あなたは優しく嘘をつく|第4話|ダメ男に「500万円」何につかったの?
「500万円って何を買ったんですか?」
とよく聞かれる。
今日はその話をしようと思う。
最初に言っておく。
ブランドバッグじゃない。
高級車でもない。
マンションでもない。
宝石でもない。
だから怖いんだ。
500万円って聞くと、
みんな何か大きな買い物を想像する。
違う。
私が失った500万円は、
ほぼ全部、
日常だった。
ご飯代。洋服代。ホテル代。プレゼント代。遊び代。
どこ行くにもタクシーもかなり使ったよ。
そんなことしてたらさ、ハイブランドバッグとか買わなくても、余裕で数百万いくからね。もちろん5年かけてつかったお金ではあったけど。
それだけ。
「それだけ?」と思うでしょ?
「それだけ」っていうのが一番怖いんだよ。大きな出費があったら、節約しなくちゃ、とか残り残高とか気にして、財布のひもを締めるけど、一つ一つが小さな額だったら(数万円も安いという思うくらい感覚崩壊はしてたけど)、なんか大丈夫な気がしちゃうんだよね。
人間って、
1回10万円の買い物には警戒する。
でも、
5,000円。
8,000円。
15,000円。
これには警戒しないじゃない?
払えるから。
私も払えたよ。最初は。
「今月ちょっと使いすぎたな」
で終わる。
翌月も。
「まあ来月節約しよう」
で終わる。
さらに翌月。
「ボーナス入るし」
で終わる。
その繰り返し。
怖いのはね。
浪費って、一気に人生を壊さない。
少しずつ壊すんだ。
気づいたら、当たり前になってる。
彼とご飯に行く。
私が払う。
彼の服を買う。
私が払う。
彼がお金ないと言う。
私が払う。
これを5年続ける。
するとね。
500万円になるんだよ。
そうするともうね、毎日は、借金の残高を確認する日々。
借入もあちこちからして、どの返済をどの借入で回すかな、って状態。
もう、回らない、無理だ…って時。
初めて気づいた。
普通じゃない。私はおかしい。
いや。
もっと正確に言う。
この恋愛はおかしい。
その後、私は債務整理をした。
人生で一度も考えたことがなかった。
借金整理。
テレビの中の話だと思っていた。
まさか自分がやるとは思わなかった。
手続きをした日のことは、
今でも覚えている。
情けなかった。
恥ずかしかった。
悔しかった。
そして。
少しだけホッとした。
ここで、もし今この記事を読んでいる人の中に、借金やカード払いで苦しんでいる人がいたら、一つだけ伝えたい。
手遅れになる前に動いて。
本当に。
借金問題って、
どうにもならなくなってから相談する人が多い。
でも、どうにもならなくなってからだと、選択肢が減る。
お金だけじゃない。
仕事。家族。信用。心の余裕。
いろんなものを失う。
だから、まだ動けるうちに動いてほしい。
まずは、お金の使い方を整えること。
家計簿をつける。支出を把握する。固定費を見る。カードの利用額を見る。
これだけでも、生活は少しずつ改善していくし、なによりも自分が変わっていくから。
何が大切なのか、わかるようになるんだ。
それでも苦しいなら、一人で抱え込まないこと。
おまとめローンという方法もある。
自治体の生活困窮者自立支援制度という制度もある。
法律相談もある。
任意整理という方法もある。
世の中には、思っているより選択肢がある。
だから。
もう終わりだ。
そう思わないで。
私もそう思っていた。
揺れる電車の中で、私だけが世の中から取り残されたような、もう普通の社会で生きていくことが許されないような、そんな気持ち。
でも、
終わりじゃなかった。
今こうして、笑い話にはできないけど、記事にはできている。
500万円失った話をすると、みんな彼の話を聞きたがる。
でもね。
本当に怖いのは、
彼じゃない。
「今日はいいか」
を積み重ねた私だ。
浪費はある日突然始まらない。
毎日の小さな妥協から始まる。
だから今、
誰かのためにお金を使い続けている人がいたら。
一度だけ計算してみて。
今月いくら使った?
先月は?
去年は?
それ、あなたが出すお金だった?
数字は嘘をつかない。
ちなみに私は、計算した瞬間、今まで計算を避けてきた理由がわかるくらい、目も当てられない無残な状況だった。
人間ジャングルは怖い。
でも。
一番怖いのは、自分の見ないふりだったりする。
自分を見つめなおして、今ある問題もみつめなおして、どうにかこうにか、生き延びていきたいんだ。
私が借金を完済するまで…
その話はまた今度。
