フェイストレーニングは逆効果なのか
かつて流行した「フェイストレーニング」や「顔ヨガ」は、その後「シワやたるみを悪化させる」と批判されるようになった。
しかし近年、一部では再評価する研究も報告されている。
DS顔トレーニング
15年以上前のことになると思います。
「フェイストレーニング」や「顔ヨガ」が流行った時期がありました。表情筋を鍛えれば顔が若返るという考え方は直感的にわかりやすく、DVDや本が次々と出版されていたように記憶しています。
その頃、ニンテンドーDS用の「DS顔トレーニング」というソフトが発売されました。
家にニンテンドーDSがあったので、しばらく続けていました。
当時は若返りというよりも、表情が豊かになれば人からの印象もよくなるかもしれないと思って続けていました。
逆効果と言われ始めた
ところが、その後は風向きが変わります。
顔のマッサージやトレーニングは、シワやたるみを悪化させる。
そんな話を見かけるようになったのです。
私はその流れをあまり追っていませんでした。
その後、事情があってニンテンドーDSが使えなくなり、鏡の前で口周囲の筋肉を動かす程度になりました。
さらにコロナ禍には、気分転換やメンタルケアになるかもしれないと思い、中古のニンテンドーDSを購入して再びフェイストレーニングをしていた時期もありました。
しかし忙しくなるにつれて自然とやらなくなりました。
最近になって、「今はどう考えられているのだろう」と思い、あらためて調べ直してみました。
すると、予想以上に「逆効果」という情報が増えていました。
なぜ逆効果と言われるのか
批判の理由は比較的シンプルです。
顔の皮膚は約2mmと薄く、摩擦や強い刺激に弱い構造をしています。
そのため、強いマッサージや過度な引っ張りによってコラーゲン繊維が傷つき、シワやたるみを悪化させる可能性があると考えられています。
また、表情筋を繰り返し動かすことで、その方向にシワが刻まれやすくなるという考え方もあります。
ボトックスが筋肉の動きを抑えることでシワを目立たなくするのとは、逆の発想です。
こうした議論から、フェイストレーニングは一時期かなり厳しく批判されるようになりました。
完全に否定されたわけではなかった
ところが、話はそこで終わりません。
2018年、アメリカのノースウェスタン大学の研究グループは、顔のエクササイズを検証した研究を発表しました。
40〜65歳の女性を対象に20週間の顔のトレーニングを行ったところ、頬のふっくら感が改善し、見た目年齢も若く評価されたという結果でした。
考え方としては興味深いものです。
加齢によって顔の脂肪や筋肉が減少するなら、筋肉を鍛えることである程度補えるかもしれないという理屈です。
体の筋力トレーニングと似た発想とも言えます。
ただし、この研究は参加者16名という小規模なものでした。
現時点では「効果があると断言できる」ほど強いエビデンスではありません。
少なくとも、「逆効果だから絶対にやってはいけない」と言い切れる状況でもなさそうです。
情報との付き合い方
フェイストレーニングについて調べていて感じたのは、アンチエイジングの世界では評価が大きく変わることが珍しくないということです。
ある時期には効果があると言われ、次の時期には逆効果と言われる。
そして数年後には、一部が再評価されることもあります。
もちろん、新しい研究によって考え方が更新されること自体は悪いことではありません。
ただ、私たちは「絶対によい」「絶対に悪い」という情報に飛びつきすぎない方がよいのかもしれません。
私自身、フェイストレーニングは若返りだけが目的ではありませんでした。
表情を動かすことで気分転換になったり、メンタル面にもよい影響があったりするかもしれないと思って続けていた時期があったのです。
個人的には、フェイストレーニングを再開する予定はありません。
適切な方法を調べながら続けるほどのモチベーションがないからです。
しかし今回調べてみて、フェイストレーニングそのものよりも、健康情報との付き合い方について考えさせられました。
今回調べてみて感じたのは、健康情報は白か黒かでは語れないということです。
その時点でわかっていることを理解しながら、自分に合う方法を選んでいく。
私は、そのくらいの距離感でアンチエイジングと付き合うのがちょうどいいと思っています。
まとめ
・フェイストレーニングは評価が大きく変化してきた美容法である
・「逆効果」とする考え方だけでなく再評価する研究も報告されている
・現時点では効果を断言できるほどのエビデンスはそろっていない
・健康情報は時代とともに評価が変わることも少なくない
・私は白黒で判断せず、その時点の情報を参考にしたいと思っている
