あなたは優しく噓をつく|第3話|ダメ男の危険サイン、500万円失うまで気づけなかった。
当時の私にタイムマシンがあったら、
真っ先に伝えたいことがある。
「可愛い男に気をつけな」
彼は突然ダメ男になったんじゃない。
最初からサインは出ていた。
可愛い系男子。甘え上手で人たらし。見た目イケメンではないけど、チャーミング。周りの女たちからも「可愛い」と言われるタイプ。
怪しいって思わなきゃダメだったんだよ。
みんなに「可愛い」って言われる男はさ、誰に対しても「可愛い坊や」なんだし、誰に対しても「甘えている」んだよ。私だけじゃない。
あともう一つ。
「あなただけ」
って言葉にも気をつけな。誰にでも言ってるからね。
そんなことない。私にしか言ってる様子ないもん。
そう、私もそう思ってたよ。
ホテル街で知らない女と、目じり垂らして楽しそうに話しながら歩いている彼を見かけるまではね。
奴はさ、その女の鞄も持ってあげてたわけ。
その時仕事帰りで、ボロボロだった私は、こんな姿で「彼女」です、なんて言えないでしょ。
敵前逃亡して、彼に「別れる」ってLINEしたあと、既読にならないLINEを30分置きに確認しながら、家で朝まで飲んで泣いた。
翌朝、LINEがきたよ。友達を家に送ってあげただけってね。
帰ってすぐ寝てたんだって。それで未読スルーだったって。
じゃあ、じゃあ、本題ね!
特に危険だったサインを3つ紹介したい。
危険サイン①
「ありがとう」は言う。でも返さない。
彼は感謝の言葉が上手かった。
「ありがとう」
「助かるよ」
「姫ちゃん大好き」
たくさん言ってくれた。
だから私は勘違いした。
感謝している人は、誠実な人だと思っていた。
でもね、気をつけな。
対価が物やお金で戻ってくるよりも、「愛情」のお返しが一番危険だよ。
プライスレス、ほど怖いものはないよ。
尽くしちゃうあなたの、心のエンジンを爆燃やしするからね。そんで貯金まで燃えカスにしちゃうからね?
そのことを教えてくれた本がある。
『おおきな木』だ。
大好きな男の子のために、木は全てを男の子に捧げるんだ。
気になる人は読んでみて。
危険サイン②
問題は語る。でも解決しない。
彼はいつも困っていた。
お金がない。
学校が大変。
バイトが辛い。
人間関係が難しい。
話はたくさん聞いた。
でも。
解決しようとする姿は、ほとんど見たことがない。
あれこれ、こうしてみたら?と提案してみても、「姫ちゃんが助けてくれればいいの!」とか「だってできないんだもん」とか、逃げるんだよね。
決まり文句は、
「僕、怒られるの苦手なの(クスン)」
本を読むわけでもない。
勉強するわけでもない。
働く時間を増やすわけでもない。
ただ相談する。
そして私が助ける。
それが彼の当たり前だから。
私も助けることが、彼の愛を独占することだと思っていたんだ。
「内助の功」だって、自分のこと褒めてたよ。彼もほめてくれたから。「姫ちゃんがいるから、僕がいる」ってね。
自己効力感を爆上がりさせてくれたってわけ。
誰かのためになってる。
最高のご褒美じゃない?
尽くしちゃうあなた、そうでしょ?
危険サイン③
あなただけが頑張っている
これが一番危険。
恋愛って、頑張る時期はある。
相手を喜ばせたい。
支えたい。
力になりたい。
それ自体は悪くない。
問題は、気づいたら、ずっと自分だけが頑張っていること。
お金を出すのも私。
そのために稼ぐのも、借金するのも、返すのも、ぜーーーんぶ、私。
時間を作るのも私。
仕事で疲れていても、呼び出されたら行く。大事な仕事を控えていても、徹夜でカラオケにつき合わされることもあった。仕事の合間に、会社抜け出して、情事の処理をさせられたこともね。
関係を維持するのも私。
彼の機嫌を損ねないように。彼がいつも「可愛い男の子」でいられるように。幸せな子でいてほしいって思ってたんだよね。
でもね。
彼はそこにいた。
ただそれだけだった。
ただ、そこにいただけ。私に全部歩み寄らせて、自分はゴロンとしてるだけ。
ゴロゴロ、ニャーゴ♡と猫みたいにさ、ただそこにいて甘えるの。
当時は愛情だと思っていた。
恋愛は二人でやるものだ。
片方だけが頑張り続けるものじゃない。
500万円失って学んだことは、
「ダメ男を見抜く方法」じゃない。
まずは、
自分が見ないふりをしているサインに気づくことだった。
「大人の女」という、マウントを取りたかった。
若い女にできないことで差をつけようとした。
甘える彼の言いなりになることで自己効力感を得ていた。
「私にしかできない」
「私しかいない」
そう思い始めたら、危険信号だからね!
もう、あなたは誰にも尽くさなくていい。
自分に尽くしなね。
さて、ダメ男ってさ、リピーターになるのかな。
今度もまた、搾取する男に心奪われてしまった。
優しかった。甘えん坊だった。
またかよ?
ううん。
今度はね、奢ってくれたの。私を本当に「お姫様」にしてくれたんだよね。
でもそれが罠だった。
次の危険生物は、「王子様型」である。
人間ジャングルは本当に奥が深い。
その話はまた今度。
