銀河フェニックス物語<出会い編> 第十六話(7) 永世中立星の誕生祭
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まさか、人違いよね?
金髪をオールバックにして固め、ネクタイをきちっとしめている。
警護官らしい警護官。

あんな姿は見たことがない。
でも・・・間違いない。レイターだ。
普段とはまるで別人だ。
背筋がピンと伸び、動きには無駄が無い。
わたしのボディーガードをしてる時とは身のこなしも緊張感も全然違う。
周囲を警戒しながらアドゥールさんを誘導する。
連邦軍エリート集団の皇宮警備にレイターはいたという。
これまでイメージできなかったけれど、このレイターなら納得する。
『よそいきレイター』だ。
朝、ガロンさんがレイターとアルバイトの話をしていたことを思いだした。
アドゥールさんの警護のバイトだったんだ。
レイターとアドゥールさんがわたしたちの前を通る。
わたしとマイヤさんは偶然ここへ来た。
わたしたちがここにいることをレイターは知らないし、こんなに大勢の人がいてはわたしに気付かないだろう、と思った瞬間、レイターがわたしの目を見てウインクした。
わたしに気が付いている。
心臓がドキンと音をたてた。

その時、人混みが揺れた。
大きな男が叫びながら規制のためのロープを飛び越え突進した。
「国民議会反対!」
レイターがすっと動いた。
次の瞬間、大男が宙を舞っていた。
何が起きたの?
地面に仰向けに転がった大男の後ろ手にはすでに手錠がかかっていた。まるでイリュージョンだ。
数人の警察官が男を押さえ込む。
アドゥール大統領夫人の横に立つレイターは、まるで何事もなかったかのようにステージへと案内した。
わたしは息一つ切れていないレイターの後ろ姿から目を離すことができなかった。
かっこいい。
レイターから一番かけ離れているはずの言葉が頭をよぎった。
「なるほど、彼はすごいですね」

マイヤさんのつぶやく声が聞こえた。
確かにすごいのだ。
彼のボディーガードとしての腕について文句のつけようが無いことをわたしは身をもって知っている。
けれど、素直に褒める気にはなれない。
「彼はハイスクール中退の飛ばし屋なんです。それに比べてマイヤさんのほうが断然すごいです!!」
*
一年前のラールシータ。
この星の苦い記憶が呼び起こされる。
レイターはわたしの目の前で狙撃犯を撃ち殺した。

彼のおかげでわたしの命は助かった。
頭ではわかっている。
でも、わたしの故郷アンタレスでは銃は所持するだけで重罪なのだ。
レイターはわたしの目の前でほとんど銃を見せない。
でも、おそらく今も持っているのだろう。胸が苦しい。
*
家へ戻ると、マイヤさんはまた無表情になって自室に閉じこもってしまった。
兄のガロンさんが心配そうな顔でわたしに近づいてくる。
「どうでしたか、マイヤは? 話はできましたか?」

「ええ、おしゃべりしましたよ。きょうは、案内してもらって助かりました。中心部は、随分変わっていたので」
わたしは笑顔を作って答えた。
ガロンさんがほっと表情を緩める。
うそではない。けれど、精神的には苦しい一日だった。 (8)へ続く
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」
レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」
ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」