へ放出される

ことを防ぐための基準。生物学的封じ込めレベルと物理的封

じ込めレベルを組み合わせて適切な封じ込めレベルを確保す

る。ガイドラインが所管省庁によって定められている。

不死化

ふしか

細胞が無限増殖能を獲得して株化細胞になること。ある種の

癌遺伝子[myc,アデノウイルスの初期遺伝子 (E1A) など]

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K 3600 : 2000

番号

用語

ふりがな

対応英語

定義

が関与する。逆にこれらの癌遺伝子を積極的に導入して細胞

の株化を図ることも可能。

プリオン

ぷりおん

核酸のシステムに依存しないで増殖するたん白質性の感染症

粒子。ウイルスの100分の1以下の大きさで,分子量27KDa

〜30KDaの疎水性たん白質からなる。ヒツジのスクレピーの

原因物質である。

プロモーター

ぷろもーたー(は

それ自体では癌原性はないが,イニシエーターによって潜在

(発癌の)

つがんの)

性細胞 (initiated cells) となった細胞に働いて癌細胞に変化さ

せる物質。ホルボールエステル,アントラセン,テレオシジ

ンなどが知られている。

不和合性

ふわごうせい

花粉及び胚のうの機能が正常で,正常な受粉をしても受精・

結実が行われないことで,植物界ではかなり広く見いだされ

る。不稔性とは区別される。プラスミドについては同種又は

近縁のプラスミドは同一細胞内に安定に保持されない現象を

指す。

放射線障害

ほうしゃせんしょ

うがい

電離放射線の照射によって引き起こされる生物学的障害。放

射線がDNAなどの重要分子を電離(又は励起)させて直接

障害する場合と,ラジカルを発生させて間接的に障害を起こ

す場合がある。

厚生省の“組換え体をDNA技術応用医薬品の製造のための

マスターセルバ

ますたーせるばん

ンク(セルバン

く(せるばんく,

指針”で定義されている,すべての製造用細胞シードの元に

ク,菌株保存)

きんかぶほぞん)

なる種株であり,一般的には,研究段階で作成しクローン化

した組換え体を培養,分注し,その遺伝的性質が一定の継代

培養の範囲内で十分に安定であることを確認したものであっ

て,安定性が確認された条件で保存しているもの。組換え体

により生産される生物製剤の品質を保証するための手段の一

つ。

ミクロコズム

みくろこずむ

自然環境をモデル化したもの。模擬環境として各種薬物など

の環境に与える影響を検討するのに用いる。

免疫遺伝学

めんえきいでんが

免疫抑制剤

免疫学的個体差を取り扱う遺伝学の一つ。血液型,主要組織

適合性,免疫応答等を遺伝的手法で研究する一分野。

めんえきよくせい

ざい

生体の免疫反応を人為的に抑制するのに用いる薬剤。

模擬自然環境

薬剤耐性

もぎしぜんかんき

増殖室,温室,昆虫飼育室など人工的に自然を模倣して設計

ょう

した環境。

やくざいたいせい

化学療法剤の通常の有効濃度で細胞や菌の発育が阻止されな

いこと。薬剤耐性機構として,1)薬剤不活性化酵素の産生,

2)薬剤作用点の変化,3)薬剤の細胞内到達阻止などがある。

じーあいえるえす

組換えDNA技術工業化指針の場合,宿主の安全性について

優良工業製造規

ぴー/

国が定めた評価及び分類の一つ。発酵工業などで既に長期間

ゆうりょうこうぎ

利用されてきた微生物を宿主として,特に害のない遺伝子を

ょうせいぞうきは

導入した組換え体は,よく整備された既存の工場で取り扱う

ことができるとするもの。

じーえるぴー/

“医薬品の安全性試験の実施に関する基準”の略。目的は非

優良実験室規範

ゆうりょうじっけ

臨床試験データの信頼性の確保。清浄度などについての基準。

んしつきはん

じーえむぴー/

“医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準”の略。医薬

優良製造規範

ゆうりょうせいぞ

品の製造課程で微生物の混入や異物の混入を防ぐために設け

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K 3600 : 2000

番号

用語

養子免疫

ふりがな

対応英語

定義

うきはん

られた清浄度などに関する基準。

ようしめんえき

正常個体,又はX線照射を行って免疫反応が抑制された個体

に,あらかじめ,何らかの抗原で免疫されている他個体のリ

ンパ系細胞を移入し,供与者から受容者に免疫性を伝達する

こと。

リスクアセスメ

りすくあせすめん

ント

潜在的に起こり得る危険性の査定又は評価。リスクを系統的

に洗いだして対処方法を作成することを含む。

5. 参考文献

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)

JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)

JIS K 3802:1995 膜用語

JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語

JIS Z 4001 医用放射線用語

JIS Z 4005 原子力用語

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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K 3600 : 2000

JIS K 3600 (バイオテクノロジー用語)改正原案作成委員会 構成表

氏名

(委員長)

(委員)

(事務局)

奥 山 典 生

遠 藤 勲

太 田 隆 久

国 分 友 邦

竹 内 幸 夫

田 中 章

冨 田 房 男

宮 田 満

松 本 保 輔

橋 本 進

川 端 尚 志

奥 泉 仁 一

野 崎 恵 子

所属

東京都立大学名誉教授

理化学研究所

工学院大学工学部

工業技術院生命工学工業技術研究所

和光純薬工業株式会社

三菱化学株式会社

北海道大学農学部

株式会社日系B・P

財団法人化学品検査協会

財団法人日本規格協会

通商産業省生物産業化学課

財団法人バイオインダストリー協会

財団法人バイオインダストリー協会