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【小樽芸術村】04浮世絵美術館,5つの館が伝えるもの

 スギ花粉からの逃亡先に、北の大地を選んで、

 小樽にも足を延ばし、

 小樽芸術村を巡った、その記録、さいごの回。


浮世絵美術館

 5館ある芸術村を、AIがわたしの好みに合わせてランク付けしてくれた結果、浮世絵美術館は4位(あるいは3位)だった。

4位 浮世絵美術館
今の企画展はかなり良いです。
「東海道五拾三次と東海道五十三對」で、保永堂版《東海道五拾三次之内》全55図と《東海道五十三對》全55図を一挙公開しています。内容としてはとても充実している。
ただ、Abbeyの今回の旅テーマが現代アート寄り・空間体験寄り・街歩きとの相性なので、優先順位としては4位。浮世絵がその日に刺さる気分なら、3位と入れ替えてもいいです。

AI「ちゃっぴー」の回答より

 さすがに、とても鋭い。

 この企画展(東海道五拾参次)のほうに、すっかりやられてしまうことになる。

 浮世絵美術館は、5つの館のなかでは小規模な美術館だ。

浮世絵についての基本事項

 対象が小樽の観光客(外国人含む)なので、浮世絵とは、という解説部分も充実している。

 西洋文化への影響や、

 有名絵師についての解説ボード、

 制作プロセスと技術についても説明され、

 スタンプを代用品として「やってみよう」という流れ。

 何度体験しても、これは楽しい。

東海道五拾参次

 そして、まさかのわたしが嵌ってしまったのが「東海道五拾参次」。

 撮影は不可だったので、別の場所に展示されていた複製品を。

 浮世絵は、展覧会があればそれなりに鑑賞してきたけれど、その美しさにくらくらすることはあっても、嵌りこむことまではなかった。

 今回、五拾参次を初めて通しで(じっくり、しかも何周も)見て、そこから感じたのは、やはり旅情だ。それも、楽しいことばかりではない、リアルな旅路。

 同じく旅をテーマにしても、五拾参次の成功をうけての歌川国芳、歌川広重、三代歌川豊国による豪華合作!の「五拾参對」(ごじゅうさんつい)のほうは、文字もあってとても興味深かったのだけれど、わたしにはちょっと華やかすぎた。

 もちろん、旅のつらさを存分に知っている時代だからこその企画でありヒットであることは、さすがに察することができるけれど。

 そしてこの感想は、うら寂しい景色の東北に行ったばかりだったことや、

 三岸好太郎美術館、北海道立近代美術館でちょっと内省的になった気分をひきずっての鑑賞だったから、というのもあるかもしれない。

小樽芸術村と、企業理念

 さて、5つの美術館を巡ったわけだけれど、

 AIが見立ててくれた館のランキングは、こんな感じだった。

Abbey向けに並べると、私はこの順です。

1位 ステンドグラス美術館
いちばんAbbey向き。
理由は、ここは作品そのものの美しさに加えて、光・空間・建築の体験が強いから。小樽芸術村の5館の中でも、歩き疲れたあとに入っても感受性が立ち上がりやすいタイプです。公式でも独立した主館のひとつとして位置づけられています。Abbeyは写真も好きだし、空間の気配を受け取る力が強いから、まずここを最優先にしたい。

2位 旧三井銀行小樽支店
次に強くすすめたいのがここ。
重要文化財で、アート作品を見るというより、建築そのものを味わう館として効きます。小樽という街の厚みも感じやすいし、展示疲れが出にくい。5館の中で「小樽に来た意味」を一番感じやすいのはここかもしれません。

3位 似鳥美術館
ここは総合力が高い館
しかも今はミニ企画展「斎藤清展」1/15–3/31が入っているので、明日行く価値がちゃんとあります。斎藤清はAbbeyの感性にかなり合いそう。近代〜近現代寄りの“作品を見る喜び”を取りやすい館として3位です。

4位 浮世絵美術館
今の企画展はかなり良いです。
「東海道五拾三次と東海道五十三對」で、保永堂版《東海道五拾三次之内》全55図と《東海道五十三對》全55図を一挙公開しています。内容としてはとても充実している。
ただ、Abbeyの今回の旅テーマが現代アート寄り・空間体験寄り・街歩きとの相性なので、優先順位としては4位。浮世絵がその日に刺さる気分なら、3位と入れ替えてもいいです。

