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銀河フェニックス物語<出会い編>  第三十一話(6) 恋の嫉妬と仕事の妬み

第一話のスタート版
第三十話(1)(2)(3)(4)(5
第三十話 まとめ読み版①

 一週間前、コッペリ社の購入契約の日取りが決まり、配船室のメルネさんへ宇宙船の予約をお願いすると、ちょうど同じ時間にフェニックス号がコッペリ社へ行くので、同乗するように言われた。

 ピンときた。これは、わたしに対する嫌がらせだ。

 厄病神のフェニックス号で出かければ、契約がつぶれると考えたフレッド先輩が、わたしの契約に合わせて、どうでもいい仕事をコッペリ社に入れたのだ。

 あの人は、厄病神のジンクスを信じている。

n75フレッド逆カラー

 情報を集めて調べてみた。

 レイターさんが出かける先で、トラブルが多く発生しているのは確かだ。偶然にしては多すぎる。大規模デモ環境保護団体のテロハイジャック・・・。
 危険手当が増額して支払われていた。『厄病神』ではなく、優秀なボディーガードのレイターさんは、リスクの高いところを仕事として選んでいるのだ。
 でも、今回向かうヨマ星系をいくら調べても、リスク情報はでてこない。船を変更する必要はない。

 いずれにしても、わたしへの嫌がらせで仕事を頼まれてしまったティリー先輩はかわいそうだ。先輩にだってプライドはある。

 不機嫌な様子を隠せないところが、ティリー先輩の人間らしいところだ。

n11ティリー@2白襟長袖む

 わたしのことを妬んで、面白く思っていないことがみえみえ。でも、足を引っ張ろうとはしない人だから、害はない。

「器用なサブリナさんと違って、ティリーさんは不器用だからな。あんたなら、フレッドのあんな仕事受けねぇだろ?」
 その通りだ。わたしなら絶対受けない。先輩の頼みと言っても、断る理由はいくらでも見つけ出せる。
 あんな資料、転送してもらえばいいだけのことだ。

「好きな人のことを、悪く言っちゃダメですよ」
「いやいや、あれは、ティリーさんのいいところなんだ」
 褒めているとは思えない。

「サブリナさんは、ありとあらゆる情報を先回りして集めてるじゃん。そうやって計算してねぇと不安なんだろ?」
 当たっている。

「ティリーさんは、アンタレス人のくせに計算が苦手なのさ。不器用な上に感覚や感情が先にくる。人から頼まれたら受けなくちゃ申し訳ない、ってな」
 本当にそうだ。真面目で一生懸命なのは伝わってくるけれど、要領はよくない。

「だから、真っ当で強い」

逆振り向き後ろ目にやり逆

 わたしの中に疑問符が灯る。レイターさんの言っている意味がよくわからなかった。

 レイターさんは、ティリー先輩のことが好きだ。観察していればわかる
 前の彼女『愛しの君』への想いを引きずっているのは知っているけれど、もう亡くなった人だ。

 惚れた欲目か。あばたもえくぼか。恋愛は人の目を曇らせる。
 優秀なレイターさんもティリー先輩に関しては、判断がおかしくなるようだ。
 と、思ったことをそのまま口に出したりはしない。

「流石レイターさん、ティリー先輩のこと、よく見てますね」
「そりゃ、俺のティリーさんだもの。サブリナさんはジョン・プーのどこが好きなんだい?」

 突然の質問に、一瞬答えに詰まった。でも、わたしはこの質問の正解を知っている。
「全部に決まってるじゃないですか」

n250サブリナにっこり

 にっこり笑って答えた。     (7)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」