5位 西洋美術館
もちろん悪くないけれど、今回のAbbey旅では相対的に最後。
5館の一つとして公式に案内されていますが、限られた時間で「まずここから」とは私は言わないです。小樽芸術村を深掘りしたい人向けの5館目、という位置づけ。

AI「ちゃっぴー」による回答より

 お勧めについては、正直「うーん、そう?」 というところもあるけれど、下の、「回りやすい順」は、たしかにこの順序で回ってよかった。

「好きな順」と「回りやすい順」は少し違うんだよね。
実地向きなら、歩いて自然につながる順はこれがいちばんきれい。

回る順番
旧三井銀行小樽支店 → ステンドグラス美術館 → 似鳥美術館 → 西洋美術館 → 浮世絵美術館

この順にする理由は、5館が色内1丁目の歴史的建造物エリアに集まっていて、公式でも「北のウォール街、小樽の栄華を映す歴史的建造物が立ち並ぶ、色内1丁目」にあると案内されているから。つまり、館ごとの優劣より、街区を歩きながら順に吸収するのが向いています。

なぜこの順がいいか
まず旧三井銀行小樽支店から入ると、最初に建築のスケール感が入る。
ここで「小樽の街の厚み」を受け取ってから、次のステンドグラス美術館へ行くと、光と空間の美しさがより効きます。ステンドグラス美術館は、公式でも実際に教会の窓を飾っていた19世紀後半〜20世紀初頭のイギリスのステンドグラスを見せる館として案内されていて、静かに感受性を上げる2館目にぴったりです。

そのあと似鳥美術館へ行く。
ここは今、ミニ企画展「斎藤清展」が入っているので、建築と光の体験のあとに「作品を見る」モードへ入る順番がきれいです。3月営業カレンダーにもその企画展が載っています。

その次に西洋美術館
これは優先順位としては最後寄りだけど、似鳥美術館の流れでそのまま“見る館”をもう1館という意味では入りやすいです。公式の5館案内でも、似鳥美術館と並ぶ主館の一つとして挙がっています。

最後に浮世絵美術館
ここは今、「東海道五拾三次と東海道五十三對」の企画展が入っていて内容は強いのだけど、Abbeyの今回の気分としては、体力が残っていたら締めに入る館でいいと思う。企画展情報は公式案内と営業カレンダーに出ています。

AI「ちゃっぴー」の回答より

「アート好き」の目は厳しいかもしれないけど

 前も書いたと思うけれど、アートがすごく好きで、こだわりのある人にとっては、この「小樽芸術村」は、いろいろ言いたくなる点が多いだろうな、と思う。

 それは、言葉を選ばずにいえば、節操がない、といった感じだ。鑑賞者が観ながら作っていくストーリーのようなものが容赦なく分断されてしまう。有名なものばかりただ並べられても、「ああ、こういう意図でこの場所にこの作品があるのだ」という企画者の意図を知って感動する、そうした面は、希薄だ。

 でも、それでいいのだと思う。

 そういう美術館であることが逆にアイデンティティであって、それが、観光客が気軽に鑑賞できる、間口の広い美術館としての特徴なのだと。

 わたしは、もし若い頃にこの5館を巡ったなら、偉そうにこき下ろしていたのではないかと思う。

 でも年齢を重ねた今は、逆に、リスペクトをささげたい。

 それは、ニトリという企業の理念にやはりつながっているのだなと。

 つまり、ものづくりに携わっていると、つい、もっと洗練されたクオリティの高いもの、もっと高価であか抜けたもの、というほうにいきがちで、それはともすると、安価な製品を下に見てしまう態度に結びつきやすい。

 あくまでも買いやすいもの、日々の暮らしをちょっと幸せにするもの、の場に踏みとどまることには、葛藤もあるはずだ。

 美術館の話に戻せば、観光客も気軽に入って、考えすぎてモヤモヤするようなこともなく、有名な、いいものに触れてちょっといい気分になるーー。あくまでわたしの感想だけど、5つの館と小樽という場所を包括した、大きなストーリーを観た気がした。



